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令和元年(2019年)12月31日更新

第70回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成31年2月8日(金曜日)
東京都庁第一本庁舎北塔42階 特別会議室B

午後2時02分 開会

○宇賀会長 定刻になりましたので、ただいまから第70回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開会いたします。
本日は、6名の委員にご出席いただいておりますので、審議会規則第4条の規定により本会議は有効に成立しております。
本日は生活文化局の浜局長にご出席いただいております。ここで浜局長からご挨拶をいただきます。
○浜局長 生活文化局長の浜でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様方、本日、東京都情報公開・個人情報保護審議会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
宇賀会長初め委員の皆様方におかれましては、日ごろより都の情報公開・個人情報保護制度の運営につきまして格別のご指導を賜りまして、まことにありがとうございます。
また、本日はご多用にもかかわらず、ご出席をいただきまして、ありがとうございます。
さて、都の情報公開・個人情報保護制度につきましては、昨年度、条例改正を行いまして、閲覧手数料の無料化ですとか、写しの手数料の引き下げ、情報公開におけるICTの活用促進などをこの間規定いたしました。
このうち、情報公開におけるICTの活用につきましては、まず平成29年10月末に、公文書情報を電子データにより無料で提供する「公文書情報提供サービス」を開始いたしまして、これまでに1,600件を超えるご依頼を受けたところでございます。
さらに次のステップといたしまして、現在、開示請求や提供依頼によることなく、いつでも情報を検索・取得することができる新たなシステムの構築の準備を進めております。これにつきましては、後ほど詳しく事務局からご説明を申し上げたいと存じます。
一方、個人情報保護につきましては、ご承知のとおりEUの一般データ保護規則、いわゆるGDPRというものでございますが、こちらにつきまして、ようやく我が国に対しましてEUの十分性認定が得られたということでございます。東京都といたしましても、みずから東京都自身の保有する個人情報保護条例を適切に運用してまいります。
情報公開や個人情報保護に関する都民の関心がかつてなく高まっておりまして、今日の朝の東京新聞にも大きな記事が出ておりましたけれども、都政を都民にとって、より一層身近なものとしていくために、委員の皆様方にはさまざまな見地から今後とも貴重なご意見をいただきたいと存じます。
最後に、都の情報公開・個人情報保護制度につきまして、引き続きご指導、ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
どうもありがとうございます。
○宇賀会長 ありがとうございました。
なお、浜局長は業務の都合によりここで退席されます。
それでは報告事項に入ります。
まず(1) 情報公開を巡る最近の取組について(公文書情報公開システムの構築等)につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○水野部長 都政情報担当部長の水野です。座ったまま失礼いたします。
本来、公文書情報公開システムの構築等につきましてご説明するタイミングなのですが、先ほど局長のほうから申し上げましたように、今日の朝、東京新聞のほうに、情報公開審査会の口頭意見陳述について記事が載りましたので、手元に資料はご用意していないのですが、ご紹介させていただきます。
東京都情報公開審査会につきましては、平成11年に条例を改正してから、口頭意見陳述が一時期結構多かったのですが、ここ10年ほど口頭意見陳述をしていないということを、審議の迅速化の観点から捉まえられまして、都民の権利侵害ではないかというような記事をいただいたところです。
これにつきましては、審査会のほうに、全ての案件につきましてお諮りして、審査会の委員の方にご判断いただいて、実際実施してこなかったというところですが、口頭意見陳述を含めた情報公開全体の仕組みについてのご案内が十分でなかった部分もあるかもしれないので、そのあたりは今後改善していく必要があるだろうということで、この記事を捉まえております。報告については簡単ではございますが、そういった観点でご紹介させていただきました。
よろしくお願いいたします。
○倉田課長 それでは、続きまして、資料のご説明に入らせていただきたいと思います。
資料1、公文書情報公開システムの構築についてをご覧ください。
まずは、このシステムを開発するに至った背景をご説明いたします。
平成29年7月に、情報公開条例を改正しまして、閲覧手数料を無料化するとともに、写しの交付を1枚20円から10円にするなど、交付手数料を減額いたしました。
また、ICTを活用した情報提供についても、条例に盛り込んだところでございます。
これを受けまして、2の概要に記載してございますが、ICTを活用した情報提供の第一弾として、公文書情報提供サービスを平成29年10月に開始いたしました。このサービスは、これまで紙ベースで受け付けていた開示請求をインターネットを通じて行うことができるシステムで、提供する情報も電子データで提供されるため、閲覧手数料も交付手数料も全て無料であることが特徴です。
平成29年10月末から昨年の12月末までの依頼件数は、1,655件となり、一月の平均で約120件程度となっております。しかしながら、このサービスは、目当ての公文書を検索するのにコツが必要であったり、提供する情報の容量に制限があるなど、利便性の向上が求められる声もございました。
そこで、都民が公文書を簡単に検索し、必要なデータを即座に取得可能な新たなシステム、公文書情報公開システムを現在開発中でございます。
このシステムは、いわば開架型の図書館のようなもので、ニーズの高い公文書をあらかじめデータベース化しておき、都民の方が自由に、いつでも公文書情報にアクセスし、入手できるという仕組みでございます。
稼働時期は、平成31年度の早い時期を予定しておりまして、現在は、各局にデータの登録を依頼しておるところでございます。
続いて、項目の3番目をご覧ください。
このシステムで公開予定の公文書ですが、まずは都民ニーズの高い工事設計書や採用試験の問題などを登録する予定でございます。また、現在、都庁舎の3階にございます都民情報ルームにおいて、既に配架されております附属機関の答申書、これには情報公開審査会の答申なども含まれますが、そうしたものを登録する予定でございます。
さらに、「その他公開することが望ましい公文書」として、各種統計データや計画などを登録しておく予定でございます。
この効果でございますが、都民がインターネットを通じて即座に公文書情報を入手できるということで、都政情報へのアクセシビリティーや利便性が向上することが考えられます。
また、副次的な効果として、開示請求件数が減少することで、事務の効率化が図られ、職員の負担が軽減するのではないかと考えております。
簡単ですが、以上でございます。
○宇賀会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきまして何かご質問等ございましたらご発言お願いいたします。
新保委員、どうぞ。
○新保委員 この公文書情報公開システムは、従来、1件ずつ開示していたデータなどについて、ニーズに応じて検索して、調査ができるということで、非常に有益なデータベースと考えられますけれども、この検索の閲覧ができる方法について1点お伺いしたいと思うのですけれども、この検索して閲覧ができる方法としては、特定の検索の用語を入力すると、対象となる文書が表示されるのか。それとも、そもそも例えばこの2番目の都民情報ルームで配架している公文書などは、配架の状態であれば、それは一覧でそのまま全てが公表されているという状況かと思いますけれども、データベースでも例えば一覧で表示がなされるのか。これはどのような形で表示または閲覧が可能となっている仕組み、システムとなっているのでしょうか。
○倉田課長 この検索の方法ですけれども、キーワード検索もできますし、キーワードを組み合わせた複合検索も可能です。さらに一覧表示も可能でございますので、都民の使い勝手のいい、利便性の高いシステムになろうかと思います。
○新保委員 そうすると、質問とあと1点、意見も申し上げてよろしいでしょうか。
最近は、オープンデータの活用について非常にニーズが高い一方、実際に活用・取得できるデータベースというものが、まだ行政のデータベースとして限られているという状況かと思いますけれども、もう一つAIを活用して、最近は、いわゆるビッグデータの利用としてこのオープンデータを活用するという期待が非常に高まっている状況かと思います。
今、お伺いしたところとして、検索語で、複数の検索語で検索することができるということとともに、一覧でデータを取得することができるという仕様になっているということですので、そうすると、今後の期待としては、いわゆるロボットといいますけれども、検索エンジンのロボットと同じですが、ロボットによってデータを、例えば全件取得して、もう一つ公文書情報のデータベースと同じデータベースを民間で作って、さらに新しいサービスを提供するということも、そういったことも可能になるのではないかと思いますので、非常に新しい、そういった公文書を活用したデータの新しいやりとりであったり、そういったサービスの提供というものも非常に期待ができるのではないかという意見も述べさせていただきます。
○宇賀会長 ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、次に(2) 平成29年度東京都の情報公開制度の運用状況につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○倉田課長 続きまして、資料2をご覧ください。
平成29年度の東京都情報公開制度の運用状況についてご説明さしあげます。
まずは、ページの下にございますグラフをご覧いただきたいと思いますが、平成29年度の開示決定等の件数は1万1,858件と過去最高を記録いたしました。グラフを見ますと、平成18年ごろから急激に件数が増加しておりますが、この主な要因は、建設会社等からの工事設計書の開示件数が増えたことなどによるものです。
ページの上にございます囲みの中のポイントをご覧ください。公文書開示決定件数は1万1,858件で前年度より10.1%の増加でした。この主な要因としましては、工事設計書が前年度より1,223件増加したということでございます。また、3行目からの決定内容を見ましても、工事設計書が5,534件で、全体の46.7%を占めており、以下、診療所・施術所台帳、理美容室施設台帳、いずれも商用ベースでの開示請求が半数以上を占めている状況でございます。
続いて、次の丸印ですけれども、公文書情報提供サービスによる情報提供の実績でございます。このサービスは、先ほど資料1でもご説明さしあげましたとおり、条例改正を受けまして、平成29年10月末から運用を開始したものですが、平成29年度で見ますと、受付件数は約5カ月で483件、その後、利用実績が増えておりまして、昨年の12月末で1,655件ということになっております。
受付件数の483件に対して、実際の情報提供件数は319件と少なくなっておりますけれども、これは回答できるデータの容量に制限があったり、複数の局にまたがるような提供依頼ができないなどの条件があるため、依頼を取り下げるというケースが多かったためでございます。この点については、現在構築中の公文書情報公開システムで対応していく予定でございます。
なお、公文書情報提供サービスにおいても、提供内容別では、工事設計書が1位で全体の56.1%、続いて学校法人関係、そのほかには医療法人に係る提供依頼が多くなってございます。
次に、裏のページをご覧いただきたいと思います。
一番上の表は、先ほどご説明した開示決定件数の多いものの内訳でございます。上位5位で全体の54.4%を占めております。
次の表は、参考1ですけれども、公文書情報提供サービスの処理状況で、483件のうち全部提供・一部提供合わせて276件、57%でございます。提供されなかったものは、そもそも保有していなかったデータですとか、あるいは依頼取下げについては、提供サービスでは、都民の方の要望にお応えできなかったものなどでございます。
続いて、参考2の公文書情報提供サービスの提供内容については、先ほどご説明したとおりでございます。
続いて、その次の2ですけれども、不服申立て件数及び情報公開審査会の運営状況についてでございます。平成29年度は、80件の不服申立てがございました。これに対して2つ右の欄の新規諮問ですけれども、これが74件、答申が29件、諮問取下げが4件という内訳になっております。
不服申立て件数と諮問件数が一致していないのは、申立てから諮問までの間に、実施機関に対して弁明書を提出させるなどの手続があるため、数カ月のタイムラグがあるためでございます。
続いて、ページの下にございます3、情報の公表・提供の状況についてでございます。これは各局が情報公開制度によらず都民サービスの一環として自主的に情報を提供した件数です。これには公文書情報提供サービスによる情報提供は含んでおりません。「公表」はプレス発表等により積極的に情報を発信したもの、「提供」は窓口等において、都民の依頼に応じて情報を提供したもので、福祉・保健医療分野のカルテ開示ですとか、あるいは都市づくり分野の都市計画審議会の開催案内などがこれに含まれてございます。
簡単ですが、以上でございます。
○宇賀会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきましてご質問、ご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
○宮内委員 宮内でございます。
容量制限があるために、交付できなかったものというのが幾つか、結構あると聞いているのですけれども、その容量制限ってどのくらいなのかというのと、そういうのは何が多いのですか。やはり工事設計書が多いのか、そのあたり少しご説明していただけますか。
○倉田課長 公文書情報提供サービスについてですが、容量が50メガバイトまでということで、非常に小さい容量でございます。
○宮内委員 1件当たり50メガという意味ですか。
○倉田課長 1件当たりです。そのために容量の多いもの、特に工事設計書は情報提供の依頼件数が多いものですから、これについてなかなか送れないということで、取り下げるというケースが多いようでございます。
○宮内委員 どういう目的で工事設計書を取得しようとしているのかは存じませんけれども、そのあたりが結構ネックになっているということで、今、新しいシステムにしているということ、そう理解してよろしいですか。
○倉田課長 はい。
○宮内委員 ありがとうございました。
○宇賀会長 ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。
○新保委員 今回のこの資料から見ても、開示決定等の件数が非常に多くなっている。この件数の増加が非常に顕著に見られる。特に工事設計書に係る決定が、今回、比率としては非常に高いということから、前の資料1にございました公文書情報開示公開システムの構築によって、今まで従来、開示を個別に実施していたものが、これによって、かなり件数は減るのではないかということが考えられるわけでありますけれども、もう一つ、最近の取組といたしまして、既に昨年9月17日付けの、例えば報道などでも報道なされておりますけれども、AIで公文書を管理するという取組が国のレベルでは、国では例えば防衛省のシステムとしては、2021年度の見通しで現在、AIを活用した公文書管理というもののシステムの構築というものが、検討が進められているところであります。
これほど件数が多くなりますと、探索漏れといいましょうか。開示の対象となる文書の探索漏れでありますとか、あとは開示しない情報について、どのような情報がそれに該当するのかということについての確認がやはりかなり手間がかかるということと、その漏れが生ずるということが、問題としてあるのではないかと思われるわけです。
そこで最近はAIを活用して公文書の一元管理を行うという取組が進んでおりますけれども、問題はこの経費として防衛省も558億円を概算要求したという状況で、非常に高額の費用がかかりますので、一方で、AIを活用したこういった公文書管理というものは、将来的には非常にニーズが高く、行政事務の効率化だけではなく、確実性を担保するという上でも、非常に有益な仕組みと考えられますけれども、もう一つの問題としては、現状ではやはり非常に高額の費用を要するということで、将来的には、こういったものも導入するということも検討すべき課題ではあるかと思いますけれども、費用と効果の面も両面も考えた上で、今後ご検討いただきたいという意見を述べさせていただきたいと思います。
○宇賀会長 ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、次に(3) 平成29年度東京都の個人情報保護制度の運用状況について、事務局から報告をお願いいたします。
○倉田課長 それでは、資料3、平成29年度東京都の個人情報保護制度の運用状況についてをご覧ください。
こちらもページの下のグラフをまずご覧いただきたいと思いますが、平成29年度は2,703件、こちらも過去最高を記録してございます。
この内容としましては、ページの上の囲みの中、ポイントをご覧ください。1行目の後半に記載がございますが、平成28年度は2,464件だったにもかかわらず、平成29年度には2,703件と前年度に比べて9.7%増加しております。この要因は、さまざま考えられますが、近年、SNSなどによる個人情報漏えい事件や国民の個人情報保護に対する意識の高まりなどの影響を受けたものではないかと推察しております。
次の丸印に実施機関別の内訳を記載してございますが、一番多いのは、警視総監における決定件数、いわゆる警視庁に対する請求でございます。この内容は、下に記載がございますが、生活安全相談関係、いわゆるDV被害に対する相談記録の開示請求、それに110番処理に関する記録の開示請求が多くなっております。そのほかには診療情報関係、いわゆるカルテ開示が16.8%を占めております。
囲みの下にございます1の(1) 保有個人情報を取り扱う事務の届出状況ですが、新たに個人情報を取り扱う事務を開始した際などには届け出ることになっておりまして、平成29年度は、145件の事務が始まりました。この中には、情報公開課が運用を始めました公文書情報提供サービスも含まれております。
その下の(2) 開示・訂正・利用停止請求の処理状況についてですが、表の真ん中あたり、「訂正」という欄がございますけれども、こちらは自分の個人情報の記載に誤りがある場合は、みずから訂正の請求をできるというものでございます。平成29年度の2件は、いずれもカルテに記載されている自分の情報の訂正請求でしたが、訂正の必要なしとの決定でございました。
次のページをご覧ください。
上の表は、先ほどお話しさせていただきました開示決定等の内容別の上位5位です。生活安全相談や診療情報のほかに、4位に最近話題となっております児童相談関係が増えております。これは子どもが児相に保護された際に児相の記録を求めるといった内容が多くなってございます。
続いて、その表の下、2、特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)の表をご覧ください。平成29年度にマイナンバーを含む個人情報を取り扱う事務を新たに開始した件数は16件でした。この内容は、高校の就学支援金給付事務など所得制限のある給付金等についてマイナンバーを利用しているものでございます。
続いて、(2) のマイナンバーを含む開示・訂正・利用停止の請求は、平成29年度はございませんでした。
続いて、3、不服申立て件数及び個人情報保護審査会の運営状況についてです。平成29年度は、63件の不服申立てがあり、新規諮問は55件、これに対して29件の答申がありましたが、複数の案件をまとめて答申を出したケースもございますので、諮問件数に対する件数としては括弧内の39件となります。
最後に、4、相談の受付状況でございますが、平成29年度は461件の個人情報に関する相談がございました。前年度の408件よりも53件多くなっておりますが、これは個人情報保護法が改正されたために、その内容について個人の方からのお問い合わせが多かったためでございます。
説明は、以上でございます。
○宇賀会長 それでは、ただいまの報告につきまして、ご質問、ご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
○神橋委員 よろしいでしょうか。今、児童相談関係のお話がありましたけれども、個人情報保護審査会のほうでも、法定代理人で親が情報請求するという事件がありまして、非常に審議等には慎重を期したというふうに承っています。昨今いろいろ不幸な事件もあったところですけれども、今後、まず開示の段階で、そういういろいろな複雑な状況というものをどういうふうに捉えて、迅速に判断するかという取組とか、そういったことについて、もちろんそれを整備していただきたいという要望は一つございますけれども、その辺については、対応はいかがでございましょうか。
○倉田課長 児相関係の開示請求につきましては、親が子の法定代理人として請求してくるというのと、それから親が自分の情報、本人開示という2つの情報開示をセットで申し出ることが最近多くなっておりまして、特に子どもが親の情報を話しているような記録がある場合には、利益相反という形で慎重に開け閉めを判断してございます。
今後もそういった請求関係が多くなろうかと思いますので、個別の開け閉めの判断については、今後とも慎重に検討してまいりたいと思っております。
○神橋委員 特に今回、新聞報道等によりますと、かなり親が圧力的な対応に出てくるということで、行政の窓口等でそういう一種の行政対象暴力と言えば言い過ぎかもしれませんけれども、かなりそういう圧力的な場面もあるのではないかというふうに思っておりまして、その辺も含めてご検討いただければというふうに思います。
以上です。
○宇賀会長 ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、次に(4) 存否応答拒否について、事務局から報告をお願いいたします。
○村田課長代理 報告させていただきます。情報公開課の村田でございます。
存否応答拒否につきましてご報告いたします。
資料4をご覧ください。存否応答拒否一覧表となってございます。
存否応答拒否についてですが、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は当該公文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができると条例に規定されております。
そして、存否応答拒否をした場合は、東京都情報公開・個人情報保護審議会へ報告することとされております。
それでは、前回報告以降の存否応答拒否の事案につきまして報告させていただきます。
情報公開条例に基づく存否応答拒否は57件、個人情報保護条例に基づく存否応答拒否は4件の合計61件を一覧表にいたしました。最後のページは、存否応答拒否に関する関係条文の一覧でございます。
まず情報公開条例に関するものをご報告させていただきますが、件数が多くなっておりますので、非開示情報ごとにご報告させていただきます。
まず条例7条2号の個人情報に関するものについてご報告いたします。
1番をご覧ください。本件は特定の住所地、日付を指定し、特定の個人の自殺に関する報告を請求するものでございますので、存否を明らかにしますと、その個人の自殺の有無が明らかとなるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他に条例7条4号及び6号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
次に、5番をご覧ください。本件は、警視総監が精神科等を受診した記録を請求するものでございますので、存否を明らかにしますと、特定の個人が精神科等へ受診したか否かが明らかになるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他に条例7条6号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
このように存否を明らかにしますと、個人に関する情報が明らかになるものにつきましては、条例7条2号に規定します非開示情報を開示することとなるとして、存否応答拒否としております。
他にも同様の理由により存否応答拒否としたものは、一覧表の4番、6番など多数ございます。
続きまして、条例7条3号の事業活動情報に関するものについてご報告させていただきます。
2番をご覧ください。本件は、特定の法人を指定し、その法人が提出した文書を請求するものでございますので、存否を明らかにいたしますと、東京都が文書を収受した事実や、法人が東京都に対して行った意思表示の有無などが明らかとなるため、存否応答拒否としたものでございます。
次に、3番をご覧ください。本件も特定の法人を指定し、その法人に対する苦情や行政対応の記録を請求するものでございまして、存否を明らかにいたしますと、特定の法人に係る苦情等の有無が明らかとなるため、存否応答拒否としたものでございます。
このように存否を明らかにいたしますと、法人等の競争上の、または事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められる情報が明らかになるものにつきましては、条例7条3号に規定する非開示情報を開示することになるとして存否応答拒否としたものでございます。
他にも同様の理由により存否応答拒否としたものは、一覧表の中では19番、22番、23番などがございます。
次に、条例7条4号の犯罪の予防・捜査等の情報に関するものについてご報告いたします。
3ページの15番をご覧いただけますでしょうか。本件は、特定の個人が告訴した事件に関する文書を請求するものでございまして、存否を明らかにいたしますと、特定の個人が事件の関係者であることや、事件の捜査状況等が明らかとなるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他にも条例7条2号及び6号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
次に、16番をご覧ください。本件は特定の個人が警察署に持参した脅迫状のような手紙について請求するものでございますので、存否を明らかにいたしますと、特定の個人が事件の関係者であることや、警察における事件の認知状況等が明らかとなるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他に条例7条2号及び6号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
このように存否を明らかにいたしますと、犯罪の予防、捜査、その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報につきましては、条例7条4号に規定する非開示情報を開示することとなるとして存否応答拒否としております。
他にも同様の理由により存否応答拒否としたものは、一覧表の1番、25番、39番となります。
次に、条例7条6号の行政運営情報に関するものについてご報告いたします。
次のページの19番をご覧いただければと思います。本件は、特定の法人の特定の自動車に係る自動車税について、納付書の送付先に関する情報を請求するものでございますので、存否を明らかにいたしますと、当該法人以外の送付先の有無が明らかとなり、納税者との信頼関係が損なわれ、今後、税務行政に支障を及ぼすおそれがあるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他に条例7条3号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
次のページの29番をご覧いただけますでしょうか。本件は特定の学校でのいじめ事件に関する調査報告書を請求するものでございますので、存否を明らかにいたしますと、いじめの有無が明らかとなり、いじめに係る相談や情報提供が消極的になるなど、いじめ防止に係る事務に支障を及ぼすおそれがあるため、存否応答拒否としたものでございます。本件は他にも条例7条3号に規定する非開示情報にも該当するとしております。
このように存否を明らかにいたしますと、東京都や国などの事務、または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報につきましては、条例7条6号に規定する非開示情報を開示することとなるとして存否応答拒否としております。
他にも同様の理由により存否応答拒否としたものは、一覧表の5番から11番や13番から16番などでございます。
続きまして、個人情報に関する存否応答拒否の4件についてご報告させていただきます。
10ページの一番下の1番からが個人情報になりますが、本件の請求に係ります保有個人情報の有無を答えることによりまして、請求者以外の特定の個人による保健所への相談の有無が明らかとなり、相談の事務に支障を及ぼすおそれがあるため、条例16条6号に規定する非開示情報を開示することとなるとして、存否応答拒否としたものでございます。
次のページの2番をご覧ください。本件は、請求者以外の特定の個人が警察署に相談に行ったことを前提とする請求でございますので、本件の請求に係ります保有個人情報の有無を答えることによりまして、請求者以外の特定の個人が警察署に相談した事実の有無が明らかとなり、相談業務に支障を及ぼすおそれがあるため、条例16条2号及び6号に規定する非開示情報を開示することとなるとして、存否応答拒否としたものでございます。
次に3番をご覧ください。本件は、請求者以外の特定の個人を指定した請求となりますので、本件請求に係ります保有個人情報の有無を答えることによりまして、請求者以外の特定の個人の通院歴が明らかとなり、病院の事務に支障を及ぼすおそれがあるため、条例16条2号及び6号に規定する非開示情報を開示することとして、存否応答拒否としたものでございます。
最後に4番をご覧ください。請求者以外の特定の者が警察署に相談したことを前提とする請求でございますので、本件の請求に係ります保有個人情報の有無を答えることによりまして、請求者以外の特定の者が警察署に相談した事実の有無が明らかとなり、相談業務に支障を及ぼすおそれがあるため、条例16条2号及び6号に規定する非開示情報を開示することとなるとして、存否応答拒否としたものでございます。
報告につきましては以上となります。
○宇賀会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきまして、ご質問あるいはご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
○藤原会長代理 一つ教えてください。
存否応答拒否の中身ではないのですけれども、一覧表の5番から16番、情報公開です。この5番から16番は、それぞれ別の異なる方による請求なのか。あるいは、同一の方による、請求人が同一なのか、それぞれ違うのかという、それだけ一つ教えていただけますか。
○村田課長代理 5番から14番につきましては、同じ日の請求でございます。同じ方ということでございます。
○藤原会長代理 それで結構です。ありがとうございました。
○宇賀会長 ありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。
○宮内委員 大変細かいことを聞きたいのですけれども、43番の公開のところで8ページですか。すごく細かいことなんですけれども、これ、自分の会社に対する苦情相談があるかということで出てきているように見えるのですが、これ7条3号というのは、公開すると、一定の会社等の法人に不利益あるようなものなんですけれども、自分のところが言ってきている場合でも、そこに当たるということになるのですか。
○村田課長代理 情報公開条例、どなたでもできるということですので、自分の会社だからといいましても、第三者と同じような扱いとしまして、広くこの苦情が、特定の会社に苦情などが、相談があるというのは、不利益情報になると思われますので、存否応答拒否とさせていただいております。
○宮内委員 要するに当事者の同意があっても、それは出さないということになっているという理解でよろしいですか。
○村田課長代理 そのとおりでございます。
○宮内委員 分かりました。ありがとうございます。
○宇賀会長 では、新保委員、どうぞ。
○新保委員 質問の内容としては、一つの項目について2点の質問ですけれども、公務員の不祥事に関する情報についての公表についての質問であります。
具体的には、警視庁に対する開示請求についての存否応答がかなり多いというところで、とりわけ、例えば具体的には12番などは、警察官についての訓告・戒告・厳重注意等の処分を受けた者の資料というものについての存否応答ということが、この資料に記されておりますけれども、質問が2点でありまして、一つは東京都として公務員の懲戒処分でありますとか、こういった非違行為についての公表基準というものが具体的に存在するのかどうか。例えば国会の質問趣意では、過去に、各府省庁に対する懲戒処分についての具体的な公表基準が、各省庁が定めているかどうかということについて、一律の基準はないという回答が過去にございましたけれども、東京都につきましては、この公表基準として具体的な基準が存在するのでしょうか、というのが1点目であります。
それから、公務員の不祥事等についての懲戒処分に係る情報について、今回、10条の存否応答拒否という形での存否応答をそもそもしないという判断に至っておりますけれども、これは7条の非開示または一部非開示または全部非開示も含めて、7条の非開示に該当する情報として判断せずに、10条の存否応答にした理由はなぜかという2点についてお伺いしたいと思います。
○村田課長代理 まず東京都の公表基準でございますけれども、懲戒処分の指針というものがございまして、職員の懲戒処分の公表基準というものがございます。「東京都知事が地方公務員法に基づき、職員の懲戒処分を行った場合は、下記の基準により公表する。」ということでございまして、1、公表基準、「(1) 地方公務員法に基づく懲戒処分(免職、停職、減給又は戒告)」ということでございます。「(2) 管理監督者の職にある者の非違行為に対して、懲戒処分と併せて行った分限降任処分」ということと、あと、これらのもので、「特に都民の関心の大きい事案又は社会に及ぼす影響の著しい事案」について公表するということになっております。
これはあくまでも東京都の基準でございまして、…警視庁のものとは少し異なるものということで聞いております。ですので、こちらのほうにつきましては、警視庁のものにつきましては、全てが懲戒処分にしたものが公表されるというものではございません。そのため、特定の警察署に対するものにつきましては、その有無を答えるだけでその警察官の権利利益を侵害するといったものと思われますので、懲戒処分に関するものにつきましては、存否応答拒否とさせていただいているところでございます。
以上でございます。
○宇賀会長 よろしいですか。
ほかいかがでしょうか。
○神橋委員 今、警察官が別建てというのは、これは国家公安委員会の関係でしょうか。
○村田課長代理 公表基準というものが……。
○神橋委員 ちょっと任用形態が特殊なので、別建てになっているという理解でよろしいでしょうか。
○藤原会長代理 いやいや、都道府県警察だから、階級によって違いますよ。
○神橋委員 いや、もちろんそうですけれども、別建てになっているというお話だったので、その関係。
○佐長課長 警察庁における懲戒処分の公表の指針に準ずる形で、警視庁も対応しており、警視庁独自の懲戒処分の公表指針というものを規定しているということではないようです。
○神橋委員 そうですか。
○宇賀会長 よろしいでしょうか。
ほかいかがでしょうか。
ほかよろしいでしょうか。
それでは、次に(5) 保有個人情報・特定個人情報取扱事務届出事項(新規開始事項)につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○池崎課長代理 情報公開課の池崎と申します。ご報告申し上げます。
個人情報保護条例第5条、または特定個人情報保護条例第16条に基づきまして、各局等が保有個人情報または特定個人情報を取り扱う事務を開始する際に、知事に必要な事項を届けるというものでございます。
お手元の資料5をご覧ください。横長にしてご覧いただく資料でございます。
まずは1番の保有個人情報取扱事務届出事項でございます。前回の審議会でのご報告以降の平成29年10月から平成30年8月までの間に届け出があったものの件数でございますが、合計で152件ございました。それぞれの事務の内容でございますけれども、本日、今、ご覧いただいている資料とは別に「参考資料」という冊子を机上に置かせていただいておりますが、この中の参考資料5に一覧表としてまとめさせていただいております。月ごとにまとめさせていただいております。
続きまして、横にしてご覧いただく資料5のほうにお戻りいただきたいと存じますが、2番、特定個人情報取扱事務届出事項でございます。こちらにつきましても同じく平成29年10月から平成30年8月までの間に届け出があった件数を掲載してございますが、総数で15件でございました。こちらの事務の内容につきましても、先ほどご案内申し上げました参考資料のほうの、今度は6に一覧表をご用意させていただいておりますので、ご参照いただければと存じます。
保有個人情報・特定個人情報、いずれにつきましても、届出事項について審議会の委員の先生方に既にご確認をいただいたところではございますけれども、意見をいただいたものは特にございませんでした。
報告については以上でございます。
○宇賀会長 それでは、ただいまの報告につきまして、ご質問やご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
特によろしいでしょうか。
それでは、次に(6) 特定個人情報保護評価部会からの報告につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○八杉代理 情報公開課、八杉と申します。
特定個人情報保護評価部会からの報告をさせていただきます。
本日は、平成29年2月以降に頂戴いたしました答申につきましてご報告いたします。
お手元の資料6、こちらが評価部会でご審議いただきました評価書の一覧でございまして、参考資料のほうの7、こちらが各評価書に対する答申となってございます。
ご審議いただきました評価書としましては、平成29年2月の評価部会でご審議いただいた1)高等学校等就学支援金支給事務(都内私立学校)に係る特定個人情報保護評価書、こちらから10)平成30年10月の評価部会でご審議いただきました地方税の賦課事務(固定資産税(償却資産))に係る特定個人情報保護評価書、こちらまでの10本の評価書となってございます。
審議結果としましては、この10本全ての評価書においてリスクを軽減するための適切な措置をおおむね講じていると認められるという審議結果を頂戴しております。またご審議いただいた評価書に対する主なご意見としましては、各システムに係るアクセス権限の更新等を適正に管理することや、事務運営上発生いたします外部記録媒体の保管データやデータ消去に関する厳格な管理についてなどのご意見を頂戴しております。更新の詳細な内容につきましては、後ほど参考資料のほうをご確認いただければと存じます。
特定個人情報保護評価部会からのご報告は以上でございます。
○宇賀会長 それでは、ただいまの報告につきまして、ご質問やご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
特によろしいでしょうか。
それでは、本日の報告事項は以上となりますが、藤原会長代理が今回をもって委員をご退任されるとのことです。藤原委員は14年の長きにわたり、東京都情報公開・個人情報保護審議会の委員を務められ、都政に多大な貢献をされました。最後に一言いただければ幸いです。
○藤原会長代理 発言の機会を与えていただいてありがとうございます。一言ご挨拶申し上げます。着座のままで失礼いたします。
まず長い間、東京都の情報公開・個人情報保護関連の制度運営に参加できましたことに御礼申し上げます。制度運用の部会だけではなく、住基ネットの運用でありますとか、特定個人情報保護評価、番号法関連の部会にも参加させていただいて、大変勉強になりました。支えていただいた、ここにいらっしゃらない方々も含めて、事務局の方に心より御礼申し上げます。
1つだけ思い出話をさせていただきますと、私は東京都の情報公開・個人情報保護といいますと、制度の運用のこの審議会で14年委員をやらせていただいて、勉強させていただいたのですけれども、実は、平成9年ですから1997年ごろの最初の大改正のときの、立法過程のことが一番思い出に残っております。東京都は、昭和59年ですから、1984年に条例を作られて、12年ぐらい回して、国の情報公開法ができるということで、それに合わせて条例の改正のための委員会等を立ち上げたわけです。そこに、隣にいらっしゃる宇賀先生と一緒に参加させていただいて、随分前で、2人とも血気盛んなころだったので、小委員会等で、時の座長、委員長に、こういうのがいい、こういうのがいいと、2人でいろいろ要望したことが一番の思い出です。
その中で、本日、実現しました情報提供施策に近いことはかなり申し上げてあるのです。例えば複数回、開示請求があり公開されたものについては、提供施策のほうに回したほうがいいのではないかというような提案を初め、今日の萌芽的なことはあの時なり議論した記憶があります。
東京都は、その後、いろいろな施策を打ってこられたのですけれども、個人的な希望としては、常に他の地方公共団体より一歩先を歩まれて、他の地方公共団体の参考になるような施策を実施していただきたいなと思います。この審議会がその核になっていただければいいなと、個人的に思っております。
どうもありがとうございました。
○宇賀会長 藤原委員、どうもありがとうございました。
本日の議事として予定したものは以上ですが、委員の皆様から何かございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
事務局から何かございますでしょうか。
○倉田課長 特にございません。
○宇賀会長 それでは、以上をもちまして本日の審議を終了いたします。
どうもありがとうございました。

午後2時56分 閉会

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