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平成29年(2017年)2月7日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第28回議事録)

第28回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成17年8月1日(月曜日)
東京都第一本庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 三森参事(都政情報担当)
    おはようございます。皆さんお暑い中、またご多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
    ただいまより、東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    都政情報担当参事の三森でございます。よろしくお願いいたします。
    開会に先立ちまして、私からご報告をさせていただきます。
    本審議会につきましては、情報公開制度及び個人情報保護制度につきまして7名の委員でご審議をいただいております。委員の任期につきましては2年でございまして、ことしは改選の年に当たっておりますが、4月から4名の方に引き続きご就任をいただきまして、新しく秋元洋子委員、中村輝子委員、藤原靜雄委員の3名の方に当審議会委員をお引き受けいただきました。ありがとうございました。
    本日は、任期が改まりまして1回目の審議会でございまして、新たに会長及び会長代理が選任されるまで、私が進行を務めさせていただきます。
    それでは、ただいまから第28回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開会いたします。
    最初に会長の選任についてでございます。会長の選任につきましては、東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第3条によりまして「委員の互選によりこれを定める」と定められております。大変恐縮ではございますけれども、事務局提案といたしまして、会長及び会長代理につきましては、今まで務めていただきました堀部委員に会長を、また高橋委員に会長代理をお願いしたいと考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 三森参事
    ご賛同いただけたということで、皆さん、ありがとうございます。
    それでは、堀部会長、また高橋会長代理ということで、よろしくお願いしたいと思います。
  • 三森参事
    これからの進行につきましては、堀部会長にお願いしたいと思います。堀部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ただいま会長に選出されました。引き続き会長を務めさせていただきます。
    東京都情報公開・個人情報保護審議会自体は、まだそれほど歴史は古くないのですが、現在の情報公開条例のもとになります条例が昭和59年に制定されました。昭和60年4月1日から施行されましたが、その条例をどのようなものにするのかという懇談会の委員を務めました。また、個人情報保護条例につきましても、懇談会でどのようにするのかというのが、平成になってからでしたけども、議論されまして、それにも参加し、平成2年に条例が制定されて、3年の4月から個人情報保護委員会というのができ、その委員も務めてまいりました。ということで、東京都の情報公開・個人情報保護には随分長い間いろいろなことでかかわってきた経験もありますので、微力ながら全力を尽くして会長職を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
  • 高橋会長代理
    高橋でございます。引き続き会長代理を務めさせていただきます。
    堀部さんが非常にしっかりやっていただけるので、私の方は特に心配する必要はないなと思っていますけども、今日は東京都庁の文化が政府と相当違うなということを知りまして、びっくりしております。政府の方の会議で、当初は大学の先生だけは世間の動きに抵抗していますねと冷やかされたと。つまり、ネクタイをつけて暑い盛りに背広を着て行っていたんですけれども、政府の方ではクールビズということで、官僚の方々はみんなそういうスタイルでおられまして、特に抵抗する気もなかったんでそれ以降はこういう格好でいたんで、都庁もそうかなと思って来ましたら、都庁は全然違う文化でびっくりしました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。先ほど三森参事からご紹介がありましたように、この審議会は継続しているという理解のもとに運営されてきていまして、今回、3人の方が新たに委員になりました。委員名簿がお手元にありますので見ていただきたいと思うんですが、新しく委員に就任された方に簡単にごあいさついただきたいと思いますが、あいうえお順で秋元委員、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
  • 秋元委員
    東京都地域婦人団体連盟と申します消費者団体から出させていただきました秋元洋子と申します。よろしくお願いします。
    私は、こういうところに出てくるのは本当に場違いといいますか、不慣れといいますか、やったことがございませんので、皆様からいろいろ教えていただきながら、また消費者からの意見をどういうふうにうまく皆さんにお伝えできるのかどうかわかりませんが、務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    それでは、次に中村委員、お願いいたします。
  • 中村委員
    中村輝子と申します。私はもう1つの方の情報公開審査会の委員もやっております。以前共同通信におりましたころから審査会の方に加わっておりました。今度は審議会で、さらにベーシックな議論になるのだろうと思いますけれども、できる限り審査会の現場での経験なども踏まえて、いささかなりともご協力できたらと思っております。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それでは、藤原委員お願いします。
  • 藤原委員
    筑波大学の藤原と申します。東京都の情報公開・個人情報保護の関係では、平成12年に改正・施行されている情報公開条例のときに委員と小委員を務めさせていただきました。あと都議会の議長のもとに置かれる情報公開に対するアドバイザー的なものも務めさせていただいております。ここで情報公開・個人情報保護……個人情報保護関係でも、東京都はいろいろと勧告・提言を研究の面から見てもおもしろいものを出されたりしておられるので、十分に勉強させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
    この審議会は出席いただいた7名で構成されますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、引き続きまして、事務局から報告をお願いいたします。
  • 三森参事
    それでは、前回は本年2月に審議会を開催致しました。それ以降、事務局職員に人事異動がございましたので、ご報告いたします。
    情報公開課長の武市玲子でございます。
  • 武市情報公開課長
    武市でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 三森参事
    情報公開係長の高橋葉夏でございます。
  • 高橋情報公開係長
    高橋葉夏です。よろしくお願いいたします。
  • 三森参事
    個人情報担当係長の磐井一弘でございます。
  • 磐井個人情報担当係長
    磐井でございます。よろしくお願いします。
  • 三森参事
    人事異動のご報告につきましては以上でございます。今後とも事務局職員、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。事務局にいろいろ支えていただいていますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。
    議題の3は、住民基本台帳ネットワーク部会委員の指名になっております。部会委員は、情報公開条例第34条第6項に基づきまして、審議会で指名することになっております。これまで部会は審議会委員3名及び専門調査員1名の計4名により構成されておりました。これまでメンバーは私と高橋委員、それから能見委員と専門調査員の山口委員でした。能見委員の後任として藤原委員を指名したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。ということで、高橋委員、私と藤原委員と3人で住民基本台帳ネットワーク部会委員を務めさせていただきます。
    住民基本台帳ネットワークにつきましては、実施約2年たったところでありまして、いろいろ注目されていますし、また東京都内におきましては、参加していない自治体もあるという状況もありまして、この部会でいろいろ議論をしてきております。部会の議論につきましては、報告などさせていただきたいと思いますが、そのようなことで、部会は部会として、独自に開くことになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
    それでは、そういうことで進めさせていただきます。
    次の議題の4の報告事項が5つありますので、これらにつきましてご説明いただきたいと思います。
    まず(1)の個人情報保護関係規程等の整備につきまして、武市課長からお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、個人情報保護関係規程等の整備につきまして説明させていただきます。
    東京都個人情報保護条例等につきましては、前回の審議会で説明させていただいたところでございますが、東京都では、さらにこの4月の施行に向けまして、本日お配りしております資料8のようなパンフレットを作成いたしましたり、それから説明会を開催し、普及に努めてまいったところでございます。また、それと並行いたしまして、個人情報保護関係規程につきまして整備をしてまいりました。その1つが東京都個人情報取扱事務要綱でございます。
    資料1をお開きいただければと存じます。
    第1の趣旨にございますように、条例に定める事務処理は、別に定めのある場合を除き、新たに設けましたこの要綱で定めることとしております。
    要綱の第2には管理体制とございまして、これは庁内における個人情報の管理体制を強化しようと各課の課長を個人情報管理責任者と定めまして、この個人情報管理責任者が各課において保有する個人情報の適正な管理について責任を負うとともに、所属職員を指揮監督することとしております。
    また、各課におきましては、定期または随時に保有個人情報の管理状況等についてみずから点検を行うこととしており、不適切な点がある場合は直ちに是正措置を講ずることとしております。
    おめくりいただきまして2ページでございます。保有個人情報の管理につきましては、施錠できる保管庫等で保管し、盗難、紛失、不正アクセス等がないよう適正管理し、廃棄する場合には、個人情報の復元または判読が不可能となるようにすることとしております。
    さらに、実際に個人情報を取り扱い、日々業務を行いますのは職員でございますので、それぞれの職員に対しまして、個人情報保護の重要性及びセキュリティー対策等を徹底するために指導、教育することとしております。
    要綱の第3は報告事項でございます。
    実施機関は、個人情報を収集するときは本人から収集しなければならないこととされておりますが、条例第4条第3項には、その例外となる場合が定められております。また、条例第10条第2項では、保有個人情報の目的外利用や提供が定められておりまして、例えば、本人の同意があるときですとか、法令等に定めがあるときは目的外利用、提供をすることができることとなっております。ただし、これらはいずれも例外でございますので、その実績等につきまして、要綱で報告義務を定めたものでございます。
    さらに、保有個人情報の開示、訂正請求があった場合や、また今回の条例改正によりまして、新たに設けられました利用停止の請求があった場合には、請求件数及び決定内容につきまして、情報公開課に報告することとしております。
    存否応答拒否事案につきましては、事前に情報公開課に照会するとともに、本審議会への報告を義務づけております。また、事故等があった場合にも直ちに情報公開課に報告いただくこととしております。
    これら報告事項の詳細につきましては、後ほど四半期の実績とあわせまして説明させていただきます。
    第4は審議会の意見聴取でございます。3ページになります。
    審議会はこれまで個人情報保護制度のあり方について諮問を受けて、審議、建議いただく機関とされており、制度の具体的運用について関与いただくことにはなっておりませんでしたが、このたび審議会の権能を拡充し、具体的な制度運営について助言し、または報告を受けるなど、一定の関与を行うことが適当との答申をいただきまして、条例、審議会規則が改正されたところでございます。この要綱でも、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を新たに開始するとき、また、法もしくは条例の規定により、事業者に対して勧告、もしくは命令を行おうとするときは原則として審議会の意見を聞くこととしております。
    おめくりいただきまして、4ページでございます。第5は苦情相談についてでございます。
    本年4月1日、個人情報の取り扱いについて総合的な相談・苦情に応ずる窓口といたしまして情報公開課に総合窓口を設けました。そのほか、東京都消費生活総合センター、生活文化局広報広聴部都民の声課及び各局等において相談・苦情を受け付けているところでございます。相談等の実績につきましても、後ほど報告させていただきます。
    5ページでございます。第6は事業者指導です。
    民間事業者の取り扱う個人情報の苦情処理についてはこれまで行っておりませんでしたが、法律の規定の及ばない保有する個人情報が5,000件以下の事業者についても、個人情報の適正な取り扱いは当然に図られるべきとの考えから、このたびの条例改正できちんと規定されたところでございまして、苦情の処理についても追加されました。都は、事業者の取り扱いについて苦情があった場合には、その迅速かつ適切処理に努めなければならず、必要に応じて説明、または資料の提出、助言及び勧告もできるようにしましたことから、事務取扱要綱にも整理させていただきました。
    続きまして、「事業者が保有する個人情報の適正な取扱いに関する指針」についてご説明します。
    資料2の方になります。この指針は、個人情報保護法が定める個人情報取扱事業者に該当せず、また関係省庁が示している特定分野に関するガイドラインも適用されない事業者においても、個人情報の適正な取り扱いに万全を期すことができるように定めたものでございます。この指針につきましては、現在、都のホームページで提供しておりますほか、事業者主催の説明会でもお知らせしているところでございます。
    おめくりいただきまして、目次をごらんください。
    指針は三部構成になっておりまして、1つは、先ほど申し上げましたこの指針の趣旨、2つ目が個人情報の適正な取り扱いのために事業者が守るべきルール、3つ目に東京都が行う苦情の処理となっておりまして、2つ目の事業者が守るべきルールが中心になっております。
    このルールは利用目的から始まりまして、個人情報の取得、データの管理、従業者の監督、委託先の監督、第三者への提供、保有個人データの公表、開示・訂正・利用停止、苦情の処理を示しております。
    2ページをお開きください。
    個人情報の利用目的では、目的をできる限り特定することですとか、利用目的を変更したときは本人に通知することですとか、本人の同意をどのような場合に必要とするのかといったことをお示ししております。
    5ページをお開きください。
    個人情報の取得のところでは、個人情報を取得するときに偽りその他の不正の手段で取得してはならないことですとか、利用目的をあらかじめ公表していない場合は個人情報取得後、速やかに本人に通知するか公表すること等をお示しし、また、一方で利用目的の本人への通知や公表を必要としない場合を定めております。
    続きまして8ページでございます。
    この指針におきまして、個人データというのは、個人情報データベース等を構成する個人情報を指しておりますが、事業者はそれを正確かつ最新の内容に保つよう努めること、個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止等の措置を講じることを明記しておりまして、具体的には説明といった中で組織的、人的、物理的、技術的な安全管理をお示ししているところでございます。
    10ページ、そして11ページは、事業者が従業者や委託先の監督を行わなければならないことを挙げております。
    13ページをお開きください。これは第三者への提供です。
    事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはなりませんが、例外となる場合を列挙してございます。また、どのような場合にはこの第三者に当たらないのかということをお示ししています。
    16ページでございます。保有個人データの公表では、どのような事項を本人の知り得る状態に置かなければならないのか、本人からデータの利用目的の通知を求められたときはどうすればよいのか等を記載しております。
    18ページでは、保有個人情報データの開示・訂正・利用停止につきまして本人から開示を求められたときはどのようにしたらよいのか、それぞれの場合に応じて記載しているところでございます。
    飛びまして、23ページは苦情の処理についてでございます。
    事業者は、個人情報の取り扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければなりません。そのための苦情処理窓口の設置や処理手順など体制の整備も求められているということでございます。
    なお、おめくりいただきまして24ページは、東京都が行う苦情の処理についてでございます。条例の規定により事業者から事情を伺う場合があったり、説明及び資料の提出を求めたり、さらに不適正な場合には助言や勧告、事実に関する情報を都民に提供することを明記しております。
    以上、長くなりましたが、事務取扱要綱と事業者向け指針につきまして説明させていただきました。東京都といたしましては、今後とも個人情報の適正管理に万全を尽くしてまいりますとともに、各種啓発活動、それから広報等、機会をとらえまして広く理解を促進し、支援してまいりたいと存じます。
    説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまご説明いただきました個人情報保護関係規程等の整備につきまして、何かご質問、ご意見等がありますでしょうか。
    この資料1の「東京都個人情報取扱事務要綱」で、これまでに加えてかなりいろいろなことを都としても行わなければなりませんし、またこの審議会がかかわるところも出てきていますし、資料2の「事業者が保有する個人情報の適正な取扱いに関する指針」も、以前にもつくりましたが、それよりもはるかに充実したものになってきていまして、東京都としては、特に個人情報保護法の適用を受けない個人の数が5,000以下の事業者、これについても対応していくというのが条例改正の中でも出てきていまして、それに応じてこうした指針でいろいろ守っていただくということでもあります。後ほど相談の概況についてご説明がありますが、それとも関連はしてきますけども、このような形で規程等についての整備が進んできておりますが、いかがでしょうか。
    では、渡邊委員、どうぞ。
  • 渡邊委員
    今、個人情報の事務要綱のお話があったんですが、具体的に職員の皆さん等への周知徹底とか、また、こういう資料の保管庫を用意しなければいけないとかいったところが出てきます。また、今日も新聞に出ていましたけど、パソコンを電車の中に置き忘れてなくなったり、車の中に置いてなくなったり、いろんな事例が出てきているんですけども、具体的にこういう事務要綱で出されることによって、職員の皆さん等への指導とかいったところが、具体的な例示でどういうことをやってきたのか教えていただけますか。
  • 三森参事
    今、ご質問がありましたように、各職員がいかに守っていけるかと。またそれをいかに周知していくかということを踏まえまして、この取扱事務要綱をそういう視点でつくってまいりました。しかし、実際に、後ほどご説明させていただきますが、6月にある局で10万件ほどの情報が一時的に紛失したという事件が起きました。この要綱では、2ページにございますように、保有個人情報の管理、また廃棄、教育訓練ということにも重きを置いて書いてきているわけですが、各課によっていろんな個人情報の保有ですとか、管理状況とか取り扱いが違いますので、各課長に個人情報の管理責任者になっていただいています。この課長を単位とした個人情報管理責任者がいかに守るべきかというような部分を各課でつくれるような形での個人情報管理についてのモデル基準をつくっておりまして、今月早々にも各局に配れるように、現在進めているところでございます。それには、この要綱を今後職員個々の人たちがいかに具体的に守っていけるかというようなところを入れ込んでつくっております。
    今まで職員に周知してまいりましたのは、各職員または管理職を対象としまして、昨年の5月から始めまして、国の個人情報保護法の関連もありましたけども、東京都職員を対象に17回の説明会を開催してまいりまして、職員には周知してきてまいりました。モデル基準は、実際に携わっている職員、または幹部の人たちにもよりわかっていただく、理解していただく、認識していただくという意味で8月の早々に各局に周知し、職員の人たちにも認識していただくように今努力しているところでございます。
  • 堀部会長
    渡邊委員、よろしいですか。
  • 渡邊委員
    はい。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。それでは、報告事項の(2)個人情報保護に関する相談の概況についてということで、磐井係長からお願いいたします。
  • 磐井個人情報担当係長
    報告させていただきます。
    個人情報保護に関する相談の概況ですが、資料3をごらんいただきたいと存じます。資料3は、1ページ、2ページ目が相談件数及び主な相談機関の状況を記載してございます。3ページ目については、主な相談の特徴的な事例について記載しているところでございます。
    それでは、1ページ目より説明いたします。
    先ほど課長からの説明にありましたように、4月1日の法及び条例施行を受けまして、私ども情報公開課が都の相談や苦情を受ける総合窓口で、そのほか消費生活総合センターや都民の声課、また各局の個人情報保護担当のところでも相談の受け付けを開始したところでございます。その相談件数につきましては、この4月、5月、6月、3カ月間の合計でございますけれども、全体で976件でございます。その内訳は、私ども情報公開課が645件、消費生活総合センターが195件、都民の声課が39件、各局の窓口が97件でございました。
    次に私ども総合窓口としての情報公開課における相談状況の645件の内訳は、都民からの相談がこの3カ月間で312件、事業者からの相談が224件、庁内の組織からの相談が68件、区市町村からの相談が41件ございました。特にその中で、都民からの相談では苦情に関するものが105件、約3分の1ほどございました。4月は18件だったわけですが、徐々に5月、6月と苦情が約40件ほどずつ寄せられてきているところでございます。
    次に、主な相談の業種別の内訳ですが、都民から寄せられた相談では、不動産業関係の業者に対する相談が33件、金融クレジット業者関係に対する相談が24件、その他、医療福祉関係、これは病院や介護施設等に対してでございます。また、情報通信業関係(IT関係)でございます。また、教育(学校・学習塾)、そういうところに対する都民からの相談が多うございました。特に不動産業者や金融クレジット関係の相談の内容は、見知らぬ業者から自分の個人情報が利用され、ダイレクトメールや電話が寄せられてくるという相談が多うございました。
    一方、事業者からの相談でございますが、多うございましたのは、自治会同窓会の関係者からの相談が34件ございました。また、不動産業者からの問い合わせ等の相談が24件ほどございました。その他、学校や学習塾の経営者、また病院や介護施設等の経営者、また金融クレジット関係の業者の方からの相談が多うございました。特にこの方たちからの相談は、例えば自治会、同窓会の名簿をつくる際の留意点についての問い合わせや、また不動産業者や学習塾の関係者からの場合はダイレクトメールを出す際の留意点についての問い合わせが多うございました。
    次に2ページ目でございますが、消費生活総合センターにおける相談状況でございます。
    全体で195件ございまして、主な上位を占めているものが架空請求・不当請求に関する相談が38件、金融クレジット関係に関する相談が35件、そのほか情報通信関係や不動産関係、通信販売関係、教育学習関係、エステ化粧品関係に関する相談がありました。特に見知らぬ業者から携帯に電話があり、過去に消費者金融を使ったために個人情報が漏れたのではないかなどの相談という架空請求・不当請求に関する相談が多いと聞いております。
    都民の声課における相談状況でございますが、39件ございまして、個人情報保護法について知りたい、個人情報の取り扱いに対する苦情はどこに言えばよいかなどの相談がございました。
    次に3ページ目でございますが、主な相談の事例を4例ほど紹介させていただきます。
    まず初めに、事例1の不動産事業者に対する苦情でございますが、見知らぬ不動産業者から電話セールスがしつこいので、自分の情報の利用停止を依頼したが拒否された。都から事業者に何とか指導してもらえないかというような苦情でございました。
    私どもの対応状況でございますが、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者に対し保有個人データの利用停止の求めに応じる義務を課しているが、事業者に利用停止を求めるには、法第16条の利用目的による制限や法第17条の適正な取得の規定に違反する場合に限られており、電話をよこす事業者が個人情報を不適正に取得または目的外に利用していることが明らかにならなければ、情報の利用停止を求めることはできませんという説明をしているところでございます。しかし、都からは、長時間の勧誘電話により相手方を困惑させる行為は、宅地建物取引業法により禁止されていることもございまして、勧誘電話をやめるよう業者に要請しているところでございます。業者からは、勧誘電話は直ちにやめるとの回答がこの事例ではありました。
    次に、事例2でございますが、福祉施設職員からの苦情でございます。福祉施設に勤めている者だが、施設の管理者から、個人情報保護法が施行されたので、入所者情報の漏えい防止のため誓約書を書くように求められた。そういう決まりができたのかという苦情でございます。
    これに対しては、この4月から個人情報保護法が施行され、個人情報取扱事業者には保有個人情報を適正に管理し、個人データの漏えいなどを防ぐために、適切な安全管理措置を講ずることが義務づけられました。そのために事業者は、従業員に対しても必要かつ適切な監督を行わなければならなくなりました。その方策の1つとして誓約書を書くことなど、従業員の意識向上を図る事業者もあることをご説明したところでございます。
    事例3でございますが、同窓会名簿を使った迷惑なダイレクトメールに対する苦情でございます。
    同窓会名簿に掲載された個人情報を使って以前の勤務先に事業者からダイレクトメールが送られ、迷惑している。これに対して、送付元の事業者に対し、送付停止を申し入れたり、同窓会の事務局にも自分の情報の削除や訂正を申し入れることを助言してきたところでございます。
    最後の事例4でございますが、自治会同窓会関係者からの名簿作成に関する相談でございます。
    PTAの名簿や自治会の名簿作成に当たり、法の定めで留意すべきことは何か。これに対する回答ですが、個人情報保護法が適用される個人情報取扱事業者の事業は、営利・非営利を問いません。そのため取り扱う個人情報の量によっては、民間事業者だけではなく、同窓会や町内会などの団体も個人情報保護法の対象となります。そのため、収集時における利用目的や利用の範囲を明確にしておくこと。また、目的外利用の禁止や不用意な廃棄に注意することを助言してきたところでございます。
    以上で個人情報保護に関する相談の概況報告を終了します。よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまご説明いただきましたようなことで、東京都ではかなり多くの相談件数があります。これにつきまして、何か質問等をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  • 広瀬委員
    よろしいですか。
  • 堀部会長
    どうぞ、広瀬委員。
  • 広瀬委員
    資料3の数字なんですが、ここら辺は大体、当初想定していた数字に比べて、予想していたというか、どうなんでしょうか。かなり多いとごらんになっているのか、案外少ないなと……。
  • 堀部会長
    いかがですか。
  • 伊藤個人情報係長
    それはなかなか難しいご質問です。昨年度中からも事業者からの問い合わせとか、都民の方からのお問い合わせがありましたので、当初は大体このくらいは来るんではないかと思っておりました。法律が全部施行になりました4月以降については、多いのではないかと想像しておりました。
  • 広瀬委員
    それで、施行された4月が比較的多くて、あと5月、6月と若干減っているという傾向にはあるように見受けられますけども、私はもうちょっと多いんじゃないかなという感じを、余り根拠はありませんけど、持っただけに、ちょっと案外だなという感じはいたします。そういう中で、各局窓口への問い合わせというのが4月、5月が3件ずつで、6月になって91件と急にふえていますけど、ここら辺はどういう要因によるものなんでしょうか。
  • 磐井個人情報係長
    この91件と急に多くなっているのは、6月に水道局のCD-ROMの紛失事故がございましたので、それに関して、水道局に対する都民からのお問い合わせ等があったものが90件近く含まれておりますので、このような数字になってございます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。これを見ていますと、東京都の場合に、都民からの相談はもとよりですが、事業者からの相談がかなり多いということも特徴のように思います。地方公共団体、特に東京都のように人口も多いし事業者の数も多いところではかなりの相談があるのかなというふうに思っていました。国民生活センターという独立行政法人がありまして、先日7月14日に国民生活審議会の個人情報保護部会に報告があったのによりますと、これは消費者からの相談ということになるのかもしれませんが、4、5、6月の3カ月間で533件というのがあります。都道府県等の窓口に寄せられたものはこの数字に入っていないそうで、国民生活センターのみだそうですけれども、それに比較しても東京都はかなりの件数になっているということがこれで明らかになっているようにも思います。
    これでよろしいですか。
    それでは、続きまして、報告事項の(3)で、個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況についてということで、伊藤係長お願いいたします。
  • 伊藤個人情報係長
    個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況についてご説明させていただきます。資料4をお開きいただきたいと思います。
    この報告は、資料1でご説明した要綱に基づく報告でございます。
    報告の対象は、東京都庁で保有している個人情報の例外的な取り扱いや都民の方からの開示の求め等に関するものの報告でございます。
    4点ございまして、まず第1点目でございますけれども、本人外収集ということがございます。都条例は、個人情報を収集するについては、本人からの収集を原則といたしております。ただ、例外として、この表にございます1号から7号に掲げます事項は、例外的に収集することを認めております。それで、1の1行目、2行目でございますけれども、このほかにも本人外から収集する事務はたくさんあるわけなんでございますけれども、ここの報告を求めておりますのは、個人情報取扱事務の届け出がなされていない場合において、非常に臨時的、例外的に本人外から収集する場合を計上してございます。例えば、本人外から収集する事務としては、例えば、表彰するとか顕彰するとかいう事務がございます。そういったものは、ご本人に対して問い合わせするのは無理な点がございますので、本人以外から個人情報を収集するということで、事務の届け出がなされておりますので、本集計には計上されておりません。
    この具体的な内容でございますけれども、1号から7号で合わせて9件で、そのうち実人員で26人の案件につきまして本人外収集がございました。
    その内容は、例えば1号、本人同意といいますのは、職員等の労働安全衛生事務の関係で、本人の了解を得て、病気休職とかそういった臨時的手続のために医療機関から個人情報を直接収集したという案件でございます。
    それから7号の国とかほかの実施機関等から直接収集したという案件でございますけれども、これは土地の境界確定事務で法務局から登記情報について個人情報を収集したという事案でございます。
    以上が本人外収集でございます。
    2が目的外利用・提供でございますけれども、本来、保有個人情報というのは当初の事務の目的内で使うのが当然のことでございます。ただ、例外として、都条例の10条の2項1号から6号に例外として目的外利用提供できる場合を定めてございます。1号が本人の同意を得た場合、2号が他の法令等に定めがある場合でございます。それで、4号が緊急かつやむを得ない場合、6号が同一実施機関内、あるいは国等で利用する場合で相当な理由がある場合でございます。
    具体的事例は、1号の本人の了解を得て目的外に提供したというのは、例えば、心身障害児者の診察に関する情報を雇用助成のための公共職業安定所に提供した事案というものがございます。
    それから、2号が大変多うございまして、これは税法により課税徴収事務に関する情報を、税務署ないしは市町村の課税当局に提供する事案でございます。そのほか、建設許可とか建築確認に関する情報を区市町村の税務当局に提供する案件などがございます。これが2号に定めます法令等に定めが根拠づけられた事案でございます。
    それから、4号の緊急かつやむを得ない事案というのは、本人が入院して意識不明である。そういったような場合、給与事務等の情報を本人の配偶者に提供した事案が報告されております。
    6号は、実施機関ないし国等に対して提供するものでございますけれども、危険物規制関係の情報を不動産競売事務のために裁判所に提供したというような事例が報告されております。
    以上が2番の目的外利用・提供の報告でございます。
    それから3番は、個人情報の開示・訂正・利用停止についての決定件数についての報告であります。
    開示・訂正につきましては、平成15年度実績で約600件ちょっとですけれども、この17年4月から6月で開示等の決定を行った件数が累計で236件でございます。訂正・利用停止請求につきましてはございませんでした。
    以上が3のアクセス権のご報告でございます。
    それから4が事故の報告で、6月に1件ございました。これにつきましては、おめくりいただきまして、資料5でご説明させていただきます。
    この案件は、給水契約に係る個人情報の所在が一時的にわからなくなってしまったという案件でございます。水道局が給水しておりますお客様の情報が、水道局の多摩ニュータウン水道事務所というところがあるわけでございますけれども、これが先々月、6月15日に所在が分からなくなった。多摩市及び多摩ニュータウン地域の給水契約情報約10万9,000件が含まれておりますCD-ROMの所在が不明になったものです。このCD-ROMは、水道局で運営しているネットワークシステムが万一ダウンした場合、各営業所でバックアップ用にそのCD-ROMを持っております。お客様からの問い合わせに応ずるというバックアップ用のCD-ROMでございます。これは毎月1回最新の情報に更新するために、委託業者が最新版のCD-ROMを持ち込んで古い前月のCD-ROMを持ち帰るというようなやり方をしていたところなんですけれども、6月に10万人分が入ったCD-ROMの所在がはっきりしなくなったということでございます。
    ただ、そのときのCD-ROMの状況としまして、資料5の5にございますように、閲覧するためにはID、パスワードが必要であるとか、専用端末以外では閲覧できないとか、そういったようなセキュリティーがかかっておりました。これにつきまして6月17日に公表しまして、お客様からの相談窓口を設けたりして、また局内では内部の個人情報の適正な取り扱いに関する委員会を設けて、所在がわからなかった原因とか情報管理にかかわる総点検を始めました。
    次の2ページでございますけれども、それが5日後に所在がわかりました。その結果、漏えいではなかったわけなんでございますけれども、一時期、1週間近く個人情報の所在がわからなくなっていた。
    それで、どういうところに行ってしまったのかというと、委託業者が誤って持って帰ってしまった。たまたま職員等が所在の確認がされていなかったということで今回の事故に至りました。
    これを受けまして私どもで、水道局としては、庁内で委員会を設けて原因とか総点検、再チェックを行うところでございましたけれども、条例を所管する私どもとしまして庁内の各局等に対して、個人情報の適正な取り扱いについて再度管理の徹底を依頼した文書が資料6でございます。
    同文書の記1で、個人情報は一たん流出されると非常に悪用されたり権利利益が侵害されるおそれが強い。だから、各課長、責任者は職員に対して常日ごろから指導、教育を行ってください。
    2番として、個々の具体的なチェックポイントとして、施錠管理の面、アクセス制御の面。それから、外部委託の業者とのやりとりの中で事故等が起こりやすいということで、(4)として委託に関する注意を、これらをこの通知で再度徹底を依頼したところでございます。
    資料4から6まで、個人情報保護に関する報告概況でございます。以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいま個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況について、資料4から資料6までをもとに説明いただきました。ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
    渡邊委員が言われたのは、この給水契約に係る個人情報の紛失についてということで、こういう事例も起こり得るということです。所管している情報公開課とすると資料6のような文書を出しているということであるわけです。
    どうぞ、藤原委員。
  • 藤原委員
    資料4の1の本人外収集のところの第2号の法令というのは、ちなみに、これは税法関係ですか。6月のところに法令等に定めというのが1件ありますが。
  • 伊藤個人情報係長
    本人外収集の2号でございます。これは本人外から収集したということで、この事例は東京都の財政支出監理団体、外郭団体の関係で商法の関係の案件でございます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。高橋委員、どうぞ。
  • 高橋会長代理
    CD-ROMの紛失の件ですが、先ほどの説明だと、受託会社が誤って持って帰ってしまったということだと思うんですが、それに対する今後の対応として、どういう状況かはちょっとつかめないんですけれども、通常だと起こり得ないことが起こったのか、あるいは今後も起こり得ることであるのか。起こり得ることだとすると、気をつけてくださいというだけでいいのか。もう少し何か制度的にそういうことが起こり得ないような方法を考えなきゃいけないんじゃないかなという気もするんだけども、資料6の2の(4)がそれに対応するというようなお話だったですね。委託の場合で、職員が立ち会うというのは、今回の場合は職員が立ち会っていなくて持って帰ったということですか。
  • 三森参事
    この件は本来、先ほどお話がありましたように、バックアップということで、毎月1回ずつ定期的に受託会社の職員が各事務所を回ってきまして、それで前のCD-ROMと新しいCD-ROMを差しかえるわけです。そのときには、現況として恐らく担当者がきっと「はい、どうぞ」と渡してやっていたようで、授受簿をつけるはずですけれども、たまたまそこはつけていなかったということです。それで実際にそれを入れるかぎもかかる専用の机は用意はしてありました。ただ、そこに常日ごろ利用しますようなファイルなども一緒に入っていたものですから、出しやすいようにかぎはかけていなかったということです。それで実際、渡した人も受け取った方も、この調査中に何故か気がつかなかったのか何日間か、ああ、あれがそうだったのかと気がついたのかわからないんですが、約5日間ぐらいの日数の誤差が出てしまったんです。実際には机を用意してかぎもかかるような体制でいた。それで課長のすぐそばの机を用意しておいたということなんです。それが職員及び担当課長等の認識がまだ薄くてこういう事件が発生しましたので、それで我々としましては、資料6で通知しました後に、今回、先ほど申し上げましたように、今準備して近々に送ろうとしております保有個人情報を管理するためのモデル基準をつくりまして、各課長がこの基準に基づいて、今お話ししましたような管理体制から点検、教育訓練、それで委託の場合の引き渡し方法、あと授受簿をつくるですとか、立ち会い制とか、廃棄する場合はその廃棄のところへ行ってちゃんと確認するよう、そういう基準を定めまして各課で管理していただく。それでそれを点検していただくということを考えておりまして、またどのような課がつくったかつくらないかというのがありますが、各組織ごとにそのような基準をつくった課の名前を後々報告していただいて、それでうちの方としてもまた定期的にそのような注意喚起を出していきたいと考えております。
  • 藤原委員
    1点よろしいですか。今のに関連して。
  • 堀部会長
    どうぞ。
  • 藤原委員
    今のモデル基準というので、授受簿のことも記載されるんですよね。
  • 三森参事
    記載します。
  • 藤原委員
    それはよろしいんですか。
  • 三森参事
    ええ。
  • 藤原委員
    これは民間でよくあるパターンですけれども、資料6の2で書いておられること以前に、電磁的というか、電子媒体ならアクセスログで、普通の紙媒体なら授受簿の管理の話ですよね。
  • 三森参事
    ええ、そうです。
  • 藤原委員
    それがモデルには入っているということですね。
  • 三森参事
    今回作成のモデルの中には全部入れてあります。
  • 堀部会長
    ただいまの報告、特に給水契約についてわかりましたが、その場合に、個人情報の保護に関する条例の8条の委託等に伴う措置、それから9条の受託者等の責務、特に委託等に伴う措置で必要な措置を実施機関は講じなければならないわけで、それがどういうふうに講じられていたのか。それから、9条の受託者の責務のところで、特に9条1項の適正な管理のために必要な措置を講じなければならないということが、委託先、つまり受託者の方ではどうなったのかというあたりは報告は来ているんでしょうか。
  • 伊藤個人情報係長
    報告で聞いておりますところでは、委託契約ないし仕様書において、一定の授受簿に相当する伝票のやりとりは定められていたけれども、この案件については、どういうわけかなされていなかったということで聞いております。そういったこともあって、委託契約書の内容とか約款について、再度総点検を今やっている状況にございます。
  • 堀部会長
    これは何年か正確に覚えていませんが、10数年前に税務関係の個人情報が流出したということで問題になって、メディアからコメントを求められてコメントしている例があります。それはたしか当時の個人情報保護委員会のときだったと思うのですけれど、そこでやはり大きな議論になりまして、その後どういう措置を講じたのかということも含めて担当の方からも報告していただいて、それについて個人情報保護委員会として意見を述べることをしたように思います。当時の記録を調べていただくと出ているのではないかと思うのですが、今回のは委託先、受託者の過失によるところが大きいようにも思いますが、そのあたりどうするのかは、少し事務局でも考えていただくとよろしいのではないかと思います。1つの事例として、当時、その10数年前にそういうことがあって問題になって、こういうことをしますという文書も出ていて、それに応じてしばらくなかったのですが、たまたまこういうことがまた起こったということもありますので、これをまた機会に今後こういうことがないようにしていくためにはどうするのかということを、全庁的に検討していただく必要があるのではないかと思います。審議会でそういう意見が出たということで、事務局としても対応していただくといいのかと思います。いかがでしょうか。
  • 三森参事
    わかりました。今回の件につきましても、担当局で、これが発生しましたときに委員会を設けておりまして、その委員会で検討中でございますが、その委員会の結論が出た後、我々としても、今会長がおっしゃったような方向でまた再度検討していきたいと思います。
  • 堀部会長
    それでは、よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。
    次に報告事項の(4)存否応答拒否事案について、高橋係長から報告をお願いいたします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、お手元の資料では資料7になります。情報公開条例第10条に基づきまして存否応答拒否を行いました案件4件についてご報告させていただきます。
    この存否応答拒否というものは、公文書のあるなしを明らかにしないで開示請求を拒否する制度となっております。詳しくは、「情報公開事務の手引」の56ページに詳しく書いてありますのでごらんください。
    なお、存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例の施行についての通達及び情報公開事務取扱要綱、それの第3の5(5)というところに規定してありますとおり、審議会にご報告させていただくことになっております。
    4件の内訳としましては、資料の順に、福祉保健局が2件、産業労働局が2件となっております。
    それでは、資料7の1ページをごらんください。1つ目は、福祉保健局の案件でございます。これは多摩立川保健所に対する特定の個人についての宿泊に関する開示請求でございます。
    こちらにつきましては、「5、存否応答拒否を行った理由」にありますとおり、記録提出に関する文書の有無を答えるだけで、当該個人しか知り得ない宿泊の有無という事実を公にすることになるという理由で存否の応答を拒否したものでございます。
    続いて、2ページ目の方に移らせていただきます。
    次も福祉保健局の案件でございまして、生活福祉部に対するものです。特定個人に対する給付状況に関する文書の開示を請求されたものでございまして、同じように文書の有無を答えるだけで、公にされていない特定個人への公費支給の有無を示すことになるということで、存否応答拒否処分を行ったものでございます。
    4ページの方に移らさせていただきます。こちらは産業労働局の案件でございます。産業労働局の雇用就業部に対するものでして、内容は、技術専門校の生徒日誌内の記事に生徒欄というところがあるんですが、そちらの生徒欄において特定の病名や行動の記載がある文書についての文書を開示請求されたものでございます。生徒欄への記載につきましては、生徒の状況だとか、先生とのやりとりなど意思疎通を図るために生徒に自由に記載させておるものでございまして、こちらの面につきましては通常非開示としているところですが、本件のように、具体的な記載内容を示した請求に対し、該当する記録の有無を答えますと非開示とすべき生徒記載欄の内容を公にするのと同じ結果になるため、特定個人の権利利益を侵害するという理由で存否の応答を拒否したものでございます。
    最後の案件でございます。こちらも産業労働局です。府中技術専門校に対する開示請求でございます。これも3つ目の案件の方と大変似ておりまして、技術専門校の生徒日誌の生徒欄のところに、やはり特定の行動の記載がある文書の開示請求となっております。これについても文書の有無を答えるだけで特定個人の行動がわかってしまうということで、存否を明らかにせず請求を拒否したものとなっております。
    以上、情報公開制度に係る存否応答拒否案件4件につきましてご報告させていただきました。
    なお、今回は個人情報保護関係につきましての存否応答拒否案件はございません。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいま説明いただきました存否応答拒否事案については、説明がありましたように、お手元にあります「情報公開事務の手引」の56ページ、机の上に用意していただいています「個人情報保護の手引」と「情報公開事務の手引」と2つありますが、その「情報公開事務の手引」の方の56ページに、「第10条公文書の存否に関する情報」というのがありまして、存否応答拒否をしたときには、その運用の3にありますが、当審議会へ事後報告をすることになっておりまして、それに基づいてしていただいています。
    あと、情報公開事務取扱要綱にもそういう形であるわけですね。いつもこの「情報公開事務の手引」の56ページにあるということで今まで説明をしてきたところですが、何か質問ありますでしょうか。
  • 藤原委員
    よろしいですか。
  • 堀部会長
    どうぞ。
  • 藤原委員
    4ページの技術専門校の生徒日誌ですけれども、これの4の1)の特定の病気が書いてあって云々というのは、これの事務所での存否応答でないとまずかったんですかね。個人の権利利益侵害ではいけなかったのかなとふと思ったので……。
  • 高橋情報公開係長
    4ページの……。
  • 藤原委員
    請求対象件名に「次の条件を満たす頁のみ」と書いてあり、その中に特定の病気で、さらにこの病気について理解してほしいという記述がありますよね。「趣旨の要望」というのは、これは都の条例でいうと、7条2号ですか。個人の方の話と見えたんですけれども、これも6号なんですかね。
  • 高橋情報公開係長
    こちらにつきましては、非開示の場合は2号という形でやっているんですが、今回ちょっとこのような存否応答拒否をかけるに当たりましては、6号の行政運営情報の方で通常対応させていただいております。
  • 堀部会長
    この存否応答拒否については、審議会でどういうふうに議論するのかということがありまして、質問をする程度に終わっていまして、今までもこのように存否応答拒否があっていいのかという意見が出たりもしているのですが。
  • 藤原委員
    いや、いい悪いではなくて、存否応答拒否すべきものは存否応答拒否しなければならないので、その場合、6号というのは余り使わないものですよね。やっぱり事務支障ですから。それで、2号でいけるものは2号でやればいいのにという……。それで、これは2号でなぜいけないのかなと思ったのでという、それだけの質問です。
  • 堀部会長
    ですから、是非そういう意見をいろいろ出していただいて、今後の運用にも生かしていただければと思います。
  • 高橋情報公開係長
    では、こちらにつきましては2号該当の方がよりいいんではないかということで、実施機関の方とも調整させていただきたいと思います。
  • 藤原委員
    具体の事案を見なければわかりませんので、そういう意見があったという程度で結構です。
  • 高橋情報公開係長
    伝えさせていただきます。ありがとうございます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、次に移らせていただきますが、報告事項の(5)の他県の個人情報保護条例の改正状況について、磐井係長お願いいたします。
  • 磐井個人情報担当係長
    では、他県の個人情報保護条例の改正状況について報告いたします。
    資料9をごらんください。
    この資料は、先月7月13日に行われました都道府県個人情報保護研究会において配付された資料をもとに作成したものでございます。
    最初のページには、実施機関に公安委員会、いわゆる警察本部長を含める規定に関する他県の状況が記載されているところでございます。
    次のページには民間事業者に関する規定について、各県の状況が記載されております。
    まず、最初の1ページでございますが、実施機関に公安委員会を含める規定の整備ですが、この表では、全国の状況は41都道府県において条例を改正いたしまして、実施機関に公安委員会を含める規定を設けたところでございます。そのうち30の県が平成18年4月1日までには施行について予定しているところでございます。私ども東京都においても、公布から起算して1年4カ月以内において施行することで調整中でございます。
    なお、規定の未整備は岩手県ほか6府県ございます。これらの県についても本年度中に規定の整備を行うと聞いているところでございます。
    1ページは以上でございます。
    次に、民間事業者に関する規定について、条例に盛り込んでいるかどうかについての各県の状況でございます。現在30都道府県において民間事業者を条例の対象にしているところでございます。また、民間事業者への指導や助言に関する制度や指針などの作成状況はこの表のとおりでございます。
    以上ご報告にかえさせていただきます。よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。他県の個人情報保護条例の改正状況につきまして報告していただきましたが、何か質問等ありましたらお願いします。
    この2ページ目の民間事業者を対象としていないのが、そうすると11あるということですか。
  • 磐井個人情報担当係長
    11県でございます。
  • 堀部会長
    11ですね。それでその11県は、このあたりについては今後どうするのかということは何か情報としてはありますでしょうか。
  • 磐井個人情報担当係長
    情報として把握してはおりません。
  • 堀部会長
    そうですか。この資料からもわかりますように、全国的に条例の制定と改正がいろいろ進んでいまして、特に実施機関に公安委員会、警察本部長を含めることについて、このところ各都道府県で議論をしてきて、東京都では含めることにしましたが、これは東京都の場合は、公布から1年4カ月以内ということで、今のところは明確でないわけですね。いつから適用するかということにつきましては、どういう状況でしょうか。
  • 三森参事
    今、警視庁の方でも順次準備を進めておりまして、この1年4カ月以内は18年4月までですので、最終的には18年4月には実施機関入りをすることは確定しております。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
  • 広瀬委員
    よろしいですか。
  • 堀部会長
    どうぞ、広瀬委員。
  • 広瀬委員
    2枚目のページなんですが、民間事業者云々。それで、ずっと右側を拝見しますと、登録制度という欄があって、それで神奈川県さんと山梨県さん2カ所のみがこれをとった。そもそもこの場合における登録制度というのはどういう意味合いを持つんでしょうか。
  • 堀部会長
    私から説明いたします。神奈川県が都道府県では個人情報保護条例を最も早い時期に制定しまして、当時の神奈川県では、民間については国の法律もありませんし、県内の事業者についてできるだけ個人情報のルールをきちんと守っていただいてはどうかということで、登録制度を設けました。登録したことを表すPDマーク、アルファベットの大文字のD、その中にアルファベットのPを入れていただきますと、外側から読めばデータプロテクション、中側から読めばパーソナルデータと読めるマークをつくりまして、登録していただいた事業者、その登録に当たりましては一定の審査基準があって、それにのっとって審査した結果、適格であると判断したものにPDマークを付与するということで登録をしております。この登録については、インターネットで全部公開しているはずですが、少なくとも登録簿は最初から公開をする。現在8,000社を超えていると聞いております。東京都でどうするのかも随分議論をしたのですが、東京都の場合、事業者数が非常に多く、そこまでのことはできないのではないかということで、東京都ではこの制度は取り入れませんでした。山梨県が取り入れていますが、事務局はかなりこの対応は大変ですので、ほかの都道府県が必ずしもそれに従ってそのようなことを取り入れているという状況にはないということがこれでわかるところです。
  • 広瀬委員
    わかりました。ありがとうございます。登録の義務化はしていないわけですね。推奨みたいな、勧奨というかね。ありがとうございます。
  • 堀部会長
    全国規模の企業でも、神奈川県内の事業所に行きますと、そのPDマークというのを掲示しているところもあります。相当大手の事業者も登録していますので、神奈川県内ではそれを見ると、そこは、基準にのっとって対応しているということの目安にはなるということになっております。
  • 広瀬委員
    ありがとうございます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
  • 藤原委員
    1つだけ。
  • 堀部会長
    どうぞ。
  • 藤原委員
    今のところ非常によく考えておられるなと思ったので、今、最後の2ページを拝見していたら、東京都の公表は、いわゆる公表とは位置づけていなくて、事実提供の規定であるという位置づけであるということなんですね。
  • 堀部会長
    はい。
  • 藤原委員
    わかりました。
  • 堀部会長
    公表という言葉を使うかどうかということで、条例改正の議論を当審議会で行いました。その際に公表となると、かなりサンクション的な意味も含むという考え方もありますので、条例上は情報提供という言葉であらわそうと、こういうことにして、これを見ると東京都だけですかね、その言葉を使っているのは。そういうふうに見ていいのでしょうか。公表という欄のところで注がついているわけですが。
  • 伊藤個人情報係長
    東京都だけだと思います。
  • 堀部会長
    そうですか。そういうことでこの言葉を使ったということですね。4月1日に東京都の改正個人情報保護条例が施行されまして、その3カ月間の状況について今日いろいろ報告をしていただきました。全体について何かご質問等あればと思いますが、いかがでしょうか。
    現在、国の個人情報保護法も4月1日に全面施行されていまして、7月14日に国民生活審議会個人情報保護部会で施行状況等について報告がありました。個人情報保護に関するガイドラインも、関係省庁で民間事業者について策定してきましたが、21分野について33のガイドラインが策定されているという状況があります。また、個人情報保護法の第4章の第2節に認定個人情報保護団体に関する規定がありまして、これについては6月30日現在で12団体が認定されていることも報告されました。その他、漏えい等の事案等についても報告がありましたが、詳しくは内閣府のホームページを見ていただきますと出てきます。ご参照いただくと東京都との比較などもできるのではないかというふうに思います。
    ほかにいかがでしょうか。予定の終了時刻も過ぎておりますので、それでは、今後の予定等につきまして、三森参事の方から。
  • 三森参事
    長時間にわたりましてご審議ありがとうございました。審議会におきます今後の審議予定についてでございますが、現在のところ特に諮問する事項が発生しておりませんが、次回以降につきましても、今回のような形で個人情報保護条例、情報公開条例の施行に当たりまして、本日のご意見を踏まえまして、運用状況などについて定期的に審議会にご報告していきたいと考えてございます。また、委員の方々からもご指導をいただければと考えております。
    現段階におきましては、次の開催につきましては、10月ごろを予定しております。細かい日程につきましては、委員の先生方と別途調整させていただきまして、できる限り7名の委員の方が出席いただけます時期を選定していきたいと考えてございます。
    今後ともよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ほかに何かご発言ありますでしょうか。
    それでは、特にないようですので、以上をもちまして、本日の審議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時40分閉会

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