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平成29年(2017年)2月7日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第29回議事録)

第29回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成17年11月11日(金曜日)
東京都庁第一本庁舎42階 特別会議室B

午前10時4分開会

  • 堀部会長
    ただいまから第29回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
    本日の議事ですが、お手元の会議次第にありますように、審議事項が1件、報告事項が7件、全部で8件ということになっています。
    それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。
    まず、審議事項の保有個人情報を取り扱う事務の開始について、武市課長から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、保有個人情報を取り扱う事務の開始について、ご説明させていただきます。
    東京都個人情報保護条例第26条に、東京都情報公開・個人情報保護審議会の規定がございます。お手元の水色の手引の143ページになります。恐縮ですが、ごらんください。26条に、「情報公開・個人情報保護審議会は、個人情報保護制度に関する重要な事項について、実施機関の諮問を受けて審議し、又は制度運営について実施機関に意見を述べることができる」とされておりまして、今回の条例改正におきまして、「制度運営について」という規定を追加し、実施機関の諮問を受けて審議し、意見を述べるだけではなく、具体的な制度運用についても一定の関与をいただくことになりました。
    これに伴いまして、おめくりいただきまして、次のページに、審議会の規則がございます。こちらの審議会規則第1条の2の規定を追加いたしまして、意見を述べることができる場合といたしまして、「実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合」、それから、「実施機関が勧告または命令する場合」などを規定しているところでございます。これらの規定に基づきまして、本日新規分の保有個人情報取扱事務についてのご審議をお願いいたします。
    資料1をお開きください。新たに開始する保有個人情報を取り扱う事務として挙げられましたのが、ここにお示ししている21の案件でございます。
    さらに、事務ごとに届出事項が1ページずつその後についてございます。
    また、届出事項に個人情報の外部委託の有無を追加する必要があるとの答申を平成16年7月にいただきまして、例えば1枚おめくりいただきまして、様式がございますが、下から2つ目の段になります「外部委託・指定管理者による代行の有無」の項目を追加いたしました。
    また、これらの公示・閲覧については、インターネットを活用した公表方法を検討すべきとの提言もいただきましたことから、実施機関とも調整しながら準備を進めてまいりまして、11月1日からインターネットでの公表を行っております。インターネット公表につきましては、後ほど報告事項の中で説明させていただきます。
    新規の事務につきましては、本来もう少し早い段階で審議会にお諮りしなければならなかったのですが、今回様式改正とインターネット公表とあわせまして、一斉に見直しをしたことから、タイミングがずれてしまいましたことをご容赦いただければと存じます。
    21の事務を以下簡単にご説明します。
    1ページは、個人情報相談処理事務でございまして、4月1日に生活文化局情報公開課に設置いたしました個人情報保護の総合相談窓口における事務でございます。ほとんど匿名での相談になりますが、時折、氏名、住所、電話番号、職業が記録されることがあるため、これらを記録項目として届け出ております。
    同様の相談事務が都市整備局のまちづくり相談関係ということで、3ページ、それから6ページ、7ページ、8ページ、9ページになります。
    本人から氏名、住所など基本項目に当たる個人情報を収集し、目的外利用ですとか、本人以外の収集先はないというものが事務の基本的なパターンでございまして、そちらが2ページの多摩地域における都市計画道路の整備方針の策定、4ページ、5ページの定期報告概要書閲覧事務、10ページの地球温暖化対策管理者講習会、13ページ、産業労働局指定管理者選定委員会、14ページ、勝鬨橋の見学ツアー、15ページ、港湾局の会計システムの事務でございます。
    恐縮ですが、お戻りいただきまして、11ページ、12ページをお開きください。これは、心神喪失者等医療観察法の成立に伴います福祉保健局の事務でございまして、精神保健判定医・鑑定医、精神保健参与員を厚生労働省に推薦するために調査をするというものでございます。そこで保有個人情報の主な収集先といたしまして、本人以外、実施機関内、他の官公庁ということになっております。
    16ページは、運河ルネッサンス事業でございます。この事業の取り組みの中心となる地域協議会ですが、この協議会の構成員の情報を推薦母体の町会、PTAなどから収集いたします。
    17ページは、調布飛行場周辺住宅防音工事助成事業でございまして、助成事業の性質上、基本項目のほかに、社会生活の項目にあります財産、収入といったものを記録項目としております。
    18ページは、水道管管理図の維持管理業務でございます。こちらは、管理図の保守委託更新について、一番下から2つ目のところに、委託の「有」というところにチェックがついてございます。
    19ページ、20ページは、水道局の研修事務でございまして、水道局の研修センターが今年できましたことから、新たな事務として位置づけたものでございます。
    最後になりますが、21ページです。都立盲・ろう・養護学校の個別の教育支援計画等作成事務でございます。これは、一人一人個別に支援計画を作成するというものでございまして、これまでご説明した事務よりも記録項目がかなり多岐にわたっております。また、目的外利用、提供先も多いのですが、これは支援機関といたしまして、例えば学童保育所ですとか、本人がかかっている病院、福祉事務所、発達支援センターなどがかかわってくるためと聞いております。
    以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいま武市課長からご説明いただきました件につきまして、ご意見、ご質問等をお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
    最初にご説明ありましたように、改正されました個人情報保護条例では、当審議会が個人情報保護制度に関する重要事項について、実施機関の諮問を受けて審議し、又は実施機関に意見を述べることができるということで、従来は、制度のあり方について意見を述べるということで条例の改正等について審議をするということをしてまいりました。審議会の機能をどうするかという中で、もう少し議論をする機会があってもいいのではないかということで、今回こういったものについても審議をするということになりましたので、そういう観点からご質問等をしていただきたいと思います。
    また以前ですと、個人情報取扱事務の届出を公報に登載し、紙で随分厚いものを閲覧に供していたのですけれども、今度は、後で説明がありますインターネットで公表することになりました。これは国の方も従来官報でかなり厚いものが出ていたのですが、それをインターネットにかえて、広く知っていただく、こういうことで、それと同じような方法をとることにしました。
    ちなみに、今どのくらいの事務数が届け出られているのでしょうか。
  • 武市情報公開課長
    資料7にございます。これは、本年10月末時点の数字ですが、一番下にございます10月末現在で2,525件の届出がございます。
  • 堀部会長
    こういう件数になっています。
  • 武市情報公開課長
    今回ご審議いただいております21件というのは含まれておりません。
  • 堀部会長
    プラス21件。
  • 武市情報公開課長
    この審議会でご審議いただきました後は、プラスすることになります。
  • 堀部会長
    これを見ていただきますと、それぞれの届出事項で、事務の名称、目的、先ほど既にご説明があったことですが、対象者の範囲とか、それから、保有個人情報の記録項目もいろいろ出ています。これを見ていただきますと、どの事務ではどういう個人情報を扱っているのかということで、東京都が取り扱っています個人情報が、個別の情報ということではなくてどういう事務でどういう個人情報項目を扱っているかなどが明らかになります。これまでも東京都公報で公開をしていましたけれども、これをインターネットで見ていただきますと、このことがわかるようになっています。
  • 秋元委員
    このいろいろな項目のチェックのかかっているところは、それぞれのところで、最低限これは記録をしますよというのが話し合われてこういう状態でチェックがかかっているんですか。
  • 武市情報公開課長
    その事務に必要な項目ということでございます。
  • 秋元委員
    例えば2ページのところの都市計画道路のところ、1ページの最初の相談事業のところは年齢チェックが入っていないんですが、ここの場合は年齢もチェックが入っていたりするのは、何か年齢までが必要な情報だというふうな意味ですか。
  • 武市情報公開課長
    こちらも、先ほどの相談の方と考え方は似ておりますが、パブリックコメントを募集するに当たって、生年月日を書いてきたり、年齢を書いてきたりというところで、記載されてしまう場合があるため、記録項目として残しているということでございます。
  • 秋元委員
    必要でないものは、そこで書いてあっても載せておかないというふうにはならないんですか。
  • 武市情報公開課長
    受け取ってしまっていますので、それをあえて削除ということはしないという方針で、こちらの所管としては考えたということでございます。
  • 秋元委員
    例えば、個人情報の記録の項目の中に、思想信条というところの項目がずっと載っていますよね。そういったところも、例えば情報として書いていれば、そこはチェックを入れておくということなんですか。
  • 三森参事(都政情報担当)
    今のご質問ですと、ここについていない、必要でない部分でも、もし本人が記入してきた場合この届出につけるのかということですが、この届出事項は、こういう事項に関しまして、例えば都民意見の募集をするときに調査いたしますということで、調査表みたいなものがあります。その中には、調査表として、チェックのついた部分しか入っていきませんので実際にはそれ以外は書いてこないんです。
    それで、今回の条例と法律の関係でいきますと、必要に応じて欲しい場合でも、本人が拒否するような場合については、先ほどお話がありましたように、例えば私は年齢は書きたくない、でも、こういう理由で年齢層の集計をとりたいんですよといっても、どうしても嫌だ、その他に入れてくれということがあれば、強制はできないということになります。実際には届出というのが、個人個人で出ているのではなくて、例えば意見募集をするときに、こういう事項を調査します、それで、届けていただきますということですので、これに基づいて実際に行うときには、調査表やアンケート用紙をその部分の項目をつけてお願いをするという形になります。
    実際にはこの事項以外のことも書いてくるかもしれませんが、そのときには、担当としては、集計からは外していくということになると思います。
  • 堀部会長
    秋元委員の質問との関係では、水色の個人情報保護の手引の19ページ、第4条第1項を見ていただきますと、「実施機関は、個人情報を収集するときは、個人情報を取り扱う事務の目的を明確にし、当該事務の目的を達成するために必要な範囲内で、適法かつ公正な手段により収集しなければならない」ということになりますので、それぞれ取り扱う事務の目的を明確にしますし、達成に必要な範囲内の個人情報を収集する、こういうふうになっています。先ほど出ました思想、信条等の問題については、2項に規定がありまして、「実施機関は、思想、信教及び信条に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報については、収集してはならない。ただし、法令又は条例に定めがある場合及び個人情報を取り扱う事務の目的を達成するために当該個人情報が必要かつ欠くことができない場合は、この限りでない」、こういう制限がありまして、その範囲で実施機関は、それぞれ個人情報の収集をしているということになります。
    届出については、第5条の規定がありまして、「実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、東京都規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない」となっています。こういうことで届出をするということで、個別の中身ではないのですが、どういう個人情報を取り扱っているかということを公にする、公開する、あるいは透明性を確保する、こういうことでこういう規定をつくっています。
    従来、審議会は、今日のような形で報告していただいて審議をするということはしてきませんでしたが、今年の4月1日施行の改正の個人情報保護条例で、審議会もこれについて意見を述べることができるようになっていますので、いろいろご意見を出していただくということです。
  • 藤原委員
    4月から新しい制度だということで、今後の運用にかかると思うんですが、今のご質問の記録項目は条例を忠実に反映したものであるということもわかって、正確につくられたというのもわかるんですが、この思想信条等のところで、現実に記録項目として宗教以外に必要になる場合がありますか。
    今後の話ですけれども、運用してみて、誤解を招くようなら、様式のつくり方は何年か後には見直しはあり得るのかなと思います。一定のものは確かに必要だということは当然なんですけれども、ひょっとすると、この項目については、そういったところで要らぬ誤解を与えるかもしれないので、それが1つ目。
    2つ目は、オンラインとか、それもきちんとなっていて、大変結構だと思うんですけれども、届出事項のときに、実際には内部でセキュリティのチェックはされていると思うんです。それはどこかに反映はされないんですか。この様式では無理だと思うんですけれども、せっかくそれぞれの業務をやるときに、それぞれ各部局でシステムからきちんとセキュリティを考えて、東京都のポリシーを持ってやっているだろうなということをチェックしておられると思うんですけれども、せっかくやっておられるんだったら、そこをチェックしましたというのがどこかに表れるといいという感じです。要するに、漏えい対策は十分ですということを都民に知らせた方がいいという…。
  • 三森参事
    1点目につきましては、今お話がありましたように、今後運用状況を見ながら、必要でない場合については、またご検討していただきながら、ご意見をいただきたいと考えております。
    2つ目のセキュリティですけれども、これにつきましては、今回、先ほど下から2番目のところに、外部委託のある、なしというのをつけるように追加いたしました。これも含めて、委託をする場合には、委託事項の中に、条例に入りますという細かい事項を規定しておりますし、また内部のものにつきましても、後ほど説明が出てくると思いますが、個人情報の安全管理に関する基準というのをつくりまして、東京都の保有する個人情報については、セキュリティチェックを十分にするようにという形で規定は考えてはおります。これでまだ十分かどうかというこは、今後、追加の委託事項や、新しい基準を運用しながら、できる限りセキュリティが十分チェックできるような形を考えていきたいと考えてございます。
  • 広瀬委員
    こういったデータがホームページでも公開されるということは非常に結構なことだと思いますが、ホームページ上で、このスタイル、このページがそのまま出てくるような形になるわけですね。その辺が、藤原委員の方からご指摘があった部分、私も最初の懸念というか、一般の方がこれを見た場合の印象というのはちょっと懸念はされるかなと思うのです。
    一方、逆の効果としては、こういう部分はチェックというか、レ点がついていないんだと、こういうところは調べません、データとしてとりませんよという逆に安心感を与える部分がある。それは個人によってそれぞれ受けとめ方がいろいろあろうかと思いますが、そこら辺は両面からいろいろ検討して、どちらをとるべきか、最終的に結論を下すべきかと思います。
    それからあと、これは要望ですが、こういったものは今後とも、だんだん数が少なくなるんでしょうけれども、こういう審議会の都度こういう案件が議案として諮られるということであれば、大変恐縮ですが、この場でぱっと見て、相互比較とか何かいろいろありますので、取り扱い上の注意は必要でしょうけれども、事前にこの部分だけでもお送りいただければありがたいかな、このように思います。
  • 武市情報公開課長
    かしこまりました。新たな事務が届け出た都度、審議会にお諮りすることになりますので、この事案については事前にお送りさせていただきます。
  • 堀部会長
    この記録項目につきましては、自分で自分の情報の開示請求は条例上できますので、開示請求をしてみて、自分の思想信条などについて記録されているということがわかったときに、この届出事項にその点についてのチェックがないとすると、それはある意味で条例違反という問題が起こってくるわけです。後のいろいろな手続、訂正を求めることなどが可能になる、そういうこともあるわけですので、最初に届出事項をどうするか。
    これは国の方で、昭和63年、1988年の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律をつくったときにも、事前通知、当時ですと、総務庁長官に事前に通知をする、こういう仕組みをつくったわけです。それを官報で公示するという形をとってきていて、その少し後に東京都で審議しましたので、オープンネスプリンシプル、公開の原則ということが必要だということで、同じようなシステムをつくったということです。
    ただ、国の法律では、先ほど出ました条例第2条第2項の思想、信教及び信条に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報については収集してはならないという規定はありません。これは、国際的にもセンシティブデータといって、取扱いを禁止したり、制限したり、いろいろなやり方をしているところもあるし、それは、何がセンシティブかということが明確でないから、これを決めるべきではないといういろいろな議論があるところですけれども、大体自治体では、この種のセンシティブデータについては取扱いについて慎重にしていこうということで、この種の規定を置いているというのが一般的です。そういう中で出てきているものです。
    他にいかがでしょうか。特にご意見、ご質問がないようですので、今日の審議事項の個人情報を取り扱う事務の開始については、ご了承いただいたということで扱わせていただきます。どうもありがとうございました。
    それでは、次に報告事項に入っていきたいと思います。
    まず、報告事項の(1)としまして、住民基本台帳ネットワーク部会からの報告につきまして、事務局から報告をお願いします。
  • 森山振興企画課長
    総務局の行政部振興企画課長の森山といいます。よろしくお願いいたします。
    住民基本台帳ネットワークシステムにつきまして、平成15年8月に本格稼働しまして2年以上が経過しております。この間、住民基本台帳ネットワーク部会で、審議と、現在の住基ネットの現況等につきましてご報告させていただきたいと思います。
    まず初めに、住民基本台帳ネットワーク部会での審議状況につきましてですが、部会は、16年度におきましては、5月に第6回目、1月に第7回目ということで2回開催しております。今年度17年度につきましては、9月に第8回の部会を開催しております。
    この間、住基ネットにつきましては、特段の支障もなく、安定的に運用しているところでございます。部会におきましては、現況の報告をしまして、その中でより一層の安全性の向上についてということでご意見をいただいているところでございます。
    まず、住民基本台帳ネットワークシステムの現況につきましてご報告させていただきますけれども、資料2をごらんいただきたいと思います。
    資料2ですけれども、住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、先ほど申しましたように、平成15年8月に本格稼働いたしておりまして、2年以上が経過しております。これまでのところ、大きな支障もなく円滑に運用してきているというところでございます。
    しかし、残念ながら、都内の一部団体につきましては、住基ネットにまだ接続していないという状況がございます。このため、本格稼働前の平成15年5月には、不参加団体に対しまして、地方自治法の245条の6の規定によります是正勧告を行っております。その後、中野区、国分寺市につきましては参加いただいておりますけれども、現在のところ、杉並区、国立市につきましては不参加の状態が続いているというような状況でございます。
    それから、2番目の都におきます本人確認情報の利用件数、いわゆる住基ネットの利用件数につきましてですけれども、東京都におきましては、平成16年8月から17年7月までの1年間に約44万2,000件の情報を利用していただいている。このうち、約42万5,000件につきましては、パスポートの発給事務での利用ということになってございます。
    それから、国の機関につきましては、同じ期間、おおむね3,000万件の情報利用ということになっています。参考として書いてございますけれども、3,000万件のうち、大体このうちの2,000万件分につきましては、共済年金関係での利用というふうに聞いております。
    それから、3番目、都内におきます住基カードの申請件数等につきましてですが、都内におきます住基カードの申請件数は、月に大体おおむね4,000枚のペースで伸びております。15年8月の発行開始から17年8月までの約2年間の累計で10万5,000枚という状況になってございます。
    それから、住所地以外での区市町村での住民票の発行、いわゆる住民票の写しの広域交付ですけれども、これにつきましては、同じ2年間で約2万7,000枚を発行しているというような実績になってございます。
    それから、現在総務省におきまして、住基カードの利活用につきましての検討会が設けられまして、カードの普及策の検討を行っているところでございます。その中の議論でも、国民健康保険証のカードとの連携とか、いろいろ考えているということを聞いていますので、国レベルでのより積極的な活用があれば、今後発行枚数は飛躍的に伸びていくのかなというふうに考えます。
    それから、公的個人認証サービス、これにつきましての電子申請がふえていくことによりまして、相乗的に住基カードの発行も伸びていくのかなというように考えております。
    それから、資料3の方をごらんいただきたいと思います。住基ネット関連の訴訟の状況について、簡単にまとめてございます。
    まず、都を被告とします住基ネットの差止請求につきましては6件、東京地裁で係争中でございます。
    訴えの内容につきましては、いずれも住基ネットはプライバシーの権利を侵害しているので、住基ネットからの自己の本人確認情報の削除、慰謝料の支払いなどを求めるというものでございます。
    訴訟の進行状況ですけれども、いずれの事件につきましても、これまでに10数回の弁論が行われておりまして、今年度中には結審するものというふうに考えております。
    それから、同様の住基ネットの差止訴訟、全国で35件提起されておりますが、この17年、今年の5月30日に金沢地裁、同じく5月31日には名古屋地裁、また、先月10月14日には福岡地裁でそれぞれ判決が出されておりまして、一番最初の5月30日の金沢地裁においては、行政側が一部敗訴となっておりますけれども、その後の名古屋地裁、福岡地裁につきましては、それぞれ行政側が全面勝訴という判決になってございます。
    それから、ここに2番で書いてありますように、平成16年8月24日には、都は国とともに杉並区の方から訴訟を起こされているという状況にございます。
    訴えの内容につきましては、杉並区が参加希望者だけの本人確認情報を都に通知する場合、都には受信義務があることの確認ということと、この方法での参加を認めないために区の被った損害約4,480万円の賠償を求めるというものでございます。
    これに対しまして、都と国、いずれも不適法ということで却下を求めておりまして、これまでに6回の口頭弁論が開かれています。
    簡単でございますけれども、住民基本台帳ネットワーク部会から報告を終わらせていただきたいと思います。以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    いかがでしょうか。質問などをいただきたいと思います。
  • 渡邊委員
    まだ不参加継続は杉並区、国立市ということなんですが、これは全国的に現在、どういう状況になっていて、今後、不参加状態というのは、今後どのような考え方で扱われていくのでしょうか。
  • 森山振興企画課長
    住基ネットに接続していないのは、あと福島県の町が1つございました。
    あと杉並区と国立市の今後の状況なんですけれども、杉並区につきましては、これは裁判を起こされていますので、その結果を待たざるを得ないのかなという部分がございます。
    国立市につきましては、いろいろうちの方もやっているんですけれども、市長さんが、裁判の方の相手方、原告側での証人ということで出ておりますので、国立市につきましても、なかなか接続をすぐするという状況にないのかなというふうに思っています。非常に残念な状況なんですけれども…。雑駁ですけれども、以上、そういう状況になっております。
  • 堀部会長
    そうすると、全国的に3自治体ということになりますか。接続していないのは3自治体…。
  • 森山振興企画課長
    あと横浜市が一部ということで、段階的に参加するということになっています。
  • 堀部会長
    横浜市をどう見るかというのは、よく質問を受けるのですけれども、総務省とすると、横浜市は段階的に、接続して全員参加していくということでつないでいると聞いていますが、そういう理解でよろしいのですか。
  • 森山振興企画課長
    そうですね。国の方が全員参加をできるだけ速やかにということでやっています。
  • 堀部会長
    よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
    引き続きまして、報告事項の(2)東京都における個人情報保護の取組状況について、武市課長からお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、東京都における個人情報保護の取組状況につきまして、資料4、5、6、7に基づきまして報告させていただきます。
    これまで東京都では、庁内における個人情報保護の徹底ということで、職員向けに説明会や研修会を開催してまいりまして、今年度に入りましても9回、昨年の5月から数えますと合計20回を開催し、職員に周知してまいりました。
    また、先ほどセキュリティチェックのところでも話が出てございましたが、個人情報の安全管理に関するモデル基準を作成いたしまして、それぞれの組織において保有する個人情報の状況に応じて、適切な管理に取り組むよう規定の整備を全庁的に取り組んでいるところでございます。
    それでは、資料4をお開きいただければと思います。これは、ただいま申し上げましたモデル基準でございます。
    内容をご覧いただきますと、第1に、趣旨といたしまして、条例及び個人情報取扱事務要綱の規定に基づき、個人情報の取扱いについて必要な事項を定め、個人の権利利益を保護することを目的としております。
    第2は、管理体制・個人情報管理責任者の役割でございます。個人情報管理責任者、すなわち各課の課長ということで事務取扱要綱の方に入れてございますが、課長が各課において保有する個人情報の厳重かつ適正な管理について責任を負うとともに、職員を指導すること、管理状況を点検すること、不適切な点があるときは直ちに是正措置を講じること、事故時の対応といった点を定めております。
    おめくりいただきまして、第3に職場における個人情報の安全管理措置でございます。安全管理措置といたしまして、盗難等の防止ですとか、端末の管理、個人情報の廃棄、個人情報の提供時の措置の要求といったものを定めております。
    第4に、情報システムにおける技術的安全管理措置といたしまして、これは3ページになりますが、個人情報へのアクセス制御や、アクセスの制限等の措置をとること、アクセスの記録を残すこと、それから個人情報の受渡しをするときの対策を講じることを定めてございます。
    第5、委託に伴う措置といたしまして、適切な委託先の選定、再委託の禁止、廃棄等の確認を挙げてございます。
    第6、その他では、東京都情報セキュリティポリシーの遵守を挙げているところでございます。
    以上のモデル基準は、あくまでもモデルでございますので、各局の取り扱う個人情報の内容に応じて、修正あるいは追加をするなどして、規定を整備しているところでございます。
    おめくりいただきまして、資料5をごらんいただければと存じます。これが、規定の整備状況でございまして、残念ながら、本日現在で100%整備済みというところは網かけをしている11局にとどまっており、整備済みの課の割合でいきますと、一番下の欄に合計数字がございますが、整備済みの課163と、新たに規定を整備した課536を合わせました699を課の総数で割るということで、45%という状況でございます。
    検討中となっておりますところは、既にそれぞれで定めております個人情報の取り扱いについての対応と調整を図りながら規定を整備しているということで、時間がかかっているという状況でございます。
    続きまして、資料6をお開きいただければと存じます。横になっておりまして少々見づらいのですが、これが東京都職員のための個人情報保護・情報セキュリティハンドブックでございます。先ほどのモデル基準をもとに、保有個人情報の組織的な取扱いについての規定を整備するのと並行いたしまして、組織の中にいる職員一人ひとりの個人情報保護に対する意識の徹底が必要とのことから、このハンドブックを9月に作成いたしました。
    これは、総務省自治行政局地域情報政策室が作成したものをもとにいたしまして、東京都版として情報セキュリティを担当するIT推進室とともに作成したものでございます。職員がいつでも見ることができるように、庁内のポータルサイトのトップページで周知し、ハンドブックにリンクするという形で見られるようにしております。
    このハンドブックは、全体で45ページにわたっておりまして、その中にも、ポイントですとかトピックスを入れ込みまして、わかりやすく丁寧に記載しておりまして、これを活用して職員が常時定期的に個人情報の取り扱いを自己チェックすることにより個人情報保護及び情報セキュリティについて理解を深めるとともに、個人情報の適正管理を確実に実行することとしております。
    続きまして、資料7をお開きいただければと存じます。これは、先ほどもごらんいただきましたが、保有個人情報の取扱事項のインターネットによる公表の状況でございます。10月末現在で2,525件ということでございまして、現在は各局別にPDFファイルを掲載しているところでございますが、今後は検索機能等も追加して、さらに見やすいものにしていく予定でございます。
    報告は以上です。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまの東京都における個人情報保護の取組状況につきまして、質問等をお出しいただければと思います。いかがでしょうか。
  • 渡邊委員
    この検討中となっているのは、これはいつまでとか、そういう期限的なものは考えられていますか。
    それと、ハンドブックの中に、管理規定など数多くの守るべき規範がありますと出ているわけですから、当然それは管理規定等はそれぞれ整備するんだろうと思いますけれども、既に4月から入っていて、いまだに検討中というこの理由というのはあるのか。2点をお聞かせ願えますか。
  • 三森参事
    まず1点目ですけれども、青少年・治安対策本部が新しく8月1日から組織ができたものですから、まだ自分たちの個人情報を含めながらチェックしているというような部分もございます。特に大きい病院経営本部や福祉保健局などは、既に自分たちのところで個人情報の基準まではいかないんですが、管理をどのようにしていこうかというものを局の中に組織で委員会等をつくりまして検討して、各病院などにこういう形で個人情報を管理していってくださいよという一つの約束事を既に周知していたんです。
    そういう状況もありまして、それと今回の私どもが提示いたしましたモデル基準との整合性を図りながら、例えば病院経営本部ですと病院等を持っておりますので、病院の患者さんたちにどこまでわかってもらえるか、また事務上ではどうなるかということも含めまして、検討を行っているということでございまして、もともと何もないというところはほとんどなくて、自分たちの局がつくっているものとの整合を図る時間を欲しいというような内容でございます。これもなるべく早い時期に整合をとっていただくということで我々としても要請はしてございます。
    2番目の守るべき規範ということですが、これは、私どもが年度当初に個人情報取扱事務要綱をつくりまして、またその要綱に基づいて今のモデル基準やハンドブックに具体的に落としていっています。本来、個人情報を扱うセクションは、特に条例、要綱、ハンドブック、基準をいろいろ網羅して、その規範を守ってくださいと、そういう趣旨でハンドブックに入れてございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    よろしいですか。もっと整備が進むことを期待したいと思います。
    それでは、報告事項の(3)個人情報に関する相談の概況ということで、磐井係長、お願いいたします。
  • 磐井個人情報担当係長
    それでは、個人情報の保護に関する相談の概況について報告いたしたいと思います。資料8をお開きいただきたいと思います。
    資料8では、平成17年度上半期の相談の概況が記載されております。
    まず初めに、都における相談の件数でございますけれども、4月から半年で1,445件ございました。相談機関別の内訳は、私ども情報公開課が1,036件、消費生活総合センターが258件、都民の声課が51件、各局の窓口への問い合わせが100件でございます。
    ごらんのとおり、第2四半期を見れば469件と、第1四半期の976件と比べますと約半減してきている状況でございます。
    次に、情報公開課、私どもにおける相談の状況でございますが、これは9月末で1,036件ございました。その内容は、相談者別の属性について見ますと、都民からの相談が532件寄せられました。その半分が苦情に関する内容でございました。
    次に、特に事業者からは302件相談がありましたが、第1四半期と比べると、第2四半期は75件と、大きく相談件数が減少しております。
    右側に月別の7月、8月、9月の件数が書いてあるわけですけれども、7月が105件とちょっと落ち込みまして、8月、9月は、134件、152件という相談が寄せられております。
    次に、相談における主な業種別の内訳でございますが、都民からの相談では、金融クレジット関係、不動産業関係、病院や介護事業者などの医療福祉関係、情報通信関係が上位を占めております。
    事業者からの相談では、不動産業関係、各種事業者団体関係、医療福祉関係が上位を占めております。
    次に、おめくりいただきまして、相談の事例でございますが、ここで紹介いたします。初めに、医療関係の事業者からの事故報告に関する相談でございます。その内容は、個人情報を有する医療機関から患者などにあててメールを送信した際、誤って送信者全員のメールアドレスが明らかになる状態で送信してしまった。厚生労働省には連絡済みであるが、東京都に対しても報告を行いたい。
    次に、都民からの相談で、クレジットの支払いの督促に関する内容のものでございます。クレジット会社から、未払料金の支払督促があった。その際、未払情報を信用情報機関に提供する旨の通告があった。こうした提供について同意した覚えはなく、個人情報保護法に違反するのではないか。
    次は、都民から開示手数料に関する相談でございます。今受診している病院から前に受診していた病院の自分の検査結果の提出を求められたので、前の病院に検査結果通知書の交付を求めたところ、手数料を請求された。個人情報保護法では、自分の情報の開示を求めた場合は費用がかかるのかという開示手数料の問い合わせでございます。
    次に、都民からの不動産に関するマンション勧誘に対する相談でございます。マンション販売の勧誘電話がかかってくる。個人情報保護法違反で断ることはできないか。
    最後に、予備校を運営する事業者からの相談です。予備校の宣伝用チラシに各種受験合格者の氏名を掲載している。入校申込者には、氏名、顔写真などチラシに掲載することがあることを説明しているが、個人情報保護法上の問題はあるか。以上の事例でございます。
    これらの相談への回答や対応でございますが、制度の説明や、また対応、解決に向けた助言を行いました。内容によっては、関係機関へ相談するよう案内をしてきているところでございます。
    簡単でございますが、以上で報告を終わりたいと思います。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまの個人情報に関する相談の概況について、ご質問等がありましたらお願いいたします。相談の具体的な事例も説明いただきましたので、こういうことがあるということをおわかりいただけるかと思いますが、いかがでしょうか。
  • 広瀬委員
    質問ですが、相談の事例というと、大変興味のある内容だし、大事なポイントが入っているところもあろうかと思いますが、こういったことというのは、事例として何かこれは公表されるか何かの啓蒙啓発用のパンフレットなんかに一部掲載されるとか、そういうことはあるんでしたっけ。
  • 三森参事
    今のご質問でございますが、相談の内容を都民の方々にも知ってもらった方がいいということで、本日の資料の一番後ろから3枚目ほどに、資料15としてリーフレットをつけてございます。これは、先週でき上がったものですが、今のような趣旨を踏まえまして、「Q&A」という形で個人情報保護の問い合わせ等に対応し、また、これを読んでいただいて対応等を踏まえるように10問ほどの質問と回答という形でつけて、都民または事業者、自治体に配付していきたいと思っています。
    また、今後検討も重ねながら、できる限り相談内容等も公表していければと考えてございます。
  • 広瀬委員
    大変結構なことだと思います。
  • 堀部会長
    報道機関もこの問題を取り上げていますので、いろいろなご意見をお持ちかと思いますが、東京都での相談事例はこういうことであるということがわかりました。それから、資料15は、大変わかりやすく書かれているかと思います。こういうものを見ていただいて、また相談などをしていただくということにもなろうかと思います。
    これは、この資料15、「Q&A」はどういうところに配るのですか。
  • 伊藤個人情報係長
    資料の配付先でございますけれども、これは都庁内の都民の方がお見えになる窓口等、あるいは消費生活総合センターとか、個人情報の相談の窓口がございますので、そういった窓口、それから、区市町村へ配付しまして、窓口に置いていただく。あるいは消費者団体ないしは事業者団体にもお送りできればと思っております。
  • 堀部会長
    よろしいですか。ありがとうございました。
    では、続きまして、報告事項(4)の個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況ということで、伊藤係長、お願いします。
  • 伊藤個人情報係長
    資料9に基づきまして、個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況をご説明申し上げます。
    個人情報取扱事務要綱は、個人情報保護の手引の293ページ以下に記載がございますけれども、この趣旨は、庁内の個人情報の取扱状況を私どもとして把握しておきたいということでございます。
    この資料9には、1から4までございますけれども、個人情報の例外的な取扱いが1と2、3はアクセス権、開示請求の件数でございます。4が事故等の報告でございます。順次ご説明申し上げます。
    本人外収集でございますけれども、個人情報の取扱いにつきましては、本人から収集するのが原則でございます。ただ、例外的に事務の性格上本人以外から収集する場合がございます。その件数でございます。この件数は、一番最初にご審議いただきました、保有個人情報取扱事務の届出に本人外収集の届出のチェックがない場合に報告を求めた件数でございます。
    これは、先ほどもご説明申し上げました条例4条、個人情報の保護の手引の19ページをお開きいただきたいと思いますけれども、19ページの第4条に本文が記載されておりますけれども、そこに4条第3項に、1号から7号まで例外的に本人以外から収集できる場合が記載ございます。それに対応して収集した件数がこちらの表でございます。
    内容を、1、2例をご説明申し上げますと、1号に該当するのは、本人の同意がある場合でございますけれども、例えば庁内の職員の安全衛生事務において、休職とか復職にかかわる診断書を本人の同意を得て医療機関から収集する事例がございます。
    それから、飛びまして6号でございますけれども、6号は、争訟等本人から個人情報を取得したのではその事務の適正な執行に支障がある場合でございますけれども、これは、例えば東京都の外郭団体、都の場合は財政監理団体と言っておりますけれども、そういった指導事務におきまして、役員等の採用候補者にかかわる情報を当該外郭団体から収集する場合が報告されております。
    7号は国等の他の行政機関から取得する場合でございますけれども、これは、土地収用、用地取得事務におきまして、地権者の情報を国の法務局から収集する場合が報告されております。
    以上が本人外収集でございます。
    続きまして、資料9の2でございます。2は、目的外利用・提供でございます。手引の34ページに、条例の10条が記載されております。個人情報は、その取得の際の本来の目的のために利用するのが原則でございます。ただ、10条2項に定める6つの場合におきましては、例外的に当初の目的外に利用、提供ができることとされております。
    それで、その報告が出された案件が2の表でございます。1号につきましては、例えばこれは本人の同意を得て本来の目的外に提供するということでございますけれども、そういった福祉関係の手帳の判定事務にかかわる情報を税控除のために保護者とか家族に提供した事例がございます。
    それから、2号が、件数として非常に多うございますけれども、これは、税法の関係で、地方税の自動車取得税の情報がございます。国税の方で自動車従量税という法律がまたございます。その関係で、税法に基づきまして、そういった自動車取得税の情報を東京国税局の方に提供した件数が非常にたくさんの件数となっております。以上が目的外利用・提供でございます。
    3番目が、開示、訂正、利用停止の決定を行った件数でございます。後ほどご説明申し上げますけれども、昨年度の開示、訂正の請求件数が646件に対しまして、この半期分で開示の請求だけで436件という開示請求がございました。
    4番が事故の報告でございますけれども、前回水道の関係で一時利用者の方の情報が所在不明になったという案件をご報告させていただきましたけれども、第2四半期におきましては2件ありまして、人数的には13人分、1つは、料金を収納代行しておりますコンビニエンスストアのそういった振り込みの帳票類が紛失したというのが1つございました。
    もう1つは、都の方でメールニュースを配信している部局がございますけれども、それを設定を委託しております委託業者のサーバーの設定ミスにより、一部メール情報が他の読者に誤って送信されたという事例が報告されております。
    資料9のご説明は以上でございます。
    追加で、前回会長の方から、過去類似の事故例があって、その取組みはどうであったのかというご質問がございましたので、ご報告させていただきます。
    この案件は、10年以上前ですけれども、平成4年に、税務情報の滞納者情報が、当時は帳票類の廃棄処理を古紙回収業者の方に渡してそこで処理しておりました。その過程で、一部18人分でございますけれども、その滞納者情報が漏えいしたという案件でございます。
    これにつきましては、主税局として非常に大きな問題ということで局を挙げて取り組みまして、事故の原因の調査と再発防止策を検討いたしました。主として、文書の保存と廃棄の処理要綱ということでまとめまして、その後は委託先、委託方法、処理方法、当時は古紙回収業者ですとか融解処理ということと、それから、移動させる際に鍵付の荷台のある車に職員が同乗するというようなことを内容とする対応策をとっております。
    ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    では、ただいまの報告につきまして、いろいろご意見、ご質問がおありかと思いますが、いかがでしょうか。
  • 秋元委員
    事故の場合のときの解決策というか、その辺はきっちりセキュリティはできるようになったんでしょうか。
  • 伊藤個人情報係長
    事故の対応としては、当初の再発防止あるいは2次被害の防止という意味で、漏洩された方に対するおわびと、とりあえずこういう2次被害発生の予防のご説明の電話なり緊急の連絡というのが1つございます。
    それから、そういう事故を起こした部門として、そういう委託契約の内容あるいは個人情報の取扱いでよかったのか、どこが悪かったのかというのを再チェックいたしまして、それを取扱いの要綱等において、よりセキュリティが万全なものに改善をしておるところでございます。
  • 秋元委員
    それからもう1つあるんですが、第1四半期のものはいいんですが、13件あるというカウントの仕方なんですけれども、実は、メールニュースのところで漏えいしたという場合、おかしいなと思ったらそれに返事を出さないということで、自分で防衛したわけなんですけれども、その辺のところで漏えいが発生した件数という中に、そういったメールニュースを受けていた人はかなりの人数がいたと思うんですが、その辺のところの人数というのはこの件数の中には入らない…。
  • 伊藤個人情報係長
    配信先、受信された方の人数は入っておりません。メールニュースの間違った設定によって自分のアドレスが届いてしまわれた方の人数がこれでございます。この案件につきましては、一般的な広いメールニュースの配信ではなくて、割と限られたというか、ある業界とか、人数がそれほど多くない配信先で、その方々に誤って行ったということでございます。
  • 秋元委員
    このメールニュースは、再開したんですか。
  • 伊藤個人情報係長
    休止していると聞いております。
  • 堀部会長
    それでは、まだ報告事項が続きますが、報告事項の(5)としまして、情報公開制度・個人情報保護制度の年次報告ということで、まず高橋係長、次いで伊藤係長から説明をお願いします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、平成16年度情報公開制度の運用状況について説明させていただきます。資料10をごらんください。
    資料10の方、紙1枚で概要版をまとめております。その下に、1枚おめくりいただきますと、「東京都の情報公開」というタイトルで年次報告書が本体8枚分ついております。概要版に沿って説明させていただきます。
    概要版の方、既に8月3日にプレス発表したものでございます。平成16年度の情報公開制度の大きな特徴といたしまして、請求件数が前年度比で7.2%増と、前年度に引き続き過去最高を記録させていただきました。
    1番目の開示請求等の状況をごらんください。平成16年度の請求件数は3,533件でございまして、その内訳としまして、開示、これが全部開示という意味なんですが、こちらが半数弱の1,583件、それから、一部開示、これが1,398件、非開示が62件、不存在が490件となっております。
    その下のグラフは、昭和60年の情報公開制度発足以来、それ以来からの請求件数の推移でございます。平成7年、8年に大きなピークを迎えておりまして、その後ちょっと下がったんですが、平成16年度は、ここにありますとおり、3,533件という形で過去最高となっております。
    おめくりいただきまして、裏のページにお移りください。内容別の請求件数になっております。一番多い請求内容別になりますと、福祉保健局が所管しております食品営業許可関係文書、2番目が、各局であります旅行命令簿関係、3番目が、都市整備局で所管しております都市計画道路網図関係となっております。
    2番目は、不服申立て件数及び審査会の運営状況です。平成16年度は45件の不服申立てを受けております。情報公開審査会を全体で31回開催いたしまして、33件の答申をいただいております。
    3番目、情報公表・提供の状況でございます。情報公開条例の中で、請求を受ける前に、できるだけの情報をあらかじめ提供するなり公表するなりしていくという規定がございますが、こちらについては、このような形で公表が547件、提供が4,056件という形で昨年より増えているという状況になっております。
    簡単でございますが、以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    それでは、伊藤係長、個人情報保護制度についてお願いします。
  • 伊藤個人情報係長
    引き続きまして、資料11に基づきまして、平成16年度の個人情報保護制度の運用状況についてご説明申し上げます。
    1枚目が概要でございまして、報告書がその後に15ページにわたって添付させていただいております。
    それでは、概要版にのっとってご説明申し上げます。これは、まず第1に、個人情報を取り扱う事務の届出の状況でございますけれども、16年度は届出の総件数で2,563件ということで報告がなされております。
    それから、2番目が開示・訂正請求の状況でございますけれども、開示請求が646件、訂正請求が1件でございました。
    その下に、開示請求件数の推移がございますけれども、おおむね情報公開の請求に比較しまして、6分の1とか7分の1ぐらいの件数でございます。推移としては、一時期減少しましたけれども、近年増加の傾向でございます。
    おめくりいただきまして、そういった開示の請求がどういう事案についての案件が多いかということが裏面の上にございます。上位3つを記載してございます。
    個人情報の年次報告書の9ページをお開きいただきたいと思います。9ページの上の方に、内容別内訳を記載してございます。身障者の手帳関係、病院のカルテ、児童相談関係の書類でございます。それから、消防庁の救急活動の関係の記録、福祉保健局の軍歴関係の記録等が主な内容でございます。
    その下に、非開示の理由がございますけれども、非開示の理由が、1号と2号と1つの案件で2つ計上する場合がございますので、重複して計上されておりますけれども、どのような理由でどのような対象の文書が非開示になったかということをここに書いてあります。多いところですと、4号の第三者の権利侵害ということで、第三者の情報につきまして、非開示となっておるということでございます。
    お戻りいただきまして、概要版の3でございますけれども、不服申立て件数と個人情報保護審査会の運営状況でございます。これは、非開示、一部非開示に対して、開示請求者の方から行政不服審査法に基づく不服申立てがなされた場合、審査会への諮問が必要とされておることから、ここに案件を計上してございます。平成16年で不服申立てが合わせて7件ございました。新規に諮問したのが10件でございます。
    個人情報の16年度の運用状況につきまして、概要を説明させていただきました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    それでは、情報公開制度・個人情報保護制度の運用状況の説明につきまして、ご質問などをお出しください。
    これは、自己情報開示請求の例で、軍歴関係は少し減ってきていると見ていいのですね。以前はこれがかなり多かった…。
  • 伊藤個人情報係長
    減ってきております。
  • 堀部会長
    年齢的にそうなってきているのでしょうか。
    いかがでしょうか。これもインターネットのホームページで公開していますので、広くこういう状況だということが伝わるようになっています。よろしいでしょうか。
    それでは、続きまして、報告事項の(6)で存否応答拒否事案につきまして、高橋係長からお願いします。
  • 高橋情報公開係長
    お手元の資料で、資料12になります。存否応答拒否案件は4件ございますが、そのうち情報公開制度の3件についてご報告させていただきます。
    存否応答拒否につきましては、情報公開条例の10条、クリーム色の手引の56ページにあたりますが、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することになるときは、当該公文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否することができるという規定がございます。
    こちらの存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例の施行についての通達及び情報公開事務取扱要綱の規定によりまして審議会にご報告させていただくということになっております。
    情報公開条例の存否応答拒否案件3件の内訳としましては、資料の順に、福祉保健局1件、警視庁2件となっております。資料に基づきまして、簡単に1件ずつ説明させていただきます。
    まず1枚目、福祉保健局の案件です。これは、福祉保健局保健政策部健康推進課に対します特定個人の名簿についての開示請求でございます。
    こちらは請求対象件名の方、個人情報の部分を伏せ字とさせていただいております。こちらについて、5の存否応答拒否を行った理由にございますように、特定個人を名指しして請求されたものでございますので、文書の有無を答えるだけで、東京都の栄養士名簿に特定個人が記載されている、東京都に登録されているということが判明してしまい、個人の権利利益を害するため、情報公開条例7条2項個人情報該当として存否の応答を拒否したものでございます。
    1枚おめくりいただきまして、警視庁の案件でございます。こちらは、開示請求者を交通違反で取り締まった警察官、また取り調べをした警察官の住所、氏名供述書の写しの請求でございます。
    こちらも同じように文書が存在しているか否かを答えるだけで、特定の個人の方が交通違反をしたかという情報が明らかになるため、個人の権利利益を害されるということで存否応答拒否をしたものでございます。
    もう1枚おめくりいただきます。続けて警視庁案件、2件目の方でございます。こちらは、特定の犯罪事件につきまして、その被害届及び告訴の状況、処理のされ方などが記載のある文書の開示を請求されたものでございます。
    事情が事情でございますので、余り詳しく申し上げられませんが、こちらも文書の有無を答えるだけで、公にされていない事件の有無、当該個人の権利利益を害されるという理由で7条2号、個人情報該当として存否応答拒否を行ったものでございます。
    以上、情報公開3件です。
  • 伊藤個人情報係長
    引き続きまして、1枚おめくりいただきまして、個人情報の関係の存否応答拒否案件のご報告をいたします。
    案件は、東京都教育委員会からのものでございます。この案件は、小学校の教諭が私の子供に行った体罰に関するすべての文書というものでございます。ただし、(1)及び(2)については除くとされております。
    (1)及び(2)につきましては、取得していないために非開示ないし一部開示決定ということで決定がなされておりますので、そのほかの情報につきまして、存否応答拒否ということで決定したものでございます。
    存否応答拒否の理由としましては、(1)(2)以外の文書は存在しているか否かを答えるだけで、条例16条2号に該当する個人に関する情報を明らかにすることとなるためという理由でございます。
    案件のご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    以上の存否応答拒否事案につきまして、ご質問等をお出しください。
  • 藤原委員
    情報公開の方の1件目の名簿に登載されているか否かが存否応答拒否だということですか。
  • 高橋情報公開係長
    はい、そういうことでございます。
  • 藤原委員
    その場合は、7条の識別性があるというのはわかるんですけれども、しかし、名簿というのは、これは慣行としては公にされていないという名簿だということですか。
  • 高橋情報公開係長
    この栄養士名簿につきましては、公開されておりません。
  • 藤原委員
    栄養士であるということの資格を示す名簿がわかることの実質的権利利益侵害はあるんですか。名簿の中身によるんでしょうけれども…。
  • 高橋情報公開係長
    こちらの方、まず名簿は公開されていないということ、また、登録するか否かということ、本人がどの都道府県に届け出るかということも判断でできるという名簿でございまして、そのようなことからも、特定個人がそういう資格を持っているかいないかを東京都として公開することが適切ではないという判断のもと、存否応答拒否とさせていただいたものでございます。
  • 藤原委員
    資格の有無がわかるといけないということもありますけれども、しかし、保健等にかかわる者が正当な資格を持っているかどうかというのはチェックされてしかるべきだという考え方はないんですか。これは、栄養士は健康にかかわることですよね。そういう者が有資格者であるかどうかというのは、チェックされても仕方がないという側面はないんですか。
    どういう記載になっているか、もちろん存否情報なのでわからないのでこういう質問になってしまうのですけれども…。
  • 三森参事
    今回国の方でも、法律ができてから国家試験に合格した人、資格試験に合格した人を名前を公表しないというような形をとってきておりますので、都のこの場合につきましては、栄養士名簿は…。
  • 藤原委員
    あれは個人情報保護法の問題で、これは情報公開の問題。
  • 三森参事
    そうです。この情報公開につきましても、7条2号は個人の識別でございまして、それで、東京都の福祉保健局の方で栄養士の名簿を保存しておりますが、これは、今のところ公表はしておりませんし、今高橋からご説明申し上げましたように、そこの名簿に登録するかどうかは本人の申告でございまして、それに載っているかどうかということを第三者の人が情報公開を求めてきたときには、条例の7条2号の個人の識別に該当するということで存否を出したということでございます。
    例えば栄養士に合格したときに、国家試験や東京都の免許ということで、広報に登載されたりの形で広く広まっておれば、これはその名簿なり広報から出ているということで、また東京都の栄養士名簿に載っているということで、何らかの形での開示、非開示の判断になるかとは思いますけれども、現在の保存状態の形ですので、存否の情報になったということでございます。
  • 藤原委員
    個人情報で非開示というのはわかる。これは、存否事例かどうかというのが本当かなと思ったので…。そうすると、要するに、登録しているどうかがわかると嫌だというところですか。
  • 三森参事
    開示請求してきた人がどういう趣旨でしてきているかちょっとわかりかねますが、実際にこういう事例があるかどうかわかりませんが、栄養士として自分が名前を挙げてどこかの栄養士をしている。実際にそれを不審に思って、そこの周囲の人が確かめにくる場合もございますし、ちゃんと栄養士として働いてもらうために、本当に東京都の名簿に登載しているのかということを確認する場合もございます。いろいろなケースがあると思うんです。情報公開条例の方で請求された場合はこういう形になるということでございます。
  • 藤原委員
    だから、別にこだわるつもりはないんですが、不審に思ってチェックするというのは悪いシステムではないはずですよね。栄養士ということが何にかかわっているかによっては、存否応答拒否してまで守らなきゃいけない権利利益侵害はどこにあるのかなと思って、さっきのご説明の前半は、それは個人情報保護の問題ですよね。個人識別で個人情報保護でやるというので、ひょっとして、個人情報保護条例施行後にいきなりこういう取り扱いになったのかなと思ったので、そうではないんですね。
  • 三森参事
    そうではございません。そういう不審でしたら、ちょっと答弁をその分だけ修正させていただきたいと思います。個人の権利利益というところです。
  • 堀部会長
    別の観点から言うと、どうなのですか。特定のAさんという人が栄養士としての免許をもっているかどうかというのを確認する方法はないのですか。例えば学校で給食の関係で栄養士として働いていれば、それは今度は職員名簿の方に出てくるということですか。
  • 三森参事
    例えば都の場合で栄養士として働く場合には、栄養士の資格証明書を必ず提出なり見せていただいて、それでまず資格を持っている人であるという確認、そのほかには、東京都の職員の場合は東京都職員名簿に栄養士という職種で載ります。栄養士の資格を持ってその仕事をする場合です。
  • 堀部会長
    東京都の職員の場合はそうですが、民間で栄養士だというふうに言って働いているけれども、どうもあの人は栄養士ではないらしいというようなことをチェックする方法というのはないかどうか。
  • 三森参事
    一般的にこの栄養士の試験なり選考を行ったときに、合格を発表したところが公表しているか、または、本人の資格証明書というんですか、資格証書というんですか、そういうものが確認のもとになるのではないかと思います。
  • 藤原委員
    構わないんですけれども、要は、なぜ質問したかというと、職員等であれば職員録でチェックできる。それで全く構わないんですけれども、栄養士名簿に載せて、それに載っているということがわかったとして、何の権利利益侵害かなと、本当に素朴な疑問です。
  • 三森参事
    わかった場合はいいかもしれませんけれども、万が一載っていなかったときの権利利益というものがあります。
  • 藤原委員
    だって、先ほど載せるか載せないかは本人の自由だということで、登録してしまったんだから、登録しているかどうか、登録してしまった人がわかるだけで、登録していないかがそこでわかったとしても、本人の意思で登録していないんだから、そっちの方は関係がなくなるんではないですか。
  • 三森参事
    理屈ではそうなんですけれども…。
  • 藤原委員
    だから、見せたくなければ理屈がつけば非開示はあるだろうけれども、それは存否応答拒否事例になるのかというところで、あれっと思ったということなんです。載せるか載せないかが任意になったらば、載っているのは自分で載せたい人の名前が載ったというだけのことですから、任意であれば、載っていないということは、だから、載っていないからといって栄養士でないとか、ネガティブになるわけではないですよね。載せるときに、自分で決められるというシステムであれば、それを存否応答拒否にどうしてするんだろうと、そう思ったというだけです。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、続きまして、報告事項の(7)住民基本台帳の閲覧制度につきまして、稲葉副参事から説明をお願いいたします。
  • 稲葉副参事(振興調整担当)
    総務局行政部の稲葉でございます。よろしくお願いいたします。
    それでは、私の方から、住民基本台帳の閲覧制度の見直しについてご報告をさせていただきます。
    台帳事務は、区市町村の自治事務ではございますが、今般個人情報保護の観点から、住民基本台帳法の改正を視野に入れた見直しが行われることになりましたのでご報告をさせていただきます。
    住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する検討会は住民基本台帳の一部の写しの閲覧制度及び住民基本台帳をもとに調製をされております選挙人名簿の抄本の閲覧制度のあり方等について検討を行うために総務省が設置した検討会でございます。
    本審議会の会長でもあられます堀部先生を座長としまして、学識経験者、マスコミ、行政関係者などで構成され、私ども総務局の行政部長もメンバーでございました。
    本年5月から9回の検討会を経まして、去る10月20日に報告書がまとまりましたので、内容をご説明いたします。
    まず初めに、資料13をごらんいただけますでしょうか。住民基本台帳関係の報告をいたします前に、住民基本台帳及びその閲覧制度について先に簡単に説明をさせていただきます。
    資料13の項番1、制度の趣旨にありますように、住民基本台帳制度は、住民の居住関係の公証、それから、住民に関する各種の行政事務処理の基礎とすることなどを目的としまして、住民に関します正確で統一的な記録を行うものでございます。
    項番3のところにありますように、台帳の整備、管理の主体は区市町村でございまして、日本国籍を有する住民を対象に個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成してございます。
    項番5になりますが、台帳の記載事項としましては、氏名、生年月日、性別、住所、世帯主など、16の項目がございますが、これらは住民の届出、または区市町村長の職権によりまして、記載、修正、消除が行われることになります。
    下にページが振ってありますが、1ページ飛ばしていただきまして3ページ目、項番9をごらんください。住民基本台帳は、法の制定時から住所を公証する唯一の公簿として原則公開とされておりまして、(1)の1つ目の丸にありますように、何人でも閲覧を請求することができる制度が設けられてまいりました。
    その後、個人情報保護の観点から、昭和60年及び平成11年の改正がございまして、2つ目の丸にありますように、閲覧の請求事由を明らかにさせ、不当な目的による請求などの場合には閲覧を拒否できるとするとともに、3つ目の丸にございますように、閲覧の対象を氏名、生年月日、性別、住所の4項目に限定されるということになりました。
    しかしながら、原則公開という点に変更がなかったために、4つ目の丸になりますが、閲覧制度が行政機関等の職務上の請求のほか、世論調査、学術調査、市場調査等に幅広く利用されまして、平成16年度の実績では、ダイレクトメール事業者等の閲覧が全体の約6割を占めるという状況がございました。
    また、本年3月には、閲覧制度を悪用したと考えられる刑事事件が発生したこともありまして、総務省の方では本検討会を設置して、新たな改正に向けて検討に入ったという次第でございます。
    それでは、検討会の報告の内容についてですが、資料14をごらんいただけますでしょうか。検討会におきましては、閲覧制度の課題を踏まえまして、関係団体へのヒアリングなども行いながら、あり方について議論が行われました。
    その結果、住民基本台帳の閲覧制度につきましては、1ページ目の上半分になりますが、現行の「何人でも閲覧を請求できる」という制度を廃止いたしまして、国及び地方公共団体や公益性の高い場合等正当な理由を持つ者のみが閲覧請求ができるという制度、すなわち法の目的に即しまして閲覧できる主体と目的を限定しまして、審査手続等についても整備するなど、個人情報の保護に十分留意した新たな制度として再構築されることになりました。
    下半分になりますが、住民の居住関係を公証する制度としてのあり方としましては、閲覧と写しの交付制度とがあるんですが、上段のように、対象となる住民が氏名等により特定される場合には、当該住民以外の方の個人情報が閲覧されるのを防ぐ観点からも、閲覧制度ではなくて、住民票の写しの交付制度によることに特化されるということになるかと思います。
    また、下段のように、住所等で住民を特定できない場合、あるいは特定の住所または一定の地域に係る住民の居住関係を確認することに正当な理由がある場合、公益性の高い世論調査等のための大量閲覧もこちらに含まれますが、この場合には、閲覧制度で対応することになります。
    なお、ダイレクトメールあるいは市場調査などで営業活動のために行われる閲覧については認めるべきではないという見解が示されております。
    裏面をごらんいただけますでしょうか。裏面の審査の厳格化でございますが、審査の厳格化につきましては、手続の整備のほか、目的外利用が判明した場合の刑罰等を含む罰則等について検討が行われました。
    それから、下の段になりますが、同時に検討が行われました選挙人名簿抄本の閲覧制度の見直しについてです。選挙人名簿につきましては、現行も選挙運動や世論調査等のための閲覧が認められてございますが、その根拠が法令上、こちらは公職選挙法関係になりますが、不明確であったり、不正の手段による閲覧に対する制裁措置がないなどの問題点がございました。
    これらにつきましては、閲覧が認められる場合を法令上明確化し、また、閲覧に関する事務処理の基本的な手続規定あるいは不正な手段による閲覧に対します制裁措置、これらを住民基本台帳の閲覧の場合に準じて整備すべきということになりました。
    また、これまでは選挙管理委員会の方で選挙人名簿の抄本を閲覧に供するほか、その他適当な便宜を供与しなければならないというような規定がございましたために、区市町村によっては抄本のコピーが可能でございましたが、今後は当該便宜供与の規定は削除し、コピーを禁止すべきとされております。
    次ページ以降につきましては、住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に対する検討会報告書ということで本文をつけてございます。後ほどお読みいただければと思います。
    今後のスケジュールでございますが、この検討会の報告書を受けました改正法案が来年の通常国会に提出、審議され、順調にいけば平成18年度中の施行となる見込みでございます。まだまだ審査手続等につきまして、区市町村の窓口の実務が円滑に進むためのいろいろな検討が必要かとは思いますが、ここで一つ課題となっていたことが解決される方向に向かっていくのかなと考えております。
    以上、簡単ではございますが、検討会の報告とさせていただきます。ありがとうございました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまの住民基本台帳の閲覧制度の見直しにつきまして、いかがでしょうか。
  • 広瀬委員
    先生に教えていただきたいんですが、検討会の中での議論として、差しさわりなければ、先ほど冒頭で閲覧の現行であれば6割ぐらいがDM事業者である。今回はそれが全面的に排除という形で営業活動は一切不可とします。そこら辺の内部的ないろいろな議論とかは特に出なかったですか。その基本線が先にありきみたいな、それによる問題点とか…。
  • 堀部会長
    商工会議所からもヒアリングをしました。いろいろ全国的に調べていただいて、実際に利用している例もあります。商工会議所の意見の中には、従来どおりダイレクトメールがあったかと思います。今正確に記憶していませんけれども、しかし、一方で、それがかなりいろいろ問題を起こしているということもあり、そこで営業目的、営利目的のものはこの際やめましょう、こういうことになりました。
    そういう中でも、市場調査についてはどうか。これは最後までいろいろ議論になりまして、先ほど稲葉副参事から説明いただいた中で、最後に入れたのは何ページだったですか。
  • 稲葉副参事
    報告書の6ページです。
  • 堀部会長
    6ページで、市場調査の中には、ダイレクトメールなどもそうなのですけれども、公益目的というのもあり得るわけです。だから、ここでは要するに営業目的、営利目的のものは認めない、こういうことで、6ページのオにありますように、市場調査も公益目的でやるものもあるではないかということもありまして、ここでむしろ排除するのは営業活動のために行うものだということで、こういうオのような書き方になっているということです。
    今回は、副参事から説明がありましたように、審査を厳格にする、今までは審査については明確な手続はなかったのですけれども、今回審査を厳格にするということで、それが次の6ページの(2)のところに出ているようなことになるわけです。
    これにしてもいろいろな意見がありまして、ヒアリングでも、従来どおり認めるべきだというご意見もありましたし、そういう観点から議論をいたしました。でも、日本経団連から推薦されてきた委員の方も、営利目的のものは廃止してもやむを得ないだろう、こういうご意見でもありまして、こういう方向になってきたということがあります。ただ、難しいですよね。
    一方、そういう公的な名簿についても、台帳のようなものについても、これは、オプトインとかオプトアウトという、本人の自分の情報をコントロールする権利をきちんと認めていくべきだと。だから、閲覧に供するものはこれだということで、自分はそこに閲覧してもらってもいいというオプトインといいましょうか、そういうものについてのみ認めるべきだとか、あるいはその名簿の中で、例えば住民基本台帳の中でも、オプトアウトで、自分は一切閲覧はされたくないということであれば、そこから削除してもらう。こういうことも認めるべきではないか、こういういろいろな議論もしましたけれども、これもそういう意見があったということは報告書では書きましたが、そうやっていますと、公的な名簿の場合には、統一性が崩れてくるということなどもありまして、こういった結果になっております。
    これは、今まで政府関係のいろいろな報告書ですと、大体メディアは批判的あるいは意見が分かれるところなんですが、これにつきましては、私が見た限りでは、各紙社説を掲げていますけれども、いずれも評価をしているということですので、現段階の意識というのはそういうところにあるのではないか、世論はそういうところにあるのではないかというふうに受けとめています。
    それでは、報告事項(7)は以上で終わります。
    もう1つ報告事項(8)で、その他というのがありますが、伊藤係長、お願いいたします。
  • 伊藤個人情報係長
    資料16をごらんいただければと思います。
    私どもで個人情報保護法に関する説明会の開催を予定しているご案内でございます。これは、東京都と内閣府、国民生活センター共催で、12月2日にこの庁舎5階の大会議場で約500人の定員で開催いたします。午前中が事業者向け、午後が消費者、一般向けでございます。現在参加者、受講者の募集を受け付けているところでございます。
    報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    何かご質問などありますでしょうか。
    それでは、特にないようですので、本日予定いたしました議事は以上で終わらせていただきますが、ほかに事務局の方でご発言がありましたらお願いいたします。
  • 三森参事
    皆さん、本日はお忙しい中、ご審議並びに貴重なご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
    審議会におかれます今後の審議予定についてでございますが、今のところ、特にまだ諮問する事項が発生しておりませんので、今後も発生がない場合につきましては、今回のような形で、個人情報保護条例、また情報公開条例の施行に伴います運用状況について、定期的に審議会で審議または審議会のご報告をさせていただきたいと考えてございます。
    現段階におかれます次の開催につきましては、来年の1・2月ごろを予定しておりまして、細かい日程につきましては、皆様方、非常に何かとお忙しいと思いますので、事務局として早目に調整をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
    私の方からは以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ほかにご発言があればと思いますが、よろしいでしょうか。
    それでは、本日の会議は以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

午後12時00分閉会

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