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平成29年(2017年)2月7日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第31回議事録)

第31回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成18年5月31日(水曜日)
東京都庁第一本庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 堀部会長
    ただいまから第31回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    会議は公開です。
    本日、高橋会長代理が欠席とのご連絡をいただいております。
    今回委員の交代がありましたので、まずそれについて紹介させていただきます。広瀬委員が辞任いたしまして、かわりに茂木委員が就任しております。新しく当審議会の委員をお引き受けいただきました茂木委員から一言ごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 茂木委員
    東京商工会議所の茂木でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それから、事務局にも交代がありましたので、武市課長から紹介をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    本年4月1日付で事務局職員に人事異動がございましたので、ご報告させていただきます。
    都政情報担当参事の萩原でございます。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    萩原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    個人情報係長の岡本でございます。
  • 岡本個人情報係長
    岡本でございます。よろしくお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    個人情報担当係長の福田でございます。
  • 福田個人情報担当係長
    福田でございます。よろしくお願いします。
  • 武市情報公開課長
    情報公開担当係長の河原でございます。
  • 河原情報公開担当係長
    河原です。よろしくお願いします。
  • 武市情報公開課長
    それから、住民基本台帳ネットワーク部会の事務局でございます
    総務局行政部振興調整担当課長の河野でございます。
  • 河野振興調整担当課長
    河野でございます。よろしくお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    以上でございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    それでは、本日の議事ですが、お手元にあります会議次第をごらんいただきたいと思います。審議事項が1件、報告事項が6件あります。
    まず、審議事項から入っていきたいと思いますが、この審議事項は、保有個人情報を取り扱う事務の開始についてということであります。お手元に情報公開事務の手引、それから個人情報保護の手引というのがありますが、情報公開の手引を見ていただきますと、203ページに「東京都情報公開・個人情報保護審議会規則」がありまして、第1条の2に審議会の意見聴取等というのがあります。そこに「東京都個人情報保護に関する条例第26条の規定により審議会が実施機関に意見を述べることができる場合は、次に掲げる場合とする」と規定し、1号で「実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合」を規定しています。この規定に基づきまして、これから保有個人情報を取り扱う事務の開始につきましてご審議いただきたいと思います。
    それでは、それにつきまして武市課長から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、新規に開始される保有個人情報取扱事務につきまして説明いたします。
    今回は公益通報に関する事務28件をはじめといたしまして、全部で45件のご審議をお願いいたします。事務の一覧につきましては、資料1の1枚目から3枚目でお示ししてございます。なお、事前にお送りいたしました資料は43件でございましたが、2枚の裏側、4ページ目の上から2つ目、福祉保健局の認知症理解普及促進事業、それから5ページの一番最後でございますが、オリンピック招致本部の公益通報に関する事務が、資料をお送りした後に提出されておりますことから追加になっております。
    一覧表の後に事務ごとに届出事項を1ページずつつけてございます。
    それでは、それぞれの新規開始事務につきまして簡単に説明させていただきます。
    まず、公益通報に関する事務でございます。
    本年4月より公益通報者保護法が施行になりまして、法におきましては、公益通報者の通報先として、1つは事業者内部、また2つ目は通報対象事実について処分等の権限を有する行政機関、3つ目に行政機関以外の事業者外部の3つの通報先を設けています。したがいまして、都におきましては、事業者として職員等からの通報を受け付けること、処分等の権限を有する行政機関として外部の一般労働者から通報を受け付けることが必要となります。そのため、全庁にわたりまして窓口を整備するものでございます。
    内容は同じでございますので、1ページの知事本局の分で説明させていただきます。
    保有個人情報を取り扱う事務の名称は、公益通報に関する事務でございまして、目的は公益通報者保護法に基づく公益通報を受け付け、処理するということでございます。
    保有個人情報の記録項目は、氏名、住所、電話番号、職業となっております。本人より収集いたしまして、目的外利用、提供や委託等はございません。
    他の局等につきましては、知事本局と同様でございますので説明の方は省略させていただきます。
    続きまして8ページをお開きください。8ページから11ページまで一括して説明させていただきます。
    まず8ページですが、建設局の水元公園地域活性化協議会に係る事務。これは協議会委員及びイベント連絡会メンバーから。それから9ページをおめくりいただきまして、都民協働団体管理事務。これについては団体の代表者または連絡担当者から。10ページ、借地による公園整備につきましては、土地の所有者から。11ページ、都立霊園使用者の意向調査事務につきましては、霊園の使用者から。いずれも氏名、住所、電話番号を本人より収集し記録いたします。
    なお、都民協働団体管理事務につきましては指定管理者による代行が、都立霊園使用者の意向調査事務につきましては委託がございます。
    続きまして12ページから18ページまでは公益通報に関する事務ですので飛ばさせていただきまして、19ページをお開きください。産業労働局のスーパーデザイナー養成事業でございます。これは産業技術大学院においてプロのデザイナーを対象に製品開発にかかわる工学的知識やマーケティング能力等を身につけていただくもので、セミナーを受講するデザイナーから氏名、住所、電話番号を収集し記録するものでございます。
    20ページ、産学連携デザイナー育成プロジェクトは、都内のものづくり中小企業とデザイン系大学の研究室とが共同で商品開発に取り組むプロジェクトでございまして、大学の教授、学生、それから参加中小企業の代表者、担当者の氏名、住所等を記録いたします。収集先のところで、本人以外というところにチェックがついてございますが、これは大学の先生から学生の情報を得るためと聞いております。
    21ページをお開きください。産学公スタートアップ助成支援事業でございます。こちらは中小企業が大学等と行う共同研究開発等の経費の一部を助成し、産学公連携の推進を図るものでございまして、企業の担当者の氏名、住所、電話番号を本人より収集いたします。
    22ページ、若者による若者就業支援プロジェクトでございます。NPO法人等から若者の目線、感覚に沿った若者の就業支援の事業企画を募集いたしまして、東京における若年者就業支援を進めるものでございまして、事業参画者の氏名、住所、そしてその他のところにチェックがございますが、備考に記載がございますメールアドレスを記録いたします。
    少々飛びまして27ページをお開きください。都市整備局の移転資金貸付・徴収事務でございます。公共事業の施行により移転する関係人に移転のための資金をお貸しし徴収する事務でございます。そのため、記録項目は多岐にわたっておりまして、基本項目につきましては、本籍、国籍を除きすべて、そのほか家族状況ですとか、社会生活の項目では職業、財産、収入、納税状況、公的扶助となっております。
    30ページをお開きください。30ページと33ページでございますが、こちらはいずれも養護老人ホーム利用者の介護保険に関する事務でございます。介護保険法改正に伴い施行規則が改正になりまして開始された事務でございます。内容は同じですが、板橋と東村山とで届け出がありますので2枚になっています。こちらも記録項目が多岐にわたっておりまして、本人以外からの収集もございます。本人以外の他の官公庁というところでは、区市町村の福祉事務所を指しているとのことでございます。
    31ページをお開きください。福祉保健局のキャラバン・メイト養成研修でございます。キャラバン・メイトとは認知症サポーターを育成できる人材をあらわすとのことですが、都内区市町村職員からキャラバン・メイトとして登録していただきまして研修を行います。
    32ページは認知症理解普及促進事業でございます。「認知症高齢者を地域で支える東京会議」の公募委員応募者の氏名、住所、電話番号、年齢、性別、職業を収集し記録いたします。
    34ページは食品の苦情に伴う調査でございまして、苦情対象の食品の製造、販売、輸入者の担当者、それから苦情を届け出た者から氏名、住所、電話番号を記録いたします。
    おめくりいただきまして35ページでございます。衛生管理責任者及び作業衛生責任者資格取得講習会の実施事務でございまして、講習受講者から氏名、住所、生年月日、職歴、学歴を収集いたします。
    38ページをお開きください。青少年・治安対策本部の東京あいさつフェスタでございます。あいさつ運動をこれから展開していくわけですが、そのキックオフイベントとして実施されるもので、集会参加者の氏名、住所、年齢、電話番号を記録いたします。
    少し飛びまして43ページをお開きください。43ページと44ページは、本年の4月1日より実施機関入りいたしました公安委員会と警視庁の新規事務でございます。公文書開示事務に加えまして、保有個人情報の開示・訂正・利用停止事務を新たに開始することから新規の事務として届け出たものでございます。
    なお、新たに開始する事務ではございませんが、警視庁及び公安委員会が実施機関入りすることによりまして保有個人情報取扱事務を公表します。そちらを資料2に取りまとめてございます。公安委員会3件、警視庁140件の事務が公表されることになります。
    説明が長くなりましたが、以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまご説明いただきました審議事項につきまして、ご質問ご意見をお出しいただきたいと思います。
    この取扱事務の届け出というのは、個人情報保護条例5条で「実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、東京都規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときは、変更する事項についても同様とする」と規定しておりまして、これが先ほど武市課長から説明いただきました書式で条例5条1号から6号までの事項が明らかになっているということです。
    いかがでしょうか。
    このような条例の規定を設けるに至りました1つの背景とすると、国際的な基準がありまして、「個人情報保護の手引」351ページにOECD理事会勧告の8原則というものが掲載されています。この8原則が東京都の条例をつくるときにも重要な役割を果たしたわけでありまして、こういう国際的な基準に従って条例の設定を議論したわけであります。この5条の規定はその中の6の公開の原則、これは要旨だけ出ていますけれもど、1つ目の丸で、個人データに係る開発、実施、政策は一般的に公開する。2つ目の丸で、個人データの存在、性質、主要な利用目的、データ管理者は明示するとなっています。こういう趣旨にのっとって5条というのができていまして、現在ホームページで公開されています。今回の45件もホームページに掲載されるわけですね。
  • 武市情報公開課長
    ご審議いただいた後に掲載することになります。
  • 茂木委員
    38ページのところで、あいさつ運動の集会の参加者の個人情報ということなんですが、こういうケースはよくあるものなんでしょうか。集会参加者のリストをつくるというのは。
  • 武市情報公開課長
    出席状況を事前に把握したいということで、氏名をいただいておるケースは多いです。
  • 秋元委員
    関連していいですか。こういう場合は出席者を事前にやって、終わった後はもうすぐに管理としては消去をしてしまうとか、そういうことですか。どうなんでしょうね。
  • 武市情報公開課長
    終わりました後は、いつまで保有するかということは実施機関の判断になります。例えば私どもで講演会等を開く際に個人情報を収集することがありますが、その際終わりまして速やかに廃棄するような形で運用しております。
  • 堀部会長
    ですから、こういうものも保有個人情報取扱事務として届け出る、こういいうことになっているわけですね。
  • 武市情報公開課長
    個人情報を収集するという事務であれば届け出てくださいということでお願いしています。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。特にないようですので、審議事項は以上で終わらせていただきまして、次に報告事項に入らせていただきます。
    議事次第の3が報告事項になっていまして、そのうちのまず第1の個人情報に関する相談の概況及び事業者アンケートの結果についてということで、これは福田係長から説明をお願いいたします。
  • 福田個人情報担当係長
    報告事項の(1)につきまして、ご説明いたします。
    お手元の資料3をごらんいただけますでしょうか。こちらは5月22日にプレス発表を行った資料でございます。東京都では個人情報保護法の全面施行にあわせまして、17年4月1日から個人情報保護に関する相談総合窓口を設置して相談に対応してきたところでございます。このたび1年間の相談について取りまとめ、先日プレス発表を行いましたので、こちらの資料に沿って1年間の相談の概況をご説明いたします。
    まず、相談件数でございます。1年間で都民等、事業者、行政機関から2,156件相談を受け付けました。そのうち都民等からの相談が全体の62.9%を占めております。年間の推移を見ますと7月以降ほぼ横ばいという状態になっております。
    次に相談の特徴を3つまとめてございます。最も多い都民等からの相談を見ますと、苦情が6割を超えております。そのうちの約2割が金融・信用分野で、次いで情報通信関係、それから不動産業関係となっております。
    事例といたしまして、消費者金融で借入金の返済状況に関する開示を求めたが開示されなかったという相談を載せてございます。
    次に相談の内容でございます。都民等からは不適正な取得、同意のない提供、漏えい・紛失といったものに関する相談が上位を占めております。事業者からは同意のない提供に関する相談が目立っております。それぞれに対応する事例といたしまして4つ載せてございます。学習塾から子供の学校名までが記載されたダイレクトメールが送られてくるというもの。それからインターネットで賃貸物件の資料請求をしたら、別の不動産業者から広告が来たというもの。通信事業者が個人情報の入った申込書類を紛失してしまったという事例。事業者からのものでは、事業の清算に当たり事業を引き継ぐ際の顧客情報の提供には、本人同意が要るのかどうか、こういった相談が寄せられております。
    また、いわゆる過剰反応にかかわる相談も約1割ございました。事例といたしまして、学校の緊急連絡網は今後作成できないのかというもの。また、家族が医療機関を受診したので、診察が終了したかどうかを尋ねたら個人情報の保護を理由に教えてもらえなかった、という相談が寄せられております。
    次に資料編をごらんください。1枚目でご説明いたしました内容のもととなるデータを資料として載せてございます。1の受付状況といたしまして、受付の区分、相談者の区分、それから月別の相談件数を載せてございます。月別の推移を相談者の区分ごとに分けていますが、4月当初多かった業者からの相談は徐々に減って、都民等からの相談が全体として多い割合を占めるようになっております。
    次に相談の概要でございます。相談の区分としましては、全体として問い合わせが1,210件、全体の56.1%を占めております。半数以上が問い合わせという状況でございます。
    次のページには都民等からの相談の対象分野、相談内容のベストファイブ、処理の経過について載せてございます。
    相談の対象分野については最初にご説明したとおりです。相談の内容については、都民等からの相談の上位順に載せてございますが、事業者につきましても、順位は異なりますが、項目は同じ5つが上位の相談となっております。
    処理の経過につきましては、情報提供が1,225件と最も多く56.8%。次いで指導・助言の順でございました。
    次のページには、事例を3つ載せてございます。まず1つ目として、語学学校から不要なダイレクトメールが来るというもの。講座を受けていたが、トラブルがあって解約した。今後一切かかわり合いを持ちたくないのでダイレクトメールは拒否していたが、来てしまうというものです。これにつきましては、保護法上、利用停止などは求められませんが、当事者間で解決が困難と判断いたしまして、東京都から事業者に確認を求めました。その結果、内容について相談者の方にご説明し、納得していただいたという事例でございます。
    2番目といたしましては、保険会社が個人情報を含む書類を紛失してしまったというものでございます。相談者が保険会社に苦情を申し入れましたが、社内で紛失の事実がきちんと把握されておらず、相談者に対して適切な対応が行われなかったというものです。それを受けまして、東京都から事業者に指摘し、被害の状況や事故の経緯、今後の対策について説明を求めました。二次被害のおそれなどがないということが判明しまして、相談者に対して事業者から謝罪し、納得していただいたという事例でございます。
    3番目としましては、事業者側から相談を受けたものです。マンション販売に当たり、委託元の収集した情報を利用するのは第三者提供に当たるのかという相談でございます。こちらは委託でございますので、第三者提供には当たりませんが、情報を利用する際には利用目的の範囲内で行うことが必要と助言しております。
    続きまして、資料4になりますけれども、個人情報保護法に関する事業者アンケートについて説明させていただきたいと思います。
    今年の3月3日に事業者を対象として個人情報保護法に関する講演会を開催いたしました。
    340人の参加をいただきまして、そのうち225人から回答を得ております。個人情報の取扱事業者に該当する事業者は181、該当しない事業者が33となっております。
    問2の事業分野は、製造、販売、小売、サービス業といった業種が目立っております。
    次のページをごらんいただけますでしょうか。問3といたしまして、法の施行に伴いどのようなことに取り組んだかについてアンケートを行っております。
    規定や様式、体制の整備について取り組みが見られる一方、委託先の監督等についてはおくれが見られるようでございます。
    なお、取り組んでいる項目への回答数を比較しますと、右下に平均回答数が出ていますが、個人情報取扱事業者の該当事業者が4.37であるのに対しまして、非該当事業者では1.73と2項目に満たない状況となっております。
    問4でございますが、自社の取り組みについてどう思うかというものでございます。「優れている」「適切な水準である」との回答を合わせますと、個人情報取扱事業者では5割を超えているのに対しまして、非該当の事業者では3割にとどまっております。
    次のページ、問5でございます。こちらでは、法やガイドラインに沿った運用を図る上での意見・要望を伺いましたところ、過剰反応に対する事例、法解釈、ガイドライン等を取り上げて紹介してほしいというものや、法やガイドラインに沿った運用を図るために業態に応じた具体例を分野ごとに案内してほしいというもの、また一般市民への説明が不十分だというもの、うわさがひとり歩きして適正に対応している企業にとって迷惑なので周知徹底をお願いしたい、という回答がありました。
    最後に問6でございます。こちらは都条例について質問したものでございます。この中では逆に、個人情報の該当事業者で、よく知っていたのが6割だったのに対しまして、非該当事業者では8割が条例について、知っている、聞いたことがあるとの回答が行われております。
    私からの説明は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。個人情報に関する相談の概要、それから事業者アンケートの結果についてご説明いただきましたが、ご質問などあればお出しください。
    大変興味深い結果が出ているかと思います。相談件数もほかに比べるとかなり多いのでないかと思いますが、何かほかの自治体などお聞きになっていますか。
  • 福田個人情報担当係長
    横浜市で464件と発表しています。
  • 堀部会長
    464件ですか。
  • 藤原委員
    興味深い数字を示していただいてありがとうございました。それでは、せっかくですから2点ほど伺いますと、1点目はいわゆる過剰反応にかかわる相談も約1割ということなんですが、常にコンスタントに1割程度なのか、前回よりは少しは減ったのかというのが1つと、2つ目はアンケートを興味深く拝見したんですけれども、母数の225で、該当しない人たちが33いると。ただ、その中には、多分行政は入らないからそれも引くんでしょうけれども、この該当しないという数字自体はアンケートの回答者がそう思っておられるということですよね。ひょっとすると、顧客名簿で5,000ないからとか、社員は関係ないからとか、そういう誤解もあるかもしれないという、そういう前提でしょうか。2点です。
  • 武市情報公開課長
    まず過剰反応の割合ということですが、前回は数字的なものはお示ししていなかったかと思いますが、ほぼ平均で月20件ということをかんがみますと、やはり1割程度コンスタントにあるのかなというふうに感じております。
    それから、事業者アンケートの非該当事業者なんですが、これも自己申告ということでやっておりますので、どこまでご理解があって非該当としているのかどうかというのは、こちらでは把握しておりません。
  • 堀部会長
    ほかにいかがですか。
  • 渡邊委員
    1件は先ほど堀部さんの方からございましたけども、ほかの自治体はいいんですけど、東京都の区市町村はどういう扱いに、逆に多いのか少ないのかとか、そういうところが1点と、あとこの件数なんですけども、これは同じ人が何回もかかっているとか、そういうあれはないのかどうなのか。
    それと、最後の方のアンケート調査で、問い5の意見・要望とか上がっていますが、これに対して都としてどういう回答というか、取り組みをしてきたのか、その辺を少し聞かせていただきたいと思います。
  • 福田個人情報担当係長
    区市町村の状況については、4月当初は多くの相談があったがその後は件数が減少している、と聞いております。
  • 渡邊委員
    では、同じこういうカーブになっていると。
  • 福田個人情報担当係長
    カーブは同じと聞いております。
    2点目、同じ相談者から来ているかどうかについては、確かに繰り返し対応したものもありますが、全体としては少なく、多くの方からご相談をいただいているという状況です。
  • 渡邊委員
    その件数の中の1件1件でカウントされているのですか。
  • 福田個人情報担当係長
    1件1件でカウントしています。
  • 渡邊委員
    ああ、しているんですか。
  • 武市情報公開課長
    3点目のご質問ですが、法やガイドラインに沿った運用を図る上で意見をということで過剰反応に対する事例、法解釈、ガイドライン等をとりわけ紹介してほしいですとか、業態に応じた具体例を各分野ごとに案内してほしいというのがございました。こちらは、こういったことを受けまして、東京都としては引き続き、これまでも過剰反応に関するものでQ&Aというふうにご紹介したりしていたんですが、きめ細やかにいろいろな形でご紹介していきたいと思っています。
    また、相談窓口を設けておりますので、個別の相談についても丁寧に対応していくということですとか、それから今東京都の方で個人情報保護に関するホームページを持っております。そのホームページなども活用いたしまして、内容の周知に努めてまいりたいと思っております。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
  • 茂木委員
    問5のところで、意見・要望が書かれておりますが、事業者サイドでは、このような意見はよく聞く話なんですね。このあたりの項目について、今後できることというのは何かあるんでしょうか。対応策としてですね。今のPRとか何かもあるんでしょうけれども、何かこう書かれてきている部分というのが当初から言われて、より最近もこういった傾向は事業者サイドからすればよく聞かれる内容なんですけれども、これはそのまま何か方策があるのかなとかいつも思っているんですけれども、この辺はどうでしょうか。
  • 萩原参事
    決め手となるものは、これという正解はないように思いますが、今後、東京商工会議所など、事業者団体の方とも連携を深めさせていただき、個人情報保護法に関する正しい法の周知の機会を設けるなど、東京都としてはより一層、法の周知の研修、普及啓発を強化していきたいというふうに考えているところでございます。
  • 堀部会長
    東商などは何か担当者を設けているのでしょうか。
  • 茂木委員
    やってはいまして、実はこの質問の中にはなくて、対応策の中で、私どもも個人情報保護に関するこういう問題についての共済の保険をつくったんですね。漏えいした場合の保険をやったんですけど、これがほとんど余り広がりがなくて、だからこのあたりが、そういう問題が起こっても事前処理をやっていて表に出てこないのかどうなのかよくわからないんですけれども、私どものPRの不足部分もあるんですが、何かもう1つ、不満があったりいろいろあるんですけれども、実態はどうもよくわからないというのが実情でして、どの程度どうなっているのかなという感じで、実際にそういうことが起こって、うまく処理ができているのかどうかちょっとよくわからないところでありますけれども。
  • 堀部会長
    損保会社の話ですと、かなり契約件数は増えていると言っていますね。
  • 茂木委員
    当初取引先の大手からセットものでやって、当初は増えて、その後はどうなんでしょうか。そのまままだ継続しておりましょうか、ちょっとそこら辺はよくわかりませんけどね。
  • 堀部会長
    保険料は幾らぐらいになりますか。
  • 茂木委員
    かなり安いんですけれども、業種とリスクによってかなりばらつきがあるものですから、そういう点で一概には言えないもので、例えば情報産業とか何かでいけば相当、漏えいした場合の影響が大きいので、そういった場合の部分ですとか、対象人数とか、そういったことの組み合わせの中で料金設定をしているものですから。
  • 堀部会長
    この前、そういう関係者と懇談していたときの話ですと、規模によって、保険料が違うらしいのですが、10万円ぐらいから始まって、大規模になると300万円ぐらいになるということを言っていましたね。中身をちゃんと見ていないのではっきりわかりませんけれども、個人情報が入っている、例えばCDをなくしたとか何かというだけでは保険金は出ない、実際にその個人情報が外に漏れて損害をこうむったとか何か、そういう段階にならないと払ってくれないので、企業の側からすると、パソコンをなくしたというようなことで、そこに個人情報が入っていれば、いつどういう形で悪用されるかわからないから、そこで払ってもらいたいのだけれども、それだけですと払ってくれないと言った人もいますね。そういうようなやり方ですか。
  • 茂木委員
    そうですね。
  • 堀部会長
    というようなことで、民間でも、もちろん東京都としてもこういう事業者を対象に講演会などもやっていますし、先ほど萩原参事が言われたように、東商あたりともいろいろ連携をとりながら、事業者にぜひ個人情報保護法についてよりよく理解していただく。それから、個人情報保護条例となると余り理解されていないようですので、これも法律の適用がある事業者以外についても条例の適用がありますので、そういうあたりをもっと知っていただく、そういうことも必要なのではないかという印象を持ちました。
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、次に報告事項の2としまして、東京都における個人情報保護の取組状況についてということで、武市課長からお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、東京都における個人情報保護の取組状況について報告させていただきます。
    これまでの審議会で、都における取り組みといたしまして、職員向けに説明会や研修を開催してまいりましたこと、また個人情報の安全管理に関するモデル基準を作成し、それぞれの組織において保有する個人情報の状況に応じて適切な管理に取り組むよう規定の整備をお願いしていること、東京都職員のための個人情報保護・情報セキュリティハンドブックといったものを作成いたしまして、個々人にも徹底しているというようなことを報告させていただきました。
    資料5に、昨年度末での整備状況ということでお示しさせていただきましたので、お開きいただければと思います。前回の報告以降、まだ少しずつで恐縮ですが、進めてまいりました。
    17年度末で100%整備済みの局は前回17局だったわけですが、今回22局となっております。整備済みの課の割合は一番下に記載がございますが、8割となりました。未整備は3局でございます。昨日の時点で追跡調査いたしましたところ、このうち総務局が決裁中である3課を除いて整備済み、また、環境局につきましては、残りの課についてすべて整備済みとの報告をいただいております。また、教育委員会につきましては、未整備の課が274となっておりますが、そのほとんどが学校でございます。268校2分校ということでございます。教育庁におきましては、都立学校現場の実態にかんがみまして、6月の上旬に庁内に検討組織を設置し、課題を整理した上で、本年の8月を目途に指針を作成する予定にしているとのことでございます。
    続きまして、資料6をお開きください。前回の審議会で、情報セキュリティ・個人情報保護状況の緊急点検について実施しますということを報告させていただきました。実際に情報セキュリティ・個人情報保護の意識の向上ですとか、対策強化を図るために今年の1月から3月にかけまして緊急点検を実施いたしました。
    点検の内容と方法でございますが、情報セキュリティにつきましては、点検者が現場に出向き、事故要因として多くを占める盗難、紛失、ウイルス感染、不正アクセス、パスワード設定など、主要なリスクにつきましての基本的な事項を点検いたしました。また、個人情報保護につきましては、安全管理規程の整備状況や保有個人情報の保管状況、プリンター、ファクシミリなどの出力書類等の管理状況、書類の廃棄状況、委託契約内容やその履行状況等を、これは個人情報管理責任者、各課の課長が当たっておりますが、その管理責任者の自己点検として実施いたしました。
    その点検結果でございますが、情報セキュリティ関係で見つかった問題点としては、パスワードの管理が不十分でしたり、緊急時の体制が未整備だったり、端末等へのワイヤの未設置といったものがございました。
    個人情報保護状況の点検につきましては、1枚おめくりいただければと思います。今回情報セキュリティの緊急点検とあわせて行うということで、基本的には紙情報の管理といった面からの点検表となっております。なお、今回の点検はパイロット的な位置づけでございまして、334課において実施いたしました。基本的な点検項目といたしまして、資料にございます20項目をお示ししましたが、局ですとか庁独自の項目をさらに追加して点検していただいたところもございます。
    なお、個人情報管理責任者による自己点検として、それぞれの点検項目につきまして、「○実行できている」「△概ね実行できている」「×実行できていない」「-対象なし」を判断していただきました。
    点検内容といたしましては、大きく分けて法令等の遵守と個人情報の点検に関すること、個人情報の収集・廃棄に関すること、目的外利用・提供に関すること、個人情報取扱事務の委託に関すること、職場内での個人情報の取り扱いに関すること、危機管理ということでございます。
    結果を見ますと、点検項目の20「個人情報が漏えいした場合の対処手順を取り決めているか」について、×ですとか△と回答したものが多くなっています。この点検を受けまして、早急に取り決める、策定中という報告が上がってきております。
    次に不備との件数が多かった項目ですが、10号の個人情報が記録された文書を施錠できるところに保管しているかといったものです。これはかぎのかかるところがあってもそこに保管していないという面と、入れていてもかぎが整備されておらず、実質的な管理ができていない面と両方ございました。かぎのかかるところへの保管の徹底とかぎの整備について取り組んでいただきました。
    今回の点検は管理者の自己点検ということでしたので、若干評価にばらつきがあったところも見られますので、全数の点検に向けまして、項目の記載方法ですとか内容など、より工夫してまた実施してまいりたいと考えております。
    報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。報告事項の(2)東京都における個人情報保護の取組状況につきましてご質問ご意見等をお出しいただきたいと思います。
    前回も教育委員会の安全管理規程の整備状況はよくなかったのですが、それに比べれば改善されているかと思うんですけれど、いつごろまでに全部整備するようになるのでしょうか。
  • 武市情報公開課長
    教育委員会次第ということになりますが、本年8月をめどに指針を策定したいということで聞いております。
  • 堀部会長
    学校は確かに余り意識が高くないというところがありまして、文部科学省は4月に「学校における個人情報の持出し等による漏えい等の防止について」という通知を出したりしています。
  • 武市情報公開課長
    教育庁におきましても、教育委員会の個人情報事務取扱要綱ですとか、服務通達において個人情報の外部持ち出しを禁じてはいるということなんですが、なかなか職場実態に合わないということも指摘されているようでございます。学校ではパソコンの配備が十分でないことや、教員個々人の職務内容が多岐にわたるということで、すべての仕事を学校内で終えることが非常に困難な状況にあるということでございます。そのために教員が職務の一部を自宅に持ち帰り作業を行うということがかなり行われておりまして、特に教科指導に係る教材研究や資料作成はもちろんのこと、生徒指導とか部活動指導など公務に熱心な人ほど自宅に持ち帰る作業が多い実態にあるということでございまして、禁止というのは一律にはできるんですけど、やはり実態を踏まえた運用というのをより考えていきたいということで、なかなか整備が進んでいないということでございましたので、ご理解いただければと思います。
  • 堀部会長
    いかがでしょうか。
  • 藤原委員
    今お答えになったようなことを質問しようと思っていて、確かにそのように聞くし、そういう実態であることはわかるのですが。区市町村レベルでも多分同じような状況であると、先ほどの過剰反応の名簿の問題とか、あと小学生なんかの安全の問題で、いろいろな携帯等を使ったりした情報の共有とかありますけれども、あれにご父兄の反対が相当多いのは、やはり、管理の方は本当に大丈夫なのかと。現場の実態はというのは大変よくわかるんですけれども、民間企業よりも多分大変だというご説明でしょうけれども、都というより、小中学校レベルはできるだけ早くきちんとやった方がいいのではないかとは思っています。
    それと、自宅に持ち帰ったときの問題は、ご自分の仕事だということで、例の私用のパソコンを使うということで、もう数年前から実は警察の場合は言われていたことですよね。都道府県警察なので、予算の関係で自分のパソコンを使っていてという…。ただ、その結果がどうだったかというとウィニーの話ですので、そっちの方も何となく気になるので、教育委員会では頑張っていただきたいということだけ申し上げておきます。
  • 武市情報公開課長
    教育委員会の方にしかと伝えさせていただきます。
  • 堀部会長
    ウィニーの点検はしているのでしょうか。
  • 武市情報公開課長
    ウィニーにつきましては、かなり社会的な問題ともなっておりまして点検をしております。それから都庁内でも、情報セキュリティ委員会というのがございまして、そちらの方で委員会を急遽開催いたしまして、ウィニーの使用を禁止するということで徹底しております。あと情報公開課の方からも、「ウィニーを介して感染するウイルスによる情報流出対策について」というような形で通知を全庁に出しまして注意喚起をしたところでございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それでは、続きまして、報告事項の3、個人情報保護取扱事務要綱に基づく報告の概況と4の個人情報に係る事故報告ということで、岡本係長からお願いいたします。
  • 岡本個人情報係長
    それでは、ご報告いたします。資料7でございます。
    個人情報取扱事務要綱に基づきまして、庁内における個人情報の取り扱いの状況をまとめております。1と2が例外的な個人情報の取り扱い、3が開示請求等の件数、4が個人情報に係る事故でございます。順次ご説明をいたします。
    1の本人外収集でございますが、実施機関が保有個人情報取扱事務を開始する場合には、先ほど審議していただきましたような届けを出すわけでございますが、もともと本人外収集の届け出をしていない場合に例外的に個人情報を本人外から収集した場合に報告を求めているものでございます。
    条例第4条第3項に1号から7号まで該当事項がございまして、例えば1号、本人同意がある場合でございますけれども、職員の安全衛生事務において、休職とか復職にかかわる医師の診断書を本人の同意を得て医療機関から直接収集した事案でございます。また、7号の国等の事案でございますが、国や他の地方公共団体等から取得することが事務の執行上やむを得ないときで、本人の権利・利益を不当に侵害するおそれがないと認められる場合でございまして、用地取得において権利者に関する情報を法務局から収集した事案などが報告されております。
    以上が1の本人外収集の報告でございます。
    続きまして、2番目の目的外利用・提供でございますが、保有個人情報は本来の取得目的のみに使うのが原則で、例外として条例第10条第2項に1号から6号までの定めがございまして、それに該当する場合は例外的に当初の目的外の利用・提供が可能となっております。その内容でございますけれども、1号は本人の同意がある場合でございます。報告されておりますのは、心身障害者の知能指数等に関する情報を本人、保護者の同意を得て障害者雇用の推進のために公共職業安定所に提出したもの等が報告されてございます。
    それから2号の法令等に定めがある場合でございますが、これは件数が非常に多くなっておりますけれども、それはほとんどが税金・課税関係の情報でございます。主税局、都税事務所で集めました情報を東京国税局、あるいは市町村の固定資産税所管課に提供するものでございます。また、捜査事項照会の回答などもこの中に含まれております。
    6号でございますが、同一実施機関内で利用する場合、また国や他の地方公共団体等に提供する場合で、事務に必要な限度で利用し、かつ利用することに相当な理由があると認められる場合でございます。食品衛生責任者養成講習会の受講者の名簿を区の保健所の職員関係営業の指導等に要するため区に提供した事案等が報告されております。
    続きまして、3は開示・訂正・利用停止請求の件数でございます。昨年度1年間で850件の開示請求がございました。ちなみに平成16年度は646件でございますので、32%の増加となっております。なお、訂正請求及び利用停止請求はございませんでした。
    どういう事案についての開示請求が多いかでございますが、前回も審議会でご報告しておりますが、それほど変わってはございません。具体的に3件ほど多い方から挙げますと、身体障害者手帳交付に関する診断書等の請求、これが261件ございました。あと都立病院のカルテ等、この関係が241件。それから17年度からの特徴でございますが、職員が自己にかかわる個人情報の開示等の請求ができることになりましたことから、職員情報の開示請求、これが161件ほどございました。
    次に行きまして4番目でございます。個人情報の漏えい等の事故でございます。ここに掲げてございますように、昨年度は7件の個人情報に係る事故が報告されております。個々の内容につきましては審議会の都度報告しておりますけれども、例えば、産業労働局で、TOKYOはたらくネットメールニュースにおいて、メールサーバー設定のミスにより、購読者が管理者あてに発信したメールが購読者全員に配信されまして、購読者の個人情報が他の会員に明らかになった事項。それから、東京都公報dのインターネット公開において、翌日公表分の内容が閲覧可能な状況になっていて、その中に行政書士試験合格者の情報が含まれていたことなど、7件中4件はIT関連の事故でございました。
    次に、今年度新たな事故がございましたので、ご報告させていただきます。資料8でございます。今月の2日に福祉保健局の所管であります都立北療育医療センターにおきまして、職員が個人情報を含む書類を紛失するという事故が発生しております。資料にございますとおり、新採の看護師が勉強のため個人情報を含む書類を自宅に持ち帰り、その後職員寮に戻る際に紛失したものでございます。
    紛失した個人情報は、次のページにございますように、施設利用者の氏名、生年月日、病名等を記載したもので37名分の個人情報でございます。紛失が判明した以降、鉄道会社へ連絡するなど捜索を行いましたが発見できず、5月4日には警察への遺失物届、5月9日には該当する利用者への報告と謝罪を行っております。幸いにもこの書類は後日発見されました。5月11日になって、JR東日本から拾得物の連絡が届きまして、翌12日に警視庁の遺失物センターで紛失した書類を確認し回収いたしております。
    この事故を受けまして、北療育医療センターにおきましては、再発防止に向けて個人情報の保管・管理の徹底を図るとともに、職員の悉皆研修を実施するなどの対策をとっております。また、福祉保健局におきましては、事業所所長会を開催し、個人情報保護の徹底を周知いたしております。
    ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ご質問ご意見等をお出しください。
  • 藤原委員
    これは、取り扱いがあればということで教えていただきたいんですけれども、さっきの目的外利用の法令等による定めで、捜査事項照会が含まれているということなんですが、弁護士会からの照会は自治体によって若干分かれるみたいなんですが、東京都の場合はそれもここで認めておられるんでしょうか。捜査事故照会はオーケーであって、弁護士会の弁護士法23条の場合はどうしているかという、事例があればということで結構です。
  • 武市情報公開課長
    事例は報告がこちらに来ておりますので、照会に応じているということでございます。ただ、すべてに対して応じているかというと、そうでない事案もあるというふうにも聞いております。
  • 藤原委員
    ありがとうございました。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。10条の解説でそこはどうなっていましたか。30ページ、法令の定めのところ、これは具体的な法令名までは挙げていなかったですかね。
  • 武市情報公開課長
    いろいろ混乱が生じていたものですから、今回この手引を更新するに当たりまして、その点を厳格にしようということで、「刑事訴訟法や弁護士法に基づく照会は法令等の趣旨・目的により相手方に報告すべき義務を課すものと解される」ということを運用に追加いたしました。ただ、やはりそれぞれのケースですとかいろいろございますので、権利・利益を害することになると認められる場合とかもございますので、義務づけはあると解されているということを明記するということで対応しております。
  • 堀部会長
    それでは、次に移らせていただきます。報告事項の5、存否応答拒否事案ということで、これにつきましては、高橋係長と岡本係長から説明をお願いいたします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、お手元の資料9になりますが、存否応答拒否を行った情報公開制度の5件についてご報告させていただきます。
    存否応答拒否につきましては、情報公開条例10条、桜色の手引の方の56ページに当たります。こちらに、「開示請求に対して、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は当該公文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができる」という規定がございます。こちらの存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例の施行についての通達及び情報公開事務取扱要綱におきまして審議会にご報告させていただくということになっております。手引でいうと57ページの上の方に書いてありますとおり、ご報告させていただきます。
    本日情報公開の5件の内訳といたしましては、資料の順に、病院経営本部1件、監査事務局1件、主税局1件、警視庁2件となっております。
    では、資料の順に簡単に説明させていただきます。
    まず初めに1枚目と2枚目、病院経営本部と監査事務局の2件をまとめてご説明させていただきます。これは件名を見ていただくとわかりますとおり、同じ請求者のものでして、2つの実施機関に係るため、同じ内容の決定が2件分という形になっております。
    こちらの方、件名のところをごらんいただくとわかりますとおり、私の行った住民監査請求に対する開示請求、開示者請求者本人にかかわる資料についての開示請求です。
    情報公開条例上、何人が請求された場合でも同じ扱いをするということになりますので、やはりこのように特定個人向けのものにつきましては、5の存否応答拒否を行った理由欄にありますとおり、対象公文書の存否を明らかにすることによりまして、特定個人が住民監査請求を行ったか否かという個人の行動に関する非開示情報を明らかにするため、条例7条2項個人情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものでございます。
    ただいまの2枚をおめくりいただきまして、資料9の3枚目の方をごらんください。主税局の案件でございます。こちらは、特定の土地に関する固定資産税の申告書、または固定資産税、都市計画税の非課税申告書についての開示請求でございます。
    5の存否応答拒否を行った理由の欄にございますとおり、本件開示請求は特定の物件を指定した請求であって、本件請求に応じること自体が特定物件の申告の有無、課税状況の有無を明らかにすることになるため、情報公開条例7条1号の法令秘情報、3号の法人情報、6号の行政運営情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものでございます。
    1枚おめくりいただきまして、警視庁案件の方に移らせていただきます。
    警視庁案件1枚目は、特定個人が留置された際に、また別の特定の個人が面会や差し入れを行った際の面会記録や差し入れ記録に関する開示請求でございます。こちらは特定の個人名を名指しした上で当該文書の開示を求めたものでございまして、本件対象公文書が存在するか否かを答えるだけで、特定個人が留置されたか否か、面会や差し入れを行ったかどうかという個人の行動に関する情報が明らかになるため、情報公開条例7条2号個人情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものでございます。
    もう1枚おめくりいただきまして、警視庁案件の2件目でございます。こちら、件名のところをごらんいただきますとわかりますとおり、特定の警察諜報員--これは開示請求者の表現を使っておりますが--が特定の個人に対して情報収集活動をするに当たり、公安部に提出した発動を要請した文書及び情報収集活動を続行するに当たって特定の警察諜報員が書く理由記載の文書すべてについての開示請求でございます。
    5の存否応答拒否を行った理由欄にありますとおり、本件開示請求は、特定の個人情報及び特定の個人に関する捜査活動に関する情報の開示を求めたものでございまして、当該開示請求に係る公文書の存否を答えるだけで、特定個人の名誉及び信用に関する個人情報を開示することになるため、条例7条2号個人情報に該当します。また、特定個人に対する警察の捜査活動等に関する情報を明らかにし、その結果、今後の捜査活動等、その他公共の安全の秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるということで、条例7条4号犯罪予防、捜査の情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものでございます。
    以上、情報公開制度存否応答拒否案件5件についてご報告させていただきました。
  • 岡本個人情報係長
    引き続きまして、1枚おめくりいただきまして、個人情報保護関係の存否応答拒否案件のご報告をいたします。
    個人情報保護条例17条の3「開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる」という規定がございます。こちらにあります警視庁の案件でございますが、先ほど情報公開関係の存否応答拒否事案にありました警察諜報員の件と開示請求者とも同一でございまして、情報公開請求で存否応答拒否となった後、個人情報の開示請求をしてきたものでございます。
    5の存否応答拒否の理由としましては、次のページになりますけれども、存否を答えることにより本人以外の特定個人が識別され、個人の名誉及び信用に係る個人情報を開示することとなるため、個人情報保護条例16条2号に該当するということと、それからもう1点、一定の個人に対する警察の捜査活動等に関する情報が明らかになり、今後の捜査活動等その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるためということで、16条4号に該当するということの2点でございます。
    案件のご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。存否応答拒否事案につきましてご質問ご意見をお出しください。
    それでは、特にないようですので、報告事項の6、住基ネット関連の訴訟状況等につきまして、総務局行政部の河野課長から報告をお願いいたします。
  • 河野振興調整担当課長
    総務局行政部の振興調整担当課長の河野でございます。本年度より住民基本台帳ネットワーク部会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。
    住民基本台帳ネットワークシステムに関しましては、本年3月及び4月に東京都が関連する判決が2件ございました。本日は、その内容とあわせまして住基ネットの本人確認情報の提供状況の、これに関します開示状況についてご報告させていただきたいと思います。
    まず初めに、住基ネット関連の訴訟についてご報告いたします。資料10をごらんください。
    まず、項番号1番の住基ネット差止訴訟でございますが、都を被告とする差しとめ訴訟は6件が東京地裁で争われてまいりましたが、そのうち5件が併合されましたので、2事件というふうになっておりました。そのうち併合されていなかった単独の1事件が平成18年4月7日に東京地裁で判決が言い渡されておる状況でございます。
    訴えの内容につきましては、住基ネットはプライバシーの権利、自己情報のコントロール権を侵害しているので、ここに書いてありますように、1つは住基ネットからの自己の本人確認情報の削除、それから慰謝料の支払いなどを求めるというものでございます。これに対しまして判決は、原告の請求をいずれも棄却となっております。
    その理由といたしましては、住基ネットの住民の便益向上等の目的には必要性、合理性があり、本人確認情報は個人の思想・信条等に関する情報と比べて秘匿の必要性が必ずしも高くないものであるということ。それからまた、住基ネットには各種のセキュリティ対策がとられているほか、情報漏えい等について罰則が定められているから、本人確認情報が漏えいする具体的危険性があるとまでは言えず、原告のプライバシー権は侵害されていないということが挙げられております。
    同様の差止請求にかかわる地裁判決が全国でも幾つかございまして、これまでに金沢地裁で一部敗訴がございましたけれども、それ以外では名古屋、福岡、大阪、千葉、東京、和歌山で、国及び県等の被告の勝訴になってございます。
    次に、項番号の2でございます。杉並区を原告とする住基ネット受信義務等の確認訴訟でございますけれども、平成18年3月24日に東京地裁で判決が言い渡されてございます。訴えの内容につきましては、杉並区が参加希望者だけの本人確認情報を都に通知する場合、都には受信義務があることの確認と、この方法での参加を認めないために区の被った損害の賠償を求めるというものでございます。判決は、受信義務の確認について却下、損害賠償請求については棄却となっております。
    その理由といたしましては、受信義務確認の訴えは法律上の争訟に当たらないので不適法であるということ。それから、住民基本台帳法上、希望者に係る本人確認情報のみ送信し、非希望者に係る情報の送信を行わないという取り扱いは許されていない。区が違法な送信を行う場合、都には違法に送信された本人確認情報を受信すべき義務はないと。そのため、受信義務があることを前提とする損害賠償の請求は理由がないということが挙げられております。
    このほかに、住基ネットに関連した最近の動きについてご報告申し上げたいと思います。
    参考のところでございますけれども、平成18年3月17日に中野区の個人情報保護審査会は、申立人に係る住基ネットにおける本人確認情報の外部提供の中止請求に関しまして、「区が中止請求を認めなかったことは妥当ではない」と区長に答申を行っております。これに対し中野区長は3月20日に、自治体は法律に基づいて事務を行う義務を負っており、区としては住基ネットは住基法の定めに従い運用しなければならず、申立人にかかわる外部提供の中止請求は認めることはできませんというようなコメントをしております。
    次に平成18年4月25日には、横浜市本人確認情報等保護審議会は、住基ネットの安全性について、稼働当初と比較して格段に高まっており、総合的に見て問題はないと、そのような内容で市長に対して答申を行い、これを受けまして、平成18年5月10日でございますけれども、横浜市は、住基ネットは総合的に見て安全であると判断し、全員参加を発表いたしました。なお、横浜市の住基ネットの全員参加には5カ月程度かかる見込みでございます。
    続きまして、住基ネットの本人確認情報提供状況の開示状況につきましてご報告申し上げたいと思います。
    資料11をごらんください。住基ネットの自己に係る本人確認情報の提供、または利用の状況については、東京都個人情報の保護に関する条例に基づきまして開示する制度がございます。具体的な例で申しますと、例えばパスポート申請時には受付時に住所の確認を行っていますけれども、従前申請者の方に添付していただいた住民票は、現在は住基ネットを利用してその確認を行っておりますので不要となっております。その確認時の記録がサーバーに保存されておりまして、そのような記録の開示請求が本人からあった場合に開示を行う制度でございます。ここで開示する内容としては、2のところに書いてございます。主に5項目ございまして、1つは本人確認情報、1つは提供事務、1つは提供元、1つは提供先、1つは提供年月日というふうになってございます。
    これに対しまして、本人の確認情報提供・利用状況の開示請求の状況でございますけれども、表の3番でございますけれども、平成15年度に2件、平成16年度に7件、平成17年度に1件となってございます。内訳といたしまして、開示と非開示という形で記載してございますけれども、非開示は本人確認情報を提供し、または利用した記録が不存在であったためでございます。
    以上で、住民基本台帳ネットワーク関連のご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、別途住基ネット部会をこの審議会のもとに設けて、セキュリティの問題などを検討したりしておりますが、今日は全般にわたる問題として、住民基本台帳ネットワークシステム関連の訴訟等につきまして報告していただきました。何か質問などお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。最後に河野課長が言われた開示請求状況ですが、ほかの道府県の状況というのはおわかりですか。
  • 河野振興調整担当課長
    それについてはちょっとまだ確認できておりません。
  • 堀部会長
    全国センターとして指定されています財団法人の地方自治情報センターに本人確認情報保護委員会というのがありますが、そこで聞いたときも余り多くなかったように思います。
    この請求は、住民基本台帳法にはこういった自己情報の提供情報などに関する情報の開示請求は明文の規定がないものですから、東京都の個人情報保護条例に基づいて開示請求するということで東京都の条例ともかかわっているということです。
    よろしいですか。
    それでは、本日予定いたしました議題は以上ですが、何か委員の皆様方からご発言があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。今日の審議事項、それから報告事項について、さらに何かご質問ご意見があればと思いますし、ほかに何か質問等があればお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
    特にないようですので、事務局から次回の日程等につきましてご発言いただきたいと思います。それでは、武市課長お願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    次回の開催でございますが、9月から10月ということで予定させていただいております。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    それではまた日程の調整をお願いいたしますので、その節はよろしくお願いいたします。
    ほかにご発言等ないようですので、本日の審議会は以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時32分閉会

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