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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第33回議事録)

第33回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成19年3月6日(金曜日)
東京都庁第一庁舎42階 特別会議室B

午前9時58分開会

  • 堀部会長
    ただいまから第33回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    会議は公開です。本日は、高橋委員、茂木委員が欠席との連絡をいただいております。また、武市情報公開課長が緊急な業務ができまして出席がおくれるとのことです。
    それでは、本日の議事に入りたいと思います。
    お手元の議事次第をごらんいただきますと、2としまして、保有個人情報を取り扱う事務の開始について、3として、報告事項が5件あります。この次第に沿いまして進めていきたいと思います。
    まず、審議事項の保有個人情報を取り扱う事務の開始についてです。東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2の第1項によりまして、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合は意見を述べることができると定められております。新規開始事務につきまして、萩原参事から説明がありますので、よろしくお願いいたします。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    それでは、ご説明申し上げます。ただいま会長からお話をいただきましたように、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合といたしまして、本日、新規分の保有個人情報取扱事務についてのご審議をお願いいたします。
    資料1をお開きいただきたいと存じます。今回は、生活文化局の4件をはじめとする22件でございます。前回の審議会が9月22日でございましたので、今年度後半に開始された事務を中心として、来年度開始事務も含めております。
    まず、資料1の一覧表が最初に3枚続いておりまして、全体で22の事務が届け出をされております。4枚目のところで、ちょうど右下に1-1と書いてございます。ここからが個票となっておりますので、順次ご説明をいたしてまいります。
    まず、1-1をごらんいただきたいと思います。高齢者の消費者被害防止対策検討委員会の設置でございます。
    高齢者の悪徳商法被害を防止するため、介護事業者や民生委員等高齢者の身近にいる人々の協力により、被害の早期発見と迅速な救済、悪質事業者の取り締まりの強化を図ることを目的として、委員会また同専門部会を設置するものでございます。
    届け出の内容といたしましては、ご就任いただく委員の氏名、住所、電話番号、職業、職歴、メールアドレス、報酬の振り込みのための口座番号を本人より収集し記録いたします。
    次のページ、1-2でございます。行政刑罰導入に関する検討委員会の設置でございます。
    これも消費者対策でございますが、増加する消費者被害の未然防止、拡大防止を図るため、消費生活条例への行政刑罰の導入について、学識経験者等により検討をいただきます。
    収集いたします個人情報は、先ほどの検討委員会と同様、委員の個人情報となっております。
    続きまして、1-3でございます。これは公衆浴場の対策でございますが、健康増進型公衆浴場改築支援補助でございます。区市と連携して、健康増進事業などを実施できる場の提供など、地域貢献度の高い公衆浴場として施設の更新をする浴場に対し、改築及び改修費用を補助する事業でございます。
    補助を希望する公衆浴場の所有者または経営者の氏名をはじめ、ごらんの基本項目を、また、本件は補助ということでございますので、添付資料として納税証明等を提出していただきますことから、社会生活の財産、収入、納税状況についても収集するための記録項目として届け出がなされております。
    続きまして、1-4でございます。これは文化行政でございまして、芸術文化評議会の設置でございます。文化振興のための施策を総合的かつ効果的に推進することを目的として、専門的な見地から調査審議をいただきます。
    就任されます委員の個人情報といたしまして、基本項目、また社会生活の中から職業、職歴等ここに掲げる項目を収集することといたしております。
    また、備考欄でございますが、有識者の就任ということで、既に公表されている論文、著作などを収集することといたしております。
    続きまして1-5でございます。これは都市景観ということで、景観重要建造物の保存に係る事務でございます。景観法の施行に伴い景観条例を改正いたしまして、景観の重要建造物を指定することといたしております。
    指定につきましては、それぞれ提案をいただくということで、本届け出では、提案者や所有者についての住所、氏名、連絡先などを記録するという届け出が行われております。
    続きまして、1-6及びその次のページの1-7をあわせてごらんいただきたいと思います。どちらも件名といたしましては都民の健康・栄養調査となっております。この調査は、都民の健康増進を総合的に推進するための基礎資料とするものでございまして、保健政策部健康推進課が調査を企画し、各保健所が実際に調査するという仕組みになっておりますことから、ただいま申し上げましたように、6と7、2枚届け出が出ております。
    保有個人情報の収集先といたしまして、6の方は実施機関内から、7の方は保健所の方が本人からの収集となっております。
    識別番号、氏名など基本項目のほか、栄養調査でございますので、心身の状況のところで、健康状態、身体の特徴にチェックがつけられております。また、その他といたしましては、身体活動の状況や食物摂取状況なども記録することといたしております。
    続きまして1-8でございます。やはり健康増進事業でございますが、糖尿病予防のための環境づくり事業でございます。これは、中小企業における糖尿病予防対策の取り組みを支援するために、肥満予防の動機づけや生活習慣の改善に関する保健指導等を行い、事業者における保健事業の充実につなげていくものでございます。
    個人情報の記録項目は、氏名、生年月日などの基本項目から始まり、健康状態、病歴、身体の特徴、その他といたしましては、生活習慣の調査項目など、非常に多岐にわたっております。
    続きまして、1-9に参らせていただきます。介護支援専門員研修事業でございます。研修講師、研修修了者、受講希望者の個人情報を取り扱い、ごらんのとおりの記録項目となっております。
    識別番号は、介護専門員の登録番号でございます。また、主な収集先のところで、本人以外にもチェックがついてございますが、申込書が事業所などの所属経由で来るということから、ここにチェックがなされているものでございます。
    また、この事業につきましては、受講申込書の審査を委託をしているということでそこにチェックがなされております。
    続きまして、1-10をごらんいただきたいと思います。子ども家庭総合センターというものを新たに整備していくということの住民説明会に係る届け出でございます。こういった住民説明会を実施するということで、保有個人情報の対象者の範囲は住民説明会の出席者でございます。参加者の氏名と住所のみを記録いたします。
    続きまして、1-11をごらんいただきたいと思います。認定こども園認定事務でございます。
    既存の幼稚園、保育所等がお互いの機能を附加することにより認定を受けるという制度でございます。この認定を受けようとする者は、申請書に書類を添付して知事に提出することが必要となります。添付資料の中に、職員関係の資料も含みますことから、施設長、従事職員の個人情報が保有個人情報となってくるということで、職歴、資格等も記録項目の中にチェックをされているところでございます。
    主な収集先をごらんいただきたいと存じますが、施設の管理者から従事する職員の名簿を提出させるということで、法令等に基づき、公立であれば「他の官公庁」から、私立であれば「民間・私人」から収集するということになっております。
    続きまして、1-12でございます。これは、高次脳機能の障害の相談の事務でございます。
    高次脳機能障害とは、交通事故や脳血管疾病により脳に損傷を経験した人が、記憶、思考、言語などの知的機能に障害を抱え、生活に支障を来すことを定義しております。本人やご家族、福祉事務所等からの相談に障害者福祉センターで対応をいたします。そのため、ごらんいただきますように、収集項目は、基本項目の氏名、住所、年齢、電話番号、性別に加えまして、健康状態、病歴、その他といたしまして相談内容、その対応を記録することといたしております。
    続きまして、今度は産業労働局の事務に参りますが、1-13でございます。国際観光都市・東京講座でございますが、国際観光都市・東京講座は、観光まちづくりの人材を育成するために開催するものでございまして、受講応募者の氏名、住所、年齢等を記録いたします。
    講座の内容によりましては、職業や職歴、生年月日も記録するということでございます。
    また、推薦で参加をする人もいることから、本人以外のところにチェックがついておりますのは、「他の官公庁」「民間・私人」からの推薦ということでチェックがなされております。
    続きまして、1-14と15がどちらも取り扱う事務の名称は同じとなっておりますが、非正規労働者の雇用環境整備支援事業の実施及び支援事業でございます。
    パート、派遣、契約社員等のいわゆる非正規社員の雇用環境を改善するため、パート社員等の人事制度、賃金制度等の整備に取り組んでまいりますトライ企業というものを募集いたしまして、コンサルタントの派遣やチャレンジ融資などにより支援するという事業でございます。
    1-14は、部名が雇用就業部、そして、1-15がこの事業と連動して実施いたします労働相談情報センターからそれぞれ同一の項目につきまして届け出となっているところでございます。
    次に、1-16、とうきょう次世代育成サポート企業登録事業でございます。
    これは、事務の目的といたしまして、仕事と子育ての両立が可能な雇用環境の整備を図っていくというものでございます。
    個人情報の対象者の範囲は、登録企業における事務担当者名となっておりまして、基本事項の氏名、電話番号、そして社会生活の職業、その他といたしましてメールアドレスを取得するということになっております。
    続きまして、1-17は港湾局の事業でございます。公園管理者が開催する海上公園イベント参加受付事務でございます。
    海上公園イベントでの参加受付を行うもので、ここにございますように、参加者の基本事項といたしまして、氏名、住所、生年月日、年齢、電話番号、性別を取得するということとなっております。
    続きまして、1-18と1-19が2枚同一の事務の名称となっております。ICカードの発行及び払い戻しの交通局の事務でございます。
    これは、新聞報道もされておりますが、PASMOが3月18日からサービスの開始になるところでございますが、新規事務として届け出のあったものでございます。2枚届け出、1-18と19になっておりますが、1-18がバスにつきまして自動車部から、1-19が地下鉄につきまして電車部から届け出が出されているところでございます。
    続きまして、1-20をごらんいただきたいと思います。今度は、水道局の事業でございますが、苗木のホームステイという事業でございます。
    これは、苗木を配付してご家庭で育てていただいて、数年後に多摩川上流域の民有林に植えて再生を図っていくという取り組みでございます。ここに示しますように、ホームステイにお申し込みをいただきます方の基本項目といたしまして、氏名、住所、年齢、電話番号、性別を記録するというものでございます。
    それでは、1-21でございますけれども、東京消防庁の事務でございます。児童に関する防火防災教育検討委員会に関する事務でございます。
    これは、児童の火災による被害というものを防止していくという観点から、この防火防災の教育というものをどう取り組んでいくかという検討委員との連絡調整の事務のために行うものでございます。
    保有個人情報の対象者の範囲は、ただいまの検討委員会の委員の個人情報となっておりまして、基本項目の中の氏名、住所、電話番号、また社会生活で職業を取得し、その他といたしましてメールアドレス、口座番号を取得するというものとなっております。
    次に、1-22でございます。これは産業技術研究センターの事務でございますが、そこの外部評価委員会を開催するという事務の届け出でございます。
    外部評価委員会は、研究課題を外部の視点から評価し、研究の活性化を図るとともに、社会的ニーズを研究課題に反映させることを目的とするもので、学識経験者及び産業界の有識者等で構成されるということでございます。
    ここの対象者の範囲は評価委員というふうになっておりまして、評価委員の個人情報といたしまして、基本項目の欄の氏名、住所、生年月日、電話番号、また社会生活で職業、職歴、その他といたしまして会社概要、口座情報を記録するというものでございます。
    大変駆け足の雑駁な説明でございましたが、お戻りいただきますと、ただいま22件個票でご説明を申し上げましたが、これが本年の9月からの後半、また新年度の事業を含めまして新たに登録がございました22件でございます。
    以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。先ほども触れましたように、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合に、当審議会で意見を述べることができることになっていますので、ただいま萩原参事からご説明いただきました保有個人情報を取り扱う事務の開始につきまして、ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
  • 秋元委員
    前回9月にございまして、それ以降ということですが、例えば開始年月日などで、18年の4月があったり、少し前のものも幾つか見受けられますが、そういったものは前回のときには出てこなかったのはどういうことでしょうか。
    それから、基本項目のところに、事務によっていろいろチェックがありますが、例えば生年月日はあって年齢がないとか、生年月日と年齢が一緒にあったりとか、その辺というのは、それぞれ皆さんのなさるところの基本的なそういうものはありますか。生年月日がわかれば年齢はおのずとわかるというようなこともあるわけで、なるべくだったら、基本項目にしろ記録するところというのは少なければいいのかなと私は思います。その辺のところで、どうなのかなというのを幾つか思いました。
    それと、1つ教えていただきたいのが、学業のところにチェックが入っているものが幾つかありまして、わかるところもあるのですが、PASMOのところの学業というのは、どういうところから記録というふうになるんでしょうか。
    以上です。
  • 阿部個人情報担当係長
    担当しております阿部と申します。よろしくお願いいたします。
    まず、ご質問いただきました第1点目、なぜ平成18年の9月以前のものがあるかというご質問でございました。これは、理由は2つございまして、まず1つ目の理由としましては、これはおわびを申し上げるしかないのですが、各局に対して、新しく始める業務があれば事前に届け出をするようにというふうに周知をしているのですけれども、それが徹底をしていない部分がまだありまして、届け出が遅れている事務がございました。例えば、3番目の健康増進型公衆浴場改築支援補助というのは、届け出が遅れていたものでございます。
    そのほか、もう一つの理由としまして、一番目の高齢者の消費者被害防止対策検討委員会及び同検討部会の運営というものがございますが、こういったような委員会のようなものにつきましては、これまでは、届け出が必要ないというような解釈をしていたところもあったのですが、今回、そういった考え方を改めまして、委員会や審議会等でも必ず届け出をするようにという徹底をしました関係から、さかのぼって届け出が行われたというものもございます。
    2点目の生年月日と年齢についてですが、先生ご指摘のとおり、それぞれの担当部局において判断して、必要な情報を記録することとなります。考え方としては、統計的に年齢だけが必要だというものについては年齢だけ記録し、生年月日までは記録しないということでやっているものと思われます。
    例えば、今回の20番に苗木のホームステイというのがございましたが、これにつきましては、生年月日はとらずに年齢だけとっております。これは、年齢については統計的に使うことがあるということで、年齢だけ記録しているものと思われます。基本的には年齢だけで済むものであればそのような形、生年月日まで記録しなければならないものは、生年月日についても記録しているというふうに考えております。
    それと3点目、18番と19番のICカードの発行のところに、学業にチェックが入っているということですが、これは、ICカードが定期券となるものですから、例えば学生であれば学割を使うための在学証明のようなものがついてくるということで、学業のところにチェックをつけたというものでございます。
    以上でございます。
  • 秋元委員
    学生さんの場合、職業のところで…。学業というのは、学校とかそういうところということですか。
  • 阿部個人情報担当係長
    学業のところにチェックをつける例示としまして、在学校名ですとか、何年生のようなこととしておりますので、ここに入ってくるということになります。
  • 堀部会長
    項目がかなりチェックするのを絞っているものですから、学業というのでどういうイメージを持つのかということもあると思います。
  • 阿部個人情報担当係長
    各局に記入項目の例を示しておりまして、学歴、学業のところは、学校名ですとか、先ほど申し上げた何年生に在学しているかということですとか、入学したのはいつかとか、あとは学業成績ですとかクラブ活動などもこの学歴、学業のところのチェックに含めております。
  • 堀部会長
    場合によっては、一番下の備考欄に、これはこういう趣旨だというようなことを入れておくというのもわかりやすいと思います。
  • 中村委員
    1-6の健康・栄養調査、これは国民生活基礎調査というのが前提にあるからなのでしょうか。世帯及び1歳以上の世帯員が対象であって、家庭状況とかそういうのが入っていないという理由は何によるものでしょうか。例えば世帯の構成メンバーが1歳以上は全部対象になるということで、基本項目だけでそれがわかるのですか。親族関係とか家庭状況で…。これはどういう理由なのでしょう。
  • 阿部個人情報担当係長
    都民健康・栄養調査につきましては、今先生からお話があったように、国民生活基礎調査に関連してやっているものですが、ここで記録している家族状況は、1歳以上の世帯員については記録するんですけれども、記録するものが世帯主名と、あと家族の名前だけということで、家族状況、例えば続柄ですとか、そういったものはとっていません。世帯主名については、家族状況にチェックをつけるべきかどうか、これも担当課の方と調整をしたのですけれども、備考欄の方に世帯主名ということで入れております。
    家族状況の記入の例示としまして私どもが示しているのが、世帯主との関係ですとか、ひとり親家庭であるということですとか、世帯扶養関係、そのようなことを挙げておりますので、世帯員の名前を書くだけであれば、こちらの世帯主名ということでよろしいのかなという判断をいたしました。
  • 中村委員
    扶養関係はそこでわかると。
  • 阿部個人情報担当係長
    今回、扶養関係はとっておりません。世帯主名と、それぞれの世帯員の名前を書くというものでございます。
  • 中村委員
    構成員の名前、そして、その全部が対象になる。
  • 阿部個人情報担当係長
    そうです。1歳以上であれば、全部そこに書いていただくこととなります。
  • 堀部会長
    ほかにございますか。
    では、特にご質問、ご意見につきましてはないようですが、関連しまして、保有個人情報取扱事務の届出様式の変更ということで資料2につきまして、萩原参事から説明をお願いいたします。
  • 萩原参事
    それでは、ただいまご審議をいただきました届出事項の様式でございますが、資料2をごらんいただきたいと存じます。この様式につきまして、若干の改善を図りたいというふうに事務局で考えているところでございます。
    まず、表記の改正でございますが、この中に表記の改正という枠囲いのところがございます。恐縮でございますが、前ページとお比べいただきますと、「基本項目」と言っておりましたが、これを「基本的事項」というふうに表記を改めたいということ。また、今まで「思想信条等」となっておりました欄をここに示しますように「収集制限事項」というふうに明記をしたいということでございます。
    また、もう1つこの表記の改定といたしましては、今までは「電算以外」「電算」となっておりましたところを「電子データ以外」「電子データ」というふうに変更をいたしたいということでございます。
    順次ご説明をいたしてまいりますが、この思想、信条の欄につきましては、第29回の審議会でもご議論のあったところでございますけれども、今回私ども、届け出をされております3,110のすべての事務におきまして、実際に条例4条におきまして収集制限となっておりますチェックの状況がどうなのかというところを調査をしたところでございます。その結果、24件においてチェックがなされておりました。
    事務の例を申し上げますと、宗教法人の設立認証の事務、同和対策事業としての貸付金事務、ナーシングホーム利用者の生活介護、医療サービスの提供、JICA研修生の受け入れに関する事務などでございます。これらは、収集制限事項ではございますが、条例4条ただし書に該当し、事務の目的を達成するために当該個人情報が必要かつ欠くことができないものというふうに認められたところでございます。そのため、「思想信条等」と表記いたしますよりも、各局に届け出を正確に行わせて、収集制限事項については慎重の上にも慎重に収集をするという趣旨から、それを明確にするためにここを「収集制限事項」と変更を考えたところでございます。
    次に、項目の追加ということで幾つかございますが、最近では、記録することが多くなっておりますメールアドレスというものをこの基本的事項のところに新たにチェック欄として設けました。これまでは、前ページまでのところをごらんいただきますと、メールアドレスを取得する場合は備考欄に記載をしていたところでございますが、これを基本的事項にチェック欄として設けたということでございます。
    それから、謝礼支払いなどに必要なことから、比較的記録が多くなっております口座情報、これを「その他」の欄に追加をいたしたところでございます。
    続きまして、下段でございますけれども、事務が廃止された場合の廃止年月日というものをここに明記するようにいたしました。これは、事務の廃止に伴いまして、個人情報がいつまで記録されているかということをあらわすために文書保存期限を明記するようにしたいという趣旨からでございます。
    もう一度まとめさせていただきますと、この表記の改正としては、「基本項目」を「基本的事項」に、「思想信条等」を「収集制限事項」に、「電算」「電算以外」を「電子データ以外」「電子データ」ということでございます。追加をしたいというものは、メールアドレス、口座情報、そして、事務の廃止の年月日ということでございます。
    以上、ご説明でございますが、よろしくご審議のほどをお願いいたします。
  • 堀部会長
    それでは、ただいまご説明いただきました件につきまして、質問やご意見をお出しいただきたいと思います。
  • 萩原参事
    ご説明を1つ補足させていただきたいと思います。
    「収集制限事項」といたしましたところの4番目「社会的差別の原因となる個人情報」というところに、「※1」というふうになっております。この「社会的差別の原因となる個人情報」という項目は従来もございましたが、これにつきまして、「※1」といたしまして、下段に、実際にその具体的項目を今後備考欄に示すようにということで、「収集制限事項」である思想、信教、信条以外の社会的差別の原因となる個人情報が明確になるようにいたしたところでございます。
  • 堀部会長
    先ほどの萩原参事の説明で、特に「収集制限事項」について、ここにチェックがついているのが24件と言っていましたか。そこまで調べてあるかどうかですけれども、条例第4条の収集の制限の第2項で、ただし書で「法令又は条例に定めがある場合及び」とありまして、「個人情報を取り扱う事務の目的を達成するために当該個人情報が必要かつ欠くことができない場合は、この限りでない。」と、法令または条例に定める場合以外の個人情報を取り扱う事務の目的を達成するために当該個人情報が必要かつ欠くことができない場合というのも何件かあるのでしょうか。
  • 阿部個人情報担当係長
    幾つかありますが、例示ということでご説明申し上げますと、水道局の方で、施設見学に関する事務というのが幾つかございます。見学者を受け入れて、施設を案内しますが、海外からの研修生もかなりいらっしゃいます。海外から来られた方に関して、食事を出したりするようなこともあるので、信教のところについてチェックが入っているものが何件かございます。
    また、ほかの局にも、海外からのお客様を受け入れるときにということで、信教のところにチェックがついているものがございます。
    そのほか、社会的差別の原因となる個人情報のところにチェックがついているものですと、同和対策事業に関する貸付金制度の場合、社会的差別のある原因となる個人情報のところにチェックが入っているものも幾つかございます。
  • 中村委員
    先ほどナーシングホームとか医療関係、これはどういうことで、。例がございましたら教えてください。
  • 阿部個人情報担当係長
    ナーシングホーム利用者の生活介護等という事務で届け出されているものにつきましては、そこに入所される方の個人情報をとりますので、その方の状況をお伺いする上で信教をお伺いする場合があります。
    ただ、局の方から聞いている話では、一律にそういった信教について聞くのではなくて、入所される方からそういうお話があったときだけ記録をするようにしているということでやっているようで、一律に聞くというものではないと聞いています。
    個人情報の記録項目のチェックの考え方ですが、個人情報を収集するときに様式があれば、まず様式に記載された項目は全部チェックをつけることとし、様式にないものについてはチェックをつけないこととしていますが、今回の場合は、様式にあるけれども、一律に聞いているものではないということでございました。
  • 藤原委員
    今の点ですけれども、そうすると、今は本人からお話がないと聞かないのですか。私が承知している限りでは、かつては、相部屋の問題等があるので、一応伺っていたというふうに承知しているのですけれども、今は本人から言わないと聞かないわけですか。
  • 阿部個人情報担当係長
    ナーシングホームにつきましては、利用者ですとか、その家族から特段お話があったときだけ記録すると聞いております。
  • 藤原委員
    事後のトラブルのことはあまり考えないですか。ここでの問題ではないのですけれども、著名な事例なので、ちょっと変わったのかなと思いました。
  • 阿部個人情報担当係長
    その経緯は確認しておりませんけれども、現状はそのようなやり方ということで聞いております。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    この項目の追加によりまして、メールアドレスは、今はかなり使うでしょうし、口座情報などを入れるということになります。それから、保有個人情報の処理形態で、「電子データ以外」と「電子データ」ということで、この言葉はかなり一般化しているわけですか。
  • 阿部個人情報担当係長
    この項目を変えるときに、電算という言葉がまず一般的かどうかという、過去にはもちろん一般的ではあったのですが、近年はあまり電算という言葉を使わなくなっているのと、電算というふうに記載したきに、大型の汎用コンピューターを使った何か処理を連想させてしまうと言う指摘もありまして、もう少しわかりやすいようにということで電子データとしました。電子データで保管されていることによって、個人情報の漏えいのリスクが非常に高くなるわけですから、電子データになっているかどうかという目で見るということも必要だろうということで、今回表記の改正をさせていただきました。
    ただ、チェックをつけるときの考え方は、今までも電算というものには汎用コンピューターだけでなくてパーソナルコンピューターも含んでおりましたので、今後、その辺を徹底していきたいということです。
  • 藤原委員
    表記の改正も項目もどちらも大変結構なことだと思います。今見ていて、メールアドレスも今回の届出事項の中にも五、六件ありますし、口座情報も複数ございますので、大変結構だと思います。収集制限も、前に申し上げたとおり、今の時代に合っているので、これも結構だと思います。
    それから、さっきのところに戻って恐縮なのですけれども、例えばさっきの国民生活基礎調査なんかでも、今回の改正で委託とか代行はきちんと備考で書いてくださるので結構だと思うんですけれども、これは委託の内容というのは、上がってくるのは、例えば1-6のような形で、調査集計を委託しますという、そういう形式で上がってくるということですか。
  • 阿部個人情報担当係長
    そうです。
  • 藤原委員
    具体的にどうやっているということまでは上がってこない。
  • 阿部個人情報担当係長
    委託の中身ですね。
  • 藤原委員
    委託して、これが、ここきりというかどうかはともかくとして、健康調査なんかのときに、委託したときの守秘義務をどうかけるとか、一番問題が多いところですよね。どの程度上げさせるのかなと思ったのです。
  • 阿部個人情報担当係長
    委託内容、実際の委託契約がどうなっているか、そこまでは私どもではチェックはしておりません。こちらの方で示している委託をするときにこういうことを仕様書に記載しなさいというのを示しているだけで、あとはそれぞれの課に任せております。
  • 藤原委員
    基準どおりやってくださいということで、その基準どおりということですね。
  • 阿部個人情報担当係長
    基準どおりやるように周知しております。
  • 堀部会長
    ほかにご意見がないようですので、以上で審議事項は終わらせていただきます。
    次に、報告事項が先ほど言いましたように5件あります。
    まず、東京都における個人情報保護の取組状況につきまして、萩原参事から説明をお願いいたします。
  • 萩原参事
    それでは、東京都における個人情報保護の取組状況の中で、順次、個人情報保護の総点検の結果、情報セキュリティ標語の募集結果、相談リーフレットの作成の3つについてご報告をいたします。
    まず、資料3をごらんいただきたいと思います。個人情報保護状況の自己点検結果の概要でございます。
    昨年度、ご報告をさせていただきましたが、昨年度はパイロット的に緊急点検ということで重点的に職場を選びまして点検を実施したところでございますが、後ほどご報告させていただきますように、保有個人情報の紛失等の事故というものも相変わらずございますので、本年度におきましては、取り組みを強化いたしまして、個人情報を取り扱うすべての課を対象といたしまして、ここに示します18年10月から11月の末にかけまして、1,816の課におきまして総点検を実施したところでございます。
    点検内容の結果でございますが、お手元の資料にございます1から25までの項目を最低限として、職場によりましては追加もして実施をしていただいたところでございます。
    その結果をごらんいただきたいと思いますけれども、点検結果でいわゆるバツでございますが、今回厳しくいたしまして、実施していないだけではなくて、実施できていないことがあるというものも含めて、三角ではなくバツということにしたところでございますが、多いところから順次簡単にご説明をさせていただきます。
    まず、この「規則遵守等」のNo.1についての「×」の欄が237ということで、割合も13.1%となっております。大変多いわけでございますが、これの内訳を調べましたところ、このうち212が教育庁でございます。このNo.1は、「安全管理基準を読み、理解した上で個人情報の安全管理を行っているか。」という項目でございまして、教育庁がこのように212と多かったわけでございますが、これは前回の審議会で教育庁の担当課長がこの審議会の場に参りまして、都立学校の安全管理基準の策定の状況についてご報告させていただいたところでございますが、その段階で、教育庁においては、まずこの遵守すべき安全管理基準というものが各学校に周知できていないという状況でございました。
    審議会でのご指摘もいただきまして、都立学校の安全管理規定については3月末までに完成をいたしたいと教育庁から聞いておりますので、今後この比率の多い「×」の欄が13.1%となっております安全管理規定の遵守につきましては改善をされていくということと存じます。
    次に、25をごらんいただきたいと思います。これは「個人情報が漏えいした場合の調査、報告、連絡体制等の対処手順を取り決め、職員に周知したか。」というところでございます。これが11.3%あったわけでございますが、これは実際問題として、対処手順を定めていなかった、あるいは定めてあってもそれの職員への周知が不十分だったということで、各職場から非常に反省として聞いているところでございます。
    それからもう2つ、13と14でございますが、「課内のパソコンはすべて盗難防止対策をしているか。」というものについての「×」の欄が179で9.9%、また、14「課内のパソコンに業務上不必要なソフトがインストールされていないかどうか確認したか。」というものについての「×」の欄が105で5.8%というふうになってございます。こういった事故がよく報道されているところでございますが、直視しなければいけない数字というふうに受けとめてございます。
    それから、No.7でございますが、「個人情報が記録された文書を、施錠できる場所に保管しているか。」というものが107ということで6.0%となっております。キャビネットの不足していたところは早急に購入を手配するということでございました。
    率直に結果をこういう形で発表いたしまして、各職場に今後の取り組みを強く要請したところでございますが、ごらんいただきますように、この1から25の点検というのはいずれも基本的な事項ばかりでございます。結果を見ますと、都庁での個人情報保護意識の徹底はまだまだ反省しなければいけないところも多いということでございます。私ども、昨年の緊急の職場を絞った点検から、今回、庁内の全課というふうに拡大をしたところでございますが、今後ともこういった自己点検というものを拡充いたしまして、積極的に取り組んでいきたいと、この結果を大変重く受けとめて考えているところでございます。
    まず、3のご報告は以上でございます。
    続きまして、4と5につきましても順次ご説明をいたします。
    資料4でございますけれども、強化の一環といたしまして、情報セキュリティ標語の募集をしました。これも職員等の情報セキュリティ意識の認識向上を図って、積極的な取り組みを促進し、事故を未然に防止をするという目的で実施したところでございます。
    総務局IT推進室と共同で募集をいたしましたところ、延べ4,968件という多数の応募がございました。
    入賞標語はごらんのとおりでございますけれども、これらの標語をちょっとご紹介いたしますと、最優秀賞といたしまして、「セキュリティ一人ひとりが責任者」というようなもの、そしてまた、優秀賞は9標語、ここに示すものとなっております。
    この標語の活用方法というところでございますけれども、セキュリティハンドブックという冊子をつくっておりますので、そこに掲載をしていく。あるいは私ども職員は1人1台ずつLANの端末を持っておりますので、そういったところの画面表示で日常的にもこの標語を活用して、意識向上につなげていきたいと考えております。
    それから、資料5ということで、これも、今日、印刷が間に合わなくて白黒というふうになっておりますけれども、リーフレットを作成をいたしたところでございます。今回は「地域のくらしと個人情報」と題しまして、地域社会というものに焦点を当てて作成をいたしたものでございます。
    最初のページに、「町会長さん夫婦」ということで登場をしていただきまして、町会長さんが次ページ以下、ごらんいただきますと、「個人情報保護法ってなあに?」ということから、中段では、国民生活審議会の個人情報保護部会でも一つ課題としてご議論のございました、必要な名簿がつくれないというようなお声もいただいておりましたので、こうすればつくれるんだよ、個人情報保護法というのは、保護と利用との両方のバランスを保つことが大事だということで、正面から疑問にお答えするような形というふうにいたしております。
    このリーフレットでございますけれども、5万部ほど作成いたしまして、区市町村や町会連合会にもご協力をいただき、配付をいたしていきたいと思っております。昨年は非常に基本的なものをつくりまして、今年は地域の暮らしに焦点を当てる。また来年はターゲットを絞って、それぞれの今度は零細の事業者の方とか、対象別のものにしていきたいと思っております。
    また、この作成に当たりましては、堀部会長と、また藤原先生にもご指導を賜りまして、まことにありがとうございました。
    大変雑駁でございますが、ご説明としては以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまご説明いただきました、東京都における個人情報保護の取組状況につきまして、ご意見、ご質問をいただければと思います。
    資料3の自己点検結果とあって、大変興味深いといいますか、こういう状況で、かなり「×」の件数が多いところもありますので、今後改善策を講じていく必要があるのではないかと思います。
    資料4の情報セキュリティ標語の募集結果ですが、理屈で何か言うというよりも、こういう形で、標語としていろいろな形でセキュリティについての意識を高めるというのは大変重要な意味を持つかと思います。
    これは、ある企業で、2年ぐらい前からそういうことを実施しているところがありまして、ここに持ってきてみましたが、情報セキュリティカレンダーというのでこういうところに月に1つずつこうした標語を載せています。そういうことで社内のセキュリティについての意識を高めていこうというようなことをしています。、こうした取り組みも必要ではないかと思います。
    そこの会社が出しているものに、お茶があります。お茶のティとセキュリティの「ティ」をかけていまして、お飲みの際はお砂糖をお控えください、セキュリティが甘くなりますとか、こういうようなことも書いてあったりしまして、これはあるいは社内で配っているのかどうかわかりませんが、あるいは社外の人にお土産として出しているのかもしれませんけれども、このようなことで意識啓発に努めているというところもあります。
    資料5の「地域のくらしと個人情報」は、個人情報保護法の趣旨につきまして非常にわかりやすくまとめてありますので、5万部ということですが、もっといろいろなところに配ってもいいのではないかと思いました。
    感想を申し上げましたが、何か委員の先生方からご意見、ご感想でもあればと思いますが、いかがでしょうか。
    よろしいですか。それでは、報告事項の(1)は以上で終わらせていただきまして、報告事項の(2)で個人情報保護に関する相談の概況ということで、福田係長からお願いいたします。
  • 福田個人情報担当係長
    それでは、報告事項の(2)につきまして、私からご説明申し上げます。
    個人情報保護に関する相談の概況と、それを踏まえまして提出しました意見書についてご紹介をいたしたいと思います。
    お手元の資料6をごらんください。まず、平成18年4月から平成19年1月までの相談の概況を取りまとめました。まず相談の件数でございます。表1をごらんください。10カ月間で合計1,303件の相談を受け付けました。内訳は、都民等から854件、事業者から202件、行政機関から247件の相談がございました。相談全体のうち6割近くが問い合わせとなっております。
    表2でございますが、都民等からの苦情について見ると、一番多かったのが不動産業で、都民等からの苦情全体の16%を占めております。次いで、金融・信用、情報通信となっております。昨年度に比べまして、不動産業への苦情が多くなっているのが特徴として見られます。
    表3の相談内容では、都民等からは漏えい・紛失に関するものが最も多く、次いで不適正な取得、同意のない提供に関するもの、事業者からは、同意のない提供に関するものが多く、行政機関からは開示等と同意のない提供に関するものが多く寄せられました。
    表4は処理状況でありまして、相談全体の約6割で指導・助言を行いました。
    平成18年4月から19年1月までの相談の概況については以上でございます。
    次に、資料7についてご説明いたします。国民生活審議会個人情報保護部会の意見募集に対し提出した意見書でございます。
    現在同部会では、個人情報保護法の施行状況の評価及び制度の見直しに向けた検討が進められており、平成19年6月下旬を目途に取りまとめが予定されておりますが、昨年の秋に、個人情報保護に関する主な検討課題に関する意見募集が実施された際、都として提出した意見書でございます。
    意見書の内容についてご紹介します。1枚おめくりいただきまして、まず「総論」のいわゆる「過剰反応」につきましては、東京都の相談窓口に寄せられる相談に、いわゆる過剰反応にかかわるものも相当程度あることから、具体的事例に即し、分野ごとのガイドラインやその解説についてさらなる見直しや周知徹底を求めました。
    次に、個人情報取扱事業者の範囲についてでございます。都では、昨年、事業者向けの説明会や事業者団体へのヒアリングを実施いたしました。その結果、個人情報取扱事業者に該当しない事業者は、該当する事業者に比較してプライバシーポリシー等の規定の整備、安全管理体制の強化などにおいて取り組みのおくれが見られたほか、都に寄せられる相談等において法の対象とならないことを理由に、個人情報の適正な取り扱いが行われていない事例も見られました。このことから、個人情報取扱事業者から除かれるものについて実態を踏まえ、検討していただくよう求めました。
    次に、事業者の取り組みについて幾つか意見を提出いたしました。まず、事業者への支援についてでございます。情報セキュリティに関する体制の不備による個人情報の漏えい、紛失等の事故が後を絶たないことから、また、事故が起きた場合、初期対応の誤りにより事業者と消費者の信頼関係が損なわれ、あっせんが困難になっている事例が多いことから、事業者への支援を求めました。
    特に先ほど申し上げましたように、個人情報取扱事業者に該当しない事業者の場合、安全管理に関する取り組みのおくれが見られますので、中小事業者も含めた事業者の情報セキュリティと苦情処理体制の整備に向けた支援について有効な方策を検討されるよう求めたところでございます。
    また、主務大臣がわかりにくいために、事業者がどこに問い合わせてよいかわからず対応がおくれたという事例もあり、あわせて各省庁の相談窓口の周知等の徹底を求めました。
    次に、事業者の監督強化についてでございます。主に悪質な事業者による消費者被害に関しての意見でございます。相談において個人情報の不正な取得が疑わしい場合でも、立入調査等の規定がないことから、指導が困難な状況があります。消費者サイドからの問題点を検討した次の意見の中でも述べておりますが、個人情報の取得元の開示やオプトアウト要件の見直しとあわせまして、監督強化について検討されることを求めました。
    また、いわゆる名簿業者による名簿に関する苦情が多く寄せられております。合法的にオプトアウトの仕組みを利用している場合であっても、本人に認識されずに複数の事業者によって個人情報が利用されることとなりますので、本人の求めに応じて保有個人データの削除を義務づけるなど、名簿業者に対する規制を強化することについて検討を求めました。
    最後に、消費者等との関係から3点意見を提出いたしました。まず、利用目的についてですが、顧客サービスの向上のためなど抽象的な利用目的を定めて個人情報を収集する事例や、「等」を多用し目的を広く読ませようとする事例が見られます。消費者は利用について苦情を申し出、ホームページの記載を確認してその時点で都に相談してきます。事業者に対して利用目的の特定についての徹底が必要である旨記載をいたしました。
    また、取得元の開示については、現行法にその定めがないことから、個人情報の流通経路を明らかにすることは困難です。都に寄せられる苦情に対しても、法の趣旨を説明するにとどまり、相談者の納得のいく解決に至らないケースが多くあります。取得元が明らかにされなければ、不正な取得等がなされたかどうかの確認は困難であり、利用停止請求も事実上困難となりますので、法改正を視野に入れた検討をお願いいたしました。
    最後に、検討課題には項目立てがございませんでしたが、オプトアウトに関連する苦情の事例があることから、オプトアウトについて意見を提出いたしました。オプトアウトについては、提供手段の明示が不十分であったり、提供停止について明示していないなど要件を備えていない事例が見られるほか、明示はホームページ等に載せることで足りるため、消費者に認識されずオプトアウトが行われない場合も多く、オプトアウト要件の強化や事業者への指導についての検討を求めたところでございます。
    続きまして、資料8についてご説明いたします。経済産業省の意見募集に対し提出した意見書でございます。
    現在、経済産業省では、個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドラインの見直し作業が行われており、1月に実施された改正案についての意見募集に対し、都として提出した意見の概要をまとめた資料でございます。
    意見の内容についてご紹介します。まず、個人情報取扱事業者について、個人情報取扱事業者から除かれるものについても、本ガイドラインに沿った取り扱いが望ましい旨の記載を追加するよう修正案を提出いたしました。
    次に、本人同意について3点。説明が不十分なまま同意を求めたり、事業者の優越的な地位を利用して同意を得たりしたことが原因でトラブルとなる事例が見られます。本人の同意が不適切な方法であったことが後日判明しても、既に行われた個人データの第三者提供による被害を回復するというのは困難でございますので、より厳密な運用が求められると考えております。このことから、本人の同意を得ている事例の後に同意を得ていない事例、不適切な事例を追加するよう求めました。
    また、本人が同意したものであっても、後日状況の変化等によって同意の撤回を希望するということがございますが、事業者によっては撤回に応じない事例も見られることから、新たに本人から同意の撤回について申し出があったときはこれに応じなければならない旨の記載を追加するよう求めました。
    また、契約の際さまざまな同意事項を列記し、契約締結の必須条件であるかのように説明し、消費者が第三者提供に同意せざるを得ないような状況となる事例も見られます。新たに、契約に不可欠な同意事項以外については同意しないことも可能であることを明記しなければならない旨の記載を追加することを求めました。
    次に、適正取得に関してですが、いわゆる名簿業者が、電話帳などの出版されている名簿のほか、同窓会、PTA、自治会など内部での親睦を目的に作成された名簿を売買した結果、同窓会等での名簿作成の取りやめにつながるなど、社会的な影響が生じています。このため、利用目的が特定された名簿の売買を防止する必要があり、不正の手段により個人情報を取得している事例の中に、利用目的が明記されている名簿について、記載されている目的以外に利用することを目的として取得する場合、第三者への提供を禁止することが明記されている名簿を第三者が取得する場合という事例を加えるよう求めました。
    利用目的についての意見でございます。事業者によっては、利用目的の通知、公表に際し、さまざまな事項を列記し、中には本来の契約目的とは全く異なるような事項を掲げる事例も見られ、苦情の原因となるケースがございます。不正な取得や利用目的を超えた利用がない限り、一たん事業者側に取得された個人情報の利用停止や削除を求めるのは困難であることから、新たに利用目的の一部について本人から拒否する旨の意思表示がなされたときはこれに応じることが望ましい旨の記載を追加することを求めました。
    次に、書面等による取得についてでございます。消費者が事業者に対して提出した書面の取り扱いについて、不信や疑義を生じ返却を希望するということがございますが、事業者側に保管しておく意義のない書面についても、返却することを明示していなかったことを理由に返却に応じないという事例がございます。新たに書面により取得した場合、その書面について本人からの要望に応じて返却するかどうか明示しておくことが望ましい旨の記載を加えるよう求めました。
    オプトアウトについての意見でございます。今回の改正案で提供元の事業者は提供先に対して入手元の開示を妨げるようなことは避けることが望ましい旨の記述が追加されましたが、入手元を知ることができなければ実際に消費者がオプトアウトを行うのは困難でございますので、名簿等の入手元を明らかにしないことを条件に販売してはならないとの記述に修正していただくよう都から意見を提出いたしました。
    開示についてでございます。個人情報の不適正な取得がある場合、消費者は事業者に対し保有個人データの利用停止を求めることができますが、不適正な取得を明らかにするためには取得元を特定する必要があります。このため、新たに個人情報の取得方法の開示を求められたときは、個人情報の取得元を明らかにすることが望ましい旨の記載を追加するよう求めました。
    最後に、苦情の処理についての意見です。都に寄せられる苦情に、事業者が問い合わせや苦情に対してメールでしか受け付けない、電話番号の記載がなくて困るという事例がございます。苦情処理の窓口の設置や苦情処理の手順を定める等必要な体制の整備に努めなければならない、の次に、なお、苦情処理の窓口については担当部署や電話番号を明示することが望ましい旨追加し、消費者の利便性を考えた苦情受付体制が必要である旨の記載となるよう求めたところでございます。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。資料6の相談の概況を見ますと、1年目よりは少しは減ってきているようですが、それでもかなり件数が多いと思います。それぞれいろいろな形で対応してくださっているわけでして、こうした自治体の取り組みというのは大変重要な意味を持つと思います。
    資料7、資料8につきましては、藤原委員と私はかかわっているところがありますので、このあたりをどういうふうに議論していいのかということがありますが、今日は報告事項として、東京都でこういうことを出されたということで伺っておくということにしたいと思いますが、藤原委員、何か一般的に…。
  • 藤原委員
    これについてはないのですけれども、資料6の表2で、いわゆる特定3分野とか教育というのはよくわかるのですが、ただいまのご説明のとおり、不動産業がトップだというのは、これは特定の類型なんでしょうか。それとも不動産業一般にということでしょうか。何か特定の類型のところで不動産業が問題なのか。あるいはこの業界一般的に、16%というのは多いと思ったのですけれども、もしわかっていれば…。
  • 福田個人情報担当係長
    事例として、こちらで相談を受け付けたものをご紹介いたしますと、例えば賃貸住宅の契約についての事例が多くあります。これが結構聞かれるものです。その契約の際に収集する情報の範囲、それが過剰ではないかというもの、また、個人情報の記載があるいはあたかも賃貸住宅の契約の条件のように求められていて個人情報を書くことになっていて、これは本当に必要なものなのかどうかというような相談が寄せられます。
    また、これは不動産業界一般の問題と言えるかと思いますが、不動産業界の実態として、複数の会社で同じ情報を共有する状況があるようでございまして、自分は同意をした覚えがないのに他社に提供されてしまったという苦情が寄せられています。
  • 堀部会長
    資料7、8については、特にここでコメントすることはないですか。
  • 藤原委員
    地方自治体の意見というのは影響力がありますので、特に東京都等から意見をいただくと、こういう7とか8の検討の場でもきちんと検討しますので、今後もぜひたくさん出していただきたいと思います。
  • 堀部会長
    実際にいろいろな相談にも乗って、それを踏まえての意見ですので、非常に貴重であると受けとめています。
    ほかにいかがでしょうか。それでは、次に報告事項の(3)としまして、個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況ということで、岡本係長からお願いいたします。
  • 岡本個人情報係長
    それでは、ご報告いたします。資料9でございます。個人情報取扱事務要綱に基づきまして、庁内における個人情報の取り扱いの状況をまとめております。本年1月末までの状況でございます。
    1と2が例外的な個人情報の取り扱い、3番が開示請求等の件数、4が個人情報に係る事故に関するものでございます。順にご説明をいたします。
    まず、1の本人外収集でございますが、保有個人情報取扱事務の届け出におきまして、もともと本人外収集の届け出をしていない場合に、例外的に個人情報を本人以外から収集したときに報告を求めているものでございます。条例の4条3項に1号から7号まで該当事項がございます。
    1号は、本人が同意をしている場合でございますけれども、1月末までで40件となっております。例示を挙げれば、職員の安全衛生事務におきまして、休職とか復職に係る診断書を本人の同意を得て病院等から収集した事案でございます。
    2号、3号、4号につきましては、1月末現在までは今のところございません。
    5号でございますが、本人から収集することができないという事案、ここでは2件上がってきておりますが、これは、事例としましては、生活再建資金貸付金に関し、本人が所在不明ということで、公用で戸籍謄本等を取得したものでございます。
    6号の事案、これは争訟等本人から個人情報を収集したのではその事務の適正な執行に支障がある場合でございまして、ここでは9件となってございますけれども、内容につきましては、前回ご報告した以降ふえてございませんので、省略させていただきます。
    7号につきましても事例はございません。
    次に、2番目の目的外利用・提供でございますが、保有個人情報は本来の取得目的のみに使うのが原則で、例外としまして、条例10条2項に、1号から6号まで定めがございます。それに該当する場合に、例外的に当初の利用目的外の利用・提供が可能となっております。
    その内容でございますけれども、1号、これは本人の同意がある場合でございますけれども、1月末現在で701件ございます。事例としましては、育英資金貸付に係る未返還額を本人同意を得た上で自己破産申立てのため法律事務所に提供したもの。または、心身障害者の知能指数等に関する情報を本人や保護者の同意を得た上で障害者雇用の推進のために公共職業安定所に提供したもの等でございます。
    2号の法令等に定めがある場合でございますが、件数が非常に多くなっておりますけれども、例えば税務や課税関係の情報で都市整備局の建築確認事務に関する情報を固定資産税の賦課のための資料として市町村に提供したようなものが数的には多くなっておりますし、そのほか毎回ございますが、旅券発給に関する情報を捜査機関に提供した事例等がございます。
    3号につきましては、今のところ報告はございません。
    4号、これは1件は1月になってございますけれども、これは旅券の虚偽申請が発覚をいたしまして、旅券申請書類一式を警察に提供した事例と聞いております。
    5号に関しましても1件出ておりますけれども、養護老人ホームの入所者の個人情報をその養護老人ホームにいた医師の学術研究レポート作成のために提供したものでございまして、これは当然氏名等を除いて提供した事例というふうに聞いております。
    6号でございますが、これも比較的件数が多いのですが、同一実施機関内で利用する場合や、国や他の地方公共団体等に提供する場合でございまして、事務に必要な限度で利用し、かつ利用することに相当な理由があると認められる場合でございます。事例としましては、保健所の食品営業許可に関する個人情報を警察署に風俗営業等の指導のために提供した事例などでございます。
    続きまして、3番目、開示、訂正、利用停止請求の件数でございます。今年度は1月末までに、開示請求が817件、訂正請求が1件、利用停止請求が2件ございました。
    ちなみに、18年度の開示請求件数は850件でございまして、これからあと2月、3月分を817件につけ加えるわけですから、恐らく10%以上の伸びになるのではないかなと思っております。
    4番目、個人情報の漏えい等の事故でございます。表にございますように、今のところ7件の事故報告がされております。
    ちなみに、昨年度も同じ7件でございましたけれども、ことしはまだあと2カ月ございますので、場合によってはもう一、二件出る可能性がございます。
    この漏えい事故等につきまして、次の資料の10でございますけれども、前回ご報告以降2件出ておりますので、概略をご報告したいと思います。
    資料10でございますが、東京都東村山老人ホームにおけるパソコンの盗難でございます。倉庫に保管してございましたパソコンが5台紛失した。多分盗難ということだと思いますが、このパソコンの中には、施設の利用者及び退所した人の個人情報、氏名、生年月日、既往病歴等、988人分が記録されておりまして、老人ホームとしましては、すべての利用者に対して報告と陳謝を行い、また、退所した方につきましてもおわびの文書を郵送しております。
    福祉保健局としては、事態の重大性にかんがみまして、パソコンの保管管理についての徹底を図ったところでございます。
    1枚おめくりをいただきまして、もう1つの事例でございますが、これも福祉保健局の関係でございますけれども、東京都の社会福祉事業団が管理を代行しております東京都小平福祉園の職員の自宅に空き巣が入りまして、施設利用者の個人情報が記録された職員の所有のパソコンが盗まれたというものでございます。個人情報としましては、入所者3人の氏名、生年月日、利用者の日常生活の状況などが記録されていたところでございます。
    東京都社会福祉事業団でも、許可なく個人情報を持ち出すことを禁止していたわけでございますけれども、この事態を受けまして、再度職員全員に個人情報の保管管理の徹底、園外への持ち出しの禁止の徹底を図ったところでございます。
    以上でご報告を終わらせていただきます。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等をお出しください。
    資料10にある具体的な事例、ほかでもいろいろ起こっていることですので、やむを得ないようにも思いますが、何らかの対策がとられる必要があるだろうと思います。先ほどの標語にも関係してきますけれども、こういうのがありますと信頼を失いますので、今後とも十分チェックしていく必要があろうかと思います。
    次に、報告事項の(4)は、存否応答拒否事案でありまして、情報公開制度については高橋係長から、個人情報保護制度につきましては岡本係長から、これは資料11ですが、資料12の情報公開審査会及び個人情報保護審査会審議案件一覧も含めて、説明をお願いします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、お手元の資料11になりますが、存否応答拒否8件のうち、情報公開制度7件についてご報告させていただきます。
    存否応答拒否につきましては、情報公開条例10条に、「開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」という規定がございます。この存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例施行についての通達及び情報公開事務取扱要綱の規定によりまして、審議会にご報告させていただくこととなっております。
    今回のご報告、情報公開制度7件の内訳としましては、建設局1件、産業労働局1件、警視庁4件、福祉保健局1件となっております。
    それでは、資料11-1から順に説明させていただきます。
    まず初めに、建設局の案件です。こちらは、都立八柱霊園において、特定の使用者番号、これは特定個人を指定することになりますが、特定の使用者番号を指定した名義人の申請書類についての開示請求でございます。
    こちらは、5の存否応答拒否を行った理由にございますとおり、この文書の存否を答えますと、特定個人がその霊園を使用しているかどうかという個人の行動に関する非開示情報を開示してしまうことになるということにより存否応答拒否としたものでございます。
    11-2ページ、産業労働局の案件でございます。こちらは、特定の個人名を挙げまして、特定の技術専門校の訓練課程を経て就職したことがわかる文書についての開示請求でございます。
    こちらも、5の存否応答拒否を行った理由をごらんいただきますとわかりますとおり、特定の個人が訓練課程に基づいて就職したか否かという個人の行動に関する非開示情報が明らかになってしまうため、7条2号個人情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものでございます。
    おめくりいただきまして、続く4件は警視庁の案件でございます。11-3、警視庁の1件目でございますが、3番目です。こちらは、日にちを指定しました逮捕案件につきまして、特定の警察署の捜査費用の総額及び明細について請求したものでございまして、5の存否応答拒否を行った理由に記載してありましたとおり、仮に当該公文書が存在した場合には、特定の事件に関し特定の期間について捜査活動を行っているという捜査状況が判明してしまう。逆に当該公文書が存在しない場合には、不存在として非開示決定しますと、特定の事件に関し特定の期間について捜査活動を行っていないという捜査状況等が明らかになるということで、4号犯罪予防・捜査の情報ということで非開示情報としたものでございます。
    11-4をおめくりいただきまして、警視庁案件の2件目でございます。これ以降、3件ほど似ている請求が続いております。まず11-4につきましては、一定期間の間で、「○○」と書いておりますが、これは特定の個人名を多数挙げておりまして、特定の個人による人権侵害、ストーカーなどの事案がわかる文書の開示請求でございます。
    こちらにつきましては、個人名を挙げているということ、また、犯罪捜査情報であるということから、2号及び4号により存否応答拒否としているものでございます。
    2枚おめくりいただきまして、11-6でございます。こちらの方、先ほどの案件と大変似ているように見えますが、こちらは伏せ字になっている特定の個人名、これが先ほどの資料とは違う個人名が記載されているものでございまして、同様に特定の個人の氏名を多数挙げまして、こちらによる人権侵害、ストーカー等の事案がわかる文書というものを請求されたものでございます。こちらも、先ほどと同様に2号個人情報、4号犯罪予防・捜査情報により存否応答拒否とさせていただきました。
    また2枚おめくりいただきまして、11-8でございます。こちらは宗教法人の団体名を多数具体的に挙げまして、それによるストーカー等がわかる文書ということが開示請求内容でございます。
    こちらは、宗教法人ということで団体情報になりますので、3号事業運営情報に該当するということ、また、先ほどと同様に4号犯罪予防・捜査情報に該当するということで、存否応答拒否とさせていただいたものでございます。
    おめくりいただきまして、11-10でございます。情報公開の方の最後の案件になりますが、こちらは福祉保健局の案件でございます。これは、特定の社会福祉法人と日にちを指定しまして、特定個人の方が事故に遭ったかどうかについて請求されたものでございます。
    こちらにつきましても、5番の存否応答拒否の理由にございますとおり、特定個人の病歴等に関する情報が含まれておりまして、2号個人情報に該当するとして存否応答拒否とさせていただいたものでございます。
    情報公開については以上でございます。
  • 岡本個人情報係長
    続きまして、個人情報関係の存否応答拒否、1件ございます。11-11でございます。私と何々氏に関する110番処理簿ということで開示請求がございました。
    この存否応答拒否の理由としましては、仮に当該文書が存在した場合には、非開示決定をしたとしても、開示請求者以外の特定個人に関する情報が明らかになり、110番通報者等の秘密を守るという信頼関係が阻害され、警察業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということで、16条2号と6号に該当するということがございます。
    また逆に、当該文書が存在しない場合には、不存在として非開示決定をしますと、対象の個人情報が存在をするという場合だけ存否を明らかにしないで拒否することになりますので保有個人情報が存在することが容易に推測され、本来非開示とすべき情報の保護利益が害されることになります。したがいまして、本件開示請求に係る個人情報が存在するか否かを答えるだけで条例16条2号、6号に該当する情報を開示することとなるため、存否を明らかにしないで開示請求を拒否したものでございます。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    それでは、引き続き存否応答拒否についての審査会の審議案件一覧について説明をお願いします。これは9月22日の当審議会のときに、審査会の方に存否応答拒否についどのような事案が出ているかということでお尋ねしたことに対してまとめてくださっているところです。
  • 高橋情報公開係長
    では、資料12の方をごらんください。情報公開審査会及び個人情報保護審査会審議案件一覧(存否応答拒否)という資料をまとめさせていただいています。
    この資料は、存否応答拒否があって、不服申立てにより審査会にかかった案件をまとめたものでございます。対象としましては、右下の方に※で書いてありますとおり、平成17年度及び18年度現在までですが、答申発表分をまとめたものでございます。
    全部で7件ございます。情報公開6件、個人情報保護1件という区分になっております。
    項目順に情報公開と個人情報保護の区分として、答申の番号、実際の答申の発表日、件名、こちらの件名は請求件名と思っていただければありがたいと思います。そして、それぞれの根拠条文、実施機関、そして審査会がどういう判断を行ったか、いつの審議会に報告したかというのを一覧にまとめております。
    簡単に1件ずつ説明させていただきます。まず答申353号、これは、警察諜報員が情報収集をするに当たり、警視庁公安部に提出した資料等を開示請求したものでございまして、これは特定個人を指定したものでございますので、条例7条2号個人情報及び4号犯罪予防・捜査情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございます。こちらの方、審査会の方でも妥当との判断をいただいているところでございます。
    答申349号、こちらも警視庁案件でございますが、留置管理下におきまして被留置人が面会記録、差し入れ、宅下げ記録、これらについてそれぞれ被留置人を特定し、またその差し入れ人等も特定した上で、特定の個人について開示請求したものでございます。こちらも7条2号個人情報に該当するとして妥当と判断されたものでございます。
    答申338号、こちらは栄養士名簿における特定個人、旧姓も書かれておりますが、該当する部分の開示請求でございます。これも特定個人の情報ということで、7条2号に該当するとして審査会でも妥当と判断をいただいたものでございます。これは福祉保健局の案件でございます。
    答申306号、こちらは特定個人の死体検案調書ということで、同じように7条2号、個人情報に該当するとして審査会で妥当と判断されたものでございます。
    答申298号、これは医療法人社団、特定の法人における調査結果及びそれへの指導に関する文書という開示請求でございまして、これは特定法人ということで、実施機関の方では条例7条3号、事業運営情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございますが、こちらの方は当情報公開審査会の方で存否応答拒否を取り消すべきとの判断をいただいたところでございます。
    答申285号、こちらは請求人を当事者とする捜査等関係資料のすべてということで、こちらにつきましては、7条2号、個人情報に該当するとして妥当とご判断いただきました。
    個人情報保護の方の1件でございます。答申98号に当たります。こちらは先ほど情報公開の方の答申353号と大変似ておりますが、審査請求人が情報収集活動するに当たって警察諜報員が警視庁公安に協力要請した文書ということで、個人情報保護条例の16条の2号の個人情報及び4号、犯罪捜査情報に当たるとして、こちらは妥当という判断をいただいたものでございます。
    こちらをごらんいただきますとおり、警視庁関係と福祉保健局の案件が多い。存否応答拒否そのものがそういう案件が多いということでございまして、おおむね審査会においても妥当とのご判断をいただいているところでございます。
    簡単でございますが、以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    以上の説明につきまして、何かご質問、ご意見がありましたらどうぞ。
  • 藤原委員
    1つだけ教えていただきたいのですけれども、11-3で、単なる存否応答拒否事案ではあろうなとは思うんですが、事案の詳細がわからないので何とも言えないのですが、これは11月22日に逮捕されているんですよね。
  • 河原情報公開担当係長
    請求件名ではそうです。
  • 藤原委員
    逮捕されていて、特定の警察署の犯罪だから、担当部署だから、特定性が高いというのは非常によくわかるし、開示すべき情報でないということもわかるのですが、あるかないかという問題に関したら、逮捕された件についての費用の総額ということから、既に逮捕されたものについての妨害、証拠隠滅等というのが対応しますか。
  • 河原情報公開担当係長
    逮捕されたということが公になっていれば、それは現に捜査をしているわけですから…。
  • 藤原委員
    だから、捜査費用の総額だから、既に捜査しているのですよね。
  • 河原情報公開担当係長
    ですから、それがお答えできないという存否応答拒否になろうと思います。
  • 藤原委員
    現実に逮捕されたかどうかがわからないという意味ですか。
  • 河原情報公開担当係長
    それを答えてしまうということは、逮捕されたということが公になっていれば、当然ながら捜査費用の総額及び明細書という公文書、一部開示なり非開示なり開示なりということになろうと思うんですけれども、つまり、逮捕されたという件があったか否かということで、その事件に対して果たして捜査をしているか否かという活動状況がお答えできませんよという存否応答拒否の理由だと思います。
  • 藤原委員
    請求対象件名が逮捕された件についてと書いてあるので、逮捕されたということ自体も、そうすると、公知の事実でも何でもないという意味ですか。
  • 河原情報公開担当係長
    そうですね。公知の事実というのが慣行として公にされていると、例えば特別捜査本部なんかは報道発表したりするでしょうし、情報提供も出すでしょうし、ちまたによく起こっているような逮捕事案というのは、そういうふうに公知の事実というわけではない。それに捜査状況ですから、いつからこのように捜査を行っているのかという特定の期間、そういったことも秘匿捜査ということをかんがみるとお答えできないという部分が、4号で非開示情報を開示することになるということになろうかと思います。
  • 藤原委員
    逮捕された件についての捜査費用の総額というところにかかるのかなと思って読んでいたので、総額ということならば対応しているのかなと思ったのですが、これは逮捕された件についてというところも含むということなんですね。
  • 河原情報公開担当係長
    そうですね。
  • 中村委員
    資料9の3ですけれども、個人情報の開示の件数が出ているんですけれども、これがどのぐらいのものであるか、これではわからない。
  • 高橋情報公開係長
    個人情報の開示の状況ということで、情報公開とは異なりまして、実際問題はかなりの割合が開示されております。細かい数字につきましては、次回にでも年報という形でまとめさせていただこうかと思っております。
  • 中村委員
    私どもは上がってくるものだけで見ているから、その割合を知りたいなと思いました。
  • 高橋情報公開係長
    次回にでもご報告させていただきます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、報告事項の最後になりますが、(5)ですけれども、住基ネット部会からの報告ということで、総務局行政部の河野課長からお願いいたします。
  • 河野振興調整担当課長
    行政部振興調整担当課長の河野でございます。私からは、資料13についてご説明申し上げます。
    前回、昨年9月の審議会以降の住民基本台帳ネットワークシステムに関連いたしました動きにつきましてご報告させていただきたいと思います。
    まず、資料の項番号1の不参加団体の状況についてでございます。
    横浜市が従前希望者のみの本人確認情報を通知する一部参加の状態でございましたけれども、昨年9月8日をもちまして、これまでの不参加の本人確認情報の送信が完了いたしました。横浜市の市民全員が住民基本台帳法に規定する事務の執行が可能になりました。これをもちまして、不参加団体というのは、東京都の杉並区と国立市、それから福島県の矢祭町の3団体ということになっております。
    続きまして、項番号2の住基ネットをめぐる訴訟の状況でございます。
    まず、後ろの方に書いてございますけれども、第一審である地裁判決の状況でございますけれども、平成17年5月30日に金沢地裁で住基ネットから個人の離脱が認められました。以降は行政側が勝訴という形になってございました。一覧表を次の13-2に参考というふうな形で書いてございます。今申しました17年5月30日、金沢地裁というのがございますけれども、しかしながら、これ以降、行政側が勝訴というふうな形になってございます。
    13-1に戻っていただきますと、控訴審であります高等裁判所の状況でございます。昨年11月30日の大阪高等裁判所の判決におきまして、住基ネットは個人情報保護対策で無視できない欠陥がある上、提供を拒否する住民に運用することはプライバシー権を保障した憲法13条に違反するということで、箕面、吹田、守口市の3市、これは守口市の方が2名ございましたので、合計4名の住民の住民票コードを住基ネットから削除するような判決がございました。これは、高等裁判所レベルでは初の違憲判決ということでございました。
    しかし、この後、高等裁判所の判決を受けまして、吹田市、守口市は判決を不服といたしまして上告いたしましたけれども、箕面市については、記載のとおり、12月7日、市長が上告を断念する旨を発表いたしまして、現時点ではこの部分について既に判決が確定しているということになってございます。
    続きまして、12月11日には、先ほど紹介いたしました一審の金沢地裁で県側が一部敗訴した訴訟でございますけれども、その控訴審が名古屋高等裁判所の金沢支部で言い渡されてございます。この判決では、住基ネットはプライバシー権の侵害やその具体的な危険性があるということは言えず、憲法13条には違反しないとの判断で、一審判決を取り消しまして、原告の請求を棄却するという判決になってございます。
    次のページに移っていただきまして、ことしの2月1日に、名古屋高等裁判所で、住基ネットの運用が控訴人らの受忍限度を超えてそのプライバシーないし人格権を侵害しているものとは認められないとして、一審と同様原告の請求を棄却する判決を言い渡してございます。
    高等裁判所レベルでは、以上のように、これまで3件の判決が出ておりまして、行政側の勝訴が2件、それから、行政側の一部敗訴が1件ということになってございます。
    最後に、去る2月16日のさいたま地裁判決についてお話ししたいと思いますが、これは、住基ネットの稼働、運用は違法なプライバシー侵害に当たらず、これを理由とする差止請求は理由がないということで、原告の請求を棄却する判決が言い渡されているところでございます。
    このような訴訟の状況でございまして、なお、自己に関する情報をコントロールする権利、いわゆる自己情報コントロール権についても、住基ネット裁判の中で争点となってございます。横浜地裁ではその権利を認めていましたけれども、このさいたま地裁では、原告の言う自己情報コントロール権を直ちに憲法13条に基づく権利として認めることは困難としておりまして、現時点では判断が分かれているという状況になってございます。
    先ほど見ていただいたんですけれども、参考といたしまして、国が被告となっている住基ネットの差止訴訟について、これまでの状況を表にさせていただきまして添付した次第でございます。参考にしていただければと思います。
    なお、住民基本台帳ネットワーク部会についてでございますけれども、次回は3月20日に、住基ネットのセキュリティ対策のより一層の充実を図るための運用管理の内容などにつきまして、前回に引き続きご議論をいただく予定になってございますので、部会の先生方におかれましては、お忙しい中と存じますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
    私からは以上でございます。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    ただいまの住基ネット部会からの報告につきまして、何かご質問、ご意見があればお出しください。
    住基ネット部会がこの審議会のもとに置かれていまして、そこでも議論はしますが、ただいま河野課長から説明いただいたうちのさいたま地の判決新しいということで、当審議会に報告をしていただきました。
    それでは、特にないようですので、きょう予定いたしました議事は以上ですが、よろしいでしょうか。
    それでは、事務局から。
  • 武市情報公開課長
    緊急の業務が長引きまして、出席が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
    それでは、一言申し上げます。この3月をもちまして、審議会委員の任期が終了することになります。改正個人情報保護条例の施行後、当初の2年ということで、委員の皆様には新制度の運用に当たりましてさまざまなご指導をいただきまして、本当にありがとうございました。
    皆様には、引き続き来期の委員就任をお願いしておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
    なお、次回の審議会の開催でございますが、来年度の5月23日を予定しております。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    この3月31日で2年の任期が切れますが、引き続き委員に就任ということでありますので、次回の日程が5月23日ということでご予定いただきたいと思います。
    ほかに何かご発言ありますでしょうか。
    それでは、特にないようですので、以上をもちまして、本日の審議会を終了させていただきます。
    長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。

午前11時54分閉会

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