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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第34回議事録)

第34回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成19年5月23日(水曜日)
東京都庁第一庁舎42階 特別会議室B

午前9時29分開会

  • 萩原参事(都政情報担当)
    定刻になりましたので、東京都情報公開・個人情報保護審議会を開会させていただきます。
    都政情報担当参事を務めております萩原でございます。議事に入るまで、私が進行を務めさせていただきます。
    本日は大変にお忙しい中、早朝より審議会にご出席をいただき、誠にありがとうございます。また、委員の皆様には常日ごろ、東京都の情報公開・個人情報保護につきまして専門的なお立場からご審議をいただき、有益なご助言を頂戴しておりますこと、この席をお借りして厚く御礼を申し上げるところでございます。
    本審議会は、東京都情報公開条例、個人情報保護条例に基づいて設置されておりますが、任期は2年間とされております。今期の委員につきましては、7名の委員の皆様全員に前期に引き続き委員へのご就任をお願いいたしまして、皆様からお引き受けをいただいたところでございます。誠にありがとうございます。
    本日、委嘱状につきまして、大変略儀ではございますが、皆様のお手元に置かせていただいております。これから2年間、前期に引き続きよろしくお願い申し上げます。
    それでは、最初に議題の2、会長及び会長代理の選任に入らせていただきます。
    今期の会長の選出でございますが、審議会規則第3条によりますと、会長は委員の皆様の互選によりご選任をいただくことになっております。改めてご選任をいただきたいと存じますけれども、いかがでございましょうか。
    藤原委員、どうぞ。
  • 藤原委員
    大変僣越でございますけれども、私からご推薦申し上げたいと存じます。
    堀部政男委員は、日本の情報法学の第一人者であられ、情報公開制度、個人情報保護制度の両分野についても高い見識をお持ちです。また、本審議会の会長を既に7年間務められ大きな実績をお持ちです。そこで、私といたしましては、ぜひ引き続き堀部政男先生に会長を続けていただきたいと思い、堀部先生を会長にご推薦申し上げたいと存じます。
  • 萩原参事
    ありがとうございました。ただいま藤原委員から、堀部委員にというご推薦のお言葉がございましたが、いかがでございましょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 萩原参事
    それでは、堀部委員に会長にご就任をいただくことになりました。
    それでは、これ以降の議事進行は堀部会長にお願いをいたしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    (堀部委員、会長席へ移動)
  • 堀部会長
    堀部でございます。引き続き会長を務めさせていただきます。
    東京都情報公開・個人情報保護審議会の審議の対象としております情報公開条例、それから個人情報の保護に関する条例、これの制度化にずっとかかわってまいりました。今日の情報公開条例は平成11年(1999年)のものですが、そのもとになりました昭和59年(1984年)の当時の名称は「東京都公文書の開示等に関する条例」という、こういう名称でしたが、その条例の制定に当たりまして、昭和58年(1983年)でしたが、東京都情報公開懇談会ができまして、その委員として、どのような条例をつくるかということで議論をしてまいりました。
    また、「東京都個人情報の保護に関する条例」は、平成元年(1989年)から、東京都個人情報保護懇談会の委員として、今日の条例のもとになる条例づくりにかかわってまいりました。その後今日の審議会ができまして、それにもずっとかかわってまいってきております。
    東京都の制度は、この情報公開・個人情報保護制度の先進国とされております北欧諸国に比べましても、人口におきましてはるかに多いわけでありまして、東京都の制度がどのように運用されるかということは世界的にも大変重要な意味を持っております。何年か前にもカナダの専門家が来られて、ここへお連れしていろいろ議論もしたこともありますが、そうしたこともありますので、当審議会は東京都の制度が適切に運用されるように、既に適切な運用がなされておりますけれども、一層適切な運用がなされるようにチェックする役割を担っております。
    幸い委員の先生方、それぞれの分野で活躍されておりまして、再任ということでありますので、今後とも2年間よろしくお願いしたいと思います。
    一言ごあいさつ申し上げました。
    それでは、議事ということでありますが、会長代理の選任をさせていただきたいと思います。
    審議会規則によりますと、会長代理は会長が指名することになっております。これまで高橋委員にお願いしておりましたが、今回も高橋委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 堀部会長
    高橋委員、よろしくお願いいたします。それでは、高橋委員に会長代理を引き続きお願いしたいと思います。
    この4月に、東京都におきましては人事異動がありました。そこで事務局から、3月の審議会後の人事異動につきましてご報告をお願いいたします。
  • 萩原参事
    事務局の人事異動につきまして、各自順に自己紹介をさせていただきます。
  • 北原情報公開課長
    情報公開課長の北原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 宮島情報公開係長
    情報公開係長の宮島でございます。よろしくお願いいたします。
  • 高橋個人情報係長
    個人情報係長の高橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 萩原参事
    人事異動のご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それでは、本日の議事に入っていきたいと思います。
    お手元の議事次第にありますが、まず3の住民基本台帳ネットワーク部会委員及び専門調査員の選任があります。当審議会のもとに住民基本台帳ネットワーク部会を置いておりまして、部会委員は情報公開条例第34条第6項に基づきまして審議会委員の中から指名し、また審議会規則第7条に基づきまして専門調査員も選任できることとなっております。現在の部会は、審議会委員3名及び専門調査員1名の計4名により構成されております。これまでのメンバーは高橋委員、藤原委員と私の3名と、それから専門調査員としまして山口調査員にお願いしておりました。引き続きこの4名で行っていきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 堀部会長
    特にご異議ないようですので、先ほど挙げました3名と山口調査員ということで進めていきたいと思います。
    また、審議会規則第6条によりますと、部会の部会長は会長が指名することとなっておりますが、ご了承いただければ、引き続き私が部会長を務めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (「はい」の声あり)
  • 堀部会長
    それでは、そのようにさせていただきます。
    山口専門調査員はこの審議会の方のメンバーではありませんので、ここには出席していただいておりません。本日この審議会後に部会を開かせていただきますが、そのときにおいでいただくことにしたいと思います。そのときにご紹介させていただきたいと思います。
    次の議題の4、審議事項に入らせていただきます。
    保有個人情報を取り扱う事務の開始についてということで、当審議会で審議することになっております。それでは、まずこれにつきまして、北原課長から説明をお願いいたします。
  • 北原情報公開課長
    それでは、ご報告をいたします。
    実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合、本日の新規分の保有個人情報取扱事務についてご説明いたします。ご審議のほどをお願いいたします。
    資料1-1をお開きいただきたいと存じます。
    今回は、新規開始事務の届出としまして22件ございます。前回の審議会が3月6でございましたので、本年度から開始された事務を中心といたしまして、今後開始予定の事務も含めてございます。
    それから、続きまして、14枚ほどめくっていただきますと、資料1-2というのがございます。これにつきましてはお詫びになるのですが、保有個人情報取扱事務の開始の届出につきましては、遅れることのないように、周知徹底を継続的に行ってきたところですが、開始の届出が遅れました事務が今回は19件ございました。それですので、遡及分としてここに載せてございます。今後は各局に対しまして、事務の開始前に届出をするようにさらに指導徹底してまいります。申し訳ございませんでした。
    それでは、具体的にご説明したいと思います。
    まず資料1-1でございますが、右下に目次と書いてございますものが3枚ございますので、4枚目をお開きください。右下に1-新規1と書いてございます。これからが届出事項の個票となっておりますので、順次ご説明をしてまいりたいと思います。
    本日は、審議事項も多く時間も限られております。保有個人情報の記録項目のうち、基本項目以外の心身の状況や家族状況、社会生活など、いわゆるセンシティブな情報が収集されているものにつきまして少し詳しく説明をさせていただきたいと思います。
    まず1-1をごらんいただきたいと思います。スムーズ東京21の事業につきまして、渋滞対策の一環としまして川柳を募集するものでございます。応募の受け付け、集計、問い合わせへの対応につきましては外部委託をしております。
    次に1-2でございますけれども、都民の方と区市町村・警察署が協働いたしまして地域防犯活動を行うものでありまして、町会、自治会、共同住宅管理組合等の代表者の情報を収集しまして記録いたします。
    次に1-3でございますけれども、これは若年者の自立支援調査研究に関する検討会に関しまして、有識者の委員の方々の情報を収集し、記録いたします。
    次に1-4でございます。いわゆるDV対策の会議に関する事務でございます。配偶者暴力対策ネットワーク会議の委員の方々の情報を収集し、記録いたします。
    次に1-5でございます。建築基準法に基づく「指定構造計算適合性判定機関の指定」に係る事務でございます。建築基準法及び国土交通省令で、構造計算適合性判定員の資格要件が定められておりますことから、申請者の方々の資格等の情報を収集しまして記録するものでございます。
    次に1-6でございます。医学会3研究所の統合整備に関する計画説明会の事務でございます。医学会3研究所とは、東京都神経科学総合研究所、東京都精神医学総合研究所、東京都臨床医学総合研究所の3つの研究所でございまして、これを統合するに当たりまして世田谷区に統合研究所を建設するために計画説明会を開催いたします。都の条例では、高さが10メートルを超える中高層建築物を建築しようとする場合には、近隣関係住民である土地・建物に関して権利を有するもの、及び一定の範囲内に居住する者からの申し出があった場合には、計画の内容について近隣関係住民の方々に説明しなければならないこととされております。そこで、近隣住民の方々の情報を法務局から収集しまして記録いたします。保有個人情報の記録項目としては「その他」のところに分類してございます。
    次に1-7でございます。看護職員の再就業支援の事務でございます。備考の欄に記載がございますように、「看護師等の人材の確保の促進に関する法律」によりまして、社会的信望があり看護師等の業務について識見を有する方々に看護師等就業協力員を委嘱することができることとなっております。この看護師等就業協力員の職業、職歴、学歴、学業、資格、賞罰等を収集し、記録いたします。
    次に1-8でございます。第二種社会福祉事業実施事業者の役職員の親族関係、職業、学歴、資格等の情報を社会福祉法の規定に基づきまして収集し、記録いたします。
    第二種社会福祉事業とは、社会福祉法2条で定義されておりますが、例えば生活困難者に対しまして生活必需品等を交付したり相談に応じたりする事業や、母子福祉施設、老人福祉センター等に関する事業でございまして、13種類の事業がございます。
    次に1-9でございます。生活保護受給中の中国帰国者への地域支援プログラム事業でございます。保有個人情報の記録項目も多岐にわたっておりますので、少し詳しく説明をいたします。
    これは、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律」に規定がございますが、中国残留邦人の帰国後の自立を図るために、福祉事務所と連携しまして「地域支援プログラム」を実施するものでございます。そのために、「社会生活」の情報を収集しまして記録しております。この事務につきましては、電話による受け付け業務を外部に委託しております。
    次に1-10でございます。障害者就労支援事業に関して、コーディネーターの資格を確認するため、職歴、資格、賞罰等の情報を区市町村から収集し、記録いたします。
    次の1-11でございますけれども、こちらも障害者就業支援に関しまして、支援センターの職員の資格を確認するために、職歴、資格、賞罰等の情報を本人の同意を得まして区市町村及び民間から収集し、記録いたします。
    次の1-12も障害者就業支援事業の一環でございます。職員からは資格確認のため、職歴、資格、賞罰の情報を、利用者の障害の内容についても、本人の同意を得まして区市町村及び民間から収集し、記録いたします。
    次に1-13でございます。青年期を迎えた障害者の相談業務でございます。障害者手帳を確認いたしまして、障害の程度につきまして収集し、記録いたします。
    次に1-14でございます。心身障害者扶養年金清算事務でございます。清算の対象者、清算金受給者の方から家族状況、親族関係、清算金の払い込みに必要な口座番号などを収集し、記録いたします。
    次に1-15と1-16でございますが、給水装置に関する事務、あるいは給水契約に関する事務についての情報を、水道使用者本人と市と町から収集し、記録いたします。
    次に1-17でございます。ここから東京消防庁の事務でございます。東京消防庁では、救急車を呼ぶかどうか、病院に行きたいけれども診てくれる病院がわからないといった電話相談に応じて看護師がアドバイスを行う救急相談センターの開設を予定しておりまして、相談者からの健康状態につきまして情報を収集し、記録いたします。
    次に1-18と1-19でございます。本年の10月1日改正予定の火災予防条例によりますと、大規模な防火対象物におきまして、防火管理者の業務の補助を行わせるために、防火管理技能講習修了証の交付を受けた防火管理技能者を置きまして、さらに防火管理業務計画を作成し、その旨を消防署長に届出なければならないことになります。この防火管理技能者等の資格を収集し、記録いたします。
    次に1-20でございます。防災講習会を実施するに当たりまして、学識経験者である講師の方々の情報を収集し、記録いたします。
    次に1-21でございますが、こちらの方は、職員に専門的知識と技術を習得させるため講師をお願いいたします。その情報を収集し、記録いたします。
    次に1-22、新規届出の最後になりますけれども、火災予防審議会の委員の先生方々の情報を収集し、記録いたします。
    新規の届出は以上でございます。
    次に資料1-2をお開きください。最初に申し上げましたとおり、届出が遅れた業務が19件ございました。事後報告となりまして大変申し訳ございませんが、この中から3件ほど報告をさせていただきます。
    まず、右下のページ番号1-遡及9をお開きください。これは東京オリンピック招致本部の取扱事務でございます。オリンピック招致本部は、平成18年4月1日に発足されたものでございます。この事務では、都議会における審議に対応するために、都議会の先生方の所属政党等の情報を議会局から収集し、記録しております。
    次に1-遡及14でございます。これは元ホームレスの方々に対しまして、自立した地域生活をおくることを促すために都営住宅の特別割当をするものでございます。入居希望者等から健康状態、家族状況、職業、収入等の情報を収集し、記録いたします。
    次に1-遡及18でございます。これはいわゆる団塊の世代が今年度から退職を迎える中で、技能継承や労働力不足への問題の対応が求められていますので、東京都ではものづくり現場における技術・技能の継承や、人材の確保・育成に関する相談に応じるため、品川、飯田橋、立川、亀戸の4つの技術専門校に技能継承相談窓口を設置いたしました。その相談窓口で熟練技能者、指導者、技能士会等を相談者に紹介するものですが、その方々の職歴、資格等の情報を収集し記録いたします。
    以上で届出の説明を終わらせていただきますが、今回報告させていただきました個人情報取扱事務につきましては、個人情報保護条例4条2項により収集の制限がなされております思想、信教及び信条に関する個人情報、社会的差別の原因となる個人情報を収集する事務はございませんでした。
    なお、前回の審議会におきまして、届出様式につきましては、条例4条に規定する収集の制限でより徹底するように様式の変更を審議していただいたところでございますが、現在7月1日の規則改正に向けまして作業を進めておりますことから、今回はこれまでの様式となっております。
    以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまご説明いただきました件につきまして、ご質問ご意見をお出しいただければと思います。いかがでしょうか。
    これは、いつも申し上げていますように、個人情報の保護に関する条例の第5条に「保有個人情報取扱事務の届出」というのがありまして、お手元の個人情報保護の手引の20ページだったでしょうか。当審議会がかかわりますことは、22ページに、審議会の意見聴取等というのがあります。これは東京都情報公開・個人情報保護審議会規則に基づくものです。
    先ほど北原課長からご説明がありましたように、今回は新規開始事務とそれから遡及ということで、既に事務を始めているもので届出があったものにつきまして分けてご説明いただきました。この条例の規定からも、第5条で、「実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは」ということで、事前に届け出ていただくことになっているわけですが、そこが必ずしも徹底していなかったような印象を受けます。そういうことで、分けていただいて非常にはっきりしたということがありますので、もし今後こういうことがありましたら、また分けていただくとよろしいかと思いますし、むしろ第5条の趣旨を徹底していただく必要があるのではないかと思いました。
    この方式は、自治体ではかなりとられているところですし、もちろん国でも総務大臣に事前通知をすることになっていまして、公的機関がどのような個人情報を取り扱っているかということを明らかにする非常に重要な制度であるということをぜひ認識していただく、ここでというよりも、むしろ都全体にそのようにしていただくとよろしいのではないかというふうに思いました。
    いかがでしょうか。
  • 藤原委員
    ご説明の確認ですけれども、聞き違えたのかもしれないですけども、新規の1-9で、中国残留邦人等のお話です。あのとき社会生活の項目のご説明があったかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  • 秋元委員
    そういう意味でもう1つ、ご説明の中で、その次の1-新規10、新規11、新規12の社会生活のところで、職歴、資格、賞罰もおっしゃっていたのですが、賞罰のところにはチェックが入っていないですが、その辺はどうなのでしょうか。コーディネーター等職員だとか。
  • 谷口個人情報係主任
    この件につきましては、失礼いたしました。当初の資料作成後に、お手元の資料の方の収集内容をいたしております。申し訳ございませんでした。
  • 秋元委員
    そうですか。では、今日いただいた賞罰の入っていないものが正確なのですね。
  • 谷口個人情報係主任
    失礼いたしました。その通りでございます。1-9の社会生活については公的扶助が収集項目となっております。
  • 萩原参事
    担当がご説明したとおりでございますが、賞罰等をどういう必要性でとるのかを実施機関に再確認したところ、本日のお手元にチェックをさせていただいているものが収集項目となっているということでございます。大変恐縮でございました。
  • 中村委員
    教えていただきたいのですけれど、基本項目の中の性別、この基準といいますか、考え方なのですが、例えば1-新規4で、配偶者のDVを扱う会議委員のところで性別を問わない。ノーチェックになっていますね。それとか1-3も、有識者委員のこれも性別チェックはしていないわけですね。その辺の問題と、それと消防庁関係の1-20、21、22、その辺の講師とか学識経験者とか審議会委員と。ここには性別が入っていますね。特にDV会議の委員というのにはなぜそういう性別をあえて問わなかったのか。技術であるとか、学識であるとか、そういうようなことに性別を問わないというのはわかりますが、こういうセンシティブな問題においての考え方はどうであったのでしょうか。お伺いしたいと思います。
  • 北原情報公開課長
    これにつきましては精査しまして、統一的に扱わなければいけないので、項目によってはやはりもう一度見直しというか、検討したいと思います。
  • 萩原参事
    国におきましても、また東京都におきましても同様でございますが、審議会の委員等につきましては、女性の比率を一定比率にしていくということで、東京都でも3割という目標を立てまして進行管理いたしているところでございます。その意味では、人選に当たりまして、男女の性別ということは当然配慮いたしているところでございまして、ただいま先生ご指摘のように、DVの関係であれば、必ず女性委員を3割以上入れるという配慮が実際なされております。ただ、ただいま北原が申し述べましたように、実際にそのように配慮して人選しておりましても、収集項目で委員名簿等では男性、女性というような表記を明確にしていなかったということで、消防庁と知事部局で不統一があったという結果になったということと思います。
  • 中村委員
    もちろん国をはじめとして、当初からそのような割合、方向性は承知しておりますので、明示しなかった点が疑問だったということです。ありがとうございました。
  • 茂木委員
    取り扱いの問題ですけど、遡及という場合に、もし問題が起こった場合というのはどういう取り扱いをされるのか。そこをちょっと教えていただきたいのですけれども。
  • 萩原参事
    収集が原則として禁止されている項目等は、今回は新規の分も遡及の分もないとご報告を申し上げましたが、遡及分でございましても、先生方のご審議で、これは非常に不適切だということになりました場合は、その時点から不適切な収集項目については収集をしないよう指導していくと考えております。
  • 茂木委員
    これは収集が既に始まった後ということですか。
  • 萩原参事
    先ほど会長から、事務局の実情を解説していただいて恐縮でございましたが、私どもでは研修や担当者会議を通じて、新規事務を開始する前に届出が必要だということは繰り返し周知徹底しているところでございますが、イベントの名簿ですとか、委員の名簿などについては、収集を禁じられているセンシティブな事項を含まないため、個人情報を収集する事務には当たらないのではないかという誤解が一部生じておりまして、そのために届出が遅れるということになっております。先般の3月の審議会で秋元委員から、その辺の進行管理をしっかりしていく必要があるのではないかというご意見を頂戴いたしましたので、今回、新規事務と遡及分ということを区分いたしまして、より一層、各局に周知徹底していきたいと考えております。
  • 堀部会長
    よろしいでしょうか。それでは、以上で審議事項は終わらせていただきまして、次に議題5の報告事項に移らせていただきます。
    その最初は、都政情報の公表・提供の充実についてということで、宮島係長から報告をお願いいたします。
  • 宮島情報公開係長
    それでは、ご報告いたします。
    情報公開条例におきましては、公文書の開示のほかに情報公表及び提供を拡充して、都民が都政に関する正確でわかりやすい情報を迅速に得られるように、情報公開の総合的な推進に努めるものとするという都の責務が記されております。それに基づきまして、情報公開課の方でも情報公表・情報提供に従来から取り組んでまいりましたが、今回、IT・業務改革会議という全庁的な会議の中でも情報公表・提供の強化ということで検討が開始されました。
    どういった会議かと申しますと、先月発足した会議でして、副知事をトップにした全庁的なものでございます。幅広い局の幹部等が集まりまして、業務及び情報システムの見直しについて全庁的に検討して政策の方向を示すといった目的がございまして、主要課題が3点挙げられております。その中の1つに、都政情報の提供等の充実という項目がございます。この3つの課題ごとに部会が設けられまして、検討が進められていきますが、今申し上げました都政情報の提供等の充実につきましては、当生活文化スポーツ局の広報広聴部長が副座長を務めましていろいろなことを検討していくといったことになっております。
    具体的には、この部会について情報公開事務の見直しとそれからホームページの見直し、この二本立てでこれから審議が進められるということになっておりまして、情報公開事務部分につきましては、年々公文書開示請求件数が増加しているとか、そういった都民のニーズの高まりを受けまして、情報公表・提供に係るコンテンツを精査して充実していくということと、それからITを用いて利便性の向上、それから事務負担の軽減を図っていくと。そういった方向でこれから具体的な検討が進められていくといったことになっております。
    具体的に申しますと、例えば都民の関心が高い案件については、これまで以上に積極的に早目に公表していくと。都民の関心が高い案件というのは果たしてどういうものかということをこれから全庁的に調べていくとか、それから、例年請求件数が多い文書については洗い出しを行いまして、例えばデータベース化できるのであればデータベース化を行いまして、情報公開請求をしなくても都民がそれを手に入れられるようにする。それから都民が欲しい情報を、例えばホームページ等で手軽に手に入れられるように、ホームページの作成担当とも連携して公表・提供情報に容易に都民がたどり着けるようにしていくとか、そういったことについてこれから検討を開始していくということになっております。
    スケジュールとしては、第2回の会議を来月6月に行いまして、以下順次開催し、年度末に一定の取りまとめを行うといったスケジュールになっております。
    この点につきましては、今後委員の皆様方にご意見を頂戴する機会が出てくると思いますので、その節はどうぞご協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
    私からの説明は以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまの都政情報の公表・提供の充実につきましてご質問ご意見をお出しいただきたいと思います。
    東京都の情報公開制度をつくりますときにも、開示請求があってそれに応ずるというのは1つ重要な意味を持ちますが、それ以外にも、積極的に情報提供・公表とか、そういうことを進めていくということを最初の条例でも非常に重視しました。これは先ほどちょっと触れましたように、東京都公文書の開示等に関する条例、その開示が中心になりますけど、それ以外に情報公開の総合的な推進という章立をし、情報公開、情報提供を進めてきたところです。
    ただいま説明いただきましたものですと、現在の情報公開条例の31条の情報公表制度の、特に第2項に、複数回開示請求を受けたものにつきまして、それを公表するよう努めるものとするという、こういう規定が1つありまして、それから情報提供もあるわけですが、そうしたことで、一々開示という求めがあったときに対応するばかりではなくて積極的に情報を公開していこうということでありますので、そういう方向はぜひ進めていく必要があろうかと思います。またぜひ進めていただきたいというふうに考えているところです。
    何かございますか。
    特にないようですので、それでは、次に報告事項の(2)個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況につきまして、高橋係長から説明をお願いいたします。
  • 高橋個人情報係長
    それでは、ご報告いたします。
    資料3でございます。個人情報取扱事務要綱に基づき個人情報の取扱状況をまとめたものでございます。
    最終的な年度集計については、まだ一部の実施機関で取りまとまっていないところがございますので、次回の審議会でご報告とさせていただきまして、今回は前回以降の2月・3月分をご報告いたします。
    まず1の条例4条3項に基づく本人外収集でございます。1号は、本人が同意をしている場合でございまして前回以降13件ございます。そのほとんどが職員の安全衛生事務におきまして、休職とか復職とかに係る診断書を本人の同意を得て病院などから収集した事案でございます。それ以外の2号から7号につきましては、2月・3月分はございませんので、省略させていただきます。
    次に2番目の条例10条2項に規定する目的外利用・提供でございます。
    1号は本人の同意がある場合で、前回以降139件ございます。事例としましては、心身障害者の知能指数などに関する情報を、本人や保護者の同意を得た上で障害者雇用の推進のために公共職業安定所に提供したもの。あるいは、労災保険給付請求審査のため、消防庁が本人同意を得た上で救急対応時における本人の心身の状況等を労働基準監督署に提供したものなどでございます。
    2号は法令等に定めがある場合で、前回以降5,654件ございました。事例といたしましては、固定資産税の付加のために都市整備局の建築確認事務に関する情報を市町村に提供したもの。所得税等付加のために保健所等でやっております、例えば食品等の営業許可の有無に関する情報を税務署に提供したもの等が非常に多くなっています。
    3号につきましては、18年度はございませんでした。
    4号も前回以降ございません。
    5号の学術研究または統計作成の場合でございますが、3月に1件ございました。これは東京都ではなくて、ある県で、がん予防指針のために行っている追跡調査でございますけれども、その調査対象となっていた個人が都立病院に入院したため、その方の病歴を調査機関に提供したものでございます。
    6号の同一実施機関内で利用する場合や国や他の地方公共団体等に提供する場合でございますが、前回以降57件ございました。例えば、交通局、下水道局などが行う用地買収における土地評価の資料として、財務局が毎年行っております地価調査の取引税の情報を提供したようなものなどでございます。
    続きまして3番の開示、訂正、利用停止請求の報告でございます。前回以降、開示請求が161件、訂正請求が1件ございました。平成18年4月1日から開示請求対象に加わった警視庁につきましては、1年間で145件の開示請求がありました。内容といたしましては、訴訟資料とするために、110番通報や生活相談の内容に対して開示を求めたものがほとんどでございます。
    訂正の1件でございますが、ある市の教育委員会から都の教育委員会に提出された報告書に関するものでございます。請求者がそのもとの報告を作成した当該市に対して訂正請求し、市の方が訂正をしました。その上さらに請求者が東京都にその資料の訂正を求めたものでございますので、東京都としては当該市が訂正したということを確認できたため訂正したというものでございます。
    4番目が個人情報の漏えい事故のものでございます。平成18年度につきましては、前回ご報告7件ということで、前回報告以降ございません。ただ、今年度につきましては、既に事故報告が2件出ております。
    1枚おめくりいただきまして資料4でございますけれども、1つは、東京都墨東養護学校の件でございます。この墨東養護学校の音楽教諭が保育園に預けた子供の迎えのために自家用車を離れた数分間に、車の中に置いておいたバッグの中に入っていたUSBメモリをバッグごと盗まれたというものでございます。このメモリの中には、この教諭が3月まで在籍していた足立養護学校卒業生39人分の個人情報が入っておりました。足立養護学校は該当する卒業生の保護者に個別に謝罪等を行う一方、墨東養護学校では電子データの管理マニュアルの改定ですとか、教職員に対する個人情報の取り扱いに対して注意喚起いたしました。
    1枚おめくりいただきまして、次の事例も教育庁の関係でございますが、都立広尾高校の教諭がUSBメモリの入ったバッグを帰宅途中で車内に置き忘れ、翌日バッグは発見されたもののメモリが紛失していたというものでございます。このメモリには、前任校と前々任校の2,757人に及ぶ個人情報が入っておりました。個人名のほかに定期考査の結果ですとか、通知票、成績会議の資料等が入っておりました。この広尾高校の教諭は、その4月に広尾高校に異動になったばかりでございまして、4月15の日曜日に前任校に行き、これらのデータを前任校の職員室のパソコンからUSBメモリにコピーして持ち出していました。前任校と個人情報が流失した学校の方は、卒業生及び在校生の保護者に対して報告と陳謝を行い、また教育庁はすぐに臨時校長会及び副校長会を開催し、個人情報の徹底管理等の周知を図っております。
    教育庁としては、こうした事態の重大性にかんがみまして、個人情報保護のための仕組みの抜本的見直しを進めているところでございます。この見直しに関しましては後ほど教育庁からご説明申し上げる予定でございます。
    以上でご報告を終わらせていただきます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいま説明いただきました件につきまして、ご質問ご意見等をお出しいただきたいと思います。
  • 高橋会長代理
    今、最後のところで、前任校からデータを引き出したというのは、どういう必要があったのですか。
  • 高橋個人情報係長
    伺っているところによりますと、前任校でその教諭は情報管理の教員でございまして、非常にコンピューターに強いということで、成績資料等の整理の表等をつくっておりましたけれども、それを新しく新1年生を担当する教諭から自分たちの学年に対応するようにその表の形式をつくり直したものを提供してほしいと言われて、その作業を在任中にやる予定ができなかったから、新しい学校に移った後に前の学校に行って、そのデータを持ってきたというふうに説明は受けております。
  • 堀部会長
    よろしいでしょうか。この個人情報取扱事務要綱といいますのは、お手元の個人情報保護の手引の259ページにありまして、これに基づいて報告をしていただいています。ですから、これもどういうことが実際に行われているかということを知る上で大事な意味を持っているところでありまして、こうしたことを審議会で報告していただきますと、どういうものがどれだけあったかということが明確になります。事故につきましては、学校関係というのは、どうもこういうものが非常に多くて、また残念なのですが、どうしても仕事の性格上というと変ですけれども、特にその情報を職場外に持ち出したりするということがあるものですから、そうした問題が起こり得るということがあります。大学関係でも時々問題になったりしていまして、学内で徹底することはいろいろなところでやっているはずですが、実際には、なかなかそれぞれの教員の責任でというようなところもありまして、全体の情報管理が徹底されないところもあってこうした問題が起こるところでもあります。起こりますと、どうしても、それに対する信頼が失われるということになりますので、こういうことのないように今後とも事務局としても徹底していただくとよろしいかと思います。
  • 藤原委員
    1つ教えていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。比較的機微な情報だと思いますけれども、このUSBメモリはパスワードとか暗号化はしてあったのでしょうか。それはどうなのでしょうか。
  • 高橋個人情報係長
    この2件につきましては、暗号化ですとか、パスワードとかというのは、そういう処理は全くなかったと聞いております。後ほど教育庁の方から説明があると思います。
  • 藤原委員
    そうですか。民間部門等ですと、処分を決めるときに、やっぱりパスワードをかけてあるか、暗号化してあるかはかなり重要な要素になりますよね。
  • 堀部会長
    そういうところもいろいろ意見を出していただいて、最近の民間におけるセキュリティをいかに強化していくかということからしますと、暗号化というのはむしろ当然になっているというところもあるわけですが、そうした点も今後どうするのかということを東京都としても考えていただく必要があろうかと思います。
  • 萩原参事
    会長からもご意見ございましたように、学校関係の個人情報の漏えい事故が非常に多くございますので、本日議題の5ということで所管の課長から都立学校における個人情報の安全管理についてということでお時間をちょうだいいたしまして、取り組みをご説明させていただきたいと考えております。
  • 堀部会長
    先ほど住民基本台帳ネットワーク部会の専門調査員として、山口調査員にお願いするということを申し上げましたが、ただいまお見えになりましたので紹介させていただきます。
  • 山口専門調査員
    東京工業大学の山口と申します。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    続きまして、議題の(3)になりますが、存否応答拒否事案につきまして、河原係長から説明をお願いいたします。
  • 河原情報公開担当係長
    それでは、資料5のところであります。存否応答拒否の審議会への報告は、情報公開では、条例10条、それから個人情報保護条例では17条の3、施行通達もしくは事務取扱要綱に基づきまして報告させていただきます。今回、存否応答拒否の決定は2件ございます。
    まず1件目、これは情報公開条例に基づく存否応答拒否です。事務担当課は警視庁交通部交通管制課。請求件名ですが、「国道20号線下り、○○区○○に設置されている、□□の高速走行抑止装置の、定期点検についての、契約書・仕様書(最新のもの)」でございます。高速走行抑止装置というのはどういったものかといいますと、従来のオービス(自動速度取締機)ですので、特定の場所に設置されている高速走行抑止装置の定期点検についての文書、この文書に対する請求の文書の有無を答えるだけで特定の場所に設置された自動速度取締機の設置の有無が明らかとなって、取り締まりという観点からは条例4号の支障性、それから交通の安全と円滑を行政目的とする事務、これの2つの支障性に基づきまして存否応答拒否を決定した次第です。
    1枚おめくりいただきまして、2件目の方は、これは個人情報保護条例に基づく存否応答拒否です。事務担当課は警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第三課。請求内容は、「私が暴力団員(準構成員)として登録されていることが判る文書」でございます。この請求に対して、特定の個人が暴力団または準構成員として把握されているということが明らかになって、その結果、犯罪、暴力団に関する情報収集活動、捜査活動、その実態が明らかとなる。もしくは、条例16条6号の該当性のところなのですが、これは暴対法の観点からでしょうが、その情報収集の実態が明らかになることによって取り締まり等の活動に支障を及ぼすという個人情報保護条例4号、6号の支障性をもちまして存否応答拒否を決定した次第です。
    以上、報告を終わります。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。いかがでしょうか。どうぞ。
  • 藤原委員
    前者の事例についてちょっと教えていただきたいのですけれども、オービスは、そうしますと、外形からではわからないという、それが前提のお話だと理解すればよろしいでしょうか。
  • 河原情報公開担当係長
    外形からわかったとしても、特定の場所は明らかにできないということです。
  • 藤原委員
    いや、請求対象が何処々々、何々でかなり特定されていて、しかも、これは個人情報じゃありませんので、その場所を通る車には多分そういうものがあるということはわかると。存否応答拒否というのは2段階の構造になっていて、存否が明らかになった場合に、各号要件の不開示とする利益が損なわれるかどうかで、第1段階の審査は存否そのものが明らかになっているかどうかということをクリアできないと2段階に行かないはずですので、もし存否の存の方がわかっているということであれば、その後の支障に行く前に、存否ではなくて全部不開示だということに多分なると思ったので、そうすると、これは外形からはみんな通ってわかっても、ダミーがあったり、あるいは違うものがあったりということで答えられないものか。場所とおっしゃいますけども、そこを走っている車、あるいは通行者から見ればそれは全部わかる、そういうものがあるというのはわかるのかなと思ったので、そういう質問です。
  • 河原情報公開担当係長
    確かに設置路線には標識が出ておりますけれども、その先どこに設置されているのかはわかりません。標識はその表示から、その先の何メーター先に設置されていますという表示ではない。つまり、標識の設置というのは一般のドライバーに、心理的にスピードを出さないでくださいと警告するものです。この自動速度取締設置機というのは、標識を無視してでもスピード違反をする悪質なドライバーを対象にしております。悪質なドライバーを取り締まるにはもうカメラしかないということです。ですから、その標識があったとしても、そのあと、どこにあるかというところまでは何ら明らかになっていません。だから存否応答拒否としたところです。
  • 藤原委員
    今、何メートル先、何百メートル先とおっしゃったけど、ここは○○区○○に設置されているところということで、そこまでわかるということなのですか。
  • 河原情報公開担当係長
    そうですね。大体そこまでわかってしまいます。
  • 藤原委員
    ピンポイントでわかってしまうということですか。
  • 河原情報公開担当係長
    ピンポイントでわかってしまうということです。国道20号線下りというのはいいのです。この○○区○○に設置されているということがあって、20号線の下り、そこでここしかないというところであります。
  • 藤原委員
    というのは、標識があって威嚇効果があって、何メートル先にあるかということと、守らない人に対してそもそも実効性があるかということは全く別問題だと思いますけれども、特定ということではおっしゃることはわかりました。
  • 河原情報公開担当係長
    別問題であるとは私は考えておりません。やはり交通の取り締まりというのが重要であるというふうに考えております。
  • 藤原委員
    いや、もちろん取り締まりは重要なのですけれども、守らない人とおっしゃったので、威嚇効果があるかどうかで存否というものが決まるものではないのではないかという、そういう意味です。
  • 堀部会長
    そういうご意見があったということを承っておきたいと思います。この存否応答拒否については、一応条例上基準はあるのですが、具体的事例になりますと、非開示で対応するのかどうか、存否応答拒否で対応するのか、こういう問題が出てまいります。
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、次の議題ですが、議題(4)としまして、個人情報保護に関する相談の概況につきまして、これは福田係長からお願いいたします。
  • 福田個人情報担当係長
    報告事項の(4)につきまして、ご説明申し上げます。
    お手元の資料6をごらんください。個人情報の保護に関する相談の概況ということで、平成18年度1年間の概況をまとめてございます。
    表1でございます。相談件数ですが、1年間で合計1,512件の相談が寄せられました。内訳といたしましては、都民等から1,013件、事業者から228件、行政機関から271件でございます。この件数は、大体月に120件から130件ということで、法施行直後の平成17年の4・5・6月を除きますと、平成17年の7月以降ほぼ同じ状況が平成18年度1年間も続いたということがわかるかと思います。
    表2でございますが、都民等から苦情がそのうち40%ほど寄せられているのですけれども、その苦情の対象分野についてです。一番多かったのが不動産業で12%。次いで、情報通信分野、金融・信用分野に対する苦情が寄せられた状況でございます。
    次に表3をご覧ください、相談の内容についてです。都民等から寄せられた相談で一番多かったものが漏えい・紛失に関するもの。次いで同意のない提供。それから不適正な取得があったのではないかというものでございました。事業者からの問い合わせにつきましては、同意のない提供に関するものが一番多い状況。行政機関からは、開示等に関するものと同意のない提供、こちらが件数として多い状況でございました。
    表4をごらんいただきますと、その相談に対する処理状況をまとめてございます。指導・助言を行ったものが最も多く約6割となっておりました。
    次のページ、裏をごらんいただきますと、1年間寄せられた相談の事例、簡単にご紹介をいたしたいと思います。まず、町会、自治会分野。こちらは町会とか自治会、同窓会、任意の団体等で名簿作成ができないなどの戸惑いが見られることがございます。それに対して、東京都としてはパンフレットを作成したわけですけれども、その事例をご紹介いたします。
    まず、親睦会名簿を作成する際に全員の同意をとる必要があるのか。どういったことに注意すればいいか。また、自治会の会員登録をするけれども、用紙に利用目的等が書いていないではないかというような相談がございました。それに対して、3月の審議会でパンフレットについて既に先生方にご説明をさせていただいたのですけれども、本日は完成したものを、「地域のくらしと個人情報」のパンフレットを席上に配付させていただいております。
    続いて、全体の中で件数の多い問い合わせ事例をご紹介いたします。
    事業者からの事例ですけれども、適切な取り扱いをするにはどうすればよいかという制度一般についての問い合わせが中心でございました。例えば、顧客に見積書をファクス送信して誤って別のところに送ってしまったけれども、どう対処すればいいか。アンケートを行う際に住所、氏名を記入してもらうが、個人情報の取り扱いを記載した方がいいかどうか。また個人情報取扱事業者には該当しないが、個人情報についての指針をつくる際のひな型はあるでしょうか、そんな問い合わせがございました。
    都民・消費者の問い合わせとしては、こちらも制度一般に関するものが中心でしたが、開示請求に際して用意すべき書類は何か。事業者にはプライバシーポリシーの作成が法的に義務づけられているのでしょうか、そんな問い合わせがございました。
    依然、さまざまな苦情も都民・消費者から寄せられております。最初の3つは、件数の多かった不動産業分野のものでございます。心当たりのない業者から営業勧誘電話があって、取得元が名簿業者と言われた。業者が登記簿を見てDMを送ってきたものに対して削除を申し入れたが、自分の情報が削除してもらえない。賃貸住宅の契約の際に本籍地の記載のある住民票を求められたが、出さなければいけないのかどうか。
    次に事例として載せましたのは、金融分野の事例でございます。事業者名を名乗らない金融業者からたびたび勧誘電話がある。また、銀行で口座開設する際の書類を紛失されてしまった。ローン会社で支払いをしたときに、その後ほかのローン会社からDMが届くがこれはどうかなどでございます。
    情報通信分野でも、買い物をしたときにダイレクトメールがほかのショップから来るようになって、苦情を言おうとしたけれども、苦情の窓口に電話窓口がない、そんな苦情もございました。
    そのほか医療・福祉分野で、認知症で入所している家族の状況が教えてもらえないなどの苦情が寄せられてございます。
    次に、資料で広報東京都の5月号をつけさせていただいておりますけれども、1枚めくっていただきますと、右上のところに「地域のくらしと個人情報Q&A」ということで、3月に発行いたしましたパンフレットの内容について、名簿作成のポイントなどをQ&A形式で載せてございますので、ご紹介させていただきたいと思います。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。相談の概況はいつも報告していただいていまして、かなり、東京都の場合には件数が多いと見てよろしいかと思います。それに対応していただいていまして、これによって個人情報保護制度の趣旨が具体的に理解されるという点におきましても大変重要な役割を果たしていると思います。
    最初の2年前の、4・5・6月に比べると件数は減っているということですが、大体その後、月120件ぐらいというのがコンスタントにあるということは、東京都に対して、相談すれば何か答えていただける、こういうことのあらわれではないかと思います。具体的事例についてもいろいろ伺いたい点もございますが、何かご質問ご意見があればと思いますけど、いかがでしょうか。
  • 秋元委員
    いろいろな相談の概況を教えていただきましたが、こんな話があるのですけれどもいかがでしょうか。多摩地域の行政が絡むのですが、多摩の地域に新しいごみ処理施設ができるというので、ごみ処理場の施設を見学したいというので、関心を持っている多摩地域の人たちが見学に行くことになったそうです。行政の方から、参加者名簿を出してくださいと言われたので出すことになったそうです。そのときに、以前そのごみ処理の処分場に疑問を呈して反対をしていらっしゃる先生もいらっしゃって、その方が以前に見学に行こうとしたときには結局入れてもらえなかったという現実があったそうなのです。それで、参加者の中に反対している方がいたら、もしかすると断るかもしれませんというような話があって、事前に参加者名簿を出してくださいということなのだけれども、その名簿を利用して、反対している人は見学させませんということは目的外利用ではないのか、という疑問を間接的に問い合わせされているのです。そういった場合の名簿の取り扱いというのはどんなものなのでしょうか。参加者の中に反対している人がいるのが、わかるのでしょうか。
  • 堀部会長
    行政はどこになるのでしょうか。
  • 秋元委員
    多摩地域です。
  • 堀部会長
    多摩地域の一部事務組合か何かになるのですか。
  • 秋元委員
    多分、ごみ処理施設を見学させてくださるところになると思うのですけど。
  • 福田個人情報担当係長
    東京都の実施機関の取扱事務でございますと、参加者名簿をとる場合には届出が必要で、その参加者名簿を出してもらう目的を明らかにする必要があります。その目的が単に参加者の整理ということなのに、反対する方は入れないということになると問題が生じてくるかと思います。今の話は、東京都の実施機関のものなのか、事実を確認しないと何とも言えない部分がございます。
  • 秋元委員
    区市町村のところでも、同じような事務の取り扱いというのはしていただいた方がよろしいわけでしょうし、その辺の区市町村での考え方というか、扱い方の認識の仕方というのかしら。その辺のところにも、ちょっとひとつどうなのかなという疑問を持ったのですけれども。
  • 福田個人情報担当係長
    区市町村につきましては、それぞれ区市町村の条例に従った適切な取り扱いをすることが求められるわけですが、目的外利用等の考え方は、基本的には都と大きく違わないと思います。
  • 堀部会長
    そういった事例があったということを伺ったというご指摘ですが、もし何かわかれば、また次回にでも、どういうことだったかということでご報告いただけるとよろしいかと思います。東京都が実施機関になっているものとそうでないのとでは、ここでどう審議するのか、意見を述べるのかとかあると思いますけれども、先ほど言われた行政というのはどこなのかということもあると思いますので、何かわかればということでお願いしたいと思います。
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、先ほど言いましたように、個別にいろいろ伺いたいところもありますが、また次回にでも質問させていただくことになるかと思います。
    では、次に議題の(5)都立学校における個人情報安全管理につきまして、最初に高橋係長からご報告いただきまして、あと教育庁の前田課長からご発言いただきたいと思います。
    それでは、高橋係長お願いいたします。
  • 高橋個人情報係長
    昨年5月の審議会におきまして、都庁全体で課毎の安全管理基準の策定というのに重点的に取り組んでいます。教育庁の学校関係以外は策定済みとご報告いたしました。それを受けて、昨年8月の審議会で教育庁から進捗状況の報告をさせていただいたところですが、今回その後の取り組みについて、教育庁学務部高等学校教育課長から説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 前田高等学校教育課長
    それでは、資料の8で説明させていただきます。高橋係長からお話がありましたように、昨年9月、第32回の本審議会で都立学校の取り組み状況について説明をさせていただきました。その後、都立学校個人情報取扱安全管理基準については、都立学校の特質を踏まえる形での案を作成しているところでございます。ただ、非常に申しわけないことですが、この4月に都立学校の生徒の個人情報がかなり大量に流失する事件が発生しております。このUSBメモリ自体を紛失した件につきましては、現在までところ、それが外部に流れているということは起こっていません。しかし、紛失しているのは事実でございますし、都民の方に対しては申しわけない事故が発生したというふうに考えてございます。
    各都立学校には、「学校における個人情報の流失防止について」という文書を発しました。あわせて臨時の校長会等を開催し、個人情報の管理について万全を期すように繰り返し指導をしている状況でございます。
    都立高校個人情報取扱安全管理基準の案について、少しお話をさせていただければと思います。現状については、資料の表を見ていただきたいのですが、一般の行政の現場では、個人情報の持ち出しというのは、当然原則禁止になるわけです。しかし、学校については、教育活動の特殊性からして外に持ち出さざるを得ないものもあるだろうということで、それを管理基準の中に少し入れて基準をつくりたいということで検討を続けております。現在、考えているのがA、B、C3つの区分を作り、A区分は原則持ち出し禁止とします。例示を書いてございますが、表簿類ですとか、個人情報の度合いの非常に高い成績関係等の書類は、原則的には持ち出し禁止にしたいということでございます。一律、理由の如何を問わず持ち出し禁止ということです。
    B区分は、個別に学校長が承認すれば、承認の範囲の中で持ち出しを許すようなものです。例えば、修学旅行等では、個人情報の入った文書等を教員が持ち出さざるを得ません。そういうケースについては個別に承認していくということでございます。
    最後にC区分ですが、包括的承認ということで検討をしています。教員は、教育上の活動を自宅で行うようなこともあります。どうしても必要なものについては、校長が個人情報の持ち出しについてある程度包括的に承認をしていくことを検討しています。ただし、教務手帳等、持ち出し禁止の中に入っているような成績関係の情報もあります。果たして包括的承認という形でいいのかということは、まだ議論が残っております。各学校現場、校長にもこの案について意見を求めています。さまざまな意見がありまして、対応については苦慮しておりますが、事故が起こっていますので、なるべく早い時期に基準を定めていきたいと思ってございます。
    私からは以上であります。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。いかがでしょうか。いろいろ教育庁として努力していただいていますが、どうしても流失事故等が発生いたしますと、これでいいのかということにもなりますので、引き続きそうした安全管理につきましては、現場に徹底していただくよう当審議会としてもお願いしたいと思います。
    よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
    それでは、最後の議題(6)としまして、住基ネット部会からの報告ということで、先ほど山口専門調査員をご紹介いたしましたが、住基ネット部会からの報告を、河野課長からお願いいたします。
  • 河野振興調整担当課長
    総務局行政部振興調整担当課長の河野でございます。
    私の方からは、前回の審議会以降、住基ネットに関連いたしました動きと、それから住民基本台帳ネットワーク部会で現在ご議論していただいている内容につきまして報告させていただきます。
    資料9をごらんください。項番1の都におきます本人確認情報の利用件数でございます。いわゆる住基ネットの利用件数ですが、東京都においては17年8月から18年7月までの1年間に約56万9,000件の情報を利用し、このうち約55万3,000件がパスポートの発給事務で利用されております。また、国の機関等では、同期間に約3,100万件の情報を利用し、共済年金関係での利用が多数を占めているようでございます。
    次に項番号2、都内自治体におきます住基カードの交付件数等についてでございます。都内におきます住基カードの交付件数は、15年8月の発行開始から19年3月までの約3年半の累計で、約21万枚となってございます。うち1年間の件数では、17年度が約5万3,000件であったのに対しまして、18年度は約7万件と前年度に比べまして伸び率が30%以上となってございます。また、住所地以外の区市町村での住民票の交付を受けます住民票の写しの広域交付ですが、同じく3年半の累計で、約3万8,000件を発行しているという状況でございます。
    続いて、項番号3の住基ネット訴訟の状況でございます。平成19年5月15日、直近の裁判でございますけれども、福島地裁で「住基ネットは、自己情報の不正利用防止や漏洩等防止のための制度的担保は十分確保されており、行政事務処理の合理化効率化等の目的のために、法令に定める範囲内において、住基ネットを用いて本人確認情報を利用することは、プライバシーの利益ないし権利を侵害するものとはいえない」として、原告の請求を棄却する判決が言い渡されております。これは、住基ネットによって提供や利用される本人確認情報について、住民が自己情報としてみだりに利用されない利益または権利を有するとしておりますけれども、市町村が正当な目的により正当な方法によって収集した本人確認情報は、これは思想や信条とは何ら関係のない客観的、外形的情報であるということを鑑みてということで、この判決の内容になってございます。
    あわせて、参考といたしまして、国が被告となっている住基ネット差し止め訴訟についてこれまでの状況を表につけてございますので、参考としていただければ幸いでございます。
    続きまして、項番4の条例による本人確認情報の利用、提供についてということでございます。これが現在部会において議論していただいている内容でございます。その内容につきまして説明させていただきます。
    まず、今後、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために、住基ネットの利用拡大を図る必要があると考えております。住基ネットの利用によるメリットといたしまして、例えば、従来本人確認のため住民票の写しを添えて手続をしなければならなかったものが、行政側が住基ネットで確認することによって、その手続が不要になり、住民サービスの向上が図られるということがあります。あるいは、今まで住所移転により現住所が不明となった場合、住民票を請求して確認を行っていたものが、住基ネットを利用することにより住所が確認できるようになり、行政事務の効率化が図られるということが考えられます。しかし、住基ネットの利用については、法律または条例に利用する事務の内容を規定していかなければならず、条例に根拠がある事務については、住基ネットを利用するためには条例を定める必要がございます。これが住民基本台帳法の規定ということで、条例利用の根拠として資料の方に出させていただいているものです。それからその下の丸でございますけれども、本人確認情報の利用、提供の制限ついても規定されています。
    他県においては、現在13県において利用条例を制定いたしまして、住基ネットを利用している状況でございます。その内容を見ますと、(3)に書かれてございますけれども、条例による恩給年金の支給とか、あるいは納税義務者の転居先調査等で利用しているという状況でございます。また、セキュリティについては、条例に規定する事務に利用する場合についても、法律に規定する場合と同様の措置が講じられております。このような状況の中で、東京都としても住民サービスの向上、それから行政の効率化の進展のために住基ネットの利用拡大を図ることを現在取り組んでございますが、その際問題となりますセキュリティのことについては、現在住基ネット部会において、利用拡大におけるセキュリティ対策の一層の充実を図るためのご議論をしていただいてございます。この審議会に続きまして開催される部会についても、前回に引き続きそのご議論をしていただくという予定になってございます。部会の先生方におかれましては、お忙しい中と存じますけれども、引き続きご議論のほどをよろしくお願いいたします。
    私からの説明は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまの件につきまして、ご質問ご意見をお出しいただきたいと思います。
    それでは、今、河野課長からのご説明の中にありましたように、この後、住基ネット部会を開きまして、ただいま説明いただきました件等を含めてさらに審議いたしまして、また後日当審議会にも報告させていただきたいと思います。
    それでは、本日予定しました議事は以上ですが、何か委員の先生方からご発言があればお願いしたいと思います。
    特にないようですので、事務局から今後の日程等につきましてお願いいたします。
  • 萩原参事
    長時間のご審議をありがとうございました。次回の開催は、昨年の例に倣いまして、9月ごろを予定いたしておりますが、細かい日程につきましては別途調整してご連絡をさしあげたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それでは、以上をもちまして、本日の審議を終了させていただきます。
    どうもありがとうございました。

午前11時04分閉会

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