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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第38回議事録)

第38回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成20年11月25日(火曜日)
東京都庁第一庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 萩原参事(都政情報担当)
    それでは、ただ今から「第38回東京都情報公開・個人情報保護審議会」を開催させていただきます。本日は大変にお忙しい中、委員の皆さまにおかれましては、審議会にご出席をいただきありがとうございます。本日は、本年度2回目の審議会でございます。新規開始事業の審議のほかに、東京都にも意見が多く寄せられております「ストリートビュー」の問題などにつきましても取り上げさせていただきたいと思っております。どうぞ、忌憚のない活発なご意見を頂戴できればと存じます。
    それでは、これ以降の進行は、堀部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    改めまして、おはようございます。萩原参事から、今日の議題についてお話がありましたが、議事次第にありますように、最初に審議事項の「保有個人情報を取り扱う事務の開始について」、次に報告事項が幾つかあります。その中に、グーグル「ストリートビュー」についてがありますので、いろいろとご意見をお伺いしたいと思います。
    最初の審議事項ですが、「保有個人情報を取り扱う事務の開始について」です。東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2に、「実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合」(第1号)は、「意見を述べることができる」という規定がありまして、ここで意見を述べることになります。それでは新規開始事項につきまして、北原課長から説明をお願いいたします。
  • 北原情報公開課長
    それでは、実施機関が新規に開始する保有個人情報を取り扱う事務につきまして、ご説明申し上げます。資料の右上に「資料1-1」と記載されているページをお開きください。今回は、新規分が20件でございます。前回の審議会が7月22日でしたので、それ以降に開始された事務を中心にいたしまして、開始予定の事務も含めております。13枚目をおめくりいただきますと、「資料1-2」がございますけれども、これは届出が遅れました事務が今回18件ありましたので、ここに掲載させていただきました。遡及分として載せてございます。今後とも各担当に対しましては、事務の開始前に届け出をするように、さらに指導を継続していきたいと考えております。
    本日は、萩原参事から言われましたけれども、いろいろと報告事項もございますので、この新規の届出に関しましては、簡単に説明をさせていただきたいと思います。
    今回の報告でも事務の目的とか、収集する対象者の範囲などから、届出を四つに区分しております。まず一つ目は、当審議会のように都政に関するさまざまな課題につきまして、審議、審査をしていただく委員会の委員の方々の個人情報を収集するものでございます。今回の届出では、新規が1件、遡及分が4件、計5件ございました。資料1-1の目次でいいますと、新規-1。資料1-2の目次では、遡及1~4となっております。これらは保有個人情報の記録項目といたしまして、基本的事項のほかに職業や学歴等の社会生活情報のほか、口座情報を収集するものでございます。二つ目は、イベントやシンポジウムの参加者、各種募集への応募者等の個人情報を収集するものでございます。今回の届出では、新規で8件、遡及分が4件、計12件ございました。資料1-1の目次では新規2~9、資料1-2の目次では遡及5~8となっております。これらの個人情報はイベントなどに限り利用するものでございまして、基本的事項のほか、職業、学歴等の社会生活情報を収集するものでございます。三つ目は、都の事務事業のうち、生活の対象者、患者、障害者等の個人情報を収集するものでございます。今回の届出では、新規と遡及分それぞれ2件、計4件ございました。資料1-1の目次では新規10と新規11、資料1-2の目次では遡及9と遡及10でございます。これらは基本的事項や家族状況、職業、公的補助等の社会生活状況のほかに、健康状態、病歴、身体といったセンシティブな情報である心身状況を収集するものがございますので、後ほど詳しく説明させていただきます。四つ目は、都の事務事業のうち、実態調査、申請、相談を行う際に、関係者の個人情報を収集するものでございます。今回の届出では、新規で9件、遡及分で8件、計17件ございました。資料1-1の目次では新規12~20、資料1-2の目次では遡及11~18となっております。これらは基本的事項の他に職業、学歴、財産等の社会生活状況を収集するものでございます。
    それでは、幾つかの届出につきまして、詳しい説明をさせていただきます。資料の右下に番号が振ってございますので、それを基に資料をおめくりください。まず一つ目は、審議会の委員等の個人情報を収集する事務でございます。資料では新規1と遡及分の遡及1~4となります。基本的事項のほかに職業、学業等の社会生活情報、口座情報を収集するものでございます。センシティブな情報を収集する事務はございません。これにつきましての詳しい説明は割愛させていただきます。
    次に、イベントやシンポジウム等への参加者、作品募集等への応募者等から個人情報を収集する事務でございます。資料では、新規2~9と遡及分の遡及5~8となります。これらの事務につきましても、主に収集するのは基本的事項で、センシティブな情報は収集しておりません。このうち、新規5~7の三つは、いずれも建物の耐震化に関する事務でございます。新規5「建物の耐震化キャッチコピーの募集事務」、新規6「ビル・マンションの耐震改修事例に関する募集事務」、新規7「安価で信頼できる木造住宅の『耐震改修工法・装置』の事例・アイデアに関する募集事務」ということでございまして、これらは昭和56年以前に建築された既存の木造住宅について、耐震改修が十分に進んでいないことから、耐震化に関心を持っていただけるようなキャッチコピーの募集、改修事例の募集を行います。収集する情報は基本的事項や職業等でございます。
    次に、生活保護対象者、患者、障害者の方々の個人情報を収集する事務でございます。資料では新規10と新規11、遡及分の遡及9と遡及10でございます。これらは基本的事項や職業、公的補助等の社会生活情報のほかに、健康状態、病歴、身体といったセンシティブな情報を収集するものです。このうち、新規10と新規11は、結核患者の方々に対する支援に関する事務でございます。新規10「結核患者に対する医療機関等DOTS実施事務」、新規11「結核患者に対するDOTS支援員派遣事務」ということで届けられております。これらは、結核を治療されている方々の状況あるいはご希望を伺い、相談あるいは訪問指導を行っています。その際に、支援を希望する結核患者の方々の基本的事項、心身の状況、家族状況、職業、学業、入院期間、服薬期間、処方薬等の情報を収集しています。また、主治医、支援員の氏名、連絡先、職業も収集しております。
    次に、東京都の事務事業のうち、各種の実態調査、申請、研修におきまして、関係者の方々から個人情報を収集するものでございます。資料では、新規12~20、遡及分の遡及11~18となっております。これらの取扱事務につきましても、主に収集するものは基本的事項でございまして、センシティブな情報は収集しておりません。このうち、遡及17は「東京都生産情報提供食品事業者登録制度事務」でございます。これは、消費者が安心して食品を選べるように、食品の生産等の履歴情報を提供する事業者を登録いたしまして、消費者に商品選択の目安を提供するものでございますけれども、この際、食品事業者の基本的事項を収集しております。
    以上、新規に開始する保有個人情報を取り扱う事務の届出につきましてご説明いたしました。今回ご報告させていただきました個人情報取扱事務につきましては、個人情報保護条例第4条2号により収集の制限がなされております思想、信教及び信条に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報、これらを収集する事務はございませんでした。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。それでは、ただ今の説明につきまして、ご質問・ご意見をお出しください。
  • 高橋会長代理
    収集する情報の中で性別を収集されているものが幾つかありまして、大体はわかるのですが、どういうことにお使いになったのか理解できなかったものがあります。例えば、新規5は、キャッチコピーに応募する人にということですか。応募する人が性別を明らかにしなければいけないというのは、何にお使いになったのですか。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    これは一般的な類推でございますけれども、応募された方が男性なのか、女性なのか、また年齢的に10代の方なのかなど年齢欄と含めまして、応募者の属性を明らかにし、選考に反映させるためであると理解しております。
  • 高橋会長代理
    選考の参考にするというのは、アファーマティブ・アクション的なこともあり得るのだという趣旨でしょうか。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    都市整備局に確認をしたわけではございませんので、私の憶測でございますが、キャッチコピーの選定自体は、キャッチコピーの優秀さということで選考されたといたしましても、当選者がどういう方であるのか、何歳代の男性か女性かという属性をお示しする必要があると実施機関が考えたからではないかと思います。
  • 高橋会長代理
    そうですか。もう一つ、新規9ですが、施設に学校教員が行かれた。その場合の性別を書いていますが、どういう必要があったのかよくわからないのですが。
  • 北原情報公開課長
    これは保有個人情報の記録項目の基本的事項ということで、性別等も基本的事項の中に入っているということで、収集しているということになります。特別な意味があるのかといわれると説明しにくいのですけれども、基本的事項ということで性別等も含めまして捉えておりますので、収集しているところでございます。
  • 高橋会長代理
    こちらの方は、そういうことであればそうかとは思いますけれども、募集の方はもう一度検討していただいた方が良いかという感じを、私自身は持ちました。
  • 北原情報公開課長
    わかりました。都市整備局に問い合わせまして、確認をします。改善できる点は改善しようと思います。
  • 堀部会長
    問い合わせていただくと良いかと思います。今、高橋会長代理が言った「アファーマティブ・アクション」といいますのは、男女別で女性の方を特に優遇するような趣旨で使ったと思います。そういうことで性別を聞くのかということなのかどうかということです。これは、アメリカなどで女性を特に優遇するとか、少数民族を優遇するということで、アファーマティブ・アクションを取るということがありますので、そういうことなのかということです。東京都でそういう考え方があるのかどうかわかりませんけれども、かなり高度な質問であるということもありますので、ぜひ確認していただくとよろしいかと思います。それから、高橋会長代理が言われたのは、今は男女の性別を聞くというのもどうかということも逆にありまして、そういう点でも疑問を持たれたのかと思います。日本の場合にはいろいろなところで男女比があって、特に女性が何割くらいかということを明らかにしようとしているところもあって、収集されているのかとも思いますが、新たな課題として検討しなければならない面も含んでいると感じました。
  • 北原情報公開課長
    わかりました。
  • 堀部会長
    他に、いかがでしょうか。中村委員。
  • 中村委員
    遡及1ですけれども、教えていただきたいのですが、アジア人材育成基金の高度研究というのはどういうものですか。その要綱としては職業だけがマークされているので、どういう分野でどのような方たちを必要としているのか、私はつかめませんのでお伺いしたいと思います。
  • 谷口個人情報係主任
    これにつきましては、平成20年から合計10年間にわたりまして、アジアの発展に資する優秀な人材の育成につながる施策を実行するため、アジア人材育成基金を設置しております。こちらの委員の基本的事項と職業を収集しているものです。
  • 中村委員
    ですから、その基本的事項というのは。ここにマークが付いているのは職業だけなので。
  • 谷口個人情報係主任
    お名前、ご住所、電話番号です。それでは、確認をさせていただきます。
  • 中村委員
    高度研究とわざわざ「高度」と付いていますので、どういう専門分野であるとか、いろいろな限定があるのではないかと思ったものですから。
  • 谷口個人情報係主任
    確認させていただきます。
  • 堀部会長
    これも原課に聞かないとわからないことかもしれません。ぜひ、聞いていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。個人情報取扱事務の開始につきましては、新規と遡及に分けていただいておりまして、遡及ということで、これまで届出をしていなかった事務がいかに多いかということがはっきりしました。都庁内でこのことを知っていただいて届け出すべきもので届けていないものにつきましては、速やかに届け出ていただけるように、さらに促していただきたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。それでは、審議事項は終わらせていただきます。
    次に、報告事項ですけれども、最初は、個人情報保護制度の運用状況についてです。これは、高橋係長からお願いします。
  • 高橋個人情報係長
    それでは、個人情報の保護制度の運用状況についてご報告いたします。資料2をご覧ください。これは、定例的なご報告でございますので、後ほど資料をご覧いただきたいと思います。最近顕著な傾向としまして、開示、訂正、利用停止では、開示請求件数が非常に増えておりまして、去年の同時期に比べて2割ほど多くなっております。内訳を見ますと、特定のところに偏っているというわけではなく、福祉保健局です、病院経営本部、消防庁、警察といった従来から多いところが、一様に増えているという傾向が出ております。4番目の相談件数につきましては、例年より少な目です。特に都民、消費者の方からの相談が減っております。5番目の事故でございますけれども、大変残念ながら本年度に入りましても、毎月事故があり、以前と同様に無許可で持ち込んだUSBメモリーなどに個人情報をコピーして、それを紛失する等の内容が3件。委託先の事故が2件でございます。事故に関しては、去年から対応策をとっておりますけれども、本年9月から文書管理全般を所管しております文書課と、電子情報に関するセキュリティを担当しております行政改革推進部と共同で、去年事故を起こした現場に行きまして、実地調査等を行っているところです。引き続きまして、関係部署と協力して、事故防止については努めていきたいと思います。
    非常に簡単ではございますけれども、これで報告を終えさせていただきます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。今の報告について、何かご質問、ご意見がありましたらお願いします。特にないようですので、報告事項の2に移らせていただきます。
    グーグルの「ストリートビュー」についてとなっていますが、これには、最近非常に大きな関心が寄せられているところです。日本では、8月4日と書かれているものも5日と書かれているものもありますが、その辺りからサービスが開始されました。他の国では、早いところもありますが、あとで必要に応じて少し触れてみたいと思います。東京都に相談などが寄せられているということもありまして、そうしたことについて、まとめていただきました。これについて、まず北原課長から、説明をお願いいたします。
  • 北原情報公開課長
    それでは、お手元にございます資料3、A3とA4のペーパーが1枚ずつございますけれども、これをご覧いただきましてグーグルの「ストリートビュー」につきましてご説明をいたします。ストリートビューというのは、皆さまご存知のようにパノラマ写真を地図上で見ることができる機能を備えていまして、平成19年5月にアメリカで提供開始されているということで、日本でも8月から12都市で提供が開始されております。このストリートビューに関しまして、グーグル社の方では、プライバシーに配慮するために、画像の撮影は公道から行い、人物の顔や自動車のナンバープレート、表札には機械的にぼかしを入れて判別できないようにしているということで、また、ユーザーから、不適切な映像があるので削除してほしいとの申し出がありましたら、削除消去に対応しているということでございます。ストリートビューに関しましては、サービス性の高い利便性を持つものであるという評価の声がある一方、知らないうちに自宅や生活状況の映像が世界中に公開されることへの戸惑いや抵抗感、さらに治安、防犯上の懸念の声もございまして、町田市の市議会では、10月にストリートビューに関しまして、「地域安全に関する意見書」というものを決議しております。ただし、町田市に対しましては、ストリートビューを評価する意見も寄せられているとのことでございます。
    この点に関して、東京都に寄せられた意見、苦情、要望等でございますが、寄せられた件数は38件です。このうち、匿名で寄せられた意見が30件ございます。寄せられた意見等の内容ですが、一般論といたしまして、「ストリートビューで画像を公開することはプライバシー侵害ではないか」というものが18件、「治安・防犯上問題があるのではないか」というご意見等が10件、それから「自分の情報に関して具体的な特定の画像が公開されるのはプライバシー侵害ではないか」という意見が8件、「自分の情報を削除したい。削除要請したが対応してくれない」といったご意見が6件ございました。
    どのような対応を求めているかということでございますけれども、「プライバシー侵害の懸念があり、何らかの規制が必要ではないか」という内容のご意見が17件、「行政に何らかの対応をしてほしい」というものが9件、「グーグル社に自分の画像を削除するよう指導してほしい」というものが4件などございました。
    これらに対しまして、東京都の対応でございますけれども、相談者に対しては次のような内容でお答えしているところでございます。
    公道から撮影して、顔や表札、ナンバープレートなど、個人を判別できないようにぼかしを入れていること。申し出があれば削除すると表明しているので、プライバシーに関しましては一定程度の配慮がなされているということ。私道からの撮影や顔、表札が明瞭な映像など不適切と思う映像につきましては、グーグル社に削除の申し出をしてほしい。削除を申し出たのにもかかわらずされない場合には、東京都に連絡をほしいと伝えています。これに関しまして今までにこのような連絡を都が受けたということはありません。それから、プライバシーの問題につきましては法務省にも意見を送付しているということ。その他個人情報に該当するか否かにつきましては見解が分かれていまして、現在のところ、直ちに個人情報保護法が適用になるとはいえないと回答しているところです。こうした東京都での状況等ですが、ストリートビューに関しましては、プライバシーの保護の観点から問題を指摘する意見があります。
    まず、具体的な画像を特定して問題としている場合ですが、偶発的に撮影された個人の顔や表札、車のナンバープレート、抱き合う男女の姿など具体的にぼかしが入らないで明瞭に判別できる画像として公開されているものはプライバシーの侵害に当たるのではないか、という意見があります。また、ストリートビューの画像全般を問題にしている場合には、目線よりも高い位置で撮影をされて自宅や生活状況等が撮影されまして公開されているのはプライバシーの侵害ではないか、という意見もあります。
    このようにストリートビューに関しては、プライバシー保護の観点からの意見等を踏まえた上で、今回の審議会では、個人情報の保護法上の論点につきまして委員の方々のご意見をいただきたいと思います。
    まず、画像の個人情報の該当性の有無です。個人の顔や表札、車のナンバープレート、抱き合う男女の姿など具体的なぼかしが入らないで明瞭に判別できる画像につきましては個人の顔、ナンバープレート等が明瞭に判別できる画像が個人情報、保有個人データに該当するかどうかという論点があります。これは本人・知人には個人が特定できるけれども、一般的には特定できないような場合も含めて論点となると考えます。それから表札につきましては明瞭に判別できる画像が個人情報に該当するかどうかという論点です。これは姓のみ記載された場合と姓と名が両方とも記載された場合と異なるかどうかも含めまして論点となると思います。それから自宅や生活状況。これは洗濯物とか外車の保有状況とか、庭先の様子、子どもの存在などについての関係についてですが、ストリートビューの画像は住所によりまして検索が可能ですので、住所録や既存の自宅名入りの地図等で容易に照合することができましてそれによりまして特定の個人の自宅、生活状況を識別することができるものもこれらの画像が個人情報、保有個人データに該当するかどうかといった論点があります。
    以上のように個人情報に該当するかどうかの論点がありますが、当該情報が個人情報に該当しないとされた場合には、個人情報保護法は適用されないことになりますが、それでは肖像権あるいはプライバシー権の侵害等に関して一般の法的責任が問われないかどうかも論点になると考えます。個人情報、保有個人データに該当するとされた場合ですが、それに関しては別添に資料A4版で個人情報と保有個人データに関してまとめていますので、それもご覧いただきたいのですが、それが個人情報、保有個人データに該当するとされた場合には、個人情報保護法の適用との関係が論点になると思います。具体的には個人情報保護法の第3条の基本原則との関係をどう考えるか。それから個人情報保護法第4章の個人情報取扱事業者の義務等はどうなるかといった論点が生じると考えます。その際には現在グーグル社は既に個人情報取扱事業者としてプライバシーポリシーの表明を行っている点、それからグーグル社が現在行っています申し出に基づく削除、これは個人情報保護法23条2項のオプトアウトの制度と類似しているということをどうとらえるか。そういったものを含めまして論点になると考えます。
    今回はこれらの論点につきまして委員の皆さま方から意見をいただきまして、ご検討をお願いしたいと思います。ご審議のほど、よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただ今、北原課長から説明がありましたように、グーグルのストリートビューにつきましてはさまざまな論点があります。そこで質問・意見をそれぞれの委員から出していただくとよろしいかと思いますので、秋元委員から順番でご発言いただくとよろしいかと思います。よろしくお願いします。
  • 秋元委員
    私もグーグルのストリートビューというのはあまり使ったことがなかったのですが、今回の議題ということで、自分で自分の住所を入れて見てみました。そうしたら確かにきれいに写真が出ていまして、360度なので回りの様子が全部わかるのです。うちは集合住宅なので、一戸建ての家のように見えてしまうわけではないのですが、たまたま通りに人が写っているのです。女子高生の後姿が写っていて、そういえばこの通りは女子高生がよく通る通りだなと自分でも思ったわけですが、そういった場合、これははっきりと写りすぎているのではないのかなという印象を持ちまして、不安を感じ、不安を感じるというのもおかしな話ですが、どうなのかなと一瞬そこで思いました。
    一方で観光地だとか公の場所とか町の様子を調べるのにはとてもよいという印象は持っています、私の知り合いでも海外にいる知人から、この辺のところにあるのよ、この辺の街の雰囲気はこのようなのよというのをグーグルで見てねと言われてとてもよかった。わざわざそこまで行かなくても住んでいる様子がわかってよかったという話も聞いたことがあります。私たちは大分インターネットを使うようにはなりました。けれどもその中でインターネットの良さと、影の部分もあると思います。その影の部分を普通に使っている人は十分わかっていないことがあると思います。グーグルも嫌だった場合は申し出によって消しますとなっていますが、十分そこが消せるのかという不安感もあるし、特に気に入ったところを保存しておきたい場合、マイページというのがあってそこに登録しておくと自分用に保存できるというのがあるようです。ただそこに保存した場合、他人からも見られるということもあると聞いていました。この点について事業者の提供している案内画面に「マイページのところをクリックしてしまうと、他人からも見られます」というところが全く書いていないので、その怖さも普通に使う人にはわかってこないのではないでしょうか。提供する側がもう少し細かい配慮をしないと、全くネットを使わない人は東京都へ苦情がきているように、全く知らないうちに自宅が知られてしまっているという怖さがあるのではないかと思っています。
    今は、地図も航空写真が取られていて、それで個人のお宅までもきちんとわかるような地図が出ていると思います。そこまではかなり一般の人たちも理解していると思うし、その部分も申し出によっては自分の家は消してもらうこともできることになっていると聞いています。ストリートビューの場合も一応そういうことになっているけれども、そこが普通に使う人には十分わからないのではないかとの怖さも正直感じてしまいます。
    グーグルだけではなくて他にももっと最近はいろいろな事業者も地図サイトで動画や写真を出していて地図検索がしやすくなっていますが、グーグルはもう少し細かいところで配慮した出し方をしてほしいと思います。一番具体的にそう思ったのは、目線より高い位置から取っているということです。日本の場合は外国と違って通りのすぐそばに庭があったりおうちがあったりするので、高い視点から見るとすぐにその家の玄関が見えてしまうということがあると思うのです。外国だと遠くに家があったり生活する場面があるので、その感覚が日本の場合と海外の場合とでは違うのではないかと思いながら、その辺のところは利用者も気をつけないといけないだろうけれども、提供する側ももっと気をつけていただくような対応の仕方が必要なのではないかと思ったりしました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。提供者側にどういうことを要望されますか。
  • 秋元委員
    そうですね。今言ったように高い位置からというのがあるので、そこのところは人の目線の高さで通る位置ぐらいのところで、公道を写してみるとか、私道には入らないといっているのですが、私道がどこなのか、どこまでが私道なのかを撮る側がわかっているのかとか、マイページのところも最初からオープンではなく、そこにも注意をいれてもらうとか、そういったことでしょうか。
  • 堀部会長
    プリウスという車にカメラを積んで2メートル50の高さから撮影をしているということですが、日本でも東京・札幌・小樽・函館・仙台・千葉・さいたま・横浜・鎌倉・京都・大阪・神戸は既に写真が撮られ、それらの都市について提供されているとのことです。そうすると、高さを変えて撮り直せということになるかどうか。かなり進んでいるという事実もありまして、その辺りはどうなのか。今後そうした普通の目線で公道を歩いていて、見ることができる高さで撮るべきだということになるかもしれません。そういうご意見でもあるということですね。
  • 秋元委員
    もう一つ思うのは、ネットを使う人はストリートビューを知っているかもしれませんが、まだまだ日本の中ではネットを利用していない人もいますので、撮る場合は隣近所に、こういう撮る車が走っていますとか、そういう広報を事前にするとか、そういうこともあってもよいのかなと思ったりもします。
  • 堀部会長
    これもいろいろなところで議論をしているのですが、確かに、そのグーグル車で撮影している。実際にそういう表示をして撮影をしているらしいです。またグーグル車がそういう形で走っているというのを写真に撮って公開している人もいるということです。ヨーロッパなどで議論があるのは、特に肖像にかかわるものについては、明示の同意を得て撮るべきである、また明示の同意を得た上で公開すべきである、それをしていないのではないかという批判もあります。それは住宅一般についてはどうなのか。それから町を歩いている一人一人に同意を求めているのかとかいろいろあると思いますが、一つの意見としてそういうことがあるということはわかりました。中村委員いかがでしょうか。一通りうかがった上で意見交換をしたいと思います。
  • 中村委員
    最初にお断りしておけば、私はいわゆるネット弱者でこのストリートビューも見たことがありません。今回急きょ、いろいろ勉強しました。それでかなり疑問を持ったのですが、まずこの事業者、グーグルがどういう目的を持っているのかが私にはわからない。目的として娯楽性が非常に高いのではないかと思うのです。それで社会的な公益性というのはどの程度なのかと思いました。ですから、利用のされ方としては、観光であるとか、楽しみであるとかそういう目的のために情報を提供するサービスがあるというわけです。それがどの程度必要なものであるのか。その反面、いわゆる企業として利用しているのは専ら不動産業であるらしい。そうすると不動産業としては非常に安易に周辺の了解を得ることなく手間ひまをかけることなく、自分たちの業態にとって非常に利便性が高いということなどがわかりました。
    そもそも、この目的とそれが使われているに不特定多数のものとの関係がわかりません。これが観光・公共施設・病院、そういうところでしたら、一歩譲ってもよいのですが、なぜ全体の地図を作成するために住宅地に入ってくるのか。アメリカ発の情報サービスのようですが、例えば外国では公道から私道があって、住宅はかなり引っ込んでいますし、私有地界隈は非常に広く取って、そこにいろいろなものが混在しないような配慮があるような社会で使われていた手段が、この過密な日本で、洗濯物が外にはあるは、家族名まで並ぶ表札までもぶら下がっているはという、ある意味プライバシーが露出しているような社会にそのまま入ってきているという不思議さを感じました。
    ですから、公道にこれほど普通の住宅が面している社会で使う問題などもなぜ最初から考慮されなかったのかということがあります。この問題では、プライバシー侵害ということで、道を歩いて写されたとか、路上キスも分かってしまうからと気持ち悪いという反応があるようですが、その気持ち悪いレベルですぐに法的規制などで対応するのはどうかと思います。それこそ車内キスから車内化粧からいろいろな形でプライバシーをルーズにさらしている。ただ、気持ちの悪さが一気に肖像権などの問題にいくのかどうかはわからないところがあります。
    また、地図を見て訪問する利便性、こういう訪問者はいくらでも想定できるわけで、つまり犯罪に結びつくというような形もあります。住宅地にまで使われる利便性、これもどうなのでしょうか。私は法的規制か企業の自由かと一気にいく以前に企業として、これでよいのかということの合意形成というのができないものかと思ったわけです。ですから、例えば、なぜグーグル社は2.5メートルの高さなのかの理由もわかりませんし、さまざまな問題をこれは利便性と不適切な利用とその他の比較衡量をまずはするべきではないかと思いました。先ほど町田の市議会も意見を出したようですし、2日前に杉並区がグーグルへの削除申し入れの方法というのを区民に紹介し始めたという記事を見つけました。この問題を単に感情レベルではなくて、企業の活動の適切さというところから議論したらどうかと思いました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。確かに企業活動といえども何をやってよいというわけではありませんので、限界があるというご指摘であると思いました。合意形成という表現を使われましたが、こういう誰もが見ることができる、しかも世界中から見ることができるものについて、もう少しそういったことをした上で、こういうサービスを提供すべきというご意見と受け取りました。先ほどの秋元委員の意見にあった私道の問題、先ほど出ていませんでしたが、私道についてはアメリカでも相当問題になって、実際に訴訟が起こっているということもありますが、日本の場合に私道でも道路位置指定されていますと、誰でも通ることができることになっています。私道の場合そこをどうするのかいろいろ議論があるところですが、私道でも例えば郵便配達をするとか牛乳を届けるとか、宅配便が入ることができることと同じことなのか、違うのかということも。議論になると思います。こういうようにカメラで写真を撮る場合に、車で私道でもいろいろな私道がありますが、そこに入り込むことの是非というのも確かに問題になるかもしれません。ただ、一方でここから私道であるということは必ずしも明確ではない。車が入るなと通行止めになっている場合にそれをやぶって入った場合はどうかとかいろいろあるかもしれませんが、その辺りも一つの論点になるかと思います。それぞれとりあえずご意見を出していただいた上で議論したいと思います。それでは茂木委員お願いします。
  • 茂木委員
    基本的に非常に難しいと思いますが、個人情報保護法の範ちゅうではないかと考えます。これはいろいろ今グーグル自体が配慮していますが、個人が判別されるところに多分なるのではないかという感じはします。
    例えばいろいろなぼかしを入れたりしていますが、個人住宅等については判別、恐らく類推もできますし、そういう点では範ちゅうという感じがします。この内容が他でまた別に守られるのならよいと思いますが、今の段階ではこういう感じかと思います。
    それから中村委員もおっしゃっていましたが、目的性みたいなところがはっきりしないという感じがします。公開をすることの社会性があるかどうかの意味合いで検討したときに、個人の住宅のところが公開される社会性があるのかどうかということに若干疑問があると思います。その点からすると、逆に観光ですとか商店街、あるいは人が集まってくる、情報を得るということを前提とした地域の問題というのはある種公開してもよいと考えますし、そこに社会性があると思いますので、この区分は非常に難しいと思いますが、区域指定ができるのかどうか。ここを例えば商店街というのはある面では外に出ているという意識がありますので、そこのところは防犯の問題等をからめて考えてもある程度仕方がないと思います。観光地についてはむしろ来ていただくことを地域的に考えて、それが税収等を含めても町の発展につながっているという社会性を考えますと、ある種地域によっての指定が非常に難しいでしょうけれども、地域指定みたいなことをある程度やっていけばよいと思います。これはグーグル自体も個人情報の取扱事業者だという認識を当然もっているという話ですので、そこのところは両方で話し合うというか、ある程度の境界線をもうけられる余地があるというような感想です。以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。確かに目的との関係があろうかと思いますし、今、茂木委員が指摘された観光や商店街等の場合には、提供されてもよいということですが、それに対して住宅までこういう形で公開する必要があるのかということがあろうかと思います。それでは、藤原委員、お願いします。
  • 藤原委員
    3人の委員の方が仰ったことは、本当にごもっともだと私も思います。夏ごろにストリートビューの話をいろいろと聞かれることがあって、7月ごろに私は1本の原稿を書きました。書いたというのは、9月に載る雑誌にほんの1、2行書いただけなのですけれども、そのときに書いたのは、そもそも個人情報保護の世界では、アメリカという鑑ではなくて、ヨーロッパという鑑で物事を見るのも大事だということを書いて、皮肉ったつもりだったのです。その後、今日ご審議されるということでこの連休をつぶして、いろいろと調べてみました。
    まず、国会の審議ではフランスやカナダという話が出ていますけれども、世界中で問題になっているようです。特にイギリスとドイツで激論が交わされているようです。例えばドイツでは、北の方にシュレースヴィヒ=ホルシュタインという州があるのですけれども、この州ではデータ保護当局がこれは違法であると宣言しまして、議会でも質疑応答があったりして、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州からは撤退することになったようです。あるいは、この11月14日の話しですが、ドイツではデュッセルドルフ会同といいまして、民間を所管する個人情報保護当局の日本でいえば連絡会のようなものがありますが、その集まりの中でやはりこれが取り上げられています。そこでの決議は大変面白くて法改正すべきではないかというところまで出たようです。何が目玉かというと、オプトアウトからオプトインにしろという議論をしていました。要するに、電話帳に載せられても嫌だという人が出ていけるのがご存じのようにオプトアウトです。今、それと類似のことをやっていると先ほど課長からご説明があったわけですけれども、そうではなくて、こういうものはオプトイン。やりたい人がやるべきだ、最初に同意を取っておくべきだという議論をしておりました。
    ドイツはそのような状況ですけれども、イギリスでどのような議論をやっているのか一言だけ申し上げておくと、秋元委員と中村委員が言われたことと関係したことを言っておりまして、そもそもグーグルはマイクロソフトとの関係で印象が良かったのですけれども、その記事によりますと、グローバル・プレーヤーであるということがわかっていないのではないかという議論もありました。つまり、グローバル・プレーヤーとは何かということがわかっていないと書いてあったのですけれども、どういうことかというと、要するに、ここでの議論でも話題になっているように、個人情報保護の問題あるいはプライバシーの問題は文化の問題なのですけれども、自分のところのものを何も考えずに世界中にまき散らして、世界中で問題を起こしているではないかというのがイギリスの論調でした。そのような状況です。
    次は法律的なお話です。法律的なお話というと、甲論乙駁という感じで、今のような論調のあるイギリスやドイツでも議論法的そのものは全く決着がついていない状況です。個人情報保護関係者の中でも法的には規制できないという話とシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のように違法だと言い切ってしまう所とあります。二つに分かれている状況だと思います。そこで何が議論されているかというと、お二方からのご議論があったように、一つは治安の問題です。もう一つは、プライバシーそのもののお話だと思います。使用者が被使用者の家をグーグルで見たり、学校中でグーグルでどんな所に住んでいるか見たりすることが良いのだろうかという発想です。特に経営者が労働者側の情報をグーグルで、こんな家に住んでいるのかを見る、そのようなことがそもそもよいのかという議論。そのような心配をしているようなお話がありました。
    そこで解釈のお話です。ここがなかなか向こうでも分かれておりまして、要するに公道から撮っているものではないかというお話なのですが、これについては、公道から撮ったものを公にする利益と、守られるべき当事者の利益の比較衡量では、この点では当事者の利益が重いということで共通しているのですけれども、それが現行法のどこに根拠を持ってくるかというところで分かれているというお話だと思います。
    もう少し細かなことを申し上げます。取得となるかどうかです。これは先ほどのご説明と若干違って、取得となるかというと、何らかの意図を持って恒常的に撮っているのが取得で、たまたま偶発的に建築現場で撮ったのとは違うというお話もあろうかと思います。やはり取得となるのではないか。もう一つは同意があるかどうか。推定的に同意されるかどうかで、公の場で撮られているのとは違うだろう、人が集まりやすい場所に来て顔が撮られているのとも話が違うだろうという議論がされているようです。もう一つは、これをわが国でも考えなくてはいけないのですけれども、インターネットに載るということを忘れてはいけないというお話です。
    そこでわが国の話としてどうなるかというと、これは後でご説明もあるかと思いますが、個人情報保護法の問題は別としても、民事のプライバシーの問題は依然として残るわけです。もし個人情報保護法の問題が何らかの形で仮に決着がついたとしても、プライバシー侵害という話は残るわけで、そういう訴訟は起こるかもしれないということです。これはわが国で昔から議論されているお話しと同じです。
    次は、個人情報保護法のお話です。これが個人情報かどうかという話ですけれども、要するに、ぼかしがうまく入らずに明瞭に判断できる画像については、先ほどのご説明で私も最初はそんなものかと思っていたのですが、よくよく考えると、先ほどの取得ということの解釈をどうするかによるのではないかと思います。やはり個人情報に当たるのではないか。たまたま建築現場で写された写真とは違うはずである。それはまた先ほど申し上げたように、意図的に撮るのを取得という。それは取得をどう定義するかということで、解釈として処理できるかもしれない。ただ、これは現在での試案です。
    それでは、これが本人や知人にわかるのかどうかですけれども、誰がわかったらよいのかという話です。ここのところは先ほどご説明があったのとは逆の考え方もできるわけで、個人情報保護は何のためにあるかというと、100%具体化されていないけれども、やはり自分の情報の流れをコントロールするということにある。そうであるとすると、別に一般人や誰か知らない人にはわからなくても、自分や知人がわかれば、コントロールを誰がしたいのかという原理原則に戻れば、やはり個人情報ではないかという方にいくという感じがします。ただし、一般人や知人が見るからこそ問題なのではないか、という論法もわかります。
    難しいのは、ストリートビューの画像自体が、今日書いていただいた個人情報保護法2条2項の「個人情報データベース等」に当たるかどうかというところで、ここはまだ完全に決めることができない次第です。もちろん、これを商売に使う人が自分の手元に持っている住所録等で5,000件以上集めれば、それは確かに立派な個人情報取扱事業者になるということは事実だと思います。先ほど中村委員がおっしゃったように、どこかの事業者がこれでデータベースを作れば、自分もデータを持っているわけですから、誰かということがわかる。
    では、このストリートビューの画像自体がどうなのかという点ですけれども、これはゼンリンの地図のことを考えたときのようなオプトアウトと同様のレベルで考えてあげるかどうかの話だと思います。あるいは、インターネットの検索エンジンの議論との整合性をどう考えるか。そこのところをもう少しみんなで議論する必要があるだろうと思います。
    ただ、繰り返して申し上げておりますけれども、それとわかる個人の写真を個人情報と言ったからといって、他のたまたま写真になったものや、たまたま入ってくるものまで個人情報として扱う必要はない。やはりここの問題は、グーグルストリートビューとして考えればよいだろうと思います。そのようなことが今のところは言えるかなということです。それから、住所録等と照合することによって、個人データに当たるかどうかというのは、容易に検索できるという「容易」のところを、どのぐらい考えるのだろうというお話になると思います。一応自分でストリートビューを見てみたところでは、技術的にぼかしますと言っているのですけれども、外国などで問題とされているのは、本当に熱心に技術的にきちんとやっているのかという疑問のようです。つまり、漏れが多すぎるのではないかという議論もあったということです。以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。外国の事例についても触れていただきまして、特にヨーロッパでどのような議論があるかということが大変よくわかりました。私も後でその辺りに触れようかと思っていたところですけれども、様々な議論が行われているところがあります。そういう点からしますと、日本もいろいろな形で論じられてはいますが、公的な観点からの議論は今一つ欠けているところもあるという感じがします。それでは、高橋会長代理、お願いいたします。
  • 高橋会長代理
    ストリートビューがどういうものかは聞いたときはあまりよくわからなかったのですが、10月半ばから11月半ばぐらい外国に行っていたのです。どうも後からいただいた資料を見たら、そのころに新聞で議論しているのがわかりました。早いものだと9月ごろに記事を書いているのですけれども、少し浦島太郎という状況で、最初は航空写真の精度が上がったのかと思ったのですけれども、いろいろと資料を読んで、最初に聞いたときに直感的には、これは個人情報に当たるのではないかと考えました。すぐに頭に浮かんだのは、私の近所ではどこの家が誰かという地図が作られていて、事業者が使っていますし、各家庭にも配られているものですから、それと照らし合わせると、すぐに誰が住んでいる家かとわかってしまうので、個人識別情報に当たるのではと思ったのです。しかし、いろいろと考えてみると非常に難しい、どうも単純には言えないという感じを持つようになりました。通りの写真を撮っているだけで、そこに個別の家も出てくるわけです。しかし、それは誰が住んでいるかということをグーグル自体が示しているわけではない。他の情報と照らし合わせるとわかるというだけで、しかも先ほど言った近所の地図などは、近所の人が知りたいと思えば、別にグーグルで見なくても、家の前に行って見れば、どこの家に住んでいるかわかるわけです。ですから、こちらの被害としては、どんな家に住んでいるかというのは外の公道から見えるわけですから、写真に撮られたからといって、それ以上被害が広がるわけでもないだろうという気もするし、それをインターネットで見られるようにすること自体は、また別の問題ではないかという気もします。よくわからないと思っているのですけれども。
    個人情報かどいうかの前に、プライバシーとの関連、あるいは肖像権との関連で言えば、肖像権というのは、顔がはっきりと出ていれば、これは肖像権の問題になるけれども、家自体は肖像権があるのか。どうも家自体の肖像権の議論はあまり聞いたことがないですから、家の写真を撮ったからといって、肖像権侵害にならないだろうという気がします。ただし、プライバシーの範囲には入り得るでしょう。どのような家に住んでいるかは、プライバシーの問題であり、2メートル50センチの高さからそれを写し出すのは、場合によっては非常に重要なプライバシー侵害になり得るのかという感じがします。仮にプライバシー侵害になってくると、個人情報との関係で言えば、これは違法な取得ではないか、不正な取得ではないか。そこに引っ掛かりそうだという気がします。ですから、すべてがプライバシーになるかどうか、よくわからないところですから、すべてについてそれが言えるかどうか。ここもなかなか難しいという気がします。個人情報とは別に、プライバシー侵害になり得る場合はあり得るでしょう。規制としては損害賠償というか、一種の不法行為の問題で、個人情報保護の問題とは少し違うレベルです。
    個人情報保護の問題として考える場合には、個人情報に当たるかどうかというところがなかなか難しい。私も今まで見たことがなかったものですから少しやってみたのですけれども、自分の家を打ち込んでみたら出てくるのです。もっと立派な家だったら見られてもよいのですけれども。そうではなく高橋がこの家に住んでいるということが、家に来る気もなくて、来たこともない人にまでわかるというのは、どういうことなのだろうかと、少し不愉快だという感じは持ちました。それと同時に、私の名前と住所は、無防備にあちらこちらに公開しているということもありまして、それを手に入れることはそれほど難しくなくて、それと照らし合わせるということで、やはり個人識別情報と考えるべきではないか。別に1件、1件で写真を撮っているわけではないのですけれども、通りの写真を撮っていくことの中に各家が含まれていて、それをまとめて各家の個人情報をデータベース化していると理解できるのではないかと、自信はないのですけれども、とりあえずはそのように理解できるのではないかと思いました。しかし、そこは少し自信がなくて、そう考えるのはもう少し考えてみる必要があると思います。
    しかし、仮に個人情報であるとした場合に、果たしてグーグルが個人情報保護法との関係でどうなのか、違法なことをやっているのかどうかが問題になると思います。先ほど言いましたように、不正な取得でないか。個人がやったら、これはやはり違法に取得していることにならないか。だましているわけではないのですけれども、やはり不正な取得に該当するのではないかという気がします。
    仮にそこはクリアできた場合に、他の規定ではどうかというと、グーグル自体が個人情報を使うというより、第三者に提供しているわけです。第三者に提供する業務としてやっているということです。その場合に本来原則は本人の同意を得ないといけないけれども、同意を得ない場合でもどういう目的でそれを集めているか、目的の点がいろいろと問題になるのではないかという議論が先ほどありました。私もそう思います。しかし、有用な情報を提供するということで、目的のところは限定した形でやると、それではその第三者提供を業務でやる場合に、本人の同意を得ないわけですから、こういう情報を集めているということを公開しなくてはいけない。私は見なかったのですけれども、恐らくプライバシーポリシーか何かで、どういう目的でこういう情報を集めていると書いているのだろうと推測します。これはわかりません。
    後は、オプトアウトで見ているという面です。第三者提供について、かろうじて形式的にはクリアする形を採っているか。現実にオプトアウトが現実的に簡単にできるような対応をしてくれているのかという問題はあるかもしれません。そのように思ったのです。ですから、仮に個人情報だとした場合に、そういった個人情報保護法で要求していることに対応するつもりはあって、ある程度はやっている。そこをきちんとやってもらえば、個人情報保護法との関係ではクリアするかもしれない。したがって、これを規制するということになれば、法の改正が必要になるのかもしれないという印象を持ちました。あまり詳しく検討していないので、現行法のままでも規制が可能という方法があり得るかもしれませんけれども、とりあえずはこのように思いました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。どうぞ。
  • 藤原委員
    先ほどの最後の方でいろいろなことを言いましたので、結論を整理してきちんと。今、問題になっているのは、高橋会長代理もおっしゃったように、個人の顔がはっきりと見えてしまう場合、表札や何かでも氏名まできちんと見えてしまう場合が一つの問題で、もう一つの問題がストリートビューの画像自体です。ずっと追っていくと、通りから見えている画像自体が、個人情報あるいは個人データベース等といえるかどうかという二つの話があるということです。前者の方は、先ほど私は、やはり個人の顔がはっきりとわかるものは個人情報でよいのではないかと申し上げたのです。後者の方は、ストリートビューの画像自体をどう考えるかは難しい。これは高橋会長代理と同じです。
    ただ、容易性ということになると言ったのがどういう意味かというと、やってみたら、向こうには住所を打ってくれればすぐに出ると書いてあるのです。グーグルに正確にわかりますときちんと書いてあって、自分でやっても出てくる。そうすると結構容易性があるかと考えると、やはり個人情報にいきますけれども、ではグーグルマップまでが限界だと先ほどおっしゃっていたのですけれども、そことの境がどうなのかというと、これを個人情報と言わないという解釈もある。ここは二つに分かれるということを申し上げたのです。ただ、高橋会長代理もおっしゃったように、個人情報保護の世界に入ってもらって、オプトアウトをきちんとしてもらって、国政審の議論でもあったように、プライバシーポリシーをもっと丁寧にはっきりときちんと書いてもらって、この世界でやってもらうのも一つのやり方かもしれないと思います。そこだけ補充をしておきます。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。では、どうぞ。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    藤原委員と高橋会長代理のお話に関連しまして、手前どもの資料3ですけれども、一部誤解を与える表現がありましたので、きちんとご説明申し上げます。(3)の2)のイの「個人情報取扱事業者の義務等はどうなるか」の下に、「グーグル社はすでに個人情報取扱事業者としてプライバシーポリシーの表明を行っている」と記載してあります。グーグル社は、このストリートビュー以外の情報も、たくさんの個人情報を収集し提供しておりますので、そういう意味でグーグル社のプライバシーポリシーはホームページに出ております。しかし、このストリートビューの画像を個人情報とは扱っておりませんので、このストリートビューについては一切プライバシーポリシーとしての表明はありません。したがって、この下の「23条2項のオプトアウトと類似している」。極めて類似した制度ですが、個人情報保護法上の制度としては現在位置付けられていないということです。あたかも個人情報として扱って、プライバシーポリシーの表明を行っているとも読める表記の仕方でしたので、正確にご説明させていただいたところです。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただ今、プライバシーポリシー、オプトアウトの言葉が出てきました。私もグーグル社のプライバシーポリシーを読んでみました。しかし、その中では明示的には、ストリートビューについては、どこを読んでもないように思いました。オプトアウト類似と都で整理しているところですか。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    法でいうオプトアウトと類似したものと考えております。
  • 堀部会長
    個人情報保護法の23条2項ですが、画像でヘルプのところを見るという辺りを説明していただけますか。
  • 高橋個人情報係長
    現在、グーグル社でやっている申し出に基づく削除ですけれども、ストリートビューの画像を開いて、これは問題だという画像があった場合に、ヘルプをクリックしていただきますと、そこで削除要請に関する場面に変わりますので、そこで削除要請する画像の種類や理由をクリックしていただいて、自分のメールアドレス等を打ち込んで、そのまま送信すると、グーグル社に要請がいくという形になっています。
  • 堀部会長
    そうですか。それをオプトアウト類似のものと表現しているということですね。
  • 高橋個人情報係長
    オプトアウト類似と表現しています。削除という形はできますけれども、法23条2項ではオプトアウトの要件として法律上4項目をあらかじめ容易に本人に知り得る状態に置かなければならないと規定されていますけれども、そのような形が法律で要請されている4項目が容易に知りえる状態で規定されているわけではありません。
  • 堀部会長
    そうしますと、東京都で調べた限りでいうと、グーグル社ではストリートビューは個人情報という認識を持っていないと見てよいのですか。
  • 高橋個人情報係長
    プライバシーポリシーの中に、個人情報という定義があり、その中に消費者や顧客から提供されるデータという中には、グーグルのストリートビューで取得した情報についての記載はありませんし、23条2項に関する規定等もないということで、その点に関しては個人情報であるという認識はないのではないかと感じられます。
  • 堀部会長
    わかりました。いろいろとご意見を出していただき、どう対応するかということになると思います。時間の関係上、私は簡単にお話しします。平成19年9月にカナダのモントリオールで、毎年開かれているデータ保護・プライバシー・コミッショナー会議がありました。その際に、このことが少し話題になりました。カナダの連邦のプライバシー・コミッショナーのジェニファー・ストダートさんという私は個人的によく知っている女性のコミッショナーは、今、世界的に重要な役割を果たしていますが、そのジェニファーが、グーグル社にレターを出したという話を聞きました。そのときはストリートビューについて、まだそれほど認識していたわけではなく、そういう議論があるのだと認識したにとどまりました。その後、個人情報やプライバシーに関する会議に出ていますと、いろいろなところで話題になりますので、様々な形で議論してきました。そういう中で、日本で先ほどは平成20年8月4日と言いましたが、8月5日だったと思うのですが、私の家を見たという電話があり、これは日本でも始まったのだということで、いろいろと検討してみなければと思いました。また、多くのところでそのことが話題になり、特に法律の専門家の弁護士と話をしていると、これは問題であるということで、何とかならないか、具体的にどういう権利利益の侵害なのか、あるいは個人情報保護との関係はどうかということを、かなり議論してきています。
    また、先週の平成20年11月17日月曜日と18日火曜日に、OECDのワーキングパーティー・オン・インフォメーション・セキリュティのプライバシーという会議があり、そこでも議題の一つのプライバシーの議論の中でストリートビューについての発言がありました。そこはグーグル社に対して意見を述べる場ではありませんが、そこでも話題になったというところです。平成20年10月の半ばにデータ保護・プライバシー・コミッショナー会議があり、その際にも、いろいろな人と意見交換していますと、話題になりました。私自身もいろいろと調べてみたりしましたが、藤原委員が言われるような状況で意見が分かれていまして、この段階でどちらかに決着をつけるということにはなっていません。イギリスのデータ・プロディション・コミッショナーと言っていたのが、今は情報公開も含めますので、インフォメーション・コミッショナーと言っていますが、そこが平成20年7月に結果を出していて、グーグル社から話を聞いたところでは、顔などはぼかすということで、個人情報保護は成されているというように考えるということになりました。OECDにもこのデピュテイ・コミッショナーが出てきていました。
    そこで、今日の資料3の特に左側の「2の東京都に寄せられた意見・苦情・要望等」の(1)の「3)相談者が求める対応」ということで、「プライバシー侵害の懸念があり、何らかの規制が必要ではないか」それから「行政に何らかの対応をしてほしい」というようなところが、件数とすると多いところです。今日、それぞれご意見を頂きました。今日の段階で、当審議会として何か規制の必要性を結論付けるというところまではまだ行っていないのではないかと思います。とにかく不明確なところがあり、結論を出すところまでにはなっていないように思います。また、これも他のところでいろいろな話をしていて、東京都の審議会で場合によってはこの話題を議論するかもしれないと言うと、東京都は迷惑防止条例もあるので、その中に入れられないのかということを言う方もいますが、今日の段階では迷惑という感情はわかりますが、そこまでは行かないのではないかと思います。行政に何らかの対応をしてほしいという場合にも、こういう議論をしたということの意味は大変大きいわけで、ここで直ちに都として何かアクションを起こすというのは、今日の段階ではできないのではないかと思います。中村委員が言うように、合意形成も必要ですが、こういう新規のサービスを提供する場合、これは民間ですから特に事前に議論してということはないわけです。しかしこれは話を伺いながら思ったのですが、住民基本台帳ネットワークシステムのときには大変な議論になりました。性格は違いますけれども、むしろ住民基本台帳ネットワークシステムの方がクローズドなものであるわけですが、プライバシーについての議論は非常に多く行われました。それは1990年代の半ばからでして、先ほどから出ています個人情報保護法も、成立する一つのきっかけになっているところもあります。そういうものと比べますと、民間であるということで合意形成が成されないまま、こうしたサービスが開始されてということが、問題を投げかけている結果になっています。
    民間のサービスであっても、ステークホルダーズといいますか、利害関係者はどこにでもいるわけで、そういう者への企業としての配慮というのは、最低限必要ではないかと思います。あるいは企業倫理の問題でもあると思います。グーグル社の他のサービスも私もいろいろと利用したりしていますが、それぞれの文化をあまり省みずに、技術的に可能なことを試みていくというポリシーであるように思います。その辺りが特にそれぞれの国との関係などでは、食い違いを来たすという結果にもなるかと思います。今日、当審議会でこのことを議論して、大変貴重なご意見を出していただきましたので、これをきっかけに引き続き関心を持っていただき、いろいろと状況が変わってくるかもしれませんので、そういう中でまた議論していきたいと思います。他にもいろいろと申し上げたいことは私の経験からもありますが、他の議題との関係もありますので、とりあえず今日の議論は以上で終わらせていただきますが、よろしいですか。それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
    では、残っている報告事項が三つありますので、手短に進めていきたいと思います。報告事項の「(3)個人情報保護法所管部局と連携した事業者支援・指導について」を高橋係長からお願いします。
  • 高橋個人情報係長
    それでは、簡単にさせていただきたいと思います。資料4とその右側に付いているパンフレットです。パンフレットの9ページをお開きください。「個人情報保護法に基づいて都知事等が行う事業者の指導・監督」ということで、個人情報保護法では、民間事業者に対する指導・監督は主務大臣が行うということになっていますが、主務大臣の権限の行使を地方公共団体の長等に委任している場合には、地方公共団体の長等が行うということで、その下に表がありますが、現在、対象となる法律が167ありますが、その法律それぞれについて東京都の所管の局等を左に書いています。例えば行政書士法についての指導・監督権限は、東京都では総務局にありますので、総務局の所管の部署が行政書士に関する個人情報についても取扱うということになっています。そこで、私ども情報公開課では自ら説明会をするなどやあるいは事業者向けのパンフレットを作る事業をやっていますけれども、情報公開課だけで事業者の指導・監督を行うのではなく、ここに出ている実際に事業者の指導・監督を通常の業務として行っている部署と、今後も連携を強めて適切に事業者指導等を行っていきたいということで、具体的に今年度取った施策について、資料4としてまとめさせていただきました。以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。何か質問等ありますか。では、特にないようですので報告事項の「(4)存否応答拒否事案について」ということで、草場担当係長お願いします。
  • 草場情報公開担当係長
    それでは、ご報告します。存否応答拒否については、資料をご覧ください。前回、平成20年7月の審議会以降の報告件数は9件になります。すべて情報公開条例に基づくもので、警視庁が4件、病院経営本部が4件、福祉保健局が1件ですが、福祉保健局の1件と病院経営本部の4件については、いずれも同一の請求人からの請求です。請求内容・開示情報・条例の条文については、お手元の資料のとおりです。実施機関から報告いただいた報告書については、右上に一覧表の番号と合わせた番号を付して添付しています。非常に簡単ですが、報告は以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。何かご意見・ご質問を出してください。よろしいですか。それでは、報告事項の最後になりますけれども、「住民基本台帳ネットワークシステムの現状について」、鈴木副参事からお願いします。
  • 鈴木副参事(振興調整担当)
    それでは、私からご報告させていただきます。前回の審議会以降の住民基本台帳ネットワークシステムに関連した動きについてです。資料7をご覧ください。1番目で、「都における本人確認情報の利用件数」ですが、住民基本台帳法に規定する事務の利用件数としては、平成19年度で588,583件です。これは、前回も報告したところです。2段目ですが、条例に基づく事務の利用件数で、今回初めて報告します。平成19年10月に条例が施行されてから平成20年9月までの1年間の利用件数ですが、33,034件です。このうちの9割ほどが、都税等の徴収に関する事務でした。
    次に、「2 都内自治体における住基カードの交付枚数等」です。こちらは住基カードを発行し始めた平成15年8月から直近の平成20年10月までの累計の件数ですが、383,887件で、人口比にすると3.08%ということで、ようやく3%を超えてきました。
    続いて、「3 住基ネットに関連した最近の動き」ですが、○で三つほど挙げました。一つ目の○ですが、杉並区の住基ネットへの参加表明です。最高裁決定が平成20年7月8日に出され、それを受け杉並区が住基ネットへの参加を表明していて、現在準備をしているところです。平成21年1月の業務開始に向けて今準備をしているところです。それから、二つ目の○ですが、「国立市に対する地方自治法に基づく『是正の勧告』の実施」です。杉並区の住基ネット参加表明を受けて、現在住基ネットに参加していない団体が、全国でも東京都国立市と福島県矢祭町の2団体だけになっています。この機会に再度参加を促す必要があると判断して、平成20年9月9日に2度目の「是正の勧告」を実施したところです。3番目の○ですが、住基ネット差止訴訟2件ありますが、これについて平成20年9月にそれぞれ高裁判決がありました。1審に引き続いて、都側勝訴の判決でした。この2件の事件について、それぞれ上告及び上告受理申立てがなされているところです。簡単ですが、ご報告は以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただ今の報告について、ご質問・ご意見を出してください。よろしいですか。では、特にないようですので、今日用意しました議事は以上ですが、この際、皆さまから何かご発言があればと思いますが、どうですか。
    それでは、特にないようですので、事務局はいかがですか。
  • 萩原参事(都政情報担当)
    本日は、誠にありがとうございました。次回の審議会については、平成21年3月ということで、細かい日程については調整させていただいて、お知らせしたいと思います。本日は、ありがとうございました。
  • 堀部会長
    それでは、本日、グーグルのストリートビューについて、いろいろと意見を出していただきまして、これをきっかけに事務局にもいろいろと調べていただきたいと思います。また、今日いろいろとご意見を伺って、別の場でもできれば発言していきたいと思います。そういう点で、今日は事務局にもあらかじめ調べておいていただきましたが、委員の皆さまがたのご意見一つ一つ、若干それぞれのところでコメントしていただきましたけれども、大変参考になりました。また、高橋会長代理が言われるように、現行法で可能なのか、あるいは法律の改正が必要なのかという具体的な問題提起があり、こういうことについてもっと広く国民全体として議論していく必要のある問題であるということを、よく認識できました。本日はどうもありがとうございました。以上で、審議会を終わらせていただきます。

午前11時52分閉会

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