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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第54回議事録)

第54回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成25年2月6日(水曜)
東京都庁第一本庁舎42階北塔 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 堀部会長
    第54回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    まず、事務局から、本日の定足数について報告をお願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    都政情報担当部長の梅田でございます。
    本日は大変お忙しい中、また大変足元の悪い中審議会に出席いただきまして、まことにありがとうございます。
    本日は、相馬委員がご欠席とのご連絡をいただいております。秋元委員がまだいらっしゃっておりませんけれども、事前にご出席の返事をいただいている方、秋元委員以外の方にご出席いただいておりますので、5名の委員の方にご出席していただいております。審議会規則第4条の規定によりまして、本審議会は有効に成立しております。
  • 堀部会長
    それでは、早速議事に入ります。本日は、報告事項ということで2件予定しております。まず、第1は開示決定件数が多い案件の取扱いについてということでありまして、そのうちまず工事設計書の情報提供について、事務局から報告をお願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    これまで委員の皆様方におかれましては、情報公開上の運営上の問題点につきまして、ご熱心にご議論いただきまして、まことにありがとうございます。まず、国の法改正の動向でございますけれども、昨年11月の衆議院解散によりまして、提案されておりました情報公開法の改正案が廃案となりました。今後の国の動向につきましては、まだ不透明な状況でございます。この間事務局としましては、情報公開の運用上の問題点につきまして、制度の改正は別にしましても、まず実務的に改善できる方法がないかというふうに考え、特に開示請求が多い工事設計書について取り組んでまいりました。その改善案をまとめましたので、委員の皆様からご指導、ご助言を伺えれば幸いでございます。
    それでは、資料につきましては、横山情報公開係長から説明いたします。
  • 堀部会長
    それでは、横山係長、お願いいたします。
  • 横山情報公開係長
    横山です。よろしくお願いします。
    それでは、資料1をご覧ください。A3の横の資料になります。表題が工事設計書の情報提供についてということで、情報公開手続によらない情報提供の検討ということで検討を進めてまいりました。
    では、まず1番の現状のところからご説明します。平成23年度工事設計書の開示決定件数が6,790件ということで、総件数1万1,635件から見ますと約58%を占めているという状況になっております。内訳としましては、建設局が2,220件、水道局が1,521件、下水道局が1,186件と、ほぼこの3局で大まかなところを占めておりまして、以下、ほかの局が追従するという形になっております。このデータにつきましては、前回の情報公開審議会で年報の結果ということでご報告しているところでございます。
    6,790件、こちらを100としますと、建設局で約32%、続いて水道局で22%、下水道局17%ということで、この3局で72%を占めているということになっております。ターゲットとしては、この3局が何とか工事設計書を情報提供の形にシフトできないかということで考えているところでございます。
    その下にまいりまして審議会の検討経過でございますが、これまでも営利目的請求についての検討でご意見をいただいております。幾つかご紹介で読ませていただきます。営利目的請求が適正な公文書の使用であるかということは疑問である。企業も法人も東京の経済活動に協力・貢献している組織体である。一方的に禁止ということにはならないようにしてほしい。営利目的で使うこと自体はマイナスに評価するべきではないが、何らかの対価を求めるのはあってしかるべきだろう。なぜ営利目的で使ってはいけないのか。しかも、都の事業が大きく発展し大きくなる分野があり、都の税金も払っていることに対してどう説明していくのか。文書の電子化や事務改善で工夫していくことも必要ではないかということで、先程梅田部長からご案内がありましたとおり、事務改善について検討してきております。
    そもそもこうした工事設計書の開示請求が増えている原因としましては、企業が公共工事の入札に当たりまして、次の入札においての積算の内訳を確認する目的で開示請求を行っていると認識しております。
    ちなみに、先程申し上げた開示請求の件数が多い建設局を例に挙げまして、契約件数、こちらの23年度の実績を見ますと、23年度における契約は1,110件ということです。23年度の1年間で見ますと、契約自体は4月、5月においては契約の発注がほとんどないんですけれども、6月以降徐々に山が上がるように発注件数が増加しまして、12月に大体ピークを迎えるというトレンドになっているそうです。月200件前後が12月のピークということだそうです。
    12月に契約のピークを迎えるという理由なんですけれども、これは年度内に工事を完了させるということが目的ということだそうなので、工事の発注の契約自体は大体12月に大どころを迎えるということになっているそうです。
    これに対しまして、それでは開示請求自体はといいますと、ほぼ満遍なく請求自体はきているそうで、大体月に200件前後ということで情報を集約しているとのことです。ただ、ピークとしては大体10月、11月ぐらいが開示請求の件数が少し増えているということで、これはおそらく12月の契約発注に向けて10月、11月で開示請求が増えてくるというふうに理解しているということになっております。
    それから、資料に戻りまして、こうした状況は現実的なところでは本来業務に支障を来しておりまして、実施機関は業務の効率化を一方では図りたいというふうに考えております。そこで、こうした工事設計書に関する開示請求が多い局が中心となりまして、当課も中心となりまして、効率的な情報提供の方法を検討してきております。サブタイトルにありますように、情報公開の手続にはよらない形で情報提供の仕組みを検討しております。この検討に当たりましては、まず効率的であること、それと2つ目には利用者の利便性が向上することといった2つの観点から検討を進めてきております。
    矢印の下にまいりまして、2の改善案のところに移ります。これは改善案としまして具体的な方向性を示しております。まず1つ目ですけれども、工事設計書を電磁的記録、これはPDFというファイルによりまして情報提供、閲覧を行いたいと考えております。具体的に申し上げますと、まず工事設計書は工事積算システムというシステムを用いて作成をし、契約を締結する資料としております。この工事積算システムからデータをPDFファイルに変換いたしまして、CD-Rに焼き付けます。このCD-Rを用いて閲覧するという、そういった仕組みを考えております。公共工事の契約が締結されました後、一定期間が経過した後にCD-Rを配架する仕組みを考えます。配架する場所は原則として都庁の第一庁舎3階にございます都民情報ルーム、こちらを活用していきたいと思います。こうした情報提供につきましては、対応が可能な局から順次試行を開始する方向で考えています。
    それでは、右側の3番に移りまして、工事設計書の情報提供を行った場合と情報公開との比較ということで一覧表にまとめましたので、こちらをご説明します。左側の表頭のところでまず事務フロー、表頭の左側が情報公開、それと情報提供ということで2つ並べて書いてございますが、まず事務フローとしましては、開示請求の提出を受けて条例に基づいて手続を行います。動機づけがあって初めてこちらが、都側は行動を起こすことになります。これに対しまして、情報提供は開示請求を待つことなく行政が主体的に情報を提供するということで、自ら積極的に公にしていくということになります。情報の提供の方法ですけれども、幾つか細分化しております。まず対象文書ですが、これは請求者が求める工事設計内訳書に対しまして、情報提供ですと局があらかじめ指定した工事設計内訳書をPDFファイルに焼き付けるということにいたします。
    少し補足いたしますと、この工事設計内訳書ですけれども、いろいろな種類の内容がございまして、工事費の総括表ですとか、代価明細書、それから材料品調書といった、図面までを含めますと約10種類、こういったもので構成されているものになっています。開示請求を受け付けた場合は、この内訳書のうちの何が必要かということをその都度ご請求の方に確認をしながら特定をしていくという工程を踏むんですけれども、情報提供の場合はあらかじめこちら側から指定したもの、できるだけ可能な範囲のものを提供していくということで、今のところ10種類、図面もできれば含めた形で10種類程度というふうに考えております。
    続きまして、非開示情報ですけれども、情報公開は、黒塗りの形をとりますが、情報提供に当たっては、元々、最初から削除するということを考えています。それから、媒体ですけれども、情報公開は紙を中心に対応しておりますけれども、この情報提供についてはCD-R、電子ファイルをCD-Rに焼き付けて閲覧するということを考えています。方法ですけれども、閲覧と写しの交付、これは情報公開も情報提供も同じに考えております。ただ、閲覧はあくまでも閲覧できる場所を都民情報ルームのところに限定する形で今のところは考えておりまして、貸し出し等については今はまだ検討していない状況になっています。
    情報の開示、それから提供する場所としては、情報公開は担当する課とそれから郵送が可能になります。情報提供は今申し上げた閲覧コーナーで一カ所に集約するというふうに考えております。
    それから、利用者の負担ですけれども、こちらは情報公開は手数料をいただきますが、情報提供は実費弁償ということで、閲覧については無料と考えています。ただ、もし複写を求められた場合については、いわゆるCD-Rをそのまま複写するということで、検討の余地がありますが外注するという形を考えております。
    次、根拠につきましては、条例、ご覧のとおりとなっております。
    その下にいきまして、メリットとデメリットについて、少し列記をいたしました。まず情報公開のメリットとしましては、1つ目ですけれども、郵送の受け取りも可能なため開示請求者は都庁まで来庁せずに入手することが可能となります。また、不服申立ての制度がありますので、こういった道が開かれているんですけれども、実態としては工事設計書に関しての請求の方が不服申立てを出してきている実績というのはこちらとしてはないというふうに理解をしております。
    これに対して情報提供のメリットでございますが、土木工事の契約締結において適正な積算による入札が期待できると考えています。それから、もう一点としては、開示請求者にとりましてはこれまでよりも迅速に情報を入手することができると考えます。ただ、契約締結後一定期間事務処理等におきまして期間を要するのですが、できるだけ今の開示手続の14日以内、これをめどに閲覧できるような形で対応したいとは考えております。
    それから、その下にまいりまして、デメリットでございますが、まず情報公開につきましては枚数が多い分開示手数料が高額になるケースが多い。これは工事設計書につきましてはあくまでも概算ですけれども、平均5,000円程度ということで、目安として理解しています。
    それから、郵送で受け取る場合は開示請求から公文書が手元に届くまでおよそ1カ月程度の時間を要する場合がございますので、少し時間がかかるということもございます。それから、文書の枚数が多く、開示件数も増えているために、実態としては実施機関に本来業務に支障を来しているという状況でございます。
    これに対しまして情報提供ですけれども、閲覧コーナーに来庁することができない方、例えば他県の方ですとか、少し離れてなかなか都庁まで来られないという方には別途対応していく必要があります。
    それから、先程申し上げましたとおり、対象の文書をあらかじめこちらから指定をしておりますので、情報を限定して提供をしている形をとります。したがって、その文書のPDFファイルに落とし込まれていない内容について、もし欲しい、見たいという方がいらっしゃる場合には、何らか別途対応していかざるを得ないという必要がございます。
    それから、今のところ対応できる局が限られております。ただ、工事設計につきましては、各局にまたがる内容でもございまして、各局がこの情報提供に対して一斉にその対応をしていくということはなかなか困難な状況になっております。つまり、2つの制度、開示請求によるものと、それから情報提供によるものと2つの種類が同時に行われていくので、これは利用者にとってはわかりづらいというデメリットがございます。
    資料については以上になりますが、こうした内容につきましては、できるだけ早い時期に試行という形で開始したいというふうに事務局では考えています。まだ調整を必要とする部署もございますので、実施の時期につきましてはあえて資料には明言はしていない状況になっております。
    内容につきましては以上です。
  • 堀部会長
    この工事設計書につきましては、ただいま説明がありましたように以前から議論してきたところですが、今回情報公開手続によらない情報提供ということで、そのやり方などについて説明をいただきました。質問、ご意見をお出しください。
    先程情報公開の利用者負担、手数料でデメリットのところで枚数が多いということで平均5,000円程度だということですが、手数料収入と情報提供の場合の実費弁償とで金額的にはどのくらいの違いというか、どうなりますか。
  • 横山情報公開係長
    費用対効果ですけれども、実はなかなかこれは、開示請求が本来業務で内在しているものだという位置づけもありまして、ストレートにこれに対してこうだということはお見せできないところが正直なところなんですけれども。
  • 堀部会長
    なかなか金額を出すのは大変だと思いますが、たしか前に開示請求の場合に、幾らですか、忘れましたけれども、このぐらい入ってきているという数字があったように思ったものですから。
  • 横山情報公開係長
    5,000円に対して幾らかということですか。全体ですね。
  • 堀部会長
    全体です。今までこれだけの件数、6,790件あると、情報公開手続で開示手数料とかコピー代とか、入る収入と、今度の情報提供の場合には実費弁償にした場合にはどのくらいになるのか、その違いがあるのか、ないのかということで。
  • 梅田都政情報担当部長
    昨年度の情報公開手数料の収入が年間で約2,700万円程度でございますが、これはもちろん総件数1万1,635件に対しての収入が約2,700万円になっております。今後試行予定の局がそのうち3,700件、しかも1件当たりの紙数が多いので、これが2,700万円のうちの何%を占めるかまでは事務局で把握していないんですが、2,700万円のうちのかなりの金額は占めるかと思います。ただ、先程も申し上げましたけれども、情報提供することによりまして、事前に準備しておくということで、職員が、これまでですと開示請求をいただいてから準備してコピーをするということで、1件当たりの請求に対して平均15時間程度かかっていたものが、CD-Rを既に用意しておくということによって、その時間を、CD-Rを提供する、見ていただくのでほとんど時間がかからないということで、手数料収入としてはかなり落ちると思いますけれども、職員の実質的な負担、いわゆる人件費の部分では下がっていくので、総体的に見れば、人件費を含めた費用で考えれば情報提供した場合のほうが効率的ではないかというふうに事務局では考えております。
  • 高橋委員
    メリットのところで、情報提供の場合は土木工事の契約締結において適正な積算による入札が期待できると書いてあるんだけれども、これは情報公開の場合はそれがうまくいかなかったということなんですか。そこのところがよくわからないのですけれども。それが一点。
    もう一つ、デメリットで、情報提供の場合は来庁しなければいけないという点があるということだったんですけれども、これはインターネットでアクセスするような形にはできないということなんでしょうか。それとどういう理由なのかなという、この2点、お願いします。
  • 横山情報公開係長
    まず1点目の契約締結において適正な積算による入札が期待できるということですけれども、情報公開でもほぼ内訳としましては開示で出ておりますので、こちらについては同様なところはあるんですけれども、ただ、情報提供で一般的に閲覧することによりまして、かなり公表されるといいますか、情報を求める人に対して周知できる可能性が広がるといいますか、そういうことで適正な積算による入札が期待できるということでとらえております。
    もう一点ですけれども、閲覧コーナーで来庁するのでアクセスできないかということですけれども、インターネットではつなげませんので、あくまでもCD-Rでそれを物理的に貸し出して、閲覧が可能なパソコンで見ていただく。あるいはご自分で持ってきていただいたパソコンにダウンロードしていただくという形を考えておりますので、インターネットでの接続は今のところ考えていないことになっています。
    インターネットの対応ですけれども、まだこのPDFファイルが一件ごとかなりボリュームがあるので、ホームページでの対応はなかなか厳しく、費用的にも開発が厳しいので、今のところはまだインターネットでの閲覧は対応ができない状況になっております。
    以上です。
  • 堀部会長
    藤原委員。
  • 藤原委員
    2つあります。1つは、私も高橋先生と一緒なんですけれども、メリットのところの土木工事の契約締結において適切な積算による入札が期待できるというのは、理屈はわかりましたけれども、外に説明したり議会に説明するときに誤解を結構招くのではないか。情報公開はどうなっているんだと、必ず質問が出るんじゃないかと思いますので、これは必要ないのではないかと思いました。
  • 横山情報公開係長
    ありがとうございます。
  • 藤原委員
    それから、先程14日というご説明があったのですけれども、逆に情報公開の場合だと、開示請求があってから確実に2週間以内でできているということなんですか。左の情報公開と右の情報提供を縦の軸で時間を走らせたときに、情報提供はやっぱり早いんだというイメージがあったのですけれども、それほどでもないのかということです。早いんじゃないかと思ったんです。
    最後ですけれども、デメリットの2つ目の情報を限定して提供しているため関連する他の内訳書を求められた場合には別途対応する必要があるという問題は、結局対象文書のところの請求者が求めるところと、局が指定したというところとの齟齬の問題だと思うのですけれども、それは、しかしながらこれまでの開示請求の実績でこういう情報が求められていますということに沿っていた内訳書をつくるのだから、ここも別途対応する必要が本当にどのくらいあるんだろうかということです。それほどのデメリットにならないんじゃないか。つまり、局が指定する内訳書は結局請求者が求めるものでつくっていかざるを得なくなるので、限りなく一致するのかなと考えるのです。つまり不服申立てがないということは、見たいものは限られているということだと思いますので、ここもそんなにデメリットではないんじゃないかという気はしました。
    CD-Rは有料というのは、業者に支払わなければいけないという意味での有料だということですね。
    以上です。
  • 梅田都政情報担当部長
    どうもありがとうございます。契約につきましては、藤原委員のおっしゃるとおりで情報公開の場合でも対応できていますので、これは消させていただきます。
    それから、情報公開につきましては、今のところ大体2週間、14日で対応しております。ただ、情報提供の場合は最初準備するのに入札後14日必要で、その後準備できてからですと情報提供が欲しいと言われたら閲覧でしたらすぐに対応できるし、CD-R複写が欲しいという場合は外注をしますけれども、その期間がまだ明確ではありませんが、約1週間程度を見込んでおりますので、今までですと、情報公開ですと2週間かかっておりますので、それを考慮しますと約1週間早くなると思います。
    それから、3点目の内訳書につきましては、確かに委員おっしゃるとおりで、これまでの実績を踏まえて情報提供させていただきますので、それほど欲しいものと、CD-Rに準備しているものとの情報の差はないかと考えております。そして、CD-Rは先程申し上げましたように外注して直接お支払いしていただくという形ですので、東京都の収入にはなりません。
    以上です。
  • 藤原委員
    なお念のためですけれども、インターネット接続のボリュームの問題ですけれども、今、送る制限がかかっているんですか、例えば添付ファイルの。
  • 横山情報公開係長
    送ること自体もそうです、重さについてはたしか制限があったと思います。中身もチェックが入っていたと思います。
  • 藤原委員
    それを超えるということですね、一般的なものは。
  • 横山情報公開係長
    まず、メールでのやりとりは想定はしていなくて、例えばホームページにファイルを添付する。よくホームページに出ている。
  • 藤原委員
    ダウンロードさせるという方式ですね。
  • 横山情報公開係長
    できればその形が望ましいかとは思うんですけれども、ホームページにアップさせること自体にもボリューム的にはかなり制限があるということで、その開発にも少し費用がかかるということで、なかなかすぐそれに対応できるということはできない状況になっております。
  • 藤原委員
    多分それができれば一番迅速だと思ったので、わかりました。
  • 堀部会長
    ほかにいかがですか。中村委員。
  • 中村委員
    先程の藤原先生のおっしゃったところと同じですが、つまり請求者が求める内容と、それから局が指定したという言い方、その違いです。それで情報を限定して提供しているとして、10種の項目を選んでいる。これは上限の数なんですか、そして請求を受けてきたものの内容の中で、その他関連するほかの求められた場合は、これまた大変な別途対応になっていく。こう三種類いろいろな言葉が使われると、どういうメリットがあって、対応していくためには、では、限定しないほうがいいか。そんなに10種に指定しないほうがいいじゃないかとか、いろいろ考えられてきてしまう。だから、限定というのはどういうことなんですか。
  • 横山情報公開係長
    限定してという表現が積極的にその情報提供していくというスタンスから見ると反対な表現になってしまったので、そういったご心配をいただくような形になってしまって申し訳ありませんでした。10種類というのはほぼ最大公約数でみて、これまでの請求で最大公約数でみれば、これまでの請求には賄える規模、要望を満たしているというふうに実施機関側ではとらえております。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    大量請求については、先程も説明がありましたようなことで、これまでも検討してまいりました。その一つの解決策として情報提供で対応するということについて、これは評価できる方法ではないかと思います。今後ほかの局がどのようなスケジュールで進むのか、進まないのかということもありますし、またこういう定型的に情報提供できるものがほかに、大量請求に応じてというよりも何かほかにあればそういうものもこういう形で情報提供していくということも全体としての情報公開という点からは考えられるのではないかと思いますので、引き続きご検討をいただきたいと思います。
  • 横山情報公開係長
    ありがとうございます。
  • 藤原委員
    今ので結構ですけれども、そうするとデメリットの2つ目というのは、正確に言うと、情報を網羅的に提供しているわけではないため、関連する他の文書が存在する場合には別途対応する必要がある、そういう意味ですね。
  • 横山情報公開係長
    はい、参考に修正させていただきます。
  • 堀部会長
    先程言いましたようなことで、方向性としてはこういうことでということでよろしいと思いますが、いろいろこのメリット、デメリットの書き方についても意見が出ましたので、今後いろいろな形でこれを使うことになると思いますので、少し修正していただくとよろしいかと思います。
  • 横山情報公開係長
    かしこまりました。
  • 堀部会長
    ということで、まずはアの工事設計書の情報提供については、ひとまず終わらせていただきまして、ほかにもありますので、次に、続きましてイとして、その他というのがあります。これにつきましてもまず梅田部長から説明をお願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    それでは、引き続きまして、資料2の説明をさせていただきますが、これまで運用上の問題ということで権利濫用について委員の皆様にご議論いただきました。その中で、審議会で取り上げた主な事例、あるいは裁判例というものがどちらかというと一回当たりの請求が非常に大量であって、開示に対応するのが困難というものでしたが、今回につきまして、昨今実施機関への苦情あるいは相談のかわりに何回も何回も開示請求をするというような方がいらっしゃいまして、結果として実施機関として多くの時間を費やさざるを得ないという実態がございます。もちろん情報公開条例の請求権という立場から見れば開示請求の回数というものに制限というものはございませんけれども、この開示の内容から見て、これが果たして適正な請求といえるのかどうかということで、ご意見、ご助言をいただければと考えております。
    それでは、資料につきましては横山情報公開係長から説明します。
  • 横山情報公開係長
    それでは、資料2、A4縦の資料をご覧ください。同一人物からの開示請求が多い事例ということで、事例を2つまとめさせていただきました。添付資料は別紙1とそれぞれ別紙2と添付しております。
    それでは、事例1ですけれども、公文書開示請求の対応としまして読み上げてまいります。開示請求の内容は主に児童の発達障害の定義に関するものや、発達障害者の就労支援、対応する職員の服務に関する文書を対象とし、類似する内容の請求を繰り返し行います。開示請求の内容が不明確なため、こちらから補正を求めますと、補正に応じるどころか、また新たな開示請求書を提出してまいります。絞り込むどころかどんどん広がっていくという状況です。それから、開示等決定の決定通知の後閲覧等の開示手続にはほとんど応じることがなく、開示手数料を支払うことなく、文書を見ることもないという状況になっています。開示決定等に対して対象公文書の確認もせずにほとんどの案件について直ちに不服申立てを出してくるという状況でございます。
    この方については、平成23年度の開示決定件数は26件で、うち不服申立てが18件、これはほぼすべてが教育庁の案件になっています。それから、24年度のこの人の開示決定件数ですけれども、24年12月現在ですけれども、80件ということで、うち不服申立てが36件、その内訳としましては、教育庁が24件、福祉保健局9件、生活文化局2件、総務局1件という状況になっております。
    続きまして、その下事例の2ですけれども、こちらは個人情報の保有個人情報に対する開示請求の対応としまして、事例を出しております。財産分与の問題の解決を図るために、開示請求や不服申立てという方法を用いて行政の関与を求めてきているものと思われます。当初は情報公開条例に基づく開示請求を行っておりましたけれども、現在は閲覧手数料がかからない個人情報の保護条例に基づく開示請求を行ってきております。東京都が明らかに保有していないことを本人が認識しながら開示請求を繰り返して行います。この非開示決定等に対して、決定内容も確認せずにほとんど直ちに不服申立てを行っているという状況です。最近の特徴としまして、平成24年以降請求者自身が行った110番通報や苦情申立てに係る110番処理簿、苦情処理簿等の開示請求が増加しておりまして、開示された文書の訂正を求める訂正請求を多数行っています。これが今106件ということになっております。訂正請求を行う場合は訂正を求める内容が事実に合致することを証明する書類等の提出または提示が必要であるところ、当該請求者が提示するものは訂正を求める内容とは全く関連のない、請求者自身の作文ですとか、訴訟資料、チラシ、レシート、観光マップ、カタログ、買物券といったものになっています。
    裏面にまいりまして、請求者自身提出する書面が「何々を証明する書類等」に該当しないことを認めておりますけれども、過去の訂正請求で提出した書面を再度提出したり、110番処理簿等の文書を閲覧することなくまた訂正請求を行うこともございます。実施機関では、訂正請求ごとに制度の説明と、それから必要な書面の提出を求めておりますが、請求者の態度は変わらず、真に訂正を求めている意思があるものとは認められない状況と認識しています。
    これらの請求に対し、これまで非訂正決定9件、却下決定97件を行っていますが、請求者はそのすべてに対して不服申立てを行っている状況です。平成23年度の不服申立て件数は114件、内訳としては、警視庁26件、福祉保健局23件、水道局13件、都市整備局12件、交通12件、主税局9件とご覧のとおりとなっています。平成24年度につきましては不服申立て件数が警視庁のみ19件となっておりまして、却下決定に対する不服申立ては除いておりますので、今は19件ということになっております。
    これに対して現時点における都の対応ですけれども、開示手数料を支払わない案件に対しては定期的に支払うよう催告を求めております。開示請求に係る一連の対応では、業務に支障を来す場合があるものの、開示請求者の権利濫用を理由に請求を拒否する対応は行ってはおりません。不服申立てについては、東京都情報公開審査会において類似する案件の併合審議を行うとともに、当該請求者以外の他の案件の審議状態に応じて弾力的な運用を図ることに努めております。
    説明は以上です。
  • 堀部会長
    権利濫用的なものであろうというようなことで、これも前から議論になっているところですけれども、具体的な事例で示していただきました。これにつきまして、質問、意見をお出しください。前から中村委員から適正な利用ということでいろいろご意見をいただいているところですけれども、いかがでしょうか。
  • 中村委員
    非常に具体的にA氏の場合の行動がわかる整理になっているので、適正云々ということを考える以前の問題が大きいケースではないかというふうに思います。そこで、審査会でもよくそういうことが以前ありましたが、直接審査会に来て意見陳述してもらう。もちろん時間厳守で。このA氏の場合、背景がよくわかりませんけれども、ほかの自治体でも似たようなケースが非常に多くて、かなり行政に対する不満が積もり積もったものになり、行政側の窓口対応だけでは納得しにくくなっている。一度そういう、これは職員ではない、審査会という外部の人たちが意見を聞き、判断する場があるという形をきちんとご説明なさって、そこに出てきてもっとA氏自身の話をしたらどうか、と言ってみたら。だから、あなたの言うことを直に話すという手続もある。そのためにはそれぞれ外部の人たちとの段取りをやっていって、そしてそれに応じるかどうかはあなた自身の問題だという、それを繰り返してみるというのはどうかなと思ったのですが。
  • 堀部会長
    審査会の委員も経験された立場から。
  • 中村委員
    目に見えないところで決定されるということではなくて、もっとこういう場面であなたの話を聞きます、と。
  • 堀部会長
    そうすると、それは審査会の問題ですけれども、質問として、情報公開条例の25条の意見の陳述等はしているのでしょうか。
  • 北原情報公開課長
    この方に関してはそういった口頭意見陳述は行っていません。過去にも、平成18年まではかなり請求も出していた方なんです。この人をそういった場に呼び出して意見を言ったらどうかということなんですけれども、来ると思います。
  • 堀部会長
    審査会もかかわっていますけれども、審査会としても対応はなかなか大変だろうというふうに推測いたします。
  • 中村委員
    ただほかの自治体の場合など、聞くところによるとやはりそういうケースで、職員を増やすこともしているなど苦慮しています。そうなるとやはりちょっと適正な利用から外れた問題ではないかと思うんです。
  • 堀部会長
    資料2の裏面の現時点における都の対応ということでこういうふうにまとめていますが、審査会との関係でのご発言もありましたけれども、権利濫用的なものだというようなことで何か対応するということまでは今のところは予定はないんですか。ちょっと微妙なところですけれども。
  • 藤原委員
    現実としては不可能ですけれども、23区では、請求段階の手数料を復活させたところがありました。まさしくこういう事例対応のために。でも、それは現実にはなかなかできない。
  • 中村委員
    先生がおっしゃる自治体の場合はどうなんですか。結果はどうなんですか。
  • 藤原委員
    来なくなったみたいです。
  • 北原情報公開課長
    最初の事例の方なんですけれども、やはりほかの県にお住まいなので、予告していつ行くからということで、そうすると各局対応して待っているという、そういう状態なんです。手数料等を支払っていませんから、それが積み重なると何万にもなってくるという状態が今あります。催告等はしているんですが、実際にそれに対して強制執行ということになると費用倒れですので、なかなかそこまではいかないということで、権利濫用といっても難しいと思います。権利濫用は、過去の事例については問題になりますが、これから行う請求に対して権利濫用で待っているわけではありませんので、なかなかそれを適用するというのは難しい。そういう状態です。
  • 高橋委員
    過去の手数料を全然払っていないような場合は、それを払ってください。まず払ってください。そうでない限りは新しいのは対応できませんということも言えないんですか。根拠がないということですか。
  • 北原情報公開課長
    請求するときにそれは言っていると思うんですけれども、それは無視されているというのが今の状況なんです。
  • 高橋委員
    無視されているじゃなくて、こちら側でこれに対応するためには今までのを払ってもらわないとできないですと言って、あとを対応しないということはできないんですか。
  • 北原情報公開課長
    それも考えていると思うんですけれども、実際来て対応するとその辺のところがうまくいかないというか、行政側も引いてしまうところがあるという面もあると思います。なかなかそれがうまく機能していないという感じがします。
  • 梅田都政情報担当部長
    今の条例で高橋委員がおっしゃられたような対応というのは、事務局は難しいのかなと思ってそこまでは対応していないんですけれども、審議会としてはそこまで対応しても特に条例上問題ないということであれば、そういう対応も今後考えていく余地はあるのかなと思います。
  • 中村委員
    4条の一般法理というのはどうなんですか。
  • 堀部会長
    それを聞こうかと思ったんです。
  • 梅田都政情報担当部長
    一般的な適用の中でそれが事務局として対応してよろしいということであればそれは今後検討したいと思います。
  • 堀部会長
    条例に規定するということはできませんので、どうしてもこれまでのいろいろな経験から条例、条文というのはできていますから、それ以外に一般的な法理で、しかも開示手数料も払わないということであれば、それを払うまでは受け付けないとか、何かそういうことができるかもしれません。そこはおそらく、話を伺っていると窓口の対応が相当大変なのではないかと思うんです。
    いろいろな自治体でそういうことがあるので、どうするのかというのは難しいんですけれども。
  • 藤原委員
    これは原課が困っているんですね。情報公開課のところで一日座っているという話ではないんですね。
  • 高野個人情報係長
    そういう場合もあります。基本的には情報公開課が仕切った上でそれぞれ請求の対象となる局を呼んで対応しますので。
    一つ質問をさせていただきたいんですが、情報公開条例は基本的には本人確認をしないわけで、あくまで請求書のところに記載されている住所と氏名のみで、実態としては同じ人間が来ていますのであなたこの間払っていませんと言えるんですが、法的に考えた場合、あくまで一枚一枚の請求書に記載されていることに関しての不払いというものを記載されている住所の人間に対して行うことはできても、その次に来ている新規の、今窓口に来ているあなたと前の請求者が、不払いであった請求者と同一だということをそこで言っていいのかというところも一つ法的には問題があるのか。個人情報の場合には本人確認を行政が必ずしますので、つまり、前の請求者と今回の請求者は同じだということはわかります。ところが、顔ではわかりますけれども、一応基本的に情報公開条例は誰であってもいいわけなので、その辺のところが果たして条例上に明記されていない一般の法理であなたは今までお金を払っていないんだから今回新しい請求は受け付けないですというふうに、あなたがあなただということを決めつけていいのかというところの根拠が私はどうなのかなと前から思っているところなんですが、その辺はいかがなんでしょうか。
  • 藤原委員
    請求書を書かないんですか。
  • 高野個人情報係長
    請求書は書いてあっても、例えば住所が仮に同一であったとしても、その人と前の請求書に書かれているその人が同一人物であるという担保は別に行政は本人確認はといっていませんので、あくまで同じ住所と同じ名前の請求書が2枚出てきているだけです、形としては。
  • 藤原委員
    ただ、本人のことを追ってはいけないというのは、情報公開の場合は運用のときにどういう意図でということですね。どんな意図で請求してくるんだというようなことを問うのはやめる、そういう制度ではないということなので、事務実施上の手続について同一性が確認できないわけはないという、普通の行政事務として考えてもいいんじゃないかと思いますけれども。
  • 高野個人情報係長
    それはあくまで、要は債務を履行しないということに関しての事務手続上の問題でということですね。
  • 藤原委員
    そうですね。情報公開制度の本旨に反するような形での、所属とか、人物の同一性を同定してはいけないというお話だと思うので、通常の債務の話をしてはいけないという話ではないと思いますけれども。
  • 高野個人情報係長
    要はその人の、例えば請求の傾向だとか、そういったものを見るための名寄せみたいなものはいけないけれども。
  • 藤原委員
    それはいけないという議論ですね。
  • 堀部会長
    大変ご苦労されているということはよくわかりますし、今日出た意見でも、ですから、条例にすべて明文化されていないものというのはいろいろありますので、それを補完するような他の法理で対応することも検討してもよろしいのではないだろうかというのがここでの大方の意見であったというふうに思いますが。
  • 藤原委員
    やっぱり一般法理になってしまうんでしょうね。さっき審査会とおっしゃったけれども、余り生産的な話ではない。だとすると、逆にこういう人に対処するのに、情報公開制度に乗せるのか、オンブズマン的な苦情処理一般に回すのか、あるいはほかのルートに乗せるのかという選択の問題で、今のところ情報公開のところにどうしても来るということですね。他の苦情処理制度とか行政相談に回したらそれはそれでまた議論が出ますね。であるとすると、残るのは一般法理としての濫用に当たるかどうかという議論になると思うんですけれども。
  • 堀部会長
    引き続きご検討いただいて。
  • 中村委員
    さっきおっしゃった債務不履行という部分はどうなるんですか。
  • 藤原委員
    普通一般的な濫用のときの悪性を特定する理由の一つになるということです。
  • 中村委員
    ただ、そうやって対応していくのには都としては金がかかり過ぎると。
  • 北原情報公開課長
    法的な手段をとるとすると、費用対効果の面から見ますと、手数料ですので、どういった法的手段がとれるかという問題があります。
  • 高橋委員
    手数料の催告をしたり強制執行で裁判でということを考えたらとてもコストベネフィットで得にはならないと思います。一番簡単な方法は、やっぱりそれまでの手数料を払わない限りはこれ以上対応できませんということ、そういう窓口対応をするということだと思うんです。それはさっき藤原委員が言われたように、別にその人物を同定しているというふうに考える必要はないんじゃないかと私も思います。
  • 堀部会長
    いろいろ意見が出ましたが、実際に対応される方は大変だと思いますけれども、何らかの対応をしていただきたいと思います。
    それでは、もう一つの報告、存否応答拒否につきまして、事務局から説明をお願いします。
  • 藁谷情報公開担当係長
    それでは、引き続き存否応答拒否について、ご報告させていただきます。
    まずは、お手元の資料3をご覧ください。今回報告させていただきますのは、全部で29件の存否案件となります。うち情報公開につきましては8件、個人情報につきましては21件となっております。
    なお、前回7月の審議会には16件のご報告をさせていただきましたが、前回から期間が若干空いておりますので、件数も多くなっているという状況がございます。
    それでは、お手元の資料に沿いまして簡単に、まずは情報公開から、その後に個人情報については個人情報係長からご報告させていただきたいと思います。
    まず、情報公開についてです。1から8までが情報公開となっております。既に委員の先生の皆様におかれましてはご承知かと思われるんですが、この○○という伏せ字になっている部分は個人名であったり、団体名又は法人名ということで、名指し請求ということになっております。情報公開においては名指し請求については存否応答拒否という対応をさせていただいているところでございます。
    それでは1件目ですけれども、こちらはその代表的な例で、団体名、個人名を指定して、この者あるいは団体が東京都に対して提出した異議申立書及び当該異議申立てに対する決定文書という請求でございます。本件につきましては、この者あるいは団体が異議申立書を出したか否かということは、個人情報あるいは法人情報ということで存否応答拒否をさせていただいております。
    2件目、これも法人の名指し請求でございます。東京都に特定の会社が相談したか否かという情報は、法人情報であって、相談というのはそもそも開示されないという前提で法人が相談に来ておりますから、法人が相談を躊躇するようになったりということで、法人情報あるいは都と法人との信頼関係が損なわれるということで6号上の支障も出るということで3号と6号で存否応答拒否をさせていただいております。
    3番の特定警察官の氏名を名指しして、これと連動しまして、3、4、6もすべて同様の趣旨の開示請求となっております。警察官の氏名につきましては管理職を除いては非開示としているところでございます。特定の者が警察官であるか否かを答えることによって、今後の捜査活動に支障が出る、あるいは個人情報を開示するといったことで、2号と4号で存否応答拒否をさせていただいております。
    5番についてでございます。こちらは少しわかりづらいんですけれども、特定の個人が提出した固定資産税の住宅用地等申告書ということで、存否応答拒否をさせていただいております。土地の利用状況というのはそもそも土地所有者からの申告によるところでございます。外観からでは土地の利用状況の判断が難しい場合には、土地所有者からの申告の有無によってその土地を住宅用地として使用しているのか否かがわかり、住宅用地に認定された場合には税の軽減がなされる。その結果土地の税額が推察できることとなるため、個人の財産状況がわかり、個人情報に該当する。また土地の利用状況の申告内容は土地所有者からの協力によって得られるものであるので、これを公にすることにより納税者との信頼関係が損なわれ、今後の協力が得られなくなるおそれがあるということで6号に該当ということになっております。
    2)も若干わかりづらいんですけれども、こちらは土地の所在地を特定しての土地評価額一覧表ですとか、内訳資料、縦覧帳簿といった書類となっております。このそもそも一覧表に載る土地というのは課税対象のみが載り、非課税対象についてはそもそも載っておりません。したがって、これらの文書の有無を答えることによってその土地の課税、非課税が明らかになって、個人が所有する財産に係る情報を開示することになり個人情報に該当する。6号上の支障といたしましては、主税局が保有する課税に関する情報を公にすることで納税者との信頼関係が損なわれ、今後の税制行政に支障を来すおそれがあることから、行政運営情報にも該当するといたしまして、存否応答拒否をいたしました。
    続きまして、7番でございます。これはやはり特定の行政書士の氏名を名指ししての請求となっております。こちらの懲戒請求、懲戒処分につきましては公表しておりません。ですので、ある、なしについても答えられないといった2号で存否応答拒否をしております。
    8番につきましても、特定の医師の氏名を名指しして、この者の薬事法違反等に関する調査、指導の内容が記載された文書一切ということになっております。この者が薬事法違反の調査の対象となったか否かということは個人情報であり、存否を答えることはできないということで、2号で非開示とさせていただいております。
    情報公開につきましては、以上でございます。
  • 高野個人情報係長
    続きまして、個人情報保護条例17条の3に基づく存否応答拒否の内容について説明をさせていただきます。お手元の資料の番号9番以降になります。件数が多いので、概略の説明をさせていただきます。
    9番、それから16番から22番、これはすべて同一の人物の請求でございまして、内容といたしましてはDVの関係でございまして、DVをやった側がDVを訴えて相談に行った側の情報の内容を探索的に請求をしているというようにご理解いただければおわかりいただけるかと思います。相談に行ったのは配偶者の側ということになります。また、別の形で別の請求者で、11番、これもやはりDVの案件になります。内容といたしましては同様で、やはりDVの行為者側がDVを受けた側の相談の内容を探索的に請求をしているという内容になります。
    また、10番、12番から15番、25番、27番、これはやはり別のまた同一の人物の請求の案件でございます。これにつきましては、ご自分のお子さんに対しての請求なんですが、お子さんに対してのいわゆる虐待的な行為によってお子さんが施設に入所されるという状況の中で、お子さんの施設における状況であるとか、どこの施設に入っているのかということをやはり探索的に請求をしているという、繰り返し、繰り返し行っているという内容のものでございまして、いずれも探索的な請求に対しての存否応答拒否という形をとらせていただいているという事例です。
    それから、23番、これは教育の事例でございまして、これは先生が再任用で実際にまた先生としてお勤めになるかどうかということに関して、その先生がお辞めになる前に勤めていた学校の校長先生がその先生を推薦するかしないかという書面の関係なんですが、これは推薦しない理由書と書かれていますけれども、推薦をしない場合だけがこの書類が存在することになりますので、ある、なしを答えれば推薦したかしなかったかということが直ちにわかってしまうということで、校長先生がその先生の推薦を行ったかどうかということを知らせることになってしまうので、これは存否応答拒否という形で行っているものです。
    残りなんですが、例えば110番の通報記録とか、生活相談処理結果に関しての請求というのは、第三者が通報したり相談したりした内容に対しての請求という形になりますので、これもやはりその方がそもそも相談をしたとか、しなかったとか、通報したとか、しなかったということを明らかにすることはできないということで、存否応答拒否を行った事例でございます。事例の番号といたしましては26番とか、それから29番がそれに該当いたします。
    雑駁ではございますが、個人情報保護条例に基づく存否応答拒否につきましては、以上でございます。
  • 堀部会長
    ただいまの説明につきまして、質問、ご意見をお出しください。
  • 藤原委員
    情報公開の5番目の土地評価額一覧表は、○○に係るというのと、制度が違うという前提ですか。土地評価額は路線価であればインターネット公開を部分的にするので。ほかの内訳表はわかるんですけれども、評価額の一覧表は、路線価であれば税務当局は公開しているのではなかったかと思ったので、住所の特定が何丁目何番地だけれども、地図を見ると大体わかるはずだったと思ったのですが。課税地にかかるもので、それとは違うということでしょうね。
  • 藁谷情報公開担当係長
    こちらは実施機関、主税局からの報告によりますと、この文書というのは課税されている土地のみが記載されている一覧なので、文書があるかどうかを答えると、その土地が課税地かどうかがわかってしまうという理由です。
  • 藤原委員
    特定の公務員の方がねらい打ちされている部分は不存在にしているんですか、東京都は。対応とか。
  • 横山情報公開係長
    A氏の請求の内容ですね。資料でいきますと24年度で別紙1-2の2枚目の35、6、7、8になるかと思うんですけれども、36からです。ご質問は37でしょうか。
  • 藤原委員
    いえ、こういう請求が蓄積してくると、濫用を適用している自治体がなくはなかったのでという、それだけです。
  • 横山情報公開係長
    ありがとうございます。
  • 藤原委員
    公務員の異動に伴ってその方についていくような請求があったんですね。さすがにそうなるとそれは濫用だろうという自治体があったのでご紹介をしました。
  • 横山情報公開係長
    ありがとうございます。
  • 堀部会長
    ほかにいかがですか。特にないようですので、本日議事として予定しましたものは以上です。全般にわたり、あるいは個別の問題でも何かご発言があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。特になければそろそろ終わりにしたいと思いますが、よろしいですか。
    それでは、第54回東京情報公開・個人情報保護審議会は以上で終わらせていただきます。
    どうもありがとうございました。

午前11時33分 閉会

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